著者
山田 理恵
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.329_1, 2016 (Released:2017-02-24)

古戦場の舞台や合戦にまつわる伝説に因んで、綱引きが行われる県境の地域がある。また、経済的事情等により中止された県境綱引きもある。発表者は、伝統綱引きによる地域開発との比較において、地域の歴史や伝説を題材にした県境綱引きに着目し、現地調査および資料調査を行ってきた。本研究では、その一環として、鹿島(加賀市)の綱引き伝説が、県境綱引きとして現代に再生された事例について考察する。その伝説では、美しい鹿島の森をめぐり、加賀の女神と越前の男神がそれぞれ綱を作り鹿島に巻き付け引き合っていたが、なかなか勝負がつかなかったところ、男神の綱が切れ尻もちをつき鹿島は加賀の方に少し動き、男神の大きな尻もちの跡は北潟湖になったという。このような伝説に基づき、2015年10月、広域的な交流と活性化を目的として「第1回鹿島の森伝説 越前・加賀県境綱引き」が、北潟湖の湖畔、鹿島の森を望む「越前加賀県境の館」前(福井県と石川県の県境)で開催された。県境一帯を一つの地域としてとらえ、地域の伝説に登場する綱引きを現代に蘇らせたこの県境綱引きは、スポーツによる地域開発を考察するうえでの好事例と位置づけられる。
著者
山田 理恵 阿久澤 和彦 畢 長暁 李 専 定成 秀貴 松原 京子 村山 次哉
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.17-25, 2009 (Released:2009-03-12)
参考文献数
29
被引用文献数
2

ヒトサイトメガロウイルス (human cytomegalovirus: HCMV) の治療薬として,現在ガンシクロビル (GCV) とホスカルネット (PFA) が使用されているが,易感染性宿主の HCMV 感染症には,抗 HCMV 薬の長期投与が必要なため,薬物耐性 HCMV の出現が問題となっており,作用機序の異なる新たな治療薬の開発が求められている. 現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っている.今回は,防腐作用や殺菌作用などがあることが知られているクマザサを用い,その抽出物に,抗 HCMV 効果があるか否かについて検討した.クマザサ抽出液をウイルス感染細胞に添加したところ,濃度依存的にウイルスの細胞変性効果が抑制され,ウイルス粒子産生にも抑制がみられた.また,リアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,クマザサ抽出液によりウイルスの複製,増殖に重要な Major immediate early (IE) 遺伝子の発現に抑制がみられたことから,クマザサ抽出液は GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつ可能性が示された.
著者
山田 理恵
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.415-428, 2015
被引用文献数
1

The game of <i>dakyugi</i> (literally, "hitting-ball-game"), involving 3 components of play (hitting a ball, throwing a ball, and pushing of opponents), is a traditional stick game that has been passed down to the present in Kuwana City (Mie Prefecture).<br>   The purposes of this study were to examine the process of the game's revival and cultural features, and to clarify the significance of <i>dakyugi</i> as a traditional sport in regional development through sports. The materials used in this study were mainly collected through fieldwork at the Rikkyo Area Great Meeting and interviews with members of the preservation association, as well as investigation of historical sources.<br>   In the Meiji era, <i>dakyugi</i> had been played as a bravery game by boys in the Kuwana <i>gijyuku</i>, which inherited the idea of the Rikkyou-kan, a school in the fiefdom of Kuwana. Although <i>dakyugi</i> declined after World War II, it was revived to mark the 150th anniversary of Matsudaira Sadanobu's death in May 1978.<br>   Today, <i>dakyugi</i> is performed at the Kuwana Municipal Rikkyo Elementary School supported by the <i>Dakyugi</i> Preservation Association. Boys and girls of the school play the game at the athletic meeting held jointly by the school and Rikkyo area community. The game of <i>dakyugi</i> in Kuwana is noteworthy in promoting the behavior pattern and style of <i>samurai</i> culture that characterized the Edo era. In addition, <i>dakyugi</i> is considered to play an important role in the revitalization of provincial cities and in the establishment of local regional identity.<br>   The significance of traditional Japanese culture is emphasized in the present school education program. The current study indicates that traditional Japanese sport culture can play an important role in regional development in Japan.<br>
著者
栗山 昭子 山田 理恵子 山岡 テイ 栗山 直子 吉田 隆夫 乾 清可
出版者
芦屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

「世代間交流による患児への遊び・学び支援プログラム」の実践的研究では「病院の子ども憲章」に基き入院中の子どもたちの保有する「遊び・学び」を支援した。5つの病院の協力のもとに、12人の高齢者ボランティアを養成し三年間、月2-3回「遊び・学び」の支援を行ってきた。徐々に子どもからのニーズが高まり、教材や遊び道具をベッドサイド用に開発してきた。手乗り紙芝居や発達に応じて使用できるドリルなどである。ボランティアはこれらの開発道具を携え定期的に病院の子どもたちに「遊びと学び」の支援を行った。医療関係者とも相互理解が深まりモデルプログラムとして定着した。このプログラムはカプラン氏からも注目されている。
著者
大谷 雅夫 川合 康三 宇佐美 文理 大槻 信 伊藤 伸江 森 真理子 齋藤 茂 金光 桂子 緑川 英樹 森 真理子 齋藤 茂 大谷 俊太 深沢 眞二 楊 昆鵬 愛甲 弘志 乾 源俊 浅見 洋二 中本 大 神作 研一 長谷川 千尋 中島 貴奈 日下 幸男 原田 直枝 小山 順子 福井 辰彦 稲垣 裕史 伊崎 孝幸 竹島 一希 中村 健史 好川 聡 橋本 正俊 二宮 美那子 檜垣 泰代 川崎 佐知子 有松 遼一 畑中 さやか 山田 理恵 本多 潤子 大山 和哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

室町時代の和漢聯句作品を広く収集し、それらを研究分担者ほか研究会参加者が分担して翻字し、『室町前期和漢聯句資料集』(2008年3月)、『室町後期和漢聯句資料集』(2010年3月)の二冊の資料集を臨川書店より刊行した。また、その中の二つの和漢聯句百韻を研究会において会読した上で、詳細な注釈を作成してそれを『良基・絶海・義満等一座和漢聯句譯注』(臨川書店、2009年3月)および『看聞日記紙背和漢聯句譯注』(臨川書店、2011年2月)として出版した。