著者
小川 博司
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.1-18, 2016-03-31

Ever since Theodor W. Adorno radically attacked popular music, popular music researchers have criticized Adorno and attempted to express their own positions. However, just because Adorno attacked popular music, it does not mean he was unable to observe popular music phenomena. Additionally, his observation of popular music phenomena is not necessarily out of date. In this paper, I regard Adorno as an Anti-Nori (Groove) theorist. By discussing Adornoʼs theory of popular music, I would like to derive academic points on Nori (Groove) in contemporary society. This paper is part of a critical review of prior research on “Nori (Groove) and Social Change”.
著者
小川 博司
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Sociology, Kansai University (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.1-18, 2016-03

Ever since Theodor W. Adorno radically attacked popular music, popular music researchers have criticized Adorno and attempted to express their own positions. However, just because Adorno attacked popular music, it does not mean he was unable to observe popular music phenomena. Additionally, his observation of popular music phenomena is not necessarily out of date. In this paper, I regard Adorno as an Anti-Nori (Groove) theorist. By discussing Adornoʼs theory of popular music, I would like to derive academic points on Nori (Groove) in contemporary society. This paper is part of a critical review of prior research on "Nori (Groove) and Social Change".アドルノはポビュラー音楽を徹底的に批判したので、後のポピュラー音楽研究者はアドルノをまず批判することで、自らの立場を表明しようとした。しかし、アドルノがポピュラー音楽を批判したからといって、アドルノがポピュラー音楽現象を観察できていなかったわけではない。アドルノのポピュラー音楽現象の観察は必ずしも時代遅れのものではない。本論文では、アドルノを反ノリの理論家として位置づけ、アドルノの議論から、今日的なノリの問題を導き出す。本論文は、筆者のプロジェクト「ノリと社会変動」の、先行研究レビューの一部として位置付けられる。
著者
鎌田 恭輔 小川 博司 田村 有希恵 広島 覚 安栄 良悟
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.250-262, 2017 (Released:2017-04-25)
参考文献数
42

論文撤回のお知らせ 論文題目:てんかん外科手術から得られる病態生理 著  者:鎌田 恭輔、小川 博司、田村 有希恵、広島 覚、安栄 良悟 掲 載 誌:脳神経外科ジャーナル Vol.26 No.4 pp.250-262 当論文は,2017年3月24日に公開いたしましたが,著者からの申し出により撤回されました.
著者
鎌田 恭輔 広島 覚 小川 博司 國井 尚人 川合 謙介 安栄 良悟 斉藤 延人
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.296-305, 2014 (Released:2014-04-25)
参考文献数
24

本稿では脳腫瘍摘出手術に役立つ術前機能マッピングと術中機能モニタリングの具体的方法と臨床現場における評価, 信頼性について述べた. 現在術前機能マッピングによる運動野/中心溝局在, および優位半球の同定は現場で十分応用できる. しかし, 言語関連機能MRIの活動部の脳皮質電気刺激による検証では感度は80%, 特異度は60%程度でさらなる改良が必要である. 一方, tractographyは機能している皮質脊髄路と弓状束を正確に反映しているため, 手術計画に有用である. 術中脳機能モニタリング方法としては, 感覚誘発電位, 運動野, 皮質脊髄路電気刺激による運動誘発電位, および覚醒下手術がある. 感覚誘発電位, 皮質刺激運動誘発電位により確実な運動野/中心溝局在の同定が行える. また, 白質刺激運動誘発電位では刺激強度と切除腔と皮質脊髄路tractography間距離に強い相関関係があり, 刺激強度から皮質下構造までの距離を推測することもできる. 覚醒下手術では図形名称課題を用いることで, 効率的に言語皮質, 弓状束を同定・温存できる. 蛍光画像マッピングは悪性腫瘍浸潤領域の同定に有用であるが, さらなる定量的な検討方法の確立が必要である.
著者
小川 博司
出版者
関西大学経済・政治研究所
雑誌
セミナー年報 (ISSN:18822010)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.23-29, 2009-03-31

第178回産業セミナー
著者
小川 博司 石田 佐恵子 長谷 正人 川崎 賢一 河原 和枝 遠藤 知巳 岡田 朋之
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

近年、現代メディアを取り巻く文化は、世界的な広がりを見せ、急速に変化している。だが、日本においては、その文化の具体的なありようや展開、日常生活に及ぼす影響などは十分に明らかになってはいない。本研究は、「クイズ形式の文化とその歴史的な変化から見る現代生活の諸相」に焦点を当て、メディア社会における文化のありようを明らかにしようとしたものである。本研究の目的は大きく分けて3つある。第1に、歴史社会学的観点からクイズ形式の文化が社会の中にどのように出現し、広がっていったかを明らかにすることである。第2に、歴史的な観点から描き出されたクイズ番組の変遷、クイズ文化の浸透に並行して、人々の日常生活における知識や情報のあり方の変化を明らかにすることである。第3に、アメリカ文化の強い影響を受けて導入されたクイズ形式の文化が、当初の輸入物の文化のありようを越えて、日本文化の一部として定着する際に、どのような形で加工され、「日本文化」化されたのか、明らかにすることである。具体的な作業としては、ラジオ時代のクイズ番組、テレビ時代のクイズ番組のデータを収集しデータベース化するとともに、クイズ番組関係者からのヒヤリングを行った。それらと並行して、アメリカ合衆国における「クイズショー・スキャンダル」についての検討、日本のクイズ文化について専門家からのヒヤリングなど、クイズ文化の歴史をどのように見るかの検討を積み重ねた。ここから、「高度情報社会」と呼ばれる現代の日常生活における知識や情報のおかれた意味について明らかにする、さまざまな知見が得られた。
著者
小川 博司
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.17-30, 1980-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
42
被引用文献数
1

