著者
吉村 治正 正司 哲朗 渋谷 泰秀 渡部 諭 小久保 温 佐々木 てる 増田 真也
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

内閣府世論調査では、実際の生活実感と乖離する調査結果が現れることが少なくない。本課題では、これが調査実施過程の技術的な不足による非標本誤差の大きさによると考え、実験的な社会調査の実施を通じて、その影響を測定した。主たる知見は①人口構成の変化以上のペースで回答者が高齢者にシフトしている、②難易度が高い質問が多く最小限化行動が生じている、③複数回答方式を多用したために順序効果が顕著に表れている、④「わからない」を抑制することで中間回答が過大に表れている、といった点で集計結果に偏りを生んでいる可能性が高いことが指摘された。
著者
小久保温 澁谷泰秀 吉村治正 渡部諭
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.415-417, 2014-03-11

従来行なわれてきた訪問や郵送による質問紙の社会調査は、近年困難になりつつあり、今後はWeb調査に移行する必要がある。Web調査は、サンプリング、カバレッジ誤差などが問題とされてきた。われわれは調査法としてDillmanのTDMを応用し、WebアンケートシステムとしてPC、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの幅広いマルチデバイスに対応したシステムを開発することで、これらの課題に対応しようと試みた。更にシステムでは回答過程を詳しく記録している。そして、2013年の初頭におよそ1000人を無作為抽出して郵送とWebによるハイブリッド社会調査を実施した。本講演では、その解析結果について論じる。
著者
吉村 治正 正司 哲朗 渋谷 泰秀 渡部 諭 小久保 温
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

一般的に、モニター登録型のWeb調査では排他的・保守的でネガティブな回答傾向が現れやすいといわれている。この偏りを検証すべく、本課題ではモニター登録型のWeb調査に加え、住基台帳からの無作為標本抽出にもとづく独自のWeb調査を実施した。二つの調査の結果の比較から、一般的なモニター登録型Web調査の偏りは、非回答誤差・測定誤差および職業的回答者の存在のいずれを主たる原因とするとも見なし得ず、したがって網羅誤差に帰属されるべきことが明らかとなった。
著者
小久保 温 角田 均 和島 茂
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 36.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.125-128, 2012-03-09 (Released:2017-09-21)
参考文献数
8

障害者と健常者がともに楽しむことができるような,美術館や博物館のユニバーサル化が模索されている。美術館や博物館にはさまざまな展示物があるが,絵画は視覚障害者にとって鑑賞することが難しい対象である.本研究では,青森県立美術館と連携し,視覚障害者が絵画を楽しむことができるようにするため,画像処理技術,CAD,3Dプリンタ,切削機などを活用して,絵画を複数の方法により立体化して出力した.立体化の方法は,具体的には,1)油彩画の明度を高さに変換,2)木版画を版木のような表現に変換,3)舞台背景画をレリーフに翻案の3種類である.制作の過程では,視覚障害者の方に鑑賞していただき,改善をはかった.また,青森県立美術館で2011年秋に開催された特別展Touch the Art!展に作品を出展した.
著者
三上 奈緒 角田 均 梅原 稜 北谷 優典 田中 志子 工藤 雅世 小久保 温 坂田 令 坂本 知英
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.27-28, 2019-02-28

これまでの研究でゲーミフィケーションを用いた「大学生のための行動変容を促すシステム」「発達障害児童のための生活訓練アプリケーション」の開発と実証実験を行った。今年度はFacebookのようなSNS形式のグループ向け生活習慣管理アプリケーションを開発した。RESTフレームワークによるWebアプリケーションとして実装、協力企業の全社員を対象に健康増進キャンペーンの実証実験を行い、利用状況をもとに効果とユーザビリティを検証した。
著者
小久保 温 角田 均 和島 茂
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.125-128, 2012-03-09
参考文献数
8

障害者と健常者がともに楽しむことができるような,美術館や博物館のユニバーサル化が模索されている。美術館や博物館にはさまざまな展示物があるが,絵画は視覚障害者にとって鑑賞することが難しい対象である.本研究では,青森県立美術館と連携し,視覚障害者が絵画を楽しむことができるようにするため,画像処理技術,CAD,3Dプリンタ,切削機などを活用して,絵画を複数の方法により立体化して出力した.立体化の方法は,具体的には,1)油彩画の明度を高さに変換,2)木版画を版木のような表現に変換,3)舞台背景画をレリーフに翻案の3種類である.制作の過程では,視覚障害者の方に鑑賞していただき,改善をはかった.また,青森県立美術館で2011年秋に開催された特別展Touch the Art!展に作品を出展した.
著者
粂川 一也 小久保 温 佐藤 和則 川島 隆太 山田 健嗣 福田 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.308-313, 2000-03-25
被引用文献数
9

病院間における高速データ通信の需要には, コンピュータトモグラフィー(CT)等の画像データの転送や, ビデオ会議システムにより診断, 研究の議論を行うことなどがある.本論文では, 仙台市内の病院間に, 空間光伝送を利用した155Mbps ATM無線LANを構築し, 天候による影響を長期にわたって観測した.測定期間中, 霧及び降雪による回線断が発生したが, 降雨による回線断は観測されなかった.霧による回線断は早朝及び日没以降に発生しているので, 主な回線利用時間帯での影響は少ない.また, 全体を通して回線断の頻度は低く, 10Mbps以上での回線稼働率は99.4%であり, 空間光伝送によるLANの有用性が示された.