著者
大橋 真也 武藤 学
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.113, no.11, pp.1857-1867, 2016-11-05 (Released:2016-11-09)
参考文献数
66

食道扁平上皮癌は,飲酒や喫煙などに含まれる有害な化学発がん物質の摂取が原因で発症し,特に世界では東アジア・東アフリカに好発する.飲酒と喫煙は食道発がんの最も重要な環境因子であるが,近年はそれに加えいくつかの遺伝的要因,すなわちアルコール関連代謝酵素およびたばこに含まれる化学物質に対する代謝酵素の遺伝子多型が食道発がんに深く関与することが明らかとなっている.つまり,有害な化学発がん物質に対する解毒作用の低下した体質の人がこれらの摂取を続けると,食道にさまざまな遺伝子異常を生じ発がんに至るリスクが高まると考えられる.このように食道扁平上皮癌は外因的,内因的な要因に基づく化学発がんにより生じる疾患であるといえる.
著者
山本 健一 山田 善久 武田 康雄 大橋 真由美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.258-261, 2000-11-11

本学英語英文学科では、英語運用能力のレベルアップのための具体的な達成目標として、英検、TOEFLまたはTOEICなどの検定試験受験を学生に奨励している。英語力判定の基準として英単語はこれら検定試験の基本であり、英語英文学科学生の英語運用能力向上に少しでも資するため、英検2級用英単語学習ソフトを共同開発した。開発後、英語英文学科1年生の学生を対象に、本ソフトを利用して英単語のプレテストを実施した。約一ヶ月の学習後、ポストテストを行い、どの程度学習効果が向上したかを中心に分析した。また本ソフトの使用に関するアンケート調査を実施し、その調査結果を併せて考察した。
著者
大橋 真也
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.18-23, 2022-06-01 (Released:2022-12-06)
被引用文献数
1

新学習指導要領の共通教科情報において,データサイエンスが新出項目として導入される。情報におけるデータサイエンスの扱いは,「情報Ⅰ」においてはデータの整理や分析,可視化の手法を中心とした内容であり,「情報Ⅱ」においては,機械学習などAIの基礎を学ぶ高度なプログラミングも含まれている。ここでは,共通教科情報と大学の情報教育との接続についてや現場である高等学校における現状について,新学習指導要領および教科書等をもとに考察した。
著者
春日 遥 大橋 真智子 山本 将隆 小西 祐輔 北村 春菜 池田 宥一郎 村井 貴
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_30-1_35, 2021-03-31 (Released:2021-03-19)
参考文献数
11

「アニマルめがねラボ」は小学3年生から中学3年生までを対象にした、バーチャル・リアリティ映像作品を用いたサイエンスコミュニケーションイベントである。子どもには難しい「動物の視覚」を題材に、バーチャル・リアリティによる直感的理解だけではなく、場のデザインにより教育効果を高める工夫を行った。多様な動物に実際に会える動物園という場の相乗効果を狙った開催場所の選定や、架空の研究所「アニマルめがねラボ」としてディティールにこだわった場の演出を行った。イベントに参加した子ども達は「リクガメとヌマガメの視力」、「イヌとネコの色覚」、「ヤモリとカエルの動体視力」の3つのブースを通して、多様性に富む生き物の視覚を学習し、更なる学習への意欲や動物への関心を得た。
著者
大橋真里 編
出版者
大橋真里
巻号頁・発行日
1886
著者
名和 行文 丸山 治彦 大橋 真 阿部 達也 緒方 克己 今井 淳一
出版者
宮崎医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

宮崎県下では1988年に我々が世界初のドロレス顎口虫人体感染確定診断例を見いだし、それ以前の7例の類似症例のうち皮膚生検で虫体が確認されていた2例からも、パラフィンブロックから虫体を剖出し、いずれもドロレス顎口虫幼虫であると同定した。それ以後も新規患者の発生が続き、延べ14例(虫体確認例4例)の患者を見つけた。問診上、14例中13例は渓流釣り愛好家あるいはその家族で、渓流魚の生食歴があり、これが感染源として重要であると推測された。また、1例はマムシ生食の既往歴がある。患者への感染源、および流行地域でのドロレス顎口虫の生活環を明らかにする目的で、まず終宿主である野生のイノシシについて調査を実施したところ、宮崎県の中央山地では現在でもほぼ100%の感染率であった。また、雌成虫より虫卵を取り出し、人工孵化して得た第1期幼虫を第1中間宿主である冷水型ケンミジンコに感染させて、第3期幼虫を得ることができた。次に、第2中間宿主や待機宿主について調査をおこなったところ、患者発生と密接な関係のある西都市銀鏡地区に棲息するマムシにはドロレス顎口虫幼虫が濃厚にしかも100%という高率で寄生しており、この幼虫をブタに感染させたところ成虫が回収された。さらに同地区で捕獲されたシマヘビも幼虫を保有していた。聞き取り調査によると野生のイノシシはヘビ類を食するということなので、自然界の生活環のなかでヘビが重要であると推察される。患者への感染を源として、問診では渓流魚が感染源となっている可能性が高い。そこで我々はヤマメについて約200匹を検査したが、これまでのところ幼虫を検出することはできなかった。また、1990年にはブル-ギルを刺身にして食した夫婦が同時に発症したため、一ツ瀬ダムにて捕獲したブル-ギル約200匹についても検査をしたが、幼虫は発見できなかった。したがって今後更に多数の検体についての調査を実施する必要がある。