著者
奥村 綾 辻野 雄大 山西 良典
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.41-47, 2022-08-25

映像やコンサートでは,楽曲中の局所的な盛り上がりであるキータイミングに合わせて,エフェクトや会場の照明,花火などの演出が用いられている.本稿では,キータイミングを推定するために,音楽ゲームの一つである「太鼓の達人」の譜面を利用し,音響特徴量を入力として,ある時刻に対して全ての難易度で共通して存在する指示符のタイミングを推定する機械学習モデルを構築した.音楽ゲームの指示符のタイミングを、楽曲のキータイミングを推定するための擬似的な学習データとして利用するアイデアの有用性を検討した.
著者
奥 健太 山西 良典 松村 耕平 川越 恭二
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第6回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.60-65, 2015 (Released:2022-11-07)
参考文献数
10

我々は,ドライブ風景を考慮した経路推薦システムの実現を目指している.そのためには,道路ネットワークを構成するリンクに対し,山道風景や海沿い風景,田園風景などといったドライブ風景タグを付与する必要がある.既存の道路ネットワークデータとしては,市販のものやOpenStreetMapなどがあるが,ドライブ風景タグが付与されたものは見当たらない.また,ドライブレコーダで記録された車載カメラの画像からドライブ風景を推定する方法も考えられるが,カメラ角度の微妙なずれや明るさの変化などによりノイズが多く,データの網羅性も低い.そこで,本稿では,Webから網羅的に収集が可能な道路地図画像および航空写真に着目し,ドライブ風景を推定するために有効な画像特徴量について明らかにする.具体的には,収集したドライブレコーダデータを分析し,ドライブ風景の推定に有効と考えられる画像特徴量について仮説を立案し検証した.また,有効と判断された特徴量を含めた学習モデルを構築し,テストデータを用いたドライブ風景ラベルの推定精度の評価を行った.
著者
辻野 雄大 山西 良典 山下 洋一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.160-168, 2021-08-23

ダンスゲーム譜面は,プレイヤが行うべき入力デバイスの操作を指示するものである.操作に用いる体の部位や,操作時の姿勢は指定されておらず,あるゲーム譜面に対して行うプレイヤの身体動作は一意に定まらない. 本稿では,隠れマルコフモデルを用い,入力ゲーム譜面に対してプレイヤ動作を推定する手法を提案する.プレイヤのゲーム習熟度や動作の好みを表現するパラメータを導入し,1つの譜面に対して異なる動作を推定する複数のエージェントを生成した.
著者
山西 良典 松村 耕平
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1-6, 2021-08-23

本稿では,ダンス動画をとりまくインタラクションに着目し,視聴時のダンス模倣が動画コンテンツへの注目に与える影響を検証した.ユーザ発信型エンタテインメントの一つである「踊ってみた動画」では,他ユーザがシードとなる教示者のダンスを模倣した動画を撮影して共有していくことでコンテンツが増殖していく.本稿では,「踊ってみた動画」の拡がりにおいて,動画コンテンツをどのように楽しむのか,というユーザの楽しみ方が動画コンテンツ自体の魅力に与える影響に着目した.動画中の被写体に合わせて踊りながら動画を視聴することで被写体自体への注目度が上がると仮説を立て,この仮説検証を行った.その結果,踊りながら動画を視聴した実験群と直立不動で動画を視聴した統制群では,被写体の情報については実験群が,背景の情報について統制群がそれぞれ高い精度で認識していることが確認された.また,動画中での情報の変化においては,実験群と統制群では背景の情報変化についての認識には精度の違いが見られなかった一方で,被写体の情報変化においては実験群の方が高い精度で認識していることが確認された.これらのことから,踊りながらダンス動画を視聴することでダンス教示者である被写体への注目が高まることが示唆された.
著者
Shan Junjie 西原 陽子 山西 良典 福本 淳一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.4F14, 2017

