著者
山田 弘明
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.37-47, 2009-03-31

デカルトは最初のオランダ滞在時に,当地の学者ベークマンと共同で数学的自然学の研究に従事したことが知られている.両者が交わした1619年の6通のラテン語書簡には,その交流のありさまが仔細に描かれている.本稿はその翻訳・注解である.話題は,音楽論,新しいコンパスの考案,角の三等分と三次方程式,新学問の構想,ドイツへの旅の計画,天測による航海術,機械学,ルルスの術,アグリッパなどである.たしかに,デカルトはべークマンから数学と自然学とを結合する発想を得た.だが,後者の研究がどこまでも自然学の枠内にとどまるものであったのに対して,デカルトの構想する新学問はその普遍性においてベークマンを超えるものであった.後年の確執の原因は,二人のこころざしの相違に由来するものでもあろう.両者の背景を考証しつつ,これらのことを具体的に確認する.
著者
山田 弘之 久保 将彦 村井 須美子 坂倉 康夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1163-1168, 1987-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

Large doses of metoclopramide as an antiemetics were administered to 9 patients recieving cisplatin (CDDP) (50mg/m2) for head and neck cancers. Metoclopramide, 2mg/kg was administered four times intravenously on the first day of CDDP therapy and once a day on days 2-7. Neither emesis nor nausea occurred in 8 of the 9 patients (89%). Side effbcts were minimal: mild sleepiness(66.7%)and diarrhea(22.2%). It is concluded that the antiemetic effect of intravenous metoclopramide in large amounts can prevent cisplatin-induced emesis.
著者
住田 佳代 五十嵐 芳暢 鳥塚 尚樹 松下 智哉 阿部 香織 青木 幹雄 漆谷 徹郎 山田 弘 大野 泰雄
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第37回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.246, 2010 (Released:2010-08-18)

【目的】ジメチルスルホキシド(DMSO)は細胞を用いたアッセイにおいて脂溶性の化合物を添加するときによく用いられる。しかし,DMSOはその濃度が高くなると, 細胞毒性を呈することが知られており,DMSOの細胞に対する種々の影響をよく踏まえておくことが必要である。今回,我々はDMSOがヒト凍結肝細胞の遺伝子発 現に与える影響を検討した。 【方法】1.2x106個のヒト凍結肝細胞を6ウエルプレートに播種し,4時間後に培地交換した後,さらに20時間培養した。0,0.1,0.5,0.75,1,2%(v/v)DMSOを 含む培地に交換し,24時間培養した。細胞播種から48時間後に培地及び細胞の全RNAを回収した。培地内のラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)活性を測定し,細胞 毒性を評価した。また,HGU133Plus2.0アレイ(アフィメトリックス社,約55,000プローブ搭載)を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い,DMSOの影響を検討した。 【結果】LDH活性を指標とした細胞毒性は,DMSO濃度2%(v/v)まで認められなかった。遺伝子発現データを解析した結果,DMSO濃度0.75%(v/v)において,2倍 以上あるいは1/2以下の発現変動を示した遺伝子数はそれぞれ11個,46個と少なかった。また,薬物代謝酵素の発現への影響を解析した結果,大半の酵素に関して, DMSO濃度0.75%(v/v)までは発現変動の振れ幅が1標準偏差内に収まり,大きな影響は認められなかった。今回得られた結果を総合的に考察すると,少なくとも DMSO濃度0.5%(v/v)までは遺伝子発現データに大きな影響を与えないことが示唆された。現在,ラット初代肝細胞を用いてDMSOの影響を検討中であり,合わせ て報告したい。
著者
小片 真弓 山田 弘生 深田 哲夫 代田 稔
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.427-432, 1977

1. 有機物を炭素源として大量培養したクロレラを蚕の人工飼料の成分として用いる可能性を検討するために先ず蟻蚕の摂食行動に対する影響をしらべた。<br>2. 寒天ゲル10mlに桑葉粉末1.2gを含ませた飼料を基本とし, この桑葉粉末の一部をクロレラでおきかえたものに蟻蚕を掃立て24時間後の排糞数を求めた。対照区としてクロレラのかわりに同重量のセルロース粉末を含むものを用いた。<br>3. クロレラを含む飼料に対する排糞数はセルロース粉末を含んだものよりも常に少なく, クロレラには蟻蚕の摂食に対する阻害因子の存在することが推定された。<br>4. クロレラ中の摂食阻害因子はクロレラをメタノール抽出することによって一部とりのぞけること及びクロレラの蛋白質区分を用いれば阻害効果が少ないことが判った。<br>5. 実用蚕品種の間にクロレラ中の摂食阻害因子に対する感受性の差のあることが判った。<br>6. 桑葉粉末50%+クロレラ50%の人工飼料に対する蟻蚕の摂食は在来の大豆配合飼料の場合にくらべておとらないことがわかった。これはクロレラを人工飼料の蛋白源として使用する可能性を示している。
著者
山田 弘生 小片 真弓 深田 哲夫 高橋 利〓 代田 稔
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.490-500, 1978

