著者
山田 晋也
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.148-154, 2013-03-31 (Released:2013-09-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1
著者
山田 晋也 大竹 正剛 大場 孝裕 山口 亮 大橋 正孝
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-5, 2013-12-20 (Released:2017-06-16)

We evaluated the stress in deer that were captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting by determining the cortisol and creatine kinase levels. The means of the cortisol levels were 2.5±1.3μg/dL, 11.3±5.3μg/dL, 2.1±2.5μg/dL, and 0.4±0.1μg/dL for deer captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting, respectively. The means of the creatine kinase levels for deer captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting were 93.5±129.1×10^3U/L, 253.6±303.3×10^3U/L, 46.6±70.1×10^3U/L, and 2.6±2.0×10^3U/L, respectively. The means of the cortisol levels of the deer captured using corral, grand hunt, and sharp shooting were significantly lower than that of the deer captured using foot snare traps (p<0.01). The mean of the creatine kinase levels of deer captured using corrals was significantly higher than that of the deer captured using sharp shooting (p<0.01), but was equal to that of the deer captured using foot snare traps and grand hunt.
著者
大場 孝裕 大橋 正孝 山田 晋也 大竹 正剛
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

鳥獣保護法が、鳥獣保護管理法に改正された。増え続けるニホンジカ(以下、シカ)に対しては、個体数削減のための管理、そのための捕獲事業の実施強化と、それを担う事業者制度の導入が明確化された。しかし、従前の銃やわなを用いた捕獲が困難な場所や状況も存在し、無理な捕獲強化は、人身事故の増加や、錯誤捕獲など他の動物への悪影響も懸念される。シカを減らすためには、従来の方法に加え、新たに安全で効率的な捕獲技術の開発が必要と考えた。<br> 反芻動物は、硝酸イオンを摂取すると、第一胃にいる微生物が、これを亜硝酸イオンに還元する。亜硝酸イオンは、血中で酸素運搬を担っているヘモグロビンと反応し、酸素運搬能力のないメトヘモグロビンに変える。進行すると酸素欠乏症に陥り、死に至ることもある。人間など単胃動物の酸性の胃では、亜硝酸イオンは増加しない。<br> シカ飼育個体の胃に硝酸イオンを注入し、致死量を明らかにした後、作成した硝酸塩添加飼料を採食したシカ野生個体の捕獲(致死)に成功した。この硝酸塩経口投与によるシカ捕獲について、インターネット上で行われた意識調査では、実用化すべきとの意見が過半数を占めた。
著者
河岡 義裕 渡辺 登喜子 岩附 研子 山田 晋弥 植木 紘史
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

地球レベルでの環境変化や野生動物との生活圏域の近接化により、新興感染症となりうる人獣共通感染症が、ヒト社会に侵入する可能性は増大している。最近の研究から、アフリカ、南米、アジア等の国々が、人獣共通感染症が発生しやすいホットスポットであると予測されているが、その実態は未だ不明である。そこで本研究では、アフリカのシエラレオネ、南米のボリビア、東南アジアのインドネシアにおいて、人獣共通感染症を引き起こすウイルスの流行状況を把握するために、海外共同研究者と連携して、ヒトや野生動物における血清学的調査、および野生動物が保有するウイルスの分離・同定を行う。平成30年度は、10月に南米のボリビアを訪問し、共同研究者であるガブリエル・レネ・モレノ自治大学のJuan Antonio Cristian Pereira Rico博士および川森文彦博士と共に、野生動物サンプリングのための予備調査を行った。また2月には、アフリカ・シエラレオネを訪問し、シエラレオネ大学のAlhaji N’jai博士の協力のもと、Moyamba地区においてコウモリを捕獲し、臓器サンプリングを行った。現在、採取したサンプルの詳細な解析を行なっている。さらにシエラレオネでは、ヒトにおけるウイルス感染症の流行状況を調べるための血清学的調査を実施する準備として、各医療機関や保健省などを訪問し、協力研究者との研究打ち合わせを行った。またいくつかのウイルス抗原に対するIgG、IgM抗体を検出するELISAの系を確立した。
著者
山田 晋作 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.136-139, 2015 (Released:2016-01-29)