匿名性は、社会と個人の問題を、根源的に提示する概念である。何故ならば、社会とは、固有名をもった個人が、匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。A・シュッツの匿名性の概念は、この問題を考える際に、示唆に富んでいる。シュッツは匿名性の様々な程度を照射する虚の光源としてわれわれ関係を想定する。われわれ関係は、相互的な汝志向を基盤とし、そこでは他者は、時間・空間の直接性のうちに経験される。シュッツによれば、他者を間接的に経験すればするほど、他者の匿名性の程度はより高くなるとされる。尚、時間・空間の直接性は、われわれ関係の成立のための必要条件ではあるが、十分条件ではない。シュッツの匿名性の概念は、次の諸相に分節化される- (1) 機能的類型として匿名性、 (2) 「知られていない」という意味の匿名性、 (3) 社会的世界の構成原理としての匿名性、 (4) 所与の社会構造のもつ匿名性。(1) (2) は、個人としての他者の経験に関連する。 (3) (4) は、社会制度、言語、道具など、匿名性の高い領域に関連する。それらは、一方では匿名化による構成物であり、他方ではわれわれ関係の舞台に配置されている諸要素でもある。シュッツの理論では、 (3) と (4) は、匿名性とわれわれ関係という二つの鍵概念により結合されている。以上の匿名性の分節化は、社会の存立の考察、また現代社会の諸問題の考察に有用であろう。匿名性 (anonymity) という概念は、社会学においては、従来、主に大衆社会論的文脈の中で、都市社会やマス・コミュニケーションにおける人間関係の特徴を表わすものとして用いられてきた (1) 。しかし、匿名性は、社会と個人、もしくは類と個の問題を、より根源的に提示する概念であるように思われる。何故ならば、社会とは、固有名をもった人間個体が匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。本論文は、主にA・シュッツの匿名性の概念の検討を通して、現代社会において、個人と社会とが絡み合う諸相を解き明かすための視角を提出しようとする試みである (2) 。以下、具体的には、シュッツが匿名性の程度を示すためにあげた例示の検討を通して、順次、匿名性の諸相を抽出し、検討していくことにする。
著者
鎌田 恭輔 小川 博司 田村 有希恵 広島 覚 安栄 良悟
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.250-262, 2017

論文撤回のお知らせ<br><br>論文題目:てんかん外科手術から得られる病態生理<br>著&emsp;&emsp;者:鎌田 恭輔、小川 博司、田村 有希恵、広島 覚、安栄 良悟<br>掲&ensp;載&ensp;誌:脳神経外科ジャーナル&ensp;Vol.26&ensp;No.4&ensp;pp.250-262<br><br>当論文は,2017年3月24日に公開いたしましたが,著者からの申し出により撤回されました.
著者
小川 博司
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.17-30, 1980-12-31
被引用文献数
1

匿名性は、社会と個人の問題を、根源的に提示する概念である。何故ならば、社会とは、固有名をもった個人が、匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。A・シュッツの匿名性の概念は、この問題を考える際に、示唆に富んでいる。<BR>シュッツは匿名性の様々な程度を照射する虚の光源としてわれわれ関係を想定する。われわれ関係は、相互的な汝志向を基盤とし、そこでは他者は、時間・空間の直接性のうちに経験される。シュッツによれば、他者を間接的に経験すればするほど、他者の匿名性の程度はより高くなるとされる。尚、時間・空間の直接性は、われわれ関係の成立のための必要条件ではあるが、十分条件ではない。シュッツの匿名性の概念は、次の諸相に分節化される- (1) 機能的類型として匿名性、 (2) 「知られていない」という意味の匿名性、 (3) 社会的世界の構成原理としての匿名性、 (4) 所与の社会構造のもつ匿名性。<BR>(1) (2) は、個人としての他者の経験に関連する。 (3) (4) は、社会制度、言語、道具など、匿名性の高い領域に関連する。それらは、一方では匿名化による構成物であり、他方ではわれわれ関係の舞台に配置されている諸要素でもある。シュッツの理論では、 (3) と (4) は、匿名性とわれわれ関係という二つの鍵概念により結合されている。<BR>以上の匿名性の分節化は、社会の存立の考察、また現代社会の諸問題の考察に有用であろう。<BR>匿名性 (anonymity) という概念は、社会学においては、従来、主に大衆社会論的文脈の中で、都市社会やマス・コミュニケーションにおける人間関係の特徴を表わすものとして用いられてきた (1) 。しかし、匿名性は、社会と個人、もしくは類と個の問題を、より根源的に提示する概念であるように思われる。何故ならば、社会とは、固有名をもった人間個体が匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。本論文は、主にA・シュッツの匿名性の概念の検討を通して、現代社会において、個人と社会とが絡み合う諸相を解き明かすための視角を提出しようとする試みである (2) 。<BR>以下、具体的には、シュッツが匿名性の程度を示すためにあげた例示の検討を通して、順次、匿名性の諸相を抽出し、検討していくことにする。