著者
中沢 啓 吉永 繁高 関根 茂樹 岡村 卓真 奥田 奈央子 小山 洋平 福士 剛蔵 山崎 嵩之 春日 健吾 川島 一公 水口 康彦 張 萌琳 江郷 茉衣 阿部 清一郎 野中 哲 鈴木 晴久 小田 一郎 斎藤 豊
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1036-1042, 2020-07-25

要旨●当院で胃型腺腫(幽門腺腺腫)と診断された25例25病変を検討した.H. pylori未感染胃に発生した症例(癌化例含む)は2例(8.0%)のみであり,23例(92.0%)はH. pylori現感染胃,もしくは既感染胃に発生した症例であった.全症例U領域もしくはM領域に位置しており,L領域の症例は認めなかった.色調は白色調,褪色調,発赤調,同色調までさまざまであり,特徴的な所見は認めなかった.肉眼型は隆起型,もしくは表面隆起型に鑑別できるものが大部分であった.全25例中12例(48.0%)に癌合併を認めており,胃型腺腫に対して内視鏡治療を行うことを検討すべきと考えられた.
著者
小田 一博
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.681-687, 2005-10-01

わが国の年金制度は「社会的扶養」を基本とし, 全国民に共通した「国民年金(基礎年金)」をベースに「被用者年金」および「企業年金」の3階建ての体系となっている.この「国民年金」と「被用者年金」は公的年金, 「企業年金」は私的年金と位置づけられている.公的年金においては, 今後少子高齢化が進行するため, 制度の支え手である現役世代が減り保険料収入が減少する一方, 高齢者の増加や平均寿命の伸びで給付費が増大することが見込まれており, 平成16年において, 将来にわたり安心できる持続可能な年金制度の構築を目指し, 給付と負担のあり方を見直す等の制度改正が行われた.
著者
小野 裕之 八尾 建史 藤城 光弘 小田 一郎 上堂 文也 二村 聡 矢作 直久 飯石 浩康 岡 政志 味岡 洋一 藤本 一眞
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.273-290, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
138
被引用文献数
2

早期胃癌に対する内視鏡治療が急速な拡がりを見せている現況において,日本消化器内視鏡学会は,日本胃癌学会の協力を得て,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として,“胃癌に対するESD/EMRガイドライン”を2014年に作成した.この分野においてはエビデンスレベルが低いものが多く,コンセンサスに基づき推奨度を決定しなければならないものが多かったが,近年,よくデザインされた臨床研究が増加している.新しい知見を踏まえて,適応・術前診断・手技・根治性の評価・偶発症・術後長期経過・病理の7つのカテゴリーに関して,改訂第2版を刊行し,現時点での指針とした.
著者
小田 一幸 仲宗根 平男
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.343-353, 1980-11-29

樹冠の生長と木部形成の間には密接な関係があり, 樹幹での木部形成を理解するためには, シュートの生長と発達について知る必要がある。ここでは, 沖縄本島に生育しているリュウキュウマツを対象に, シュートおよび針葉の伸長パターンについて述べ, 芽の形成過程, シュート頂の形態, 伸長期の観察結果を報告した。1.シュートおよび針葉の伸長パターンをそれぞれFig.1とFig.2に示した。2.芽の形成は2月から始まり, 2月から6月にかけてはえき芽をつくらないりん片葉だけが形成された。えき芽をつくるりん片葉の形成は7月から始まり, 7月から12月にかけての期間に短枝の原基が, 翌1月に長枝の原基が形成された。したがって, 芽の形成期は2月から1月までで, 明らかな休止期は認められなかった。3.シュート頂の形態は芽の形成過程の各段階に応じて変化し, シュート頂は芽の形成の最盛期には突出したドーム状となり, 直径に対する高さの比は0.42∿0.45であるが, 緩慢な時期には平らなドーム状となり, その比は0.15∿0.18に減少した。4.シュートの伸長期は9月から10月と2月下旬から5月上旬の2回認められ, 9月から10月にかけての期間にはえき芽を持たないりん片葉の部分が伸長し, 2月下旬から5月上旬にかけての期間にはえき芽を持つりん片葉の部分が伸長した。
著者
北垣 一 和田 昭彦 内田 幸司 森 悦郎 畑 豊 森 悦朗 小田 一成 川口 篤哉
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

平成13年から平成16年の4年間に健常者491名に対してMRIデータを得た.健常者の平均値,標準偏差値は頭蓋内容積1576.56+-166.77(ml),全脳体積1258.55+-143.74(ml),頭蓋内容積比0.80+-0.04,左半球大脳体積534.06+-62.79(ml),右半球大脳体積549.92+-70.93(ml),であった.女性被検者248名の平均値,標準偏差値は頭蓋内容積1500.71+-141.93(ml),全脳体積1209.73+-132.77(ml),頭蓋内容積比0.806+-0.045,左半球大脳体積514.19+-57.93(ml),右半球大脳体積527.80+-64.97(ml)の結果を得た.男性被検者243の平均値,標準偏差値は頭蓋内容積1653.97+-154-40(ml),全脳体積1308.37+-137.51(ml),頭蓋内容積比0.791+-0.041,左半球大脳体積554.34+-61.17(ml),右半球大脳体積572.50+-69.75(ml)の結果を得た.頭蓋内容積,全脳体積,左半球大脳体積,右半球大脳体積は男性が有意に大きかったが,頭蓋内容積比は女性が有意に大きかった.そこで男性(243名,平均年齢62.04+-10.54歳)と女性(243名,平均年齢64.57+-9.96歳)に対して脳体積を頭蓋内容積による補正をしたところ女性は男性よりも有意に高齢であったにも関わらず,女性は男性より統計学的に有意に全脳,左大脳半球,右大脳半球とも大きいという結果が得られた.50代以降において女性は男性よりも頭蓋内腔にしめる脳体積が大きいことが解った.研究期問中にデータを得たアルツハイマー病患者21名(男性6,女性15,76.6+-6.42歳)は全脳対頭蓋内容積比0.754+-0.046,右半球大脳体積比0.330+-0.023が同年代の健常者と比べて有意に小さな値をとり脳萎縮の進行を体積として評価できた.
著者
矢持 進 江口 充 重松 孝昌 小田 一紀 角野 昇八
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

・本人工干潟は,造成3ヶ月後は窒素生成の場(5.4kg/day)となっていたが,造成から1〜2年経過した時点では窒素固定の場(1年目:-4.7kg/day,2年目:-3.6kg/day)に変化した.さらに,造成3年後には再び窒素生成の場(1.2kg/day)に転じた.人工干潟が栄養物質のSourceかSinkかについては,優占動植物の動態に依存しており,生物相が安定しない若い人工干潟では不安定であると推察された.なお,造成から1〜2年経過した本人工干潟の総窒素固定量(2001年:735mg/m^2/day,2002年:554mg/m^2/day)は,同じ大阪湾に位置する甲子園浜のそれの(356mg/m^2/day)の1.6〜2.1倍であった・小型底生動物の個体数,種類数,湿重量はL.W.L.0〜-2.0mの水深帯で高い値を示した.L.W.L.0mより上部については干出時間が長くなることや砕波による底質攪乱の影響で生物相が貧困になると考えられた.また,L.W.L.-2.0m以深の生物相が貧困になることについては,地盤高が低くなるにつれて底質悪化していることや貧酸素化の影響が考えられた.したがって,浚渫土砂を活用して大阪湾東部沿岸域に人工干潟を造成する場合,底生動物の生息から見た地盤高としてはL.W.L.0〜-2.0m帯の面積を多くすることが望ましいと考えられた.