著者
山本 奈美 今西 康晴 三谷 隆彦 味村 妃紗 有田 幹雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.128, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】高血圧症の予防・治療では減塩が重要となるが、食事のおいしさへの影響が大きいことからその達成は容易ではない。一方で、おいしさを損なうことなく食事の塩分量を減らす調理上の工夫として、香辛料を活用することが経験的に知られている。本研究では日本の代表的な香辛料である山椒(Zanthoxylum piperitum)粉末を含む錠剤を口腔内で溶解させることにより、通常より塩分を控えた食品に対する評価が変化するかを調べた。【方法】大学生(18~24歳,男女)42名を対象として、官能評価を行った。試料は、減塩みそ汁(塩分濃度0.6%で調製)及び1食分の食事を想定した市販の減塩食(ニチレイフーズ,1食あたりの食塩相当量1.6g)とした。それぞれを試食し、「全体的な味付け」「塩加減」「味付けの満足度」について5段階で評価させた。山椒粉末1mgを含む錠剤を口腔内で溶解させた後にも同様の評価を行い、その変化について検討した。【結果】山椒錠剤の溶解後は試料の味を濃く感じており、試料に対する味付けの満足度が高まる傾向にあった。特にみそ汁においてその効果が顕著であった。普段の食事に対する好みなどパネルによってその効果は異なるものの、山椒粉末により減塩食の塩味が増強し味付けに満足することが示唆され、減塩食普及の一助となる可能性が考えられる。
著者
山本 奈美 田村 咲江 松下 純子 石村 和敬
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.141-151, 2005-03-15

本研究は, 誘電凍結法の効果を調べることを目的として, 緩慢冷凍庫(-20℃)および急速冷凍庫(-45℃), 同種の急速冷凍庫内に磁場(20, 30, 40Hz)を発生させた誘電冷凍庫の3種類を用いて鶏胸肉を冷凍し, 緩慢凍結試料は-20℃で, その他は-30℃で1週間又は6カ月間貯蔵した後, 解凍後および蒸し加熱後の試料について重量変化と破断強度を測定し, 光学顕微鏡, 透過電子顕微鏡, クライオ走査電子顕微鏡による組織観察および画像解析を行った.1週間貯蔵した試料においては, 冷凍方法による顕著な相違は認められなかった.しかし, 6カ月間貯蔵では, 緩慢凍結と急速凍結を行った試料の破断応力値は有意に大となったが, 誘電凍結した試料ではこれらの値の変化は小さかった.急速凍結した試料の貯蔵6カ月後における筋線維の横断面には, 筋線維内に冷凍保存中のたんぱく質の変性によって生じたと考えられる大きな空隙が生じていた.これに対して誘電凍結した試料の顕微鏡像では, 極めて小さい空隙が分散して比較的冷凍前に近い状態を示していた.筋線維横断面の形態を画像解析して真円度の尺度で比較した場合も, 誘電凍結した試料は冷凍前の試料により近い傾向を示した.これらのことから誘電凍結法は, 鶏胸肉の比較的長期の保存に効果があると考えられた.
著者
山本 奈美 戸塚 昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.341-344, 1990-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

ノーズ・クリップ法でワインの官能評価をおこない, 赤ワインは味と香りの両方に白やロゼと判別される特徴を持つこと, ワインのブドウ品種の判別や熟度の評価には味よりも香りの方が重量な要因であることが示され, ワインの官能評価における香りの重要性が確認された。終わりに, 審査にご協力いただいたパネリスト各位に, 深謝致します。
著者
山本 奈美 諸岡 浩子 長石 啓子 高木 弘子 渡邉 照美 福田 公子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.6, 2006

