著者
坂井 一雄 谷 卓也 青木 智幸 岸田 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F1(トンネル工学) (ISSN:21856575)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.76-91, 2021 (Released:2021-09-20)
参考文献数
49

山岳トンネルの安全かつ経済的な施工には,切羽前方の地山状況を精度よく予測して,必要に応じて予防保全的な対策工を講じる事が重要である.これまでに筆者らは,日常の施工管理の一環として,簡易に実施できるトンネル天端部の傾斜計測によって,切羽前方地山の硬軟変化を予測する手法を考案し,数値解析や現場計測試験で妥当性と有効性を確認してきた.本論文では,提案手法によって切羽前方地山予測を実現できる条件を明確化する目的で,土被りや地山剛性をパラメータとした感度解析を実施した.また,傾斜計測による地山状況予測結果を,変形余裕量の設定や補助工法の検討に対して実務的に活用することを目指して,傾斜角度から天端沈下量を定量的に推定する方法を検討し,現場実装試験の事後評価で有効性を確認した.
著者
大津 宏康 見掛 信一郎 井尻 裕二 坂井 一雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.101-114, 2006-12-05 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

亀裂性岩盤中でのトンネル掘削においては, 断層破砕帯等の不良地山の出現や突発湧水の発生等により, 多大なコストオーバーランおよび, 長期にわたる工期延長を余儀なくされた事例が数多く報告されている. そのため本研究では, 筆者らがこれまでに示してきた地盤統計学を用いて推定する掘削コストに, 破砕帯の出現あるいは突発湧水等の発生に対する対策工の施工に要するコストを加えた建設コストを推定する手法を提案することを目的とする. 建設コスト評価手法においては, 金融工学分野で用いられるリスクという概念を導入し, リスクカーブや, バリューアットリスクといった評価手法を用いる. 具体的には, 健岩部については岩盤等級分類に基づいて, 支保工を選択し掘削コストを算出する手法をとる. 対策工の施工を要する破砕帯の出現あるいは突発湧水等が発生する可能性の評価については, 不連続性亀裂岩盤における地下水解析に用いられる亀裂ネットワークモデルを適用する. さらに建設コスト評価手法を, 実際の岩盤データを用いて検証し, 掘削コストおよび対策工の施工コストからなるトンネル建設コストの評価結果について示した.
著者
坂井 一男
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1591-1598, 1974-10-01 (Released:2010-10-12)
参考文献数
12
被引用文献数
3 4

The paper presented a calculation of thrmal stress in a cylindrical steel induced during cooling by introduction of strain-history into Hara's calculation method.Calculation was based on elastic-plastic theory and total strain was calculated by non-linear integral equation through a successive integration. Plastic strain was calculated by total strain theory and stress-strain diagram.A calculation was made for a cylindrical steel bar with 1500mm in diameter quenched in mist from 850°C, and the results are as follows.(1) Tensile stresses (δt, δz, ) at surface of bar are the largest, when temperature difference between surface and core was the largest.(2) Stresses (δt, δz) at starting point of transformation always show the maximum tensile values.(3) Reverse of stresses (δr, δt, δz) takes place after completion of transformation of core.(4) At final stage of cooling, core has tensile stresses (δr, δt, δz) and surface layer has compressive stresses (δt, δz) of characteristic pattern.
著者
坂井 一 黒川 勝己
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.217-230, 2002
参考文献数
32
被引用文献数
4

魚沼層群のSK110と上総層群のKd25火山灰層,およびSK100とKd24火山灰層の対比を検討した.これらの火山灰層はいずれも黒雲母の目立つガラス質火山灰層である.SK110とKd25およびその広域対比が指摘されている火山灰層については,記載岩石学的特徴や火山ガラスの化学組成から対比が検証され,さらにSK110とKd25とは,黒雲母の化学組成(Mg#=41.8-43.6)も一致する.SK100とKd24の対比については,火山ガラスに多孔質型が多いことや,化学組成の一致,有色鉱物に少量の褐れん石を含む共通性から対比できると考えられる.またSK100とKd24の黒雲母の化学組成(Mg#=26.0-36.0)も類似の組成範囲にある.なおSK100とKd24の火山ガラスや黒雲母,斜方輝石は,SK110やKd25に比べて,より低いMg#値を示す.SK100やKd24は,今後より広い地域にわたって見出されることが期待される.
著者
坂井 一夫 伊藤 謙三 南 芳樹 鈴木 勝己
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-3, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

A rare case of intratendinous ossifications of the bilateral patellar tendons was reported. A fourteen-year-old boy, who was a superior short runner, visited our office, complaining of pain in both knees after running. Physical examination revealed hard masses in bilateral patellar tendons and tenderness of those. No other abnormalities were noted. Roentgenograms of both knees showed ossification in the area of the patellar tendon. Of course, those were extra-articular, arthrographically. Differential diagnosis was made from patella biprtita, Osgood-Schlatter disease and others. Conservative therapies consisting of anti-inflamatory drugs, local injection and others were effective, but the symptom arose repeatedly because he trained hard. We are planning to resect the ossifications after the running seasen.
著者
中村 覚 吉川 元 伊勢崎 賢治 高橋 和夫 中西 久枝 澤江 史子 栗栖 薫子 森 伸生 北澤 義之 立山 良司 坂井 一成 泉 淳 小林 正英 細井 長 齊藤 嘉臣 末近 浩太 土佐 弘之 木村 修三 小塚 郁也 福田 安志
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、国際関係論、安全保障論、中東地域研究の専門家による協働研究を通じて、日本における中東の安全保障問題に関する本格的な研究の基盤づくりを目的とした。また、中東における武力紛争の傾向や特質に関して論ずるのみではなく、短期的な紛争解決と、中長期的な予防レジームの構築に関する課題と可能性に関して考察した。その際に特に、日本への政策的示唆を生み出す視点を重視した。また当該の研究課題の遂行のために必要とされる国外の研究者とのネットワーク作りと同時に、国外への研究成果の発信で成果を上げた。