1. クロレラと桑葉粉末を各々50%配合した人工飼料を調製し, 蚕の全齢飼育を試みて在来の大豆配合人工飼料に劣らない成績を得た。<br>2. 本クロレラ配合飼料をミルクカゼイン配合人工飼料と比較することにより, クロレラには蛋白質及び炭水化物以外に蚕の生育に有効な因子のある事が推定された。<br>3. 蚕の飼育経過, 繭質及び収繭率に於いて, 良好な成績を与えるクロレラの配合率は40~70%である事が判った。<br>4. クロレラ配合人工飼料で蚕を飼育する場合, 飼育温度は28~30℃が最適である事が判った。<br>5. 壮蚕期には本飼料中の桑葉粉末を25%にまで減量し, その分をミルクカゼイン・スターチ・セルロース混合物または脱脂大豆で補っても良い事が判った。<br>6. 50%クロレラ配合人工飼料で1,100頭の蚕を全齢飼育してみたところ, 生糸量歩合14.61%の3等格に相当する繭が対掃立89%得られた。また14,000頭の全齢育でもほぼ同様の成績であった。<br>7. 春蚕期に20,000頭の蚕を1~3齢クロレラ配合人工飼料育し, その後農家で4~5齢桑葉育を行ったところ, 全齢桑葉育に近い成績を得た。
著者
加藤 明彦 山田 弘之 山田 哲生 石永 一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.45-50, 1997-01-20
参考文献数
9
被引用文献数
12 3

当科において超音波ガイド下吸引細胞診 (FNA) を施行し, 手術により組織学的に確認された甲状腺腫瘍333症例につき検討を行った. 正診率は92.4%, 特異性は100%, 感受性は88.3%であった. またFNA陽性例のうち2回目以降に陽性となった症例が24例 (12.8%) あり, 反復穿刺が重要であると思われた. FNAを手術適応の決定に際し重視することで, 甲状腺手術例における悪性腫瘍の割合が増加し, 不要不急の手術を減少させることが可能になるものと考えられる. 一方, 超音波ガイド下にFNAを行うことで, FNAの診断精度を上げる努力をするとともに, 偽陰性例を見逃さないような総合診断を心がけるべきであると思われた.
著者
大森 史隆 飯干 紀代子 山田 弘幸 オオモリ フミタカ イイボシ キヨコ ヤマダ ヒロユキ Fumitaka OHMORI Kiyoko IIBOSHI Hiroyuki YAMADA
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 = Journal of Kyushu University of Health and Welfare
巻号頁・発行日
vol.14, pp.129-133, 2013-03

We created a modified version of the Mini-Mental State Examination (MMSE) for persons with hearing loss (HL) and tested its reliability, validity and effectiveness among 40 elderly participants. We extracted the MMSE items `registration', `recall', `repetition' and `comprehension' and in the HL condition, these four items were only presented with simultaneous spoken and written instructions. The results were as follows: (1) The HL test-retest coefficient of correlation was r = 0.74; Cronbach's α was 0.64. (2) In the non-hearing loss group, the HL test results showed a correlation with the MMSE, the Oldest-Old version of the Cognitive Assessment Questionnaire and the Clinical Dementia Rating(CDR-J). (3) A 2-way ANOVA was conducted with cognitive function as the within-subjects factor and hearing loss as the between-subjects factor; for total score, `registration' and `repetition', the effect of cognitive function test was significant only in the hearing loss group. The retest reliability of HL, its concurrent validity and its effectiveness were confirmed. It is desirable to administer the standard MMSE to persons with hearing loss if they can use hearing aids or adjustments can be made to the volume. However, if such modifications are not possible, HL may be useful in cases where it is necessary to repeat questions.
著者
岩本 さき 笠井 新一郎 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 = Journal of Kochi Rehabilitation Institute (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-32, 2001-03-31

平成11年度より,香川県坂出市では,1歳6ヶ月児健診で未通過だった子どもの発達状況のフォローを一つの目的として,保健婦と言語聴覚士による2歳児を対象とした発達相談(以下,2歳児相談)を行っている.しかし,実施に際して,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.分析を加えた結果,2歳児相談でスクリーニングの指標となる平均語彙数は,2歳0ヶ月児で183.9語,2歳6ヶ月児で288.7語であった.また,2歳9ヶ月〜2歳11ヶ月にかけて350語を超えており,グラフはほぼ横這い状態を示した.これらの結果から,今回用いたチェックリストの適用範囲は2歳9ヶ月以前と考察された.
著者
福山 智子 湯田 厚司 山田 弘之 原田 輝彦 坂倉 康夫
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.462-466, 1994-12-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