<br>【目的】<br> 平成11年3月に告示された現行学習指導要領では、職業に関する専門教育としての家庭科は、生活関連産業の各分野で必要とされる資質や能力の育成を重視するという趣旨が明確にされた。これまでに、生活関連産業の高度化、サービス化、消費者ニーズの多様化等を踏まえて内容の改善が図られつつあり、さらに職業に関する専門学科としての家庭科を明確に位置づけるためには、日本版デュアルシステム導入の可能性を提言しておく必要がある。家庭に関する専門学科の中では、調理師養成課程をもつ専門学科は生徒数の減少が小さく、中国地方5県を調査した結果からも明確なキャリアパスに基づいて専門教育と職業を直結させた特色ある取組をしている様子がうかがわれた。そこで、今後の家庭に関する専門学科の発展の方向性を探るために、岡山県内のA高校調理科を事例として、カリキュラムと授業実践にかかわる実態やそこで学ぶ生徒の意識を調査し、日本版デュアルシステム導入の可能性について検討した。<BR>【方法】<br> 調査対象校は、岡山県内の私立A高校の調理科である。平成17年10月から12月にかけて、資料収集及び授業観察、アンケート調査を行った。さらにその詳細を把握するために、調理科担当教員及び外部講師、校外実習受け入れ先の担当者から聞き取り調査を行った。授業観察は、1~3年の調理実習をそれぞれ観察し、指導者の発言に着目して分析を行った。生徒に対するアンケート調査は、調理科1~3年生の150名から回答を得た。質問項目は、調理科への志望理由、調理科での学習内容に対する意識、卒業後の進路希望とした。<BR>【結果】<br> 調理科の教育課程は調理師養成施設の設置基準に基づいているため、調理師として要求される技術や能力が最低限保障されているものと考えられた。それに加えて、A高校の調理科は約20年の実績の中で教育内容の改善を重ねるとともに、マイスター・スクールなど学校独自の特色ある取組によって他校との差別化をはかり、生徒にとって魅力ある教育内容が準備されていた。調理実習の授業では外部講師を積極的に活用し、調理科教員による基本的な指導のうえに、外部講師によってより専門的な指導が行われていた。また、外部講師の活用は単なる技術指導だけでなく、生徒の職業意識の向上にも役立っていた。アンケート調査からは、多くの生徒は高校入学時にすでに職業を見据えた進路選択をしていることが分かった。また、調理科での教育内容に対する生徒の役立ち感は高く、調理技術の向上や調理科で学んだ経験が生徒の自信につながっていた。1年次の春休みから3回に分けて行っている校外実習は、生徒が調理師としての仕事を直接的に体験する機会であるとともに、受け入れ先のホテルとしても労働力の確保、雇用の面からメリットがあると受け取られていた。<BR> 日本版デュアルシステム導入の検討にあたり高等学校における調理師養成制度をみると、学校側は調理技術の習得など基礎的部分の指導を担当し、ホテル側は校外実習の場を提供することにより一定レベルの技能を身に付けた人材を確保しやすくなるなど、「日本版デュアルシステム」的な理念や仕組みに通じるものがすでに成立していると考えられた。これをさらに充実・発展させるために、また第1報も踏まえた他の家庭に関する専門学科での日本版デュアルシステムの導入に向けた今後の課題として、1.学校と企業の間でコーディネート機能を果たす組織の必要性、2.教員の資質能力及び人事管理と研修の在り方、3.企業実習の方法・形態及び評価の在り方、4.学校と企業の役割分担を踏まえた教育課程の編成、5.生活関連産業で求められる資質や職業能力について検討し、その担い手を育成する家庭に関する専門学科の社会的認知や肯定的なイメージ形成をどうはかっていくか、などが挙げられる。
著者
永田 智子 赤松 純子 榊原 典子 鈴木 真由子 鈴木 洋子 田中 宏子 山本 奈美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

