著者
戸田 聡
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典學研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.118-130, 2011-03-23

Bardaisan, the first Christian author in Syriac, whose thought is known mainly from the Book of the Laws of Countries, is often considered as a philosopher, and his thought is very frequently understood in the light of Greek philosophy (e.g. Stoicism). However, scholars who argue for Greek influence on Bardaisan seldom ask whether or to what extent Bardaisan really knew Greek; and curiously enough, some rare evaluations of his knowledge of Greek are rather negative. This problem needs to be solved. The present article addresses the problem by examining the Greek loan words used by Bardaisan in the Book of the Laws of Countries, and also by comparing his knowledge of astrology with that of the astrology as presented in Greco-Roman astrological literature, and argues that his knowledge of Greek was far from extensive and that he should be considered as one of the first thinkers who thought not in Greek but in Syriac.
著者
戸田 聡
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 = Journal of religious studies (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.397-421, 2014-09

「しあわせ」「幸福」は現世で感得される心的状態を表すが、キリスト教修道制が目指したのは救済であり、幸福とは明らかに異なる(「幸福感」とは言えても「救済感」とは言えない)。しかも救済に到達するために、修道制は、この世で得られる様々な幸福の源泉(飲食、性、家族関係)を放棄している。修道制における幸福を語ることがそもそも可能かどうかは問われてよい。キリスト教の中には、現世での幸福は観照に存するとする伝統があり、それを紹介しているピーパーの議論を本稿では詳しく検討したが、言うところの「幸福」があまりに抽象的だとの感が否めない。幸福はもっと日常的に人々が感得できるものであり(例えば、喜びを通じて)、その観点から見れば、修道士もまた、生活形態こそ通常人のと異なるとはいえ、何らか人間関係の中で日常生活を営んでいたのであり、彼らもまた幸福を感得できたという可能性は否定できない。
著者
戸田 聡
出版者
立教大学キリスト教学会
雑誌
キリスト教学 (ISSN:03876810)
巻号頁・発行日
no.54, pp.65-86, 2012
著者
萩原 美智子 一棟 宏子 中野 迪代 戸田 聡子
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.43-60, 2010

住宅の長寿化と資産価値の維持に向けて居住者支援の体制作りを考えるために、米国では居住者がどのように住宅の資産価値を維持・向上させているかを明らかにしようと試みた。方法は、1988年に調査されたカリフォルニア州の戸建て住宅93戸の22年後の変化を、1)住宅開示情報から93戸の2010年時点での住宅の状況と査定価格などと、2)再訪問8戸の改修履歴、資産価値維持のための行動、資産価格の推移などに関するアンケートとインタビュー調査からみた。その結果、1)住宅の資産価値は築年とは関係がなく、2)定期的なメンテナンスや改修によって維持されており、3)居住者の資産価値維持・向上に対する意識も強い。また4)居住者自身が改修を行い易い状況(専門家との共同作業・部材のカタログ販売など)や税制面でのインセンティブがある。更に、5)設備の刷新や住要求の変化に対応しやすい住まいづくりが、資産価値維持のためのリフォーム行為を支えていることが分かった。
著者
戸田 聡一郎
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.142-148, 2008
参考文献数
12

遷延性植物状態(PVS)はその診断基準の難しさと同時に患者とのコミュニケーションが困難であるという理由から、様々な倫理的問題を引き起こしてきた。しかし最近、植物状態と診断されたにもかかわらず、実は意識を持っている患者がいることを示唆する研究が報告された。本稿ではこの研究結果を検証し、実験で使用されたパラダイムが特に臨床応用において問題を表出させることを示す。さらにこの問題を解決させるための新たな実験パラダイムを提唱する。この新しいパラダイムは、将来患者とのコミュニケーションを図る方法を構築する上で重要な役割を担う可能性をも持つであろう。重要なのは、科学的に検証可能な問題が、科学のサイドからではなく、臨床倫理の側面から提起されるということである。この考察により、神経倫理学における新たな方法論が存在することが強く示唆される。