We report a case of esophageal perforation caused by a piece of glass in a 34-year-old woman suffering from sudden severe pharyngeal pain. We found a foreign body lodged at the esophageal wall 4cm below from the first esophageal constriction upon X-ray and flexible fiberscopic examination. The foreign body was removed using a rigid esophagoscope 39 hours after swallowing. The foreign body was an equilateral triangular piece of glass whose side was 30mm. Immediately after the foreign body was removed, we found an esophageal perforation, subcutaneous emphysema and pneumomediastinum. The perforation was closed using an external approach. The patient showed improvement after the operation.
著者
山田 弘仁
出版者
大道学館出版部
雑誌
臨牀と研究 (ISSN:00214965)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.p4156-4161, 1977-12
著者
藤原 雅子 笠井 新一郎 今給黎 禎子 安川 千代 松山 光生 飯干 紀代子 山田 弘幸 倉内 紀子
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 (ISSN:13455451)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.161-168, 2006-03-25

In the present study, we analyzed the "vocabulary checklist" of 310 children aged 12-23 months. We focused on the relationship between age and the size of the noun vocabulary that children have acquired, what word category is acquired earliest, and the relationship between the sequence of vocabulary acquisition and age. The results showed that (1) the proportion of nouns was comparatively high in the vocabularies of all children, (2) the number of nouns that have been acquired increases with age, and (3) the word category that is closely related to the daily life of a child and expresses "things", such as "animals", "people", and "food and drink", is used most frequently. These results indicate that environmental factors influence vocabulary acquisition. Therefore, it is necessary to statistically examine the use of baby talk. Moreover, in addition to the expression of vocabulary, it is also necessary to examine the understanding of vocabulary.
著者
藤原 雅子 今給黎 禎子 安川 千代 松山 光生 飯干 紀代子 山田 弘幸 笠井 新一郎 倉内 紀子 フジワラ マサコ イマキイレ テイコ ヤスカワ チヨ マツヤマ ミツオ イイボシ キヨコ ヤマダ ヒロユキ カサイ シンイチロウ クラウチ ノリコ Masako FUJIWARA Teiko IMAKIIRE Chiyo YASUKAWA Mitsuo MATSUYANMA Kiyoko IIBOSHI Hiroyuki YAMADA Shinichirou KASAI Noriko KURAUCHI
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 = Journal of Kyushu University of Health and Welfare
巻号頁・発行日
vol.6, pp.235-241, 2005-03-25

A vocabulary is used as one of the indexes of the language development, and it is pmportant meaning to grasping vocabulary development. But, there is a little research that a vocabulary in the 12-23 Month wa investigated. The purpose of this study is to investigate the vocabulary of the child in the 12-23 Month. We analyzed it about the number of average vocabularies, the part of speech atructure, the different in sex. The results is following there were two stages in the vocabulary development as that result. There were many nouns. And it was the result that preceding research was supported with a part of speech. A noun could be thought to occupy an important position in the early vocabulary development. It guessed the matter that it increased after a 24 month. A difference in sex became clearer than 22month. From now on, the vocabulary which becomes the index of the development evaluation, and the number of vocabularies will be examined.
著者
間野 幸代 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-60, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
12

香川県坂出市で行われている「2歳児相談」において,言語発達障害を有する子ども等の早期発見・早期療育を行う手がかりの1つとして,語彙チェックリストを作成する目的で,2歳児を対象に表出語彙に関するアンケート調査を実施した.本研究では文法カテゴリー別に分類し,修飾語である形容詞,形容動詞,副詞に関して整理および考察を試みた.2歳0ヶ月児と2歳6ヶ月児の表出語彙数を比較した結果,語彙数は急速に増加していた.修飾語の内容に関して,Nelson(1973)の文法カテゴリーの分類をもとに整理した場合,形容詞における属性および状態に関する語彙に関しても2歳6ヶ月児で増加傾向を呈していた.さらに性質を示しかつ,対の意味を示す形容詞において,2歳6ヶ月児では対義語(大きい-小さいなど)をともに獲得しているのに比し,2歳0ヶ月児では,一方の語しか獲得されていないことが確認された.したがって,形容詞・形容動詞・副詞等の修飾語の語彙チェックリストを作成する場合,(1)修飾語の種類や数を増やすこと,(2)形容詞に関しては,対義語の吟味が必要であることが示唆された.