日本のポップミュージックやファッション,キャラクター,漫画やアニメなどを含む『かわいい文化』が海外で注目されており,国が推進する『クール・ジャパン戦略』の主要なコンテンツにもなっている.しかし,現在これらの大半は海外が主体となって広がっており,日本人自らが認知・発信できていない.先行研究では,かわいい文化の定義や情報発信の必要性は言及されているが,文化産業として発展させていくには,かわいい文化の起点や普及の仕方を明確にしておく必要がある.よって本研究では,かわいい文化が浸透していく際の『情報』に着目し,コンテンツごとに普及過程を調査し,そのプロセスや伝達手段,情報間の因果関係を明らかにした.
著者
村上 覚 神谷 健太 鎌田 憲昭 山田 晋也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.315-320, 2012-07 (Released:2013-10-08)

ニホンスモモとウメの種間雑種'李梅'の安定生産に向けた知見を得るため,'李梅'のS-haplotypeおよび受粉品種について検討した。'李梅'のS-haplotypeを分析した結果,'李梅'のS-RNase遺伝子はサイモンスモモおよびウメからそれぞれ由来している可能性が高いと考えられた。サイモンスモモはニホンスモモの近縁種で,ニホンスモモと交雑和合性がある。これらのことから,'李梅'はウメだけではなくニホンスモモに対しても,S-haplotypeに関わらず,交雑和合性がある可能性が示唆された。実際にウメ,ニホンスモモ,アンズおよびモモ花粉を用い,'李梅'に人工受粉を行うとウメ,ニホンスモモおよびアンズ花粉では交雑和合性が確認された。特にウメ'宮口小梅',アンズ'平和'は花粉量が多く,花粉稔性が高いうえに,'李梅'と高い交雑和合性を示したので,人工受粉の花粉親として優れていると考えられた。このため,'李梅'においてはこれらの花粉を用いて人工受粉を行うことで,安定的に収量が確保できる可能性が示唆された。
著者
山本 茂弘 山田 晋也 袴田 哲司
出版者
静岡県農林技術研究所
雑誌
静岡県農林技術研究所研究報告 森林・林業編 (ISSN:18828264)
巻号頁・発行日
no.4, pp.87-94, 2011-03

絶滅危惧種であるナガボナツハゼの個体消失に備え,保護・保全に資するため,腋芽を用いた組織培養による個体増殖条件を調べた.伸長に適した培地のpH,植物ホルモンの種類,各個体の継代培養の可能性・シュート増加数の違いを調べた.発根については,培地に添加する糖の種類と濃度,植物ホルモンの添加効果,培地支持体の種類及び個体による発根率の違いを調べた.また,幼植物体の野外への順化条件を調べた.その結果次のことがうかがわれた. 1 腋芽からのシュー卜伸長には培地酸度としてpH5.3が適する可能性がうかがわれた. 2 シュート伸長にはゼアチン0.5又は1.0mg/Lの添加が適する可能性がうかがわれた. 3 ゼアチン0.5mg/Lを添加した培地で多くの個体の継代培養が可能であった. シュートの増加数には個体による違いが見られた. 4 シュー卜の発根期間を早めるには卜レハロースが,発根率を高めるにはショ糖が適する可能性がうかがわれた. また,トレハロースの濃度により発根率が異なることが示唆された.5 IBA O.5mg/LとNAA O.02mg/Lの添加により発根率が高まり、植物ホルモンを含まない発根培地では、発根期間が早まる可能性がうかがわれた. 6 発根培地の支持体としてはバーミキュライト又は鹿沼土が適すると思われた. 鹿沼土では発根期間が短縮されるものの,基部にカルスが形成され,順化効率の低下に繋がる傾向がうかがわれた. 7 幼植物体の順化は,湿度の調整などにより2週間で容易に行えた. 8 本試験で供試した16個体のうち,14個体で継代培養が可能で, 12個体で幼植物体が再生でき,組織培養による個体の確保・保存に役立つことが示された.
著者
瀧 健治 爲廣 一仁 古賀 仁士 石橋 和重 松尾 由美 平尾 朋仁 山田 晋仁
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.607-613, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
19