<p>近年、アニメを代表とする日本のポップカルチャーが世界中に発展するに従い、日本語を勉強する人が増えている。学習者が増加すると共に、二つの問題が現れる。一つは教材が足りない事。二つ、伝統的な教材にはコミュニケーション能力への訓練が足りない事。 本研究は、豊かな音声や対話を含む日本アニメを新しい日本語勉強素材として、アニメの台詞を日本語各レベルとの内容を合わせ分析し日本語勉強者に向いて活用可能とする。</p>
著者
西原 陽子 岩佐 一樹 福本 淳一 山西 良典
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1H4NFC01a3, 2014

<p>spamメールに代表される有害文書のフィルタリングでは、文書内の単語に有害なものがあれば有害文書とする方法が多く提案されている。しかし、ある文書が無害に見える単語だけで構成されていても、特定の文脈では有害文書となることがある。本研究では有害文書として電子掲示板に投稿され他者を誹謗中傷するコメントを取り上げ、誹謗中傷をするコメントを抽出するシステムを提案する。</p>
著者
山西 良典 加藤 昇平 伊藤 英則
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.293-299, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In studies of the relationship between relaxation and music, that between brain waves and chords has often been reported despite the fact that “harmony” rather than single chords is listened for in most cases. This raises the problem of whether brain waves measured in subjects differ when harmony is listened to from when single chords are listened to. As a first step toward solving this problem, we propose original experiments in presentation sound, analytical object, and time zone, clarifying that brain waves were influenced by both chords and of chord correlation in harmony.
著者
平岡 誉史 山西 良典 西原 陽子
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本稿では,コミックのコマの重要度を推定する手法を提案する.提案手法はPage-Rankのアイデアを応用したものであり,コマ同士のリンク関係を用いてコマの重要度を推定する.コマ同士のリンク関係はキャラクターの画像情報や台詞情報などのコマ中に含まれるメタデータをもとに構築される。各コマの重要度はコマのリンク数によって求められる。実際のコミックに対して提案手法を適応し,どのようなコマが高い重要度を持つと推定されるのか検証を行った.また実験結果より提案手法の有用性を検討した.
著者
辻野 雄大 山西 良典 西原 陽子 福本 淳一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1953-1964, 2018-11-15

ダンスゲームは,幅広いユーザから親しまれている代表的な音楽ゲームの1つである.幅広いユーザがダンスゲームを楽しめる環境を用意するためには,初級者でも容易に遊ぶことができる低難易度の譜面を充実させることが必要である.しかし,低難易度の譜面を作成するためには,楽曲の特徴をとらえつつ容易なリズムに調整するという,高難易度譜面の作成にはない課題が存在する.本稿では,ダンスゲームには同じ曲に対して難易度が異なる複数の譜面が存在することに着目し,難易度が高い譜面から得られる音楽的特徴を入力,難易度が低い譜面を出力とする時系列深層学習モデルを構築した.学習させた提案モデルに高難易度のダンス譜面を入力し,低難易度の譜面において指示符を配置すべき発音タイミングを推定させることで,難易度の自動調整を実現した.性能評価の結果,時刻決定タスクにおいて提案手法は0.693のF値が確認され,既存手法のF値をおおよそ1.8倍上回った.向き選択タスクについて指示符の2-gram出現頻度を集計したところ,提案手法の生成譜面とデータセット内の低難易度譜面との相関係数が0.972となり,人手で作成された低難易度のダンス譜面の特性をとらえた譜面を自動生成可能であることが確認された.
著者
山西 良典 松下 光範 上野 未貴
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-11-01
著者
山西 良典 古田 周史 福本 淳一 西原 陽子
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.501-511, 2015
被引用文献数
1

インターネットの発展に伴って普及したWebレビューには,有用な情報が含まれている一方で不要な情報も含まれている.そのため,対象の評価視点および評価視点間の関係を捉えることは難しく,レビュー全文を閲覧することはユーザにとって大きな負担となる.本稿では,自由記述形式のレビューにおける評価視点とその評価視点間の関係が不明瞭という問題点を,レビュー構造の俯瞰によって解決可能であると考えた.提案手法では,評価視点の出現頻度とレビュー中の構文特徴を用いることで,レビュー構造の俯瞰に有用な呈示評価視点として,頻出の評価視点と頻出する評価視点に意味的に関連した評価視点を採択する.評価視点抽出実験の結果,評価対象の種別によらず,採択された呈示評価視点には高い適合率が確認された.そして,呈示評価視点採択時に用いた構文特徴を参照することで,獲得する評価視点間の関係の呈示を実現した.
著者
大谷 世紀 山西 良典 岩堀 祐之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-N_1-10, 2017-01-06 (Released:2017-01-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2

