著者
池田 研介 清水 寧 中田 俊隆 篠原 晋 山田 弘明
出版者
立命館大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

<高速拡散過程の研究:>本年度は力の性質がはっきりしているアルカリハライド(AH)クラスターの高速混晶化過程の研究に一応のメドをつけた。AHクラスターでは表面空孔配列が異なる構造異性体に加え、体積内で空孔をもつ構造異性体(高位の異性体)がクラスターでは比較的低いエネルギーをもって安定に存在する。これらの異性体を巡る遍歴現象が動的に発生する。特に高位の異性体を巡る過程で混晶化が誘発される事が判明した。混入の活性化エネルギーが評価され1eV程度である事が分かった。この値はバルク中の拡散過程の2eVに比べその半分程度である。常温では混入速度が少なくとも$10^{12}$倍程度高速化する事が分かった。我々が関心をもつ、メソタイムスケールダイナミクスの観点からすると活性化エネルギーを与える、遷移状態とそれを乗り越える力学過程の解明が今後の大きな課題である。同時にanion-cation半径が顕著に異なるNaIの様なクラスターでは<動的ガラス状態>が現れる事が判明した。一方、数十個程度の超微小AHクラスターでは平衡状態であるにも拘わらず温度勾配があらわれる事。それが角運動量の保存の為である事も判明した。<カオス的トンネル効果の研究:>単純で且つトンネル効果をモデル化できる系としてHenon系をトンネルイオン化の基礎モデルに据えトンネルイオン化過程をカオスが理想的状態になく混合相空間として回転領域と混在する場合に解明してゆく作業がかなり進行した。重要な結果はトンネル効果に主要な寄与をもたらすLaputa chainに階層構造が存在し、しかも高次のchain構造が混合相空間でのカオス的トンネル効果に本質的役割を果たす事が解明された事である。理想的なカオス的トンネル効果では高次構造は効かず、低次構造のみでトンネルが良く近似できた事と大いに異なる。高次構造の役割は回転領域がカオス領域に占める割合に比べ相対的におおきくなる程重要になってくると考えられる。なお、本研究課題に対し、2005年8月25日-9月1日立命館大学に於いて国際研究集会{bf Complexified Dynamics, Tunnelling and Chaos}を挙行した。
著者
山田 弘文 南出 章幸 竹俣 一也 中村 純生
出版者
金沢工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

グローバル化の進む21世紀において国際的に活躍できる技術者を育成するには、専門知識に加えて、外国人とのプロジェクトを円滑に推進するためのコミュニケーション能力が必要である。そこで、本研究では、学生がWeb上の共同実験施設を外国人とチームを組んで利用し、プロジェクト活動を推進する国際交流型の工学教育を実践できる教育ネットワークを構築することを目的とし、Webブラウザでコントロールできる遠隔操作ロボットシステムの開発を試みた。開発したシステムの有効性を検証するためシステムー式を協力機関に設置した結果、本システムが使えそうであることを明らかにできた。
著者
塩見 将志 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-54, 2001-03-31

今回,私たちは,2歳児相談において,言語発達を正確に評価し,言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期療育するための語彙チェックリストの作成を目的に保育所に通う2歳前後の幼児を対象とした表出語彙に関する事前調査を実施した.なお,本稿では,その中でも特に動詞に焦点を当てて検討を加えた.調査で用いたチェックリストの項目は,大久保(1984)が作成した2歳児の語彙リストと三省堂「こどもことば絵じてん」を参考に作成した.本稿で取り扱う動詞は452の全語彙中,123語であった.本調査における動詞の特徴として,2歳0ヶ月時で通過する語は123語中,12%であり,2歳6ヶ月時で通過する語は60%となった.このことからも,動詞は2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間に飛躍的に獲得される可能性が示唆された.
著者
安信 千津子 山田 弘 源田 晋司 鎌田 芳栄
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.1087-1095, 1992-11-01
被引用文献数
8

In business expert systems for examination tasks, advice tasks and so on, not only rules but cases are necessary for decision-making. In a conventional way, rules are treated by the rule-based reasoning (RBR) and cases are treated by the case-based reasoning (CBR). However, both reasoning paradigms are separated and to use them together is difficult. In this paper, we propose an method for integrating both reasoning paradigms. The proposed method has following characteristics : (1) Knowledge representation and processing method of knowledge for CBR, similar with RBR. (2) Dynamic selection of the relevant reasoning paradigm according to the working memory (WM). (3) Reasoning method which starts form arbitary WM and produces plural solutions if there are any. Through devolopment and test of intelligent form-fillng front-end utilizing the proposed integrating method, it is demonstrated that knowledge including rules and usage of cases is defined easily, that a relevant paradigm is selected according to the WM, and that it supports users' decision-making by proposing alternatives.
著者
山田 弘明 YAMADA Hiroaki
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.5-24, 2003-03-31 (Released:2007-12-18)