著者
吉府 研治 喜田弘司 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.23, pp.13-18, 1997-03-06
被引用文献数
3

プロジェクト管理業務において、マルチエージェントにより進捗管理、日程調整を自動化するシステムDone?Do?Rhythm(ダンドリズム)の提案を行う。本システムは、プロジェクト定義、進捗率表示を行う業務計画指示エージェント(D?A)、あらかじめ定義したプロジェクトガントチャートに従って、タスクの割当依頼、進捗促進を促す催促、進捗遅れによる関連タスクの日程調整交渉を行うプロジェクト管理エージェント(RO?A)と、作業者自身のスケジュールを管理し、タスクに関する情報をPRO?Agとやりとりするスケジュール管理エージェント(oche)から構成される。本システムは、ORBを用いたエージェント通信基盤INA/LI上で実装した。This paper proposes Done-Do-Rhythm, which is a project management system based on a multi-agent system, to support progress management and project scheduling. This system is composed of three kinds of agents, PRO-Ag, VD-Ag, and Pochet. VD-Ag provides a GUI for business planning, which helps to define project schedules and presents worker's progress. PRO-Ag assigns tasks according to project definition, urges workers, and coordinates project schedules when a task is delayed. Pochet manages worker's schedules, communicates with PRO-Ag, and exchanges information about task. This system is implemented on our multi-agent platform called INA/LI.
著者
森下 健 中尾 恵 垂水 浩幸 上林 弥彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2689-2697, 2000-10-15

SpaceTagは位置と時間の属性を持ち,特定の場所と特定の時間でのみアクセス可能な仮想オブジェクトである.位置センサと通信装置を備えたモバイル携帯端末を持って街を歩くユーザは,周囲にあるSpaceTagのみを見つけることができ,また自分のいる場所にのみSpaceTagを作成することができる.このようにSpaceTagシステムは情報が位置依存で提供されることからモバイル情報システムであり,また現実世界に情報を付け加えるので拡張現実感システムでもある.SpaceTagシステムは情報へのアクセスを現実世界の位置と時間によって制限するので,WWWなどと比較して不便なシステムといえるが,情報にはアクセスが困難だからこそ価値がある場合があると我々は考える.SpaceTagは公共の情報サービスとしての提供が想定され,観光案内,広告,地域掲示板,実世界ゲーム,局所通信などの応用が考えられる.SpaceTagはシンプルな概念であり,現在の技術でも比較的安価に実現が可能である.本論文ではこのSpaceTagプロトタイプシステムの設計と実装について説明する.
著者
垂水 浩幸 田渕 篤 吉府 研治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1322-1331, 1995-06-15
参考文献数
16
被引用文献数
14

本論文では、著者らの開発したグループウェア開発支援環境「育組」(いくみ)と、UNIX上のルールベース電子メール基盤「め組」(めぐみ)によるワークフロー定義、制御、監視の方式について述べる。このシステムでは・め組のルールによる制御機能を利用して、ルールによる帳票回覧を実現し、それによって業務の運携を図ってワークフローの運用を実現する。ワークフローの進捗は各作業者の着信、開封、受理、送信の各タイミングで記録され、監視・報告される。ワークフローは育組によってチャート形式で定義できる血育組ではワークフローの分岐条件等もほとんどマウス操作だけで定義できるので、エンドユーザの力で定義できる範囲は広くなっている。このように定義されたワークフローはルールに変換され、め組に提供される。本システムの特徴は、ワークフローを集中制御するサーバを持たず、また組織間のリンクは電子メールのみで良い点にあり、これによって組織をまたいだワークフローの運用も容易になる。
著者
中野 裕介 豊嶋 克行 垂水 浩幸 土井 健司 高橋 恵一 林 敏浩
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.14, pp.1-7, 2010-05-13

商店街は,それぞれの店と顧客とのソーシャルグラフ上に形成されたリアルなネットワークである.しかし近年郊外型の大型店舗の出店や人口の空洞化により,全国的に商店街のネットワークが縮小している.本研究では都市におけるアフォーダンスに着目し,twitter や IC カードを用いた地域ネットワークの形成を促進する取組を行っている.The shopping district is a real network on the Social Graph which shows the relation between the shops and the customers. However, increasing of shopping mall in suburb and becoming hollow of population have created worry about reducing the network of any shopping districts. In this research, we have concentrated on "affordance" in urban development, and improved to build up the network of local as using "twitter" and IC cards.
著者
岡田 昌也 山田 暁通 吉田 瑞紀 垂水 浩幸 粥川 隆信 守屋 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.229-243, 2004-01-15
被引用文献数
20

