著者
山口 亮 鈴木 拓馬 山田 晋也
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

近年、気温の高い日が多く、特に夏季の最高気温が30℃を超える日が増加している。このため、原木シイタケ栽培の夏季における休養中のほだ木への影響が懸念される。そこで、自然条件よりも高い温度でほだ木を休養させ、子実体発生への影響を検討した。 シイタケ中高温性品種2種を接種したほだ木を用いて、浸水、子実体採取、休養の順番で複数回繰り返し、発生した子実体の生重量及び個数をほだ木ごとに測定した。発生は2014年5月から2015年12月にかけて8及び12回行った。休養は通常の栽培で用いられる遮光ネット下及び加温した遮光温室下(以下、遮光区、加温区)で行った。加温区のほだ木内部温度は、遮光区よりも平均で2から3℃高い状態となった。 ほだ木一代の子実体発生量は、2品種ともに試験区間で差はみられなかった。しかし、発生回ごとの子実体発生量は試験区間で差がみられる場合があり、夏季に限ると加温区における発生量は減少し、浸水から収穫までの日数が増加し、高温下での休養の影響が現れた。その後の発生回では、加温区の発生量が遮光区を上回ったことから、ほだ木への影響は長期に及ばないと思われる
著者
森 悦朗 山田 晋也
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1190-1192, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3

特発性正常圧水頭症の中核をなす,disproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus(DESH)の形態的変化は,くも膜顆粒からCSFが吸収されるという古典的な学説と,それに基づいた高位円蓋部くも膜下腔の癒着による流れの障壁があるという仮説では説明できない.MRI Time-SLIP法をもちいたCSFの動きの観察から,健常者でもDESH患者でも高位円蓋部にはCSFの動きはないことを示し,DESHを説明可能なCSF吸収の仮説を提唱した.
著者
山田晋平 中本幸一
雑誌
平成22年度情報処理学会関西支部支部大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-09-22

大規模な組込みシステムの複数プログラム領域間において,プログラムの想定外の動作による不正なアクセスを防ぐため,許可されたアクセスのみを可能とするメモリ保護機構を有するリアルタイムOSの設計を述べる.
著者
田村 祐典 中本 幸一 山田 晋平
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.32, pp.1-7, 2010-03-19

近年、プロセッサのマルチコア化が進む中で新たな並行処理同期法としてトランザクションメモリという技術が注目されるようになってきている.トランザクションメモリとはデータベースの分野で使用されるトランザクションをメモリのデータ管理に応用したものである.トランザクションメモリは従来の並行処理における共有データの同期制御法であるロックベースの排他制御の代替手法とすることが研究される.従来の同期処理手法である排他制御は危険領域を大きく取るか細かく取るかでトレードオフがある.大きく取る場合はプログラムは見やすくなるがスループットが低下する.反対に細かく取ればスループットは増加するがプログラムが見難くなり、予期せぬデッドロックの可能性も高くなる.トランザクションメモリは,一貫性が損なわれない範囲で従来危険領域とされる処理においてのスレッドの並行実行を許す.そのため,排他制御の問題の解決法として考えられている.プロセッサのマルチコア化は将来の組込システムの分野にも適応可能であると考えられ,汎用コンピュータの場合と同様にトランザクションメモリを使用することで利益が得られると考えられる.本研究はこのような観点の下,組込システムにおいて,トランザクションメモリの実装方式を検討するものである.Recently, as processor has become multi-core, transactional memory has been getting attention as a new memory synchronization method. The transactional memory is a memory management technology based on transaction used in field of database. It has been researched for expecting that it will be an alternative to a lock-based exclusive control in the traditional memory synchronization. The traditional exclusive control has trade-off between coarse-grained locking or fine-grained locking. The coarse-grained locking becomes easy to see the program, but throughput (concurrency) decreased. The fine-grained locking, increase throughput, but it becomes difficult to see the program and prone to programming errors. The transactional memory provides a solution to this problem because it allow multiple task to run concurrently in critical section as far as the consistency of data is not lost. In the field of embedded system, multi-core processer can be used too, so embedded system can benefit from transactional memory. Under this perspective, this study focus on applying transactional memory for embedded system, and design transactional memory for implemention into embedded operating system.
著者
山田 晋
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

草原生植物の生育地である二次草地とよく管理された二次林を対象に,結実種子を含む刈り取り残渣という新たな植生復元材料を用いた生態緑化技術の開発を実施した。多数の種と種子量が得られる刈り取り時期は,二次草地で10-11月,二次林で10月となった。約800g/m2の残渣を撒き出すことで出芽個体数が最大化し,かつ飛来する雑草の出芽を抑制できた。3月に種子を播きだすと,その後の結実種子の出芽率は最大化するが,出芽後の雑草との競合も高まり,個体の残存率は低下した。7月に播きだしを行うと出芽個体数は低下するが出芽後の雑草との競合が緩和され,発芽適温域が高い種に対してはこの時期の種子導入が適すと考えられた。
著者
片井 秀幸 高橋 誠 平岡 宏一 山田 晋也 山本 茂弘 加藤 公彦 袴田 哲司 戸丸 信弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.73-78, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

静岡県のブナ集団の遺伝的系統を推定するため, まずブナの分布域全体にわたる55集団を用いて葉緑体DNA (cpDNA) ハプロタイプの地理的分布を調べた。調査した集団にはハプロタイプD, EおよびFの3種類が存在し, 中部地方の太平洋側に分布するDとEが大部分を占めていた。次にブナの分布域および明らかとなったハプロタイプの地理的分布にもとづいて6集団を選定し, 核マイクロサテライト (nSSR) により遺伝的多様性を調査した。nSSR座の対立遺伝子頻度から計算された集団間のDA距離にもとづいた無根近隣結合樹から, 調査した集団は全て太平洋側の系統群に属し, 地理的な位置関係と一致することが明らかとなった。nSSR座の対立遺伝子頻度は集団間でほぼ均一であったが, cp DNAハプロタイプの地理的分布には構造が認められた。この差異はcpDNAと核DNAの遺伝様式に起因する遺伝子流動率の違いを反映していると考えられる。