著者
山本 政儀 坂口 綾
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.173-184, 2015-09-25 (Released:2015-12-25)
参考文献数
25

Huge amounts of radionuclides were released into the atmosphere and ocean from the Fuku shima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP), as a result of the reactor accident after the magnitude 9.0 Great East Japan Earthquake and subsequent gigantic tsunami on March 11, 2011. This paper summarizes our research activities on measurements of actinide elements (236U, 238,239,240,241Pu, 241Am and 242,243,244Cm) in the environmental samples.
著者
小藤 久毅 山本 政儀
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.263-265, 1999-04-15 (Released:2011-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

Uranium concentrations in some natural mineral waters sold in Japan (domestic 20 and foreign 9) were measured by ICP-MS. The U concentrations were found in a wide range, differing by a factor of 40000, about 0.4-1.6×104ng/l. The values over guidance level (2μg/1) were observed in two domestic samples and one foreign one. Occurrence of such a high U concentration indicates the need of further survey of U concentration of mineral water to consider uranium intake.
著者
星 正治 坂口 綾 山本 政儀 原田 浩徳 大瀧 慈 大谷 敬子 片山 博昭 佐藤 健一 川野 徳幸 豊田 新 野宗 義博 原田 結花 高辻 俊宏 七條 和子 遠藤 暁 佐藤 斉 井上 顕 藤本 成明
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

1.現地への経路は、空路にて日本からソウル、アルマトイを経由して、セメイ市に入った。2.試料収集は、煉瓦、歯について行った。収集には現地のカウ ンターパート(カザフ放射線医学環境研究所、セメイ国立医科大学等)を中心とし進めた。3.本年度はラットを使った内部被曝の動物実験を中心に行った。内部被曝実験は2回行った。原子炉(クルチャトフ)で2酸化マンガンの粉末を照射し、その後セメイ国立医科大学に持ち帰りラットへの活動度への影響を観察した。各臓器の病理学的な検査、血液の検査も行った。各臓器に取り込まれた放射能も直接 測定し、ベータ線を含めた正確な内部被曝線量を求めた。4.さらに内部被曝実験に加えて、外部被曝であるCo-60を照射し運動量と線量との効果関係を調べた。この実験も2回行った。運動量の研究についてはその解析を進めている。5.甲状腺などの検診結果をデータベースへ入力した。6.外部被ばくや内部被曝も同様に計算しデータベースへ入力する準備をしている。7.心理的影響の現地調査と解析を進めている。8.カザフスタン、アメリカ 、ロシア、ドイツ、フランスの研究者とも国際共同研究として継続して進めた。9.広島・長崎の原爆被爆者について直爆者、早期入市者 、黒い雨の地域にいた人、遠距離被爆者について広島大学のデータベースなどを使って解析し、内部被曝とベータ線被曝の影響の解析 を行っている。10.マーシャル諸島での核実験の被曝線量評価とその影響などの調査も行っている。11.福島原子力発電所関連に ついても土壌、煉瓦を測定している。12.広島大学で国際シンポジウム(1月10-11日)および島根大学でのワークショッ プ(1月13日)を開催した。13.内部被曝とベータ線の被曝(特に粉じんによる)をキーワードに、ガンマ線による外部被曝線量を含め、統一的理解、解明の ため検討を進めている。
著者
山本 政儀 星 正治 遠藤 暁 今中 哲二
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

旧ソ連核実験場周辺住民の長期低線量率・低線量放射線被曝の健康・リスク評価を行うための基礎研究として、被曝を受けた周辺集落住民の出来るだけ正確な被曝線量を評価することを目的とした。この目的達成のために、最も大きな被害を被ったドロン村を中心に、南の集落、サルジャール村、カラウル村できめ細かな土壌サンプリングを行い、放射性雲の通過したセンター軸の位置,幅、さらに降下量を明らかにし,被曝線量を推定した。
著者
星 正治 遠藤 暁 大瀧 慈 木村 昭郎 岡本 哲治 豊田 新 山本 政儀 川野 徳幸 今中 哲二 片山 博昭
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