目的:抵抗力が弱い重篤な患者や重症外傷患者を扱う医療施設で,衛生環境維持は重要な課題であり,抗菌加工剤のNRC(nano revolutionary carbon)の使用が衛生環境維持に有益か,実験的に検討する。方法:標準ブドウ球菌(以下,ブドウ球菌)・標準カンジダ菌(以下,カンジダ菌)・浮遊微生物菌を用いて,NRCの①細菌との接触時間,②抗菌活性の持続期間,③「抗菌加工」剤の二酸化塩素(クレベリン®,以下クレベリン)の抗菌活性持続期間,および④浮遊微生物菌へNRCの抗菌効果,を比較検討した。結果:NRCの抗菌効果/ 活性には細菌と30分以上の接触時間が必要で,抗菌活性の持続期間はブドウ球菌で約1年,カンジダ菌で2年6カ月とクレベリンの場合より長く,浮遊微生物菌にも有効な抗菌効果を確認した。結論:NRCの抗菌活性期間と浮遊微生物菌への効果から,抗菌加工剤のNRCは衛生環境維持に効果的であると実験的に評価した。
著者
小山田 晋
出版者
北海道大学大学院農学研究院
雑誌
北海道大学農經論叢 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.1-10, 2023-03-31

This paper proposes a concept termed“ethical economic activity,”which means economic activities that aim to contribute to society or environmental conservation through corporate management or consumption, and examines what kind of approach can promote social consensus about the morality of ethical economic activity. The market failures approach by Heath is introduced to consider how economic activities come to have morality. Based on this approach, profit maximization strategies that utilize market imperfections are judged to lack morality. Then, Senʼs“realization-focused comparison”approach, which aims to correct injustice, and“public deliberation,”which promotes realization-focused comparison, are introduced and public deliberation is shown to be necessary to evaluate economic externalities. Then the role of corporations as an intermediary of public deliberation is shown through the discussion by Herrmann-Pillath and Boldyrev. Finally, to make a baseline for implementing realization-focused comparison, this paper proposes an evaluative framework for ethical economic activities by corporations.
著者
山田 晋平 三宅 晋司 大須賀 美恵子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.295-303, 2012-12-15 (Released:2013-03-02)
参考文献数
33
被引用文献数
7 6

精神疲労を評価し得る指標の探索を目的として,文書によるインフォームドコンセントを得た15名の男子大学生に,暗算(20分間5試行計100分間)を課した.暗算の前後には安静(5分間)を取らせ,さらに疲労を回復させるための休息(約20分間)後にも安静(5分間)を取らせた.また,暗算の各試行と安静の後に,主観指標と視覚探索課題の作業成績を計測した.暗算中と安静中は、後述の生理指標を測定した.解析においては,精神疲労を対象とするため,安静時と暗算時の比較ではなく,暗算の前後と休息の後の3時点の安静時の比較を行った.その結果,疲労に関する訴え,視覚探索課題の探索時間,心拍数,鼻部血流量,心電図R-R間隔変動係数,心拍変動指標の低周波成分と総パワー値に有意な変化が確認された.これらの変化は,精神疲労によって生じたと考えられ,これらの指標で精神疲労を評価できる可能性が示唆された.
著者
山田 晋
出版者
特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
雑誌
草と緑 (ISSN:21858977)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-12, 2021 (Released:2021-12-31)
参考文献数
5

本稿では,刈取り以外に雑草植生の形成や維持に影響を及ぼす要因のうち,種間相互作用と土壌化学性という2点を紹介した.「ある場所でより早く生育を開始した個体が,それより後からきた個体よりも残存・定着に際して有利であり,長期的に残存しやすくなる」というプライオリティ効果は,雑草植生が年月をかけて徐々に「管理」に適合した姿となるまでの「途中段階」への理解を深めるのに役立つ理論である.貧栄養土壌は,一般に,植物の種多様性の高さと深く関連することが知られるが,それに加え,土壌化学性はプライオリティ効果の強さや刈取り後の植生変化速度を変えることを通し,植生の形成に無視できない影響を及ぼす点でも重要である.
著者
丸箸 圭子 村岡 正裕 中農 万里 横井 彩乃 山田 晋也 中村 奈美 脇坂 晃子 大野 一郎 村上 婦美
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.327, 2018