Image database is one of the important research topics in image recognition. A manual collection of images would causes biased collection and a lot of human efforts. Huge image database where varied and many unbiased objects are stored is required for the image learning. Recent researches for image database try to automatically/semiautomatically generate image database. Here, it is important to remove noise images and this paper proposes an automatic generation method of the Web image database. The proposed method uses noise image removal by visual feature and semantic feature in a hybrid. However, which type of features, and how to combine the two types of feature are not clear and should be investigated. In this paper, six kinds of noise image detection method are prepared: The method using visual feature, the method using semantic feature, two methods using both features in parallel and two methods using both features in serial. Through the comparison in experiments, it was confirmed that the method using both visual and semantic features in parallel focusing on noise images showed over 82% Precision values,76% Recall values and 77% Fmeasure values in average. Also, the usability of the generated database for image recognition was confirmed through the experiments; It was equal to or higher than the human-made database. It was confirmed that the proposed method constructed precise image database full-automatically.
著者
多田 圭吾 岡村 亮吾 山西 良典 加藤 昇平
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.12, pp.1-6, 2011-07-20

近年,Desktop Music(DTM) 関連機器やソフトウエアなどの発展・普及により,音楽を嗜む一環として作曲が注目されているが,作曲は高度な知識や経験を必要とする.そこで本研究では,楽譜コンテキストのベイジアンマイニングに基づく自動伴奏付与システムを提案する.提案システムでは,音楽の時間的変動を楽譜コンテキストとして扱い,ベイジアンマイニングを用いて学習曲における音楽構成要素間の因果関係を学習する.提案システムは,ユーザの音楽経験の有無に関わらず,任意のニュアンスが付与された伴奏を生成する.伴奏生成実験および主観評価実験によって,入力されたメロディに応じて学習曲のジャンル的ニュアンス,および,印象的ニュアンスが付与された伴奏が生成されることを確認し,また既存システムとの比較実験により提案システムの高い有用性を確認した.Present days, more public interested in music focuses on composing as one of the forms to enjoy music. However, it is difficult for people who does not have sufficient musical experiences. Thus, we proposed an automated accompanying system focusing on bass and drums by using Bayesian mining of the score context. In this study, we explained themusical temporal variates as the score context, and learned the nuance of the music in the database using Bayesian mining. In a composing experiment, we obtained various accompanies depending on the music database used for learning, and thenuance of the music in the database. And, we confirmed the availability of the proposed system through three types of subjective evaluation experiment. We believe that this system enable us to compose music with accompany that has the nuance of the music in the database, even if user does not have much musical experimences or not.
著者
伊藤 雄哉 山西 良典 加藤 昇平 伊藤 英則
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.341-348, 2011 (Released:2011-12-28)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

This paper relates audio features based on fluctuation of music with sensibility evaluation about music as a component technology for an automatic song select system demanded on human sensibility evaluation. When people listen to music, they select a song considering both their own feelings at the time and sensibility evaluation about the song. We consider that sensibility evaluations of songs are influenced by the features based on fluctuation about both volume and pitch of the songs. Thus, we focus on features of fluctuation that contain a dynamic idea on music, and extract thirty six features of fluctuation about both volume and pitch from each songs using Fast Fourier Transform. On the other, we prepare a subjective experiment for plural songs using Semantic Differential method, and obtain the sensibility evaluation about each song. Then, we study the relationships between extracted features and sensibility evaluation about the songs with multiple discriminant analysis. As a result, high accurate discriminant hit-rates and low discriminant error are shown, therefore we suggest that audio features based on fluctuation of songs influence sensibility evaluation about the songs. Furthermore, we confirm the especial parameters related with sensibility evaluation about music while considering canonical variates which construct discriminant spaces.