セミパラチンスク旧ソ連核実験場周辺の村、ドロン、セミパラチンスク、ズナメンカ、サルジャル他の村等で土壌を採取し、Cs-137、1-129、Puの同位体を測定し結果をまとめた。それぞれの村の被ばく線量を推定した。測定結果は、Bq/m2の単位で放射能の降下量として求めた。セミパラチンスクでの個人線量評価方法を確立し、個人被ばく線量推定のための方式を確立したのでコンピュータ入力している。
著者
山本 政儀 白石 久二雄 星 正治 ZHMADILOV Z.
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

旧ソ連の核実験場セミパラチンスク周辺の住民被曝の特徴は、外部被曝(30-250cSv:1949-1992年間の民住民の総被爆線量)に加えてかなりの内部被曝(40-300cSv)を受けていることである。この内部被曝線量は、数学的モデルで推定されたもので検証が必須である。現在唯一、検証が可能と思われるのは、人体組織の骨中^<90>Sr測定以外ないのではないかと考えている。2001年から、内部被曝線量評価の一環として、核実験場周辺で亡くなられた方々の骨試料を提供していただき骨中のU, Pu,^<90>Srの測定を開始してきた。核実験場近傍の集落で被曝し亡くなられた方の人体試料について出来るだけ多くの試料を収集しデーターの蓄積を計ることが最重要である。本研究において、クルチャトフ研究所及びセミパラチンスク市内の大学病院との連携で、人骨試料(主に脊椎)約100試料を収集し分析した。Nこれまでに採取した試料を用いてPu, Uの逐次分析法を開発し、これまでに約50試料の分析を実施した。Pu-239,240及びU-238濃度は、灰化試料1g当たり0.005-0.23Bq/g,0.09-0.49mBq/gの範囲であった。分析した試料の大部分は、セミパラチンスク市内が多く、これらの値はこれまでに報告されているデーターとくらべて同レベルであった。しかし、核実験場近傍の試料で高い値を持つケースもいくつか見いだされた。Sr-90については0.05-0.13mBq/g-ashの値が検出された。↑標準人(70kg)、平均Pu-239,240濃度0.03mBq/g-ashを用いて50年間に受ける実効線量当量を試算すると、全て吸入摂取の場合には、12.3(難溶性Pu)〜42.7(可溶性Pu)μSv,全て経口摂取の場合に13.5-28.6μSvとなる。→現在、核実験場近傍の集落、モスチーク、ドロン、ズナーメンカ、サルジャールで長年住んでいて亡くなられた方の人体組織を分析しており、さらにデータの蓄積を積み重ねている。↓最終的に、実際のSr-90データとモデルから予想されるデータとの比較を行い、モデルの妥当性を検討する。モデルとの合致が得られない時には、その原因を解析し、新たなモデルを提示する。
著者
山本 政儀
巻号頁・発行日
1996 (Released:1996-04-01)

陸地と海域の接合部である沿岸帯は物質の収支と循環が最も活発に演じられる場所であり,そこでの特に将来長きに亘り環境放射能影響をもたらす長寿命放射性核種,とりわけ超ウラン元素(ネプツニウム(Np),プルトニウム(Pu),アメリシウム(Am))の挙動を系統的・総合的により明確にすることは,環境保全の面からのみならず被曝低減化の面からも重要である。本研究は,イギリスのセラフィールド核燃料再処理工場からの放射性廃液で高濃度に汚染されているアイリッシュ海沿岸をフィールドにIV価のPuやIII価のAmと比べて堆積物に移行しにくいと言われているNpが,どのような堆積挙動をするかを解明することを主目的として実施したものである。主な成果を以下に述べる。(1)アイリッシュ海東部沿岸の堆積物について,^<237>Npを初めとして^<238>Pu,^<239,240>Pu,^<241>Pu,^<241>Am,更に^<99>Tcを測定し,汚染レベル・分布・蓄積量を明らかにした。(2)再処理工場からの1989年までの全^<237>Np放出量を初めて6-8TBqと推定した。(3)放出口からの距離と上記核種の蓄積量との比較から,^<239,240>Pu=^<241>Am<^<237>Np<^<137>Cs<^<99>Tcの順に堆積物に移行しにくいことを明らかにした。これらの挙動の違いはそれぞの元素の酸化状態の違いによって説明される。(4)アイリッシュ海に放出された上記核種の沿岸帯への移行には主として2つのメカニズム,すなわち,溶存状態として海流・潮汐にのって拡散(solution transport)する場合と放出口近傍で高濃度に汚染された堆積物粒子が拡散(particle transport)する場合がある。どちらかと言うと,^<99>Tc,^<137>Csは前者,^<237>Np,^<239,240>Pu,^<241>Amは後者のメカニズムで移動し空間的・時間的分布を規定していることを明らかにした。
著者
星 正治 山本 政儀 坂口 綾 大瀧 慈 岡本 哲治 川野 徳幸 豊田 新 今中 哲二 遠藤 暁 木村 昭郎 片山 博昭 ズマジーロフ カシム ステパネンコ ヴァレリー シンカレフ セルゲイ 武市 宣雄 野宗 義博
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