DigitalEE II(Digitally Enhanced Experience)システムは,環境学習研究の未解決重要課題``現実経験と仮想経験の実時間融合に基づく環境学習''を実現する.本システムで,自然環境の実参加者と遠隔地の仮想参加者は,音声・映像情報を介し実時間で環境学習活動を共有できる.空間的分散状況下の両参加者の存在は,モバイルサイバースペースIIという協調活動の``場''にアバタとして投影される.両参加者の位置情報はこの``場''を介して共有され,現実世界と仮想世界における同一時空間の仮想的共有に基づく相互作用が実現される.DigitalEE IIの評価実験は,現実世界と仮想世界における情報格差が両参加者からその格差補完への欲求を引き出し,両者の相互作用を促進したことを示した.また,本実験は,両参加者の環境への関心・気付きなどを向上させた.これらは仮想世界表現に媒介された協調活動の新たな可能性と,DigitalEE IIによる環境学習効果を示す結果である.The DigitalEE II (Digitally Enhanced Experience) system realizes an important unsolved issue in research on environmental learning, which is ``environmental learning based on realtime mixture of real and virtual experiences''. The system enables real participants in nature and virtual participants at remote locations to share environmental learning activities in real time via voice and visual information. Avatars in mobile cyberspace II, an online space for collaboration, express existence of the distributed participants. Both participants share their positional information via the space, and make interaction while sharing the same time and space between real and virtual worlds. Verification experiments on DigitalEE II showed that information gaps between the two worlds drew out both participants' motivation for complementing the gaps, and encouraged their interaction. The experiments raised participants' environmental interests and awareness, etc. These results showed learning effects of DigitalEE II as well as new possibilities of the collaboration mediated by virtual-world expressions.
著者
垂水 浩幸 林 敏浩
出版者
香川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、棋譜と局面単位のデータの組合せで構築される将棋データベースを開発して公開運用し、評価することが目的である。以下の成果を得た。(1)棋譜と局面の両方を基礎データとするデータベースとそれにアクセスするためのAPIを開発した。(2) データベースのコンテンツ収集を行い、2700万局面を超えるものになった。(3) 応用例として将棋感想戦支援システムを開発した。(4) 開発物について性能面と使いやすさの面から評価した。概ね妥当な評価が得られているが、より簡素で使いやすいものにしていくためさらに今後改善が必要である。(5) これらについて国内外で10回の発表を行った。
著者
山石 忠弘 林 敏浩 垂水 浩幸
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.1-5, 2010-11-13
被引用文献数
1

プログラミング教育において,座学でプログラムの知識を身に付けた学習者が,ソースプログラムを正しく読み取れないことがある.原因として,プログラムが動く仕組み理解できていないので,プログラム処理がわからないと考える.本研究では,プログラム処理がわからない学習者に対して,踊りによるプログラム処理の可視化を行うことで,プログラム処理の理解支援を行う.Many learners who have the programming knowledge by classroom lecture, but they cannot read source programs correctly in some cases. As for the cause, we think students cannot understand the process of programs because they do not have enough knowledge about how programs run. For such students, this research assists to understand the process of programs by visualizing them as dance.
著者
垂水 浩幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.690-693, 2012-06-15

香川大学工学部信頼性情報システム工学科でJABEE受審した取り組みとその間の教育改善について述べる.学科では創立以来5年毎に教育プログラムの改訂を行ってきたが,学科の扱う分野が情報系だけでなく電子通信工学系,信頼性工学にもわたっているため,JABEE受審した最近の2つの教育プログラムはいずれも複数の学習・教育目標を学生が選択できる仕組みを導入している.また演習科目の運用や初年次教育の工夫についても述べる.
著者
林 敏浩 水野 貴規 富永 浩之 垂水 浩幸 山崎敏範
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.42, pp.9-16, 2008-05-10
被引用文献数
3

ネットワークを利用した e-learning は自由な時間,場所で学習することが可能である.しかし,学習教材作成者の負担が大きく,十分な質,量を用意することが難しい.我々は,この問題に対して,学生が自主的に学習教材を作成し,共有する「投稿型自主学習素材共有システム」を開発した.本稿では,システムが扱う具体的な学習の対象を情報処理技術者資格の対策学習として運用テストを行った.システムの機能として提供する問題演習は,知識確認を効率的に行うことができ,解答履歴の閲覧と併せて効果的な学習環境を提供することができた.しかし,このような e-learning 環境を提供しても必ずしも積極的な利用に至らないことが分かった.E-Learning which uses information networks provides learning environments in free time and place. However, teachers who must make learning materials cannot prepare sufficient quality of e-learning contents, because making them becomes heavy task to the teachers. In our research, we develop "Self Study Material Contribution and Sharing System" that students can create study materials and share them independently. In this paper, we targeted a concrete study to the information technology engineer certifying examination, and did the implementation test. We found that our system provided an effective learning environment with efficient problem ma neuver and confirmation of answer history. However, we also found that students did not always use our system positively even if our system provides such effective learning environment.
著者
近藤 進介 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.143-148, 2007-01-25
参考文献数
12

