著者
宮本 毅 中川 光弘 長瀬 敏郎 菅野 均志 大場 司 北村 繁 谷口 宏充
出版者
東北大学東北アジア研究センター
雑誌
東北アジア研究 = Northeast Asian studies (ISSN:13439332)
巻号頁・発行日
no.7, pp.93-110, 2003-03-31

Baitoushan volcano (Changbaishan volcano in China), situated on the border between China and North Korea, is one of the most active volcanoes in mainland Asia. The volcanism is divided into three stages, firstly the shield volcano-forming stage effusing large amount of basaltic lava flow, secondly volcanic cone-building stage consisting of trachytic magma, and finally summit caldera (called Tianchi caldera)-forming stage erupting the vigorous alkali-rhyolitic pyroclastics. Tianchi caldera has been formed by some huge eruptions (10th century, 4000yBP eruption and more) since Pleistocene. In caldera-forming stage, the time sequence of such huge eruption progress from Plinian pyroclastic fall to following large pyroclastic flow (ignimbrite). Based on our geological and petrological studies and Radiocarbon dating about wood and charcoal samples in pyroclastics, we found that 9th century eruption, unknown until now, has occurred before 10th century eruption. From the relation of stratigraphy and radiocarbon age the dormancy between this episode and 10th century one is estimated about a hundred year. The time sequence and eruptive style of this new episode is similar to 10th century eruption, but the magma composition is different.
著者
原田 亜紀子 杉原 数美 渡部 容子 山路 誠一 北村 繁幸 太田 茂
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.10, pp.1185-1196, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
22
被引用文献数
8

Aryl hydrocarbon receptor (AhR) ligand activity of the extracts of 62 herbal medicines was examined using yeast reporter assay. Fifty-eight herbal extracts exhibited AhR ligand activity. The highest activity was observed with Ogon (Scutellariae Radix), followed by Oren (Coptidis Rhizoma), Kujin (Sophorae Radix) and Shoma (Cimicifiigae Rhizoma). When these extracts were treated with hesperinase, a hydrolase for sugar conjugates, the aglycones showed higher activity than the parent extracts. Among the constituents of Ogon extract, baicalein and wogonin showed AhR ligand activity, while the sugar conjugate of baicalein, baicalin, was inactive. Among the flavonoid components of these herbal medicines, flavone and chrysin exhibited high ligand activity for AhR. Ethoxyresorufin O-dealkylase (EROD) activity due to CYP1A1 in HepG2 cells was enhanced by the addition of baicalein. Baicalein also decreased the 3-methylcholanthrene-induced increase of EROD activity, but this effect was not statistically significant. When wogonin or baicalein was orally administered at the dose of 100 mg/kg to mice, EROD activity in liver was only slightly changed. Furthermore, when Ogon extract was co-administered with 3-methylcholanthrene, the EROD and methoxyresorufin O-dealkylase activities were not significantly changed. These results indicate that many herbal extracts have AhR ligand activity, and their inducing effect on CYP1A1/2 can be evaluated in HepG2 cells.
著者
北村 繁幸 佐能 正剛 清水 良 杉原 数美 藤本 成明 渡部 容子
出版者
日本薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

生活用品に含まれる化学物質は日常生活を豊かにするうえで欠かせない。生活用品には、防腐剤、品質の維持、着色料、着香料、柔軟剤、可塑剤、紫外線吸収剤や難燃剤などがあり、多かれ少なかれ化学物質が含まれている。本研究課題では、生活用品に含まれる化学物質を広く取り上げ、生体機能維持に重要な働きをする核内受容体に対する活性化についての検討を行った。その結果、幾つかの化学物質が核内受容体を活性化することを見出した。さらに、それぞれの核内受容体の活性化に対応したシトクロムP450分子種が誘導されることを明らかにした。また、近年使用量が増えているリン系難燃剤が薬物代謝酵素活性へ直接的な影響を及ぼすことを示した。
著者
北村 繁幸 浦丸 直人 井上 俊夫 鈴木 祐子 尾崎 ひとみ 杉原 数美 太田 茂
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第38回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.20067, 2011 (Released:2011-08-11)