放射線の危険度(リスク)はほぼ広島・長崎の被ばく者の調査を元に決められてきた。そして国際放射線防護委員会(ICRP)での議論を経て放射線障害防止法で規定され、被ばくの限度を定めてきた。原爆の放射線は一瞬の被ばくである。セミパラチンスクやウラン鉱山の被曝は長時間被曝である。そのリスクは異なっていると考えられ本研究を推進した。内容は線量評価と共同研究によるリスク評価である。測定や調査は以下である。1.土壌中のセシウムやプルトニウム、2.煉瓦による被曝線量、3.歯から被曝線量、4.血液の染色体異常、5.聞き取り調査による心理的影響、6.データベースの整備とリスクなどであり、被爆の実態を解明した。
著者
星 正治 山本 政儀 遠藤 暁 高田 純 吉川 勲
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

セミパラチンスク核実験場近郊住民の被曝の影響調査に関して、文部科学省の科学研究費補助金で平成7年度より継続した研究を行ってきた。本研究は平成13年度と14年度にわたって行われた研究である。この研究は平成6年に原医研が改組されその際に研究テーマの一環として組み込まれ、その後平成14年度の改組においても引き続き推進することが認められた。セミパラチンスクでの被曝の特徴は、1.外部と内部被曝をほぼ半分ずつ含むこと、2.線量的にドロン村で1Gyと大きいこと、それから3.数週間から数ヶ月の低線量率被曝であることである。今回の調査では、従来通り、プルトニウム、セシウムなどの土壌汚染の測定、人体の骨や臓器の汚染、人の歯を使った外部被曝線量評価、煉瓦を使った外部被曝線量評価のうち相互比較を進めるための準備を進めてきた。これらから、たとえばドロン村では1Gy相当の被曝があったことを証明した。また人体影響の調査も進め、甲状腺の検診、血液中の甲状腺ホルモンの測定、血液の染色体異常の検出、個人被曝線量の評価のための準備なども進めた。甲状腺の検診では放射線の感受性があるとされている結節を多く検診し、リンパ球については小核と染色体異常を観察している。また平成14年9月にはセミパラチンスクで開催された放射線量評価の国際会議を開催したことが特筆される。主催はセミパラチンスクの放射線医学環境研究所と医学アカデミーであり、ドイツ、ロシア、イギリス、フィンランド、アメリカ、インドなどの代表が参加した。広島大学は会議を主導し、従来の被曝線量評価があまりにも違いが大きいのでこれを国際的に解決する目標を提案し承認された。放射線被曝の線量評価は疫学調査と合わせて低線量率被曝のリスクを求めることにある。したがってこの直接的にリスクに影響する。
著者
小藤 久毅 山本 政儀
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.263-265, 1999-04-15
被引用文献数
2 2

<I>Uranium concentrations in some natural mineral waters sold in Japan (domestic 20 and foreign 9) were measured by ICP-MS. The</I> U <I>concentrations were found in a wide range, differing by a factor of 40000, about 0.4-1.6×10</I><SUP>4</SUP>ng/l. <I>The values over guidance level (2</I>μg/1) <I>were observed in two domestic samples and one foreign one. Occurrence of such a high</I> U <I>concentration indicates the need of further survey of</I> U <I>concentration of mineral water to consider uranium intake.</I>
著者
川端 良子 片山 幸士 長井 正博 山本 政儀 山田 祐彰 五味 高志
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

