著者
北形 元 笹井 一人 高橋 秀幸 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.168, pp.63-66, 2013-07-25

本稿では,大規模災害時における通信需要の極端な増加,電力供給の停止,通信路の切断など,極めて厳しい条件下において円滑な通信を実現する不揮発性ネットワーキングを提案する.大規模災害時においては,極端な通信需要の増加状態の継続により輻輳が緩和されず,大規模な通信障害が長時間に渡り続く.このような不安定な通信品質の下で,中継ノードでデータを一時蓄積しながら中継していく技術としてDTN(Delay Tolerant Networking)が提案されており,これを活用した災害時の情報通信方式も提案されているが, DTNがその性質上,送信のみの単方向通信であるという点から,安否情報や避難情報など,情報入手に利用することは難しい. そこで本稿では,利用者端末からのリクエストとサーバからのレスポンスの両者をひも付けながらネットワーク上に保持することで,リクエストを送信してからサーバからのレスポンスを受信の間に,利用者端末をネットワークから切断し可能とする,不揮発性ネットワーキングを提案し,その主要技術について述べる.
著者
大沼 義孝 北形 元 菅沼 拓夫 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.56, pp.1-6, 1999-07-15
被引用文献数
1

スケジュール管理システムを用いたスケジュール調整を行うには,ユーザのスケジュール予定を表現するイベント情報が予め入力されていることが必要不可欠である.しかしながら,多くの情報の中から自分に関連するイベント情報をもれなく抽出し,それらを管理システムの要求する形式に変換,入力する作業は利用者にとって大きな負担となっている.そこで我々は,電子的に通知される電子メールや電子ニュース内の文書を対象に,知的ユーザエージェントであるイベント取得エージェントが,スケジュール関連文書の選別を行い,更に不足情報を補うことでスケジュール管理システムに入力できる定型文書を生成するシステムを提案する.本稿では,個人プロファイルを利用した選別判断機能と情報補完機能に焦点をあて,その基本的概念について述べる.An event scheduler needs event information. Event information has become electronically available in different sources i.e mailbox, netNews etc. Filtering necessary information from these sources and inserting them to the scheduler, manually by a user itself is a troublesome routine work. We propose a system wherein an agent automatically gathers necessary information on the user behalf by checking the prospective mailbox, Net News etc, arranging them to the given standard format, and finally conveying to the scheduler. And thus, reduces the user overloads. This paper also discusses the necessary issues involved e.g decision making, information-completion functions by referring user's personal profiles.
著者
藤田 茂 菅原 研次 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.840-852, 1996-05-15
被引用文献数
98

本論文では 最初に従来の分散処理システムのサービス機能を実現する種々の計算機プロセスをエージェント化して構成されるエージェント指向分散処理システムADIPS (Agent-based Distributed Information Processing System)の概念とそのアーキテクチャを提案する. 次に ADIPSの構築を支援する枠組み(ADIPSフレームワーク)を提案する. そして 目的とする機能をエージェントの協調によって自律的に構成するための拡張契約ネットプロトコルを提案する. ADIPSフレームワークの特徴は次の4つに集約される. (1)利用者要求駆動で自律的にシステムが構成される. (2)障害発生などのイベント駆動で自律的にシステムの再構成が行われる. (3)自律的なシステムの構成/再構成のために エージェントは設計者・運用技術者の知識を利用する. (4)エージェント化により既存プロセスの系統的再利用ができる. さらに 本論文では TCP/IPネットワーク環境で試作されたADIPSフレームワークを用いたエージェント指向テレビ会議システムの試作と実験により 提案した枠組みの有効性を確認した.In this paper, first, we propose a new concept of Agent-based Distributed Information Processing System (ADIPS) and its architecture, which is constructed by agentification technology of various kinds of computational processes which provide services of conventional distributed information processing systems. Second, an ADIPS Framework which provides facilities of constructing ADIPS is proposed. Third, Extended Contract Net Protocol (ECNP)is proposed to provide a protocol for cooperation to construct and reconstruct organizations of ADIPS agents. The advantages of ADIPS Framework are (1) Autonomous construction of systems driven by user's requirements, (2) Autonomous construction of systems driven by events such as system troubles, (3) Heuristics of designers and operators is used by agents to construct and reconstruct organizations of agents to deal with tasks, (4) agentification makes reusability of existing processes more efficient. Finally, a prototype of the ADIPS Framework is developed in the distributed environment of TCP/IP network protocol, and an experimental system of a TV conference system based on the ADIPS architecture is developed to validate the ADIPS Framework.
著者
鈴木 満 唐橋 拓史 木下 哲男 白鳥 則郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.489-490, 1997-03-12