はじめに当院では2012年より多職種による緩和ケアチーム(以下、PCT)を立ち上げ活動している。その中で重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の緩和ケアに取り組んだ5例について報告する。症例症例1:亜急性硬化性全脳炎 誤嚥により低酸素性虚血性脳症となる。体位変換、吸引などのケア時にあえぎ呼吸、SpO2低下、徐脈が頻回にみられ、PCTに相談した。あえぎ呼吸の原因が咽頭けいれんによるミオクローヌスであるとの見立てよりクロナゼパムの内服を開始したところ、呼吸状態は改善した。症例2:細菌性髄膜炎後遺症 CTにより偶然、食道がん、多発肺転移と診断。末期がんではあるが苦痛様症状をとらえることが難しく、PCTに相談した。バイタルサインに加えFaces Pain Scaleを用いた評価、疼痛、呼吸緩和の方針、栄養管理、家族へのケアを確認した。症例3:脳性麻痺 介護スタッフの交代を機に摂食量低下した。低栄養に伴う皮膚トラブルなどが増えてきたためPCTに相談。療育、遊びを通してスタッフとの信頼関係を築き、お気に入りの場所や嗜好に合わせた食事内容の検討をしたところ摂食量も増え、活気も戻ってきた。症例4:脳性麻痺 肝細胞がん 診断後定期的にPCT介入し、塩酸モルヒネを少量より開始していたが効果の評価は難しかった。症例5:脊髄小脳萎縮症 がん性胸膜炎 PCT介入にて主な苦痛の原因は上気道閉塞および胸水貯留による呼吸苦と判断し、呼吸リハビリチームに協力を要請し呼吸ケアに重点をおいて関わっている。 まとめ重症児(者)は、言語的コミュニケーションをとることが難しく、苦痛な状態を評価し、治療やケアの方法を選択するのに苦慮する場面が多い。病棟内外の多職種で関わることで倫理的、効果的な治療方針を立てていくことができる。今後もガイドラインに沿いながらも当院の患者に合った緩和ケアに取り組んでいきたい。
著者
丸箸 圭子 山田 晋也 脇坂 晃子 中村 奈美 辻 隆範 大野 一郎 関 秀俊
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.330, 2014

はじめに長期に経管栄養管理されている重症心身障害児(者)のセレン(Se)欠乏症の報告が近年多く見られている。今回徐脈、洞停止を来した4症例に対しSe欠乏症を疑い測定したところ全員血中Se値が低値でありうち3例に対し経管栄養剤を変更しSe値、脈拍数ともに改善したため報告する。症例12歳女児、経鼻胃チューブより育児用ミルクほほえみを投与されていた。入院時よりHR50〜80/分と徐脈傾向であったがある日HR30/分台と低下し、ホルターECGにて3.2秒の洞停止を確認した。アイソカルジュニア® 1.0に変更したところSe値は5.3から8.1μg/dlに上昇しHRも60〜90/分と改善した。症例26歳女児、胃瘻よりラコール®を投与されていた。普段より徐脈傾向、心室性期外収縮認めていたがHR30-40/分台が続きホルターECGにて3.1秒の洞停止を認めた。ACEI、利尿剤の投与量調整に加え、栄養剤をSe含有量の多いメイバランス® 1.0に変更したところSe値は6.2から8.8μg/dlに上昇しHRも60台以上をキープできるようになった。症例315歳女児、PEG-Jカテーテルよりラコール®を投与されていた。普段はHR70-100/分であったが尿路感染症の治療中に徐脈、モニター上HR36/分、心エコーにてLVEF45%と心機能低下も来した。栄養剤をメイバランス® 1.0に変更したところ、Se値は7.4から11.3μg/dlに上昇し以降徐脈も認めていない。症例422歳男性、胃瘻よりラコール®投与され在宅療養している。HR40-50台と徐脈傾向あり精査したところSe値は8.7μg/dlと低値であった。現在経過観察中である。まとめ当院には多くの経管栄養管理中の重症児がおり、Se欠乏症例は多数いると思われる。今後徐脈を含め疑いのある症例があればSe投与量を考慮し対処する必要があると考えられた。
著者
村上 覚 神谷 健太 鎌田 憲昭 山田 晋也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.315-320, 2012

