著者
落合 博之 登尾 浩助 太田 和宏 北浦 健生 北 宜裕 加藤 高寛
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.13-17, 2011 (Released:2021-08-30)
参考文献数
8

土壌への熱水の浸透が均一でない圃場における研究では,温度分布の状況把握が行われていない.本研究ではサーモグラフィーを用いて熱水土壌消毒後のハウス内での熱水散布時における地表面温度分布について調べた.同時にセンサー埋設での埋め戻しによる土壌状態の変化によって起こる土壌中の水分移動の影響を温度変化を指標として評価した.熱水散布後,ハウス内全域で地表面温度分布がほぼ一様であることがわかり,これまで行ってきた 1 点での温度測定がハウス内全体の代表値となりうることがわかった.また,センサー埋設のために掘った穴の埋め戻し部表面では,熱水の浸透の影響と耕盤層破壊の影響で他の場所より温度が高くなった.このことより,埋め戻し部から選択的に熱水が浸透して深層土壌で不均一になることがわかり,不適切な埋め戻しが土壌水分量や地温の測定値に大きく影響する可能性があることがわかった.
著者
落合 博之 登尾 浩助 北 宜裕 加藤 高寛
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.9-12, 2009 (Released:2021-09-05)
参考文献数
14

土壌消毒の中心であった臭化メチルの使用が全面禁止され,それにより低負荷消毒法として熱水土壌消毒法が脚光を浴び始めた.しかし,熱水土壌消毒法は,新しい消毒法のため研究例が少ない.そこで本研究では,硝酸態窒素と塩素,亜硝酸態窒素,アンモニウム態窒素の濃度変化を調べた.実験は,温度90 ◦C の熱水を土壌に 204 L m−2 供給し,熱水消毒前と熱水投入 9 日後,熱水投入 3 ヶ月後の溶質濃度を,地表面から深さ 40 cm まで 5 cm 毎に採土後,土壌溶液を抽出し,土壌溶液中の溶質濃度変化について調べた.その結果,熱水消毒により溶脱が促進された.また,熱水投下から 3 ヶ月後に,硝酸態窒素,塩素,亜硝酸態窒素は,30 cm 以深で溶質濃度の増加が見られた.一方アンモニウム態窒素は,熱水により硝酸化成菌が死滅したためにはじめはほとんど変化がなく,時間経過と共に硝酸化成菌の復活 により深層で減少したと考えられた.
著者
中田 貴大 牧野 英記 加藤 高英 仙波 真由子 河野 幹寛 梶原 浩太郎 伊藤 謙作 濱口 直彦 兼松 貴則 横山 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2206-2211, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
7

陰圧性肺水腫(negative pressure pulmonary edema:NPPE)は,上気道閉塞に伴う胸腔内圧の急激な低下により発症する非心原性肺水腫である.診断や治療の遅れは致命的になる可能性があるが,速やかな診断と治療を行えば,短時間で大きな合併症もなく回復することができる.日常診療において内科医が本疾患に遭遇する機会はあり,忘れてはならない疾患の1つである.痙攣発作後に持続する低酸素血症の際には,NPPEを鑑別の1つとして挙げるべきである.
著者
村井 祐一 桝田 修一郎 加藤 高清 諸角 建 野田 健一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.111-112, 1992-02-24

移動物体を発見したり,動きのパターンや形状の時間的変化を調べるために,テレビカメラにより速続して撮られた画像を高速に解析する技術が進んできている.この技術を利用して野球のピッチャーが投げるボール像を2台のテレビカメラで観測し,ボール位置変化の精密計測,ボールのバッター平面到達位置の予測,ロボット捕球,ロボット打球等の高度処理を行うシステムの構築が可能と考えられるようになった.また飛球の速度計測や,ストライク・ボールの判定などは既に実用化されているが,本研究ではより高度な機能を持つ詳細飛行軌跡の観測システムをステレオビジョン方式を基に構築し,最終的にはロボットキャッチャーに捕球させたり,ロボットバッターに打球させることをめざしている.
著者
北西 允 清野 惇 倉持 孝司 豊田 博昭 植田 博 大熊 忠之 上谷 均 山田 浩 川内 つとむ 盧 雲 揚 磊 田 平安 廖 俊常 余 久隆 聶 天こん 呉 耀森 劉 澤貴 姚 登魁 魯 国棟 ちゅ 明れん 劉 永誉 胡 澤君 趙 長清 閻 培 つう 明理 吉川 栄一 市川 太一 安井 威興 大賀 祥充 石外 克喜 片岡 直樹 吉川 元 加藤 高 董 しん 杉田 憲治 高 紹先 上野 裕久 YANG Lei RYU Ini TAN Pinan RYU Zukui 楊 磊 聶 天貼
出版者
広島修道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

1 政治・法意識の比較研究 広島修道大学法学部の新入生及び4年次生に対しては1989年4月、西南政法学院の学生に対しては同9月、アンケ-トによる異識調査を行なった。その後中国では意識調査ができなくなってしまったが、修道大学の新入生に対しては、同12月追跡調査を行なった。1991年度に追跡調査を行なうべく中国側と話合いを重ねたが、中国政府が意識調査を禁止しているとの情報もあり、遂に実現できなかったのは残念である。しかし、1度ではあるが中国の学生の政治・法意識の調査が行なえた意義は大きく、その後も中国で意識調査が行われないためかえってこの調査結果は貴重である。調査結果の分析は、修道大学の研究叢書として、来年3月までには発表すべく作業を進めている。2 日中法制度の比較研究 日中両国の研究分担者がそれぞれ個別に或は共同して研究し、各年度双方から5名づつ計30名が相手国を訪れ、裁判所、議会、市役所、大学のほか刑務所、登記所等も視察し、関係者に質疑を行ない、法施行の実態を見、まだ研究会をもった。そのほか、政法学院の楊磊研究員は1988年9月から2年間修道大学客員助教授、その後今月まで非常勤講師として、合計3年半、広島大学の片岡直樹研究員は1990年4月から政法学院に留学生として1年、ともに相手国の研究員と共同研究を行なって来た。3 研究成果の発表 10に記載のとおり、これまでの研究成果の1部は既に杉田憲治が3本、片岡直樹が1本、加藤高(楊磊と共沢)が1本、楊磊が1本、計6本の論文として発表しているが、更に全員の共同研究の成果としては、修道大学総合研究所発行の広島修道大学研究叢書として、1993年3月までに『日中学生の政治・法意識』、1994年3月までは『日中両国法制度の比較法学的・法社会学的研究』の2著を出す予定である。