著者
小曽戸 洋
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 (ISSN:13499114)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.68-78, 2007-08-20

Crude drugs are natural products which over the years of human experience have come to be regarded as medicine. Of course, if one does not understand their history, one cannot understand their significance as medicine. Since crude drugs exist because of the experience of human beings, the sciences of pharmacopoeia and natural products are inherently different. In the study of crude drugs it is therefore important to consider their history as well. Since the middle of the 20th century, there have been a series of archaeological discoveries in China and Japan relating to traditional pharmacopoeia. These discoveries are important historical data, which provide reliable information about the origins of the pharmacopoeia. Regrettably however, this new knowledge, brought to light by these recent discoveries, is not reflected in the "Commentary of the Japanese Pharmacopoeia". This paper contains new knowledge about the 100 kinds of crude drugs listed in the "Japanese Pharmacopoeia Fifteenth Edition".
著者
矢数 道明 真柳 誠 室賀 昭三 小曽戸 洋 丁 宗鉄 大塚 恭男
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.103-112, 1987
被引用文献数
3

筆者らは日本の医科・歯科・薬科大学 (学部) における, 伝統医学教育についての調査を実施した。本報では当調査結果のうち, 以下の項目に関する統計分析を報告した。<br>1) 伝統医学教育における問題点<br>2) 教育の展望<br>3) 今後導入がなされるべき課程<br>この結果, 伝統医学教育を未実施校の過半数がその理由に教育時間不足と担当者の不在を挙げること。現在実施中と今後実施の可能性のある校を合わせると, 全体平均では37%に達っすること。医科・歯科大学では, 今後は臨床医学系教科と自由講座中にて教育が導入される傾向の高いこと。薬科大学では, 現況の独立教科以外に自由講座・卒後教育などにも導入が進む傾向のあることが知られた。
著者
大塚 静英 及川 哲郎 望月 良子 早崎 知幸 小曽戸 洋 伊藤 剛 村主 明彦 花輪 壽彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.93-97, 2009-01-20
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

難治性の顔面の皮疹に葛根紅花湯が著効した3症例を経験したので報告する。症例1は39歳男性。20歳頃より鼻に限局して丘疹が出現し,以後,塩酸ミノサイクリンの内服にて寛解,増悪を繰り返し,いわゆる酒さ鼻となったため,2007年5月に当研究所を受診した。葛根紅花湯(大黄0.3g)を服用したところ,3週間後,鼻全体の発赤が軽減し,丘疹も減少,額・頬部の発赤も消失した。症例2は,56歳女性。鼻,口周囲を中心としたそう痒感を伴う皮疹にて2006年10月に当研究所を受診した。ステロイド外用剤にて軽減するものの中止すると増悪を繰り返していたことより,酒さ様皮膚炎と診断した。葛根紅花湯(甘草0.8g,去大黄)を服用し,ステロイド外用剤は同時に中止したところ,3週間後,全体的に紅斑は鼻と口周囲のみとなり,8週間後には症状はほぼ消失した。症例3は,26歳女性。鼻口唇部の紅斑,アトピー性皮膚炎にて当研究所を受診した。黄連解毒湯にて全体的には症状が軽減するも,鼻口唇部の紅斑は不変であったため,葛根紅花湯(大黄1g)に転方したところ,2カ月後,鼻口唇部の紅斑は消失し,6カ月後には鼻口唇部の色素沈着がわずかに残るのみとなった。葛根紅花湯は,従来,いわゆる酒さ鼻に用いられてきたが,鼻だけでなく,顔面・鼻周囲の皮疹にも応用が可能であると考えられた。
著者
町 泉寿郎 小曽戸 洋 花輪 壽彦
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.749-762, 2003-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
11