中央アジア・ウズベキスタン共和国内のヌクスを中心としたアムダリア流域にて,大規模灌漑農業による環境汚染と生態系への影響について以下の調査を行った. 1)飲料水である地下水の調査を行った. 2)潅漑用水,潅漑排水,および河川水を採取し,灌漑農業による河川水への影響を調査した. 3)ヌクス近郊の農村で,人体への影響に関しての聞き取り調査を行った. 4)河川水と地下水を毎月試料採取し,月変動を調査したその結果、地下水の元素濃度の方が、河川水より高い濃度であった。さらに、冬場に、特に、地下水の硝酸イオン濃度が高くなっていることが明らかとなった。また、ヌクスの郊外の農村で,縞状の歯を持つ子供たちが多くみられ過去に何らかのエナメル質を溶かすような有毒な物質が,井戸水に含まれていた可能性が高いことがわかった.そこで,月変動を明らかにすることと,一時的な汚染であれば,どのような時期に汚染されているかを調べるために,毎月この村で地下水の試料を採取することにした.その結果、地下水の元素濃度の方が、河川水より高い濃度であった。さらに、冬場に、特に、地下水の硝酸イオン濃度が高くなっていることが明らかとなったしかし、濃度変化は、年度によって差があり、さらに詳しく調べる必要があることが明らかとなった
著者
恩田 裕一 山本 政儀 山田 正俊 北 和之 竹中 千里 浅沼 順 中島 映至 篠原 厚 神田 穣太 五十嵐 康人
巻号頁・発行日
2012-06-28 (Released:2012-11-27)

(i)領域内の相互啓発と情報共有:全計画研究班の研究が円滑に進むよう統括を行った。各研究班班会議に他班構成員も参加できるよう導入したWEB中継会議システムを用いて、全構成員間のより緊密な連携を図った。情報共有の為、ホームページの更なる充実化を図り、各班の班会議、議事録等を公開し、国内外でのセミナーや会議の情報等の最新データを随時掲載した。また、平成27年5月、平成28年3月には全体会議を開催し、今後の課題について検討・確認を行った。(ii)情報発信:研究成果を広く国内外の学界に紹介する為、ホームページ(和英)での研究業績ページの充実を図った。ニュースレターを発行し(H27年度は2回刊行)、研究成果を分かりやすく解説した。また、国内外に向けた情報発信の為、European Geoscience Union(平成27年4月)・地球惑星科学連合(平成27年5月)でセッションを主催した。(iii)研究支援活動:「データベースワーキンググループ」を統括し、事故発生以降の環境データ、モデリングデータ、分析データを使いやすい形で整理し、関係研究者に提供した。また「分析チーム」を統括し、分析がIAEAスタンダードになるようproficiency testの結果を反映させた。(iv)公募:実施と研究支援:各計画研究の補完・推進を目的として採択した第ニ期公募案件について研究支援を行った。また、若手研究者育成について、各計画研究班を幹事とする若手育成プログラムを引き続き実施し、規定条件をクリアした若手研究者2名を表彰した。
著者
山本 政儀 富田 純平
出版者
日本温泉科学会
雑誌
温泉科学 (ISSN:00302821)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.388-401, 2015-03
著者
山本 政儀 柏谷 健二
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

ユーラシア大陸に位置するロシア・バイカル湖,モンゴル・フブスグル湖の長い堆積物コアーから読み取れる種々の指標は,過去から現在に至る環境変化を理解する有用な情報を提供する。本研究は,化学情報,特に化学化石の1つである地殻物質,天然放射性元素ウラン(U)・トリウム(Th)に着目し,それらの同位体測定を通じて,これら元素の堆積挙動,堆積年代への応用,さらに古環境解析に役でてることを目的とし、以下の成果を得た。1)フブスグル湖の最深部付近で掘削(2004年)した長さ81mコアーについて,表層から3cm毎に切断した試料のうち,約350試料についてU,Th同位体を測定した。^<238>U濃度(河川から流入する岩石・土壌由来Uを差し引いた残りのU成分:自生成U)深度分布パターンは,見掛け上酸素同位体ステージの変動とよく似たパターンを示した。この傾向は,バイカル湖の堆積物においても見出しており,温かい・湿潤期(自生成Uが多い)と寒冷・乾燥期(自生成Uが極めて少ない)指標になりうることを明らかにした。^<232>Thは,河川から流入する岩石・土壌の指標として有用である。2)幾つかの深度での堆積物の年代を^<234>U/^<238>U-^<230>T/^<238>U比を用いるアイソクロン法で決定した。3)自生成U濃度変動と気候変動との関連については,間氷期の温かい・湿潤期には湖内有機物生産量の増加,湖水への河川水による溶存Uおよび化学的風化を受けた土壌物質の供給量増加に,一方氷期は上記要因の減少によると考えられた。
著者
星 正治 遠藤 暁 川野 徳幸 山本 政儀 片山 博昭 大瀧 慈
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