1.問題の所在と研究の目的  家庭科教員を取り巻く現状は厳しい。小学校においては継続的に家庭科の実践研究を行う教員は少なく,家庭科授業の手本を示してくれる先輩教員や情報交換できる同僚が身近にいないことが多い。別の方法で小学校家庭科の授業者を支援する手立てが必要である。  小倉ら(2007)は,全国の小中学校における日々の理科授業の改善に役立てるため,優れた特徴をもつ理科授業をビデオ収録するとともに,その実践の何が優れているかを具体的に示すことによって,理科を指導する教師が参考にすることを目的とした研究を行った。本研究の基本的な発想は小倉らの研究に依拠する。つまり家庭科授業をビデオ収録し,その指導案を集めるだけでなく,家庭科教育の有識者が,その授業の何が優れており,何が課題なのかを具体的に示すことによって,家庭科の授業実施や改善を支援できると考えた。  ただし,小倉らの研究では,授業ビデオと報告書に掲載された評価コメントを,視聴者自身が対応付けながら視聴しなければならない点で不自由がある。そこで,共有された授業風景動画の特定場面と討論中の発言内容の対応を明示化する動画共有システムVISCO(小川ほか2009)を利用することにした。VISCOではコメントを具体的な映像場面に直接付与すると,吹き出しのように表示することなどが可能になるため,視聴しやすくなることが期待できる。  そこで,小学校家庭科授業の実施・改善を支援することを目指し,優れた点や課題点などのコメントを授業ビデオとともに閲覧することのできる動画共有システムと家庭科授業ビデオを一つのパッケージとして開発することを本研究の目的とした。 2.パッケージの開発手順と特徴  今回開発したパッケージには,VISCOおよび7本の小学校家庭科授業の動画ファイル,各授業の指導案が含まれている。   VISCOはWindows7を推奨環境とするシステムで,動画の映像場面にコメントを付与すると,インターネットを通じてコメント情報がサーバに蓄積される。視聴時には,インターネットを通じて,蓄積された複数人のコメント情報を動画上に吹き出しの様に重ねて表示させることができる。またコメントはリスト表示され,そこからコメントを挿入した場面に動画を移動させることもできる。  小学校家庭科授業およびその指導案は日本家庭科教育学会近畿地区会の有志によって収集・編集された。授業は学習内容A~Dから各1本以上とし(A=1本,B=2本,C=3本,D=1本),題材(テーマ)は重ならないように調整した。授業は学校長の許諾を得た上で撮影し,かつ子どもの名前や顔にはモザイク加工を施した。音声が聞き取りにくい場面にはテロップを付け,授業内容がわかる程度の長さにカットした(最短約16分,最長約38分,平均約24分)。  このように編集された7本の授業ビデオに,教員養成系大学・学部で家庭科教育に携わる研究者7名が分担して,VISCOを使って優れた点や課題・助言,解説等のコメントを付与した。1本当たりのコメント者数は3名,コメント数は平均48.3±11.5件であった。 3.今後の課題 小学校と同様の手続きで中学校・高等学校家庭科教育のパッケージを開発するとともに,研究者の付与したコメントの妥当性や有効性を検証することが今後の課題である。 本研究はJSPS科研費 24531124の助成を受けたものである。参考文献 小倉康ほか(2007)優れた小中学校理科授業構成要素に関する授業ビデオ分析とその教師教育への適用,平成 15 年度~18 年度科学研究費補助金 基盤研究(A)(1) 研究成果報告書 小川修史・小川弘・掛川淳一・石田翼・森広浩一郎(2009)協調的授業改善を支援するための動画共有システムVISCO 開発に向けた実践的検討,日本教育工学会論文誌,Vol.33, Suppl., 101-104
著者
今村 律子 赤松 純子 山本 奈美 川嶋 径代 北又 寿美
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

小・中学校家庭科教科書における衣生活の「安全・安心」表記は実験・実習に関わる機器や用具の使い方が中心であり、高等学校も含め、食・住と比較して表記が少なかった。しかし、「安全」という表記がない文章や図中にも種々の視点のリスクが含まれており、授業者が「安全」を意識した授業展開が出来るよう配慮すべきであることがわかった。そこで、着衣着火事故から衣服の手入れや繊維の性質を学習する授業提案をおこなった。さらに、住生活をも関連させた授業展開が可能となった。
著者
船津 敏弘 前田 紀子 谷矢 隆介 山本 奈美絵
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.87-91, 2003 (Released:2007-11-02)
参考文献数
6

犬のボディ・コンディション・スコア(BCS)について、年齢、犬種、性別、飼育形態などの観点から検討を行った。さらに各種疾病におけるBCSの変化について調査した。子宮蓄膿症、皮膚病および跛行症例においてはBCS 5の症例が多かった。泌尿器疾患、消化器疾患においてはBCS 2の症例が多かった。循環器、肝臓疾患、腫瘍などではBCS 5およびBCS 1の両方が多い傾向が認められた。 死亡原因別にみると心不全はBCS 4のものとBCS 2の例が多かった。心不全で長期的な管理ができた例、および腎不全の症例ではBCS 2が多かった。肝障害ではBCS 5が多く、糖尿病ではBCS 5とBCS 1の症例に分かれた。犬のBCSの変化には十分注意することが重要であると思われた。