希代の漢方臨床家である一方, 収書に熱心であった大塚敬節 (1900-1980) は, 後世に彪大な蔵書「修琴堂文庫」を残した。われわれ医史学研究部では, 蔵書の寄託を受けて数年来, その整理と目録作成に従事してきた。ここに整理作業の報告を兼ねて, 大塚敬節の人となりと蔵書の概要を紹介する。I 略伝・業績・人となり1) 修琴堂の由来, 2) 熊本医専時代, 3) 高知開業時代, 4) 漢方修行のため上京, 5) 臨床・研究・教育活動, 6) 蔵書疎開・西荻窪時代。II 修琴堂文庫1) 整理作業の経緯, 2) 文庫の特徴, 3) 傷寒・金匱関係の突出, 4) 古方派の充実, 5) 後世派・考証派・鍼灸書。
著者
杵渕 彰 小曽戸 洋 木村 容子 藤井 泰志 稲木 一元 永尾 幸 近藤 亨子 山崎 麻由子 田中 博幸 加藤 香里 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.180-184, 2014 (Released:2014-11-26)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

今回,我々は,抑肝散の原典について『薛氏医案』を中心に検討した。抑肝散の記載は,薛己の著書では『保嬰金鏡録』(1550年)にみられ,また,薛己の校訂した文献では,銭乙の『小児薬証直訣』(1551年),薛鎧の『保嬰撮要』(1556年)および陳文仲の『小児痘疹方論』(1550年)に認められた。『保嬰金鏡録』および『小児痘疹方論』には,「愚製」と記述されていた。一方,熊宗立の『類証小児痘疹方論』には「愚製」の記載がなく,また,薛己校訂以外の『小児薬証直訣』には抑肝散の記載は認められないため,抑肝散は薛己の創方である可能性が高いと考えられた。これまで,抑肝散の原典は薛鎧の『保嬰撮要』とされていたが,今回,「愚製」の表現に着目して古典を検討したところ,薛己の父である薛鎧ではなく,薛己の創方であり,原典は薛己の『保嬰金鏡録』であると考えられた。
著者
小曽戸 洋
雑誌
漢方の臨床 (ISSN:0451307X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.514-516, 2005-04-25
著者
伊藤 隆 渡辺 賢治 池内 隆夫 石毛 敦 小曽戸 洋 崎山 武志 田原 英一 三浦 於菟 関矢 信康 及川 哲郎 木村 容子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.195-201, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
1

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。
著者
小曽戸洋
雑誌
現代東洋医学
巻号頁・発行日
1984
被引用文献数
1
著者
真柳 誠 小曽戸 洋
雑誌
漢方の臨床 (ISSN:0451307X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.562-564, 1997-05-25
被引用文献数
3
著者
小曽戸洋
雑誌
現代東洋医学
巻号頁・発行日
vol.6, pp.111-117, 1985
被引用文献数
1
著者
小曽戸 洋
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.p1-25, 1986-01
被引用文献数
1
著者
小曽戸 洋 町 泉寿郎
出版者
(社)北里研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

当該研究の目的・計画にもとづき、平成15年度においては、平成14年度に引き続き、北里研究所・東洋医学総合研究所医史学研究部の管理下にある大塚修琴堂文庫・橋本龍雲文書・森枳園(立之)文書の書籍・文書類の修復を行った。冊子では約200冊、巻子・一枚物では50数点に及ぶ修理を終えた。修復技術は研究の結果、損傷の状態に適切に対応すべく新たな技法(糊噴霧法・表打ち法など)を開発し、道具・手法の改善によって作業能率も格段に向上した。目録作成作業としては、従来の資料群に加え、杉山検校遺徳顕彰会の杉山真伝流古医書、名古屋市立大学薬学部図書館大神文庫の整理を終え、目録データをコンピューターに入力した。また本年1月に当研究所に移管された(財)日本漢方医学研究所石原保秀文庫(東亜医学協会旧蔵書)の目録整理と補修作業にも着手した。前年度より行ってきた岡田昌春文書の名家自筆をはじめとする書簡・墨蹟資料の解読・翻字については主要なものは作業を終え、画像とともにコンピューター処理を行った。3月末には平成14〜15年度の研究成果を包括し、下記のような内容を含む報告書を作成・出版する。(1)修琴堂文庫、(2)岡田家文書、(3)多紀家文書、(4)森家文書、(5)浅井家文書、(6)橋本家文書、(7)長谷川文庫、(8)大神文庫、(9)杉山検校遺徳顕彰会古医書。以上については、それぞれ目録と調査所見および全体にわたる総合索引(著者名・書名)を付す。(10)伊藤鹿里文庫、(11)石黒不円文庫については調査所見を記す。この報告書に平成14〜15年度当該研究の成果は集約される。