平成15-16年度の成果の内、特筆されることは、平成16年3月9-11日の3日間広島大学にて国際ワークショップを開催したことである(学振の国際研究集会経費の支援による)。これは平成14年9月にセミパラチンスクで放射線量評価の国際会議を受けて広島で開催した。63演題が発表され、このうち26演題が外国人による発表であった。主題は被曝の大きかったドロン村である。2年間の研究の積み重ねの結果が発表された。その主な分野は、1.煉瓦のTLDによる国際相互比較を中心とした測定、2.歯のESR法を中心とした測定、3.放射能の雲の計算による方法、4.土壌汚染の測定とそれに基づく評価、5.染色体異常などの結果であった。結論として、煉瓦が、空中線量で0.5グレイくらい(国際相互比較で本研究グループからは茨城県立医療大学の佐藤が参加)、歯が0.1から0.5グレイ(本研究グループによる)、土壌汚染からの計算が0.5グレイくらい(金沢大との共同研究)、計算は被曝を引き起こした雲の通過した経路が、中心から外れている事を加味し0.5グレイ位とされ矛盾はない、本研究グループなどによる染色体異常の研究では明確ではなかったが、0.3グレイ位の評価もあり矛盾はない。以上の結論が出て、今まで0から2グレイまで評価法によって異なっていたことが、空中線量で0.5グレイと収束することができた。これが最も大きい結論である。これで方法論は確立したので、村ごとの個人被曝線量評価を行うことが次の課題である。現地調査は、金沢大学の山本らのグループとの土壌などのサンプリングを共同で行ったこと、武市医師のグループにより、サルジャル、カラウル、コクペクティなどの村で検診を行った。さらに血液の染色体異常、小核試験なども行った。放影研の片山らはコンピュータによるデータベースの構築を進めた。
著者
小村 和久 井上 睦夫 浜島 靖典 山本 政儀 中西 孝
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

(1)本研究遂行にもっとも重要な極低バックグラウンドGe検出器の性能アップを目的に、プラスチック検出器による逆同時計数法適用のための基礎研究を実施した。ウイーンで開催の国際会で発表。Journal of Applied Radiation and Isotopes誌に論文掲載決定。(2)放射化法による中性子計測法基礎研究のため、近畿大学の1ワット原子炉原子炉稼動時の中性子分布を測定。(3)2001年開始の青森県六ヶ所村での中性子モニタリングを継続,成果を研究会で発表。(4)極低バックグラウンドγ線計測による低レベル中性子評価関連の成果とともに論文として掲載。(5)Cf-252中性子線源を用いて金を放射化、所有の10ゲ台ルマニウム検出器の効率を評価(6)海中の中性子分布の深度深度分布測定のための最適条件を得るため、小木臨海実験所で3度水中照射実験を実施。(7)獅子吼高原(海抜640m)と辰口(海抜約30m)で環境中性子の同時測を行った。環境放射能研究会(つくば2004.3)で発表(8)海抜2100m地点で1年以上おいて中性子暴露した水試料の放射能測定を実施。(9)原爆中性子による極低レベル誘導核種152Eu評価のための分析手法について検討した。中でも妨害が大きアクチニウムとの相互分離に充填重点をおいて研究し分析法を確立。(10)前年度の測定で原爆中性子誘導放射性核種Eu-152の実測と理論計算値爆心から1.4kmまで一致することを報告。成果はサイエンス誌に投稿。原爆放射線被爆評価法DS02で発表。(11)JCO事故の漏えい中性子誘導核種のうち、スプーン等のステンレス鋼中に生成したCo-60の論文がJ.Environmental Radioactivity誌に掲載決定。放射化による低レベル中性子評価に関する基礎および応用研究で放射線影響協会より第3回放射線影響研究功績賞受賞。(2003.3)