ニホンスモモとウメの種間雑種'李梅'の安定生産に向けた知見を得るため,'李梅'の<i>S</i>-haplotypeおよび受粉品種について検討した.'李梅'の<i>S</i>-haplotypeを分析した結果,'李梅'の<i>S</i>-RNase遺伝子はサイモンスモモおよびウメからそれぞれ由来している可能性が高いと考えられた.サイモンスモモはニホンスモモの近縁種で,ニホンスモモと交雑和合性がある.これらのことから,'李梅'はウメだけではなくニホンスモモに対しても,<i>S</i>-haplotypeに関わらず,交雑和合性がある可能性が示唆された.実際にウメ,ニホンスモモ,アンズおよびモモ花粉を用い,'李梅'に人工受粉を行うとウメ,ニホンスモモおよびアンズ花粉では交雑和合性が確認された.特にウメ'宮口小梅',アンズ'平和'は花粉量が多く,花粉稔性が高いうえに,'李梅'と高い交雑和合性を示したので,人工受粉の花粉親として優れていると考えられた.このため,'李梅'においてはこれらの花粉を用いて人工受粉を行うことで,安定的に収量が確保できる可能性が示唆された.<br>
著者
山田 晋
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.417-420, 2010 (Released:2011-07-22)
参考文献数
17

Uncultivated periods are important in rice paddy fields for the survival of species favoring unaerated soils. Clarifying the mechanisms affecting the floristic diversity of in-field habitats is a key part of sustainable agriculture. We hypothesized that the timing of crop harvest influences the flora in the subsequent uncultivated period in rice paddy fields. To confirm this hypothesis, surface soils were sampled in cultivated paddy fields at the beginning of August.The sampled soils stored in ≤ 5% relative light intensity were exposed to direct light at different periods varied from late August to the beginning of October. Germinated seedlings were counted until spring the next year. Observation in autumn showed that the numbers of species, germinated individuals, and flowering individuals differed as a function of the duration of light exposure, although these differences were less clear in the subsequent spring. These differences can be explained by differences in ecological traits such as maturation rate and optimum germination temperature. Timing of the rice harvest is closely linked to the timing of rice planting, which in turn can affect the germination of species maturing before the rice is planted.
著者
山田 晋 大久保 悟 北川 淑子 武内 和彦
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.49, 2007

水田面積の減少が顕著な大都市圏では,全国的には水田で普通に生育する種の希少化が深刻で,とくに水稲作に強く依存して生育する種(水田農業依存種と定義)を保全する必要性が高まっている。本研究では,耕起管理と代かき管理を,耕作放棄水田で4年間実施した。集約化が進んでいない水稲作地や,耕作放棄地で水稲作が再開された場合と比較しながら,各管理による成立植生の特徴を把握し,代かきや耕起が,水田雑草群落や,そのなかの1種群である水田農業依存種の維持に対し有効か検討した。耕起管理区における水田農業依存種数は,管理年次とともに減少した。一方,代かき管理区では,その種数は概ね維持され,復元水田と類似した。代かき管理は水田農業依存種を少なくとも4年間の期間内維持する点で,有効な管理手法と判断された。
著者
矢来 博司 小林 知勝 森下 遊 山田 晋也 三浦 優司 和田 弘人 仲井 博之 山中 雅之 攪上 泰亮 上芝 晴香
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-11, 2016
被引用文献数
2

噴火に伴う被害の軽減のためには,火山活動のモニタリングが重要である。近年,地殻変動の空間分布を詳細に把握できる利点から,SARを搭載する「だいち2号」の活用が期待されている。この「だいち2号」の干渉SARにより,箱根山や桜島などで火山活動の活発化に伴う地殻変動が捉えられた。箱根山では大涌谷で地殻変動が検出され,継続的な観測により変動の推移が捉えられた。桜島では,捉えられた地殻変動から昭和火口の直下へのマグマ貫入が推定された。これらの情報は火山噴火予知連絡会などに報告され,評価に活用されている。
著者
小松 綜太 小松 瞭 巖見 武裕 加賀 望 山田 晋 斉藤 公男 島田 洋一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00559-16-00559, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
19

Acetabular dysplasia describes an underdeveloped or shallow, upwardly sloping acetabulum, which may occur with varying degrees of deformity of the proximal femur such as excessive femoral neck anteversion, coxa valga or femoral neck cam deformity. Numerous stabilising procedures have been described, one of the first being the shelf acetabuloplasty. Shelf procedure improves coverage of the femoral head, without changing orientation of the acetabulum.This will improve the range of movement in the hip and protect the femoral head. In this study, we investigated the effect of shelf acetabuloplasty for load distribution of acetabular roof and femoral head using the finite element method (FEM). A three-dimensional (3D) generic musculoskeletal model was developed based on computed tomographic (CT) to estimate joint reaction force. As a result, we funded load distribution decreased on the top of the ace tabular rim and femoral head. Shelf acetabuloplasty may effective procedure for acetabular dysplasia because of improvement for load distribution.