【目的】パラベン類(p-hydroxyalkylbenzoates)は、抗菌作用を有し保存料として食品、化粧品、医薬品等の様々な製品に使用されており、とくに化粧品中では最も頻繁に使用されている防腐剤である。化粧品の特性上、直接皮膚に使用するため、接触皮膚炎などのアレルギー症状が問題となっており、化粧品成分中の防腐剤が感作性物質(アレルゲン)になることが懸念されている。本研究では、パラベン類のアレルギー反応及びアレルギー反応へのパラベン類の代謝の関与を明らかにすることを目的とする。 【方法】代謝実験に供したラット肝ミクロゾームはSD系ラット肝より調製した。被検化合物はラット肝ミクロゾームと共に反応させ、代謝生成物であるp-ヒドロキシ安息香酸をHPLCにて測定した。抗原性試験はモルモットの皮膚反応にて検討した。被検化合物のヒスタミン遊離実験には、Wistar系ラットの腹腔から精製したマスト細胞を用いた。被検化合物をマスト細胞と共に反応させ、遊離したヒスタミンをHPLCにて測定した。 【結果および考察】代謝実験では、ラット肝ミクロソームはパラベン類に対して加水分解活性を示した。ブチルパラベンにて感作したモルモットおいて、ブチルパラベンでは弱いながら皮膚紅斑が認められた。p-ヒドロキシ安息香酸では、濃度依存的なマスト細胞からのヒスタミン遊離作用が認められた。一方、ブチルパラベンでは、低濃度域ではヒスタミン遊離作用は認められないものの高濃度域では認められた。ブチルパラベンにおけるアレルギー反応の発症には、p-ヒドロキシ安息香酸への代謝反応の関与が考えられる。
著者
北村 繁 伊藤 伸幸 柴田 潮音
出版者
弘前学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

従来、中米・エルサルバドル共和国中部に位置するイロパンゴ火山で4世紀頃に巨大噴火によって、広い地域で火山灰が厚く堆積し、当時の古代メソアメリカ文明は壊滅的な影響を被ったとされてきた。本研究では、火山灰の堆積状況を現地で調査した結果、壊滅的な被害を被ったのは、火砕流が到達した火山から40km 程度の範囲、および、土石流が流下したレンパ川下流域などに限られ、それ以外の地域では、火山灰の堆積量が少なく、壊滅的な影響が生じなかった可能性が高いことが明らかとなった。
著者
北村 繁
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.69, 2019 (Released:2019-09-24)

空中写真(ステレオペア写真)の実体視による地形判読は、それをきっかけに、地形に関心をもつ学生も少なく無いため、教育的な効果も非常に大きいが、従来、ステレオペア写真を実体視にはある程度の訓練が必要で、大学での受講者十数人〜数十人の一般教養科目や教職科目の講義では、受講者全員が実体視できるまで時間をかけることは難しかった。また、鮮明な画像を提供できる教材の製作も難しかった。そこで、鮮明な画像を表示でき、また、近年急速に普及が進んでいるスマートフォンと、スマートフォンに画像を提供できるオンラインストレージ、さらにスマートフォンで3D映像等を簡単に見ることができるVRメガネを用いることで、十数〜数十人の受講者からなる一般教養科目や教職科目の講義においても、より簡単に空中写真を実体視し、講義時間中に地形判読を可能にする教材を作成した。これを実際の大学の講義で使用したところ、ほぼ全員の受講者が、ごく短時間のうちに空中写真を実体視し、地形を把握することができたことから、今回作成した教材は、般教養科目や教職科目の講義における地形の教育において効果的とみることができる。
著者
北村 繁 エルナンデス ウォルテル プリンジャー カルロス マティアス オトニエル
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.100, 2007