従来のサーバ・クライアント通信方式の他に近年P2P通信方式の利用者が増えてきている。また、P2P通信の特性はファイル共有に活かされている。しかし、P2Pファイル共有においてリソースを提供しないフリーライダーや不公平性が問題視されている。そこでインセンティブという概念で解決しようとする動きがあるが、完全に解決されている例はほとんど無く、解決されていても別の問題が発生している場合もある。また、インセンティブを与えられる条件としては回線の帯域によるものがほとんどである。しかしシステム全体のことを考えれば回線の帯域以外にもユーザの様々な行動でシステムに貢献することができる。この行動が反映されるように、本研究ではファイル共有システムにおける新たなインセンティブモデルとしてポイント制インセンティブを提案し、その有用性をシミュレータによって確認することを目的とする。
著者
森下 健 中尾 恵 垂水 浩幸 上林 弥彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2689-2697, 2000-10-15
被引用文献数
13

SpaceTagは位置と時間の属性を持ち,特定の場所と特定の時間でのみアクセス可能な仮想オブジェクトである.位置センサと通信装置を備えたモバイル携帯端末を持って街を歩くユーザは,周囲にあるSpaceTagのみを見つけることができ,また自分のいる場所にのみSpaceTagを作成することができる.このようにSpaceTagシステムは情報が位置依存で提供されることからモバイル情報システムであり,また現実世界に情報を付け加えるので拡張現実感システムでもある.SpaceTagシステムは情報へのアクセスを現実世界の位置と時間によって制限するので,WWWなどと比較して不便なシステムといえるが,情報にはアクセスが困難だからこそ価値がある場合があると我々は考える.SpaceTagは公共の情報サービスとしての提供が想定され,観光案内,広告,地域掲示板,実世界ゲーム,局所通信などの応用が考えられる.SpaceTagはシンプルな概念であり,現在の技術でも比較的安価に実現が可能である.本論文ではこのSpaceTagプロトタイプシステムの設計と実装について説明する.A SpaceTag is a data object with attributes of location and time, which can be accessed only from limited locations and time period. Users of the SpaceTag system walk around in a city with a portable terminal equipped with location sensors and wireless communication device. They can find SaceTags only around their location. They can also create and put SpaceTags at only their location.It is a mobile information system because information is location-aware, as well as it is an augmented reality system because it attaches information onto the real world. The SpaceTag system restricts the users to access information by their location and time of the real world. Therefore it is a inconvenient system comparing with WWW.However, we insist that information sometimes has its value because it is hard to access.The SpaceTag system can be provided as a public information service that is a common platform for tourist information, advertising, local bulletin board systems, games in the real world, instant communities, etc. SpaceTag is a simple concept, andit can be realized by the present technologies without much cost.This paper describes the design and implementation of the SpaceTag prototype system.
著者
垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.124, pp.15-16, 2007-12-08
被引用文献数
1

本稿では、我々が SpaceTag 概念を提唱して依頼続けて来た位置依存情報サービスとそのエンタテインメントへの応用について概観し、考察を行う。A survey and discussions on our research projects are described. The research has been on the location-based information services for mobile terminals and its applications to entertainment.
著者
喜田弘司 吉府 研治 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.13, pp.91-96, 1997-01-30
被引用文献数
7

オフィスワークにおいて、個人のスケジュールを管理するエージェント(oche)が互いに通信を行うことでスケジュールを調整するシステムの提案を行う。具体的に、Pochetは、()調整する必要のある作業を検出し、()調整案を作成し、()調整先のPochetと調整の交渉を行う。本稿では、Pochetの基本機能とシステム構成を中心に説明した後、Pochet間の交渉によるスケジュール調整に関して、調査・説得・更新の3つのフェーズからなるプロトコルを提案する。PochetはORBをベースにしたエージェント通信基盤INA/LIを用いてWindows上で実装を行っている。Pochet is an agent oriented schedule management system for reducing incidental tasks. Each user assigned a Pochet inputs personal/group schedules into his/her private calendar. When a Pochet finds problems, such as office work overload, Pochet semi-automatically negotiates with the other Pochets according to the private schedules. If the Pochets reach a compromise, it means that the Pochet have arranged a schedule plan. This system is implemented using our multi-agent platform called INA/LI.