インターネットの普及にともないネットワーク接続された異機種分散系上の計算機資源の共有, 利用, 管理や, その上でのユーザ間コミュニケーション等の実現のために,マルチエージェントシステムが提案されている. マルチエージェントシステムとは, 複数のエージェントが互いにコミュニケーションを行い, 協調動作する事で1つのシステムを構成するものである. エージェントとは自律的な計算主体であり, 計算機資源利用に関する知識や制御機構を持つ. このようなエージェントを用いてシステムを構成することにより異機種間での差異を吸収し, また, 柔軟なシステム運用が可能となる. しかしながら, 個々のエージェンは1つ以上のプロセスにより実現され, マルチエージェントシステムの実装にはマルチプロセスが前提となっている. そのため, PC等マルチタスクをサポートしない OS による小規模な計算機システムにおいては, その実装がそのままの形では困難なものとなっている. 小規摸計算機システム上の資源をマルチエージェントシステムから利用するためには, 対象となる計算機システムやアプリケーションに特化したエージェントを用意することが必要であり, またその計算機資源の管理の一部を計算機システム外部から行なうための機構が必要どなる. 本稿では, マルチエージェントシステム上のエージェントから小規模計算機システム上の資源を利用するために, GWA-ACA モデルを提案する. GWA-ACA モデルとは小規模計算機システム上にアプリケーションコントロール機構を設け, マルチエージェントシステム上からその計算機システム上の資源を利用できるようするものである. また, 本モデルをマルチエージェントシステム ADIPS 上に実装し, その有効性を示す.
著者
勝又 誠 杉山 達彦 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.97, no.295, pp.45-50, 1997-09-29
参考文献数
4
被引用文献数
3

計算機上で研究活動を支援するには, 個人活動支援とグループ活動支援が必要である. 個人活動支援では, 研究活動における各作業によって生成される多種多様な情報を, 個人情報として蓄積し, 管理する必要がある. また, それに加えてそれらの再利用を支援する事が重要である. 本稿では, 個人活動支援における個人情報の種類・構造について述べ, それらを蓄積・管理するシステムを提案する. また, そのシステムにおいて情報を再利用する仕組みを具体例を用いて説明する.
著者
城風 敏彦 羽生田 博美 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.15-22, 1995-09-28
被引用文献数
3

ネットワークニュースの柔軟な検索のためには,キーワードと類似の単語をもキーワードとする機能が必要である.本報告では,検索に有効と思われる幾つかの単語間類似度の比較実験を行ってその性質を調べた.実験に用いた単語間類似度とは,単語の共起関係,連接関係,近接ベクトルの類似度,表記類似度の4つである.また,これら統計的シソーラスと記号的シソーラスを統合した検索システムを作成し,各機能間の相互作用について検討を行った.
著者
佐藤 芳樹 北形 元 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.32, pp.85-90, 2002-03-28

本稿ではJava仮想計算機をまたぐスレッド移送機能を分散処理に利用するための既存のスレッド移送技術の問題点を指摘し、これを解決するための手法について述べる。具体的には、関数型言語などで研究されてきた部分継続と呼ばれる概念を導入し、部分継続を一つの分散処理の単位とすることで柔軟な粒度での移送を実現する。本稿では、提案手法を実現するための構文の設計と、ソースコード変換による実装について述べる。A scheme has been developed that enables a Java program to be migrated across computers while preserving its execution state. This scheme is called Thread Migration. We indicate the problem occured when applying thread migration on Distributed Processing and propose a solution for that. To be more precise adoptind Patrial Continuations studied in Functional Language and Processing. Thereby we can migrate computation with flexible grain. This paper describes a design of additinal sentence structure to achieve our scheme. and implementing with source-code-level transformation.