<BR> コアテペケカルデラ(Lat. 13.87N, Long. 89.55W; 11.5 x 6.5 km)は中米北部にみられる5つの大規模カルデラ火山のひとつで、エルサルバドル共和国の首都・サンサルバドル市の西南西約40kmに位置している。これまで、3回の大規模噴火により、Bellavista, Arce, Congoとよばれる降下軽石および軽石流を、それぞれ77ka、72ka、および、56.9kaに生じたことが知られてきた(Pullinger, 1998; Rose, et al., 1999)。<BR> これらのうち、Bellavista降下軽石および軽石流は、カルデラ周辺にのみ分布が知られている。一方、Arce降下軽石は、エルサルバドル西部地域で見出される最も顕著な降下軽石層で、黒雲母と角閃石に富むため野外での認定が容易で、カルデラ周辺から西方一帯に広く堆積することが知られてきた。また、その下位には、グァテマラ南部~エルサルバドル西部に分布するHテフラ(84ka)が見出されている。Congo軽石流は、カルデラ周辺に厚く堆積しており、Congo降下軽石もカルデラから西方への分布が知られている。<BR> これに加えて、近年、Congo降下軽石より上位に、Atiqui- zaya降下軽石(kitamura, 2006)、および、Conacaste軽石流堆積物(Hernandez & Pullinger, 未公表資料)が見出された。従来、これらは、それぞれ、Congo降下軽石および軽石流堆積物の一部とみなされてきたが、Congo 降下軽石あるいは軽石流堆積物の上位に、明瞭なロームをはさんで堆積していること、最下部に桃白色の細粒火山灰(Turin火山灰)を伴っていることから、Congo降下軽石および軽石流堆積物と異なる噴火による堆積物であることが野外で認定できる。また、Atiquizaya降下軽石とConacaste軽石流堆積物は、それぞれ独立に見出されたが、上述したような層位的特徴からみて、両者は同じ噴火の産物であると考えられる。Congo降下軽石および軽石流堆積物、ならびに、Atiquizaya降下軽石およびConacaste軽石流堆積物は、いずれも角閃石と斜方輝石に富む。<BR> 一方、コアテペケカルデラの西北西150kmに位置するグァテマラ市周辺では、従来よりA1、および、A2テフラと呼ばれる火山灰が知られてきた(Koch & McLean、1975)。いずれも数cm程度までの厚さの白色細粒火山灰であるが、A1テフラは、黒雲母と角閃石に富み、A2テフラは、角閃石と斜方輝石に富む。A1テフラは、上述のHテフラの上位に、Cテフラをはさんで堆積しており、A2テフラは、A1テフラの上位に堆積している。また、A2テフラは、23kaとされるBテフラの下位に、Eテフラをはさんで堆積している。したがって、A1およびA2テフラは、コアテペケカルデラ起源のテフラと対比を検討すべき層位にある。<BR> 本研究では、コアテペケカルデラから20km程度までの地域、ならびに、グァテマラ市付近の数地点の露頭から試料を採取し、各テフラの火山ガラスの化学組成を比較することにより、対比を検討した。分析には、弘前大学理工学部地球環境学講座の波長分散型X線マイクロアナライザーを用い(加速電圧15kv、ビーム電流3x10<SUP>-9</SUP>A、ビーム径10μm)、ガラス片を10~30個程度分析して、平均と標準偏差をもとめた。<BR> 化学組成分析の結果、Congo降下軽石および軽石流堆積物と、Atiquizaya降下軽石およびConacaste軽石流堆積物については、互いに火山ガラスの化学組成が類似していることが判明した。一方、これらのテフラと、Arce降下軽石、Bellavista降下軽石および軽石流堆積物の火山ガラスの化学組成は、Harker図上で、互いに異なった分布を示すことから、明瞭に判別される。グァテマラ市周辺で知られてきたA1、A2テフラの火山ガラスの化学組成の分析結果をHarker図上で、これらと比較すると、A1テフラはArceテフラと、A2テフラは、Congo降下軽石・軽石流堆積物と、Atiquizaya降下軽石・Conacaste軽石流堆積物と類似した化学組成をもつことが判明した。<BR> 本研究で得られた化学組成、ならびに、従来より知られていた層位、鉱物組成からみて、A1テフラとArceテフラ、A2テフラとCongoテフラまたはAtiquizayaテフラは対比される可能性が極めて高い。すなわち、Arceテフラ、および、CongoまたはAtiquizayaテフラのいずれかは、約150km離れたGuatemala市まで到達していたとみられる。また、グァテマラのCテフラの年代は、約72ka以前で、Eテフラは、およそ57ka以降であるとみることができる。
著者
杉原 数美 太田 茂 北村 繁幸 西嶋 渉
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、先ず近年環境汚染が懸念されはじめた医薬品の日本の河川における汚染実態を調査し、生活雑排水や簡易浄化槽処理水が流入する二級河川で一級河川より高濃度で検出されることを明らかとした。さらに、医薬品は環境中での動態が調査されておらず、環境中における代謝分解などの受けやすさ、代謝分解物の毒性変動などは不明である。本研究では、化学物質の分解代謝にかかわる環境因子として紫外線による医薬品分解とその生物毒性変動を調査し、毒性が発現する医薬品があることを明らかにした。