著者
田尻 慎太郎 杉森 公一 堀川 靖子 伊勢 康平
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.160-161, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

北陸大学では教学IRデータを一元的に管理しているが、学生の授業内学習行動データ(LAデータ)の収集は未実施だった。そこでSaaS型LMS「manaba」の学修行動ログを利用し、LMSの利用度が高い科目であある「統計学Ⅰ:の成績予測を機械学習で試みた。XGBoostモデルを用い、教学IRデータの入学時アンケートの回答データを説明変数に加えたところR2値はわずかに向上した。単位修得の予測ではほぼ100%の精度を達成した。
著者
西野 毅朗 杉森 公一 吉田 博 竹中 喜一 佐藤 浩章
出版者
日本高等教育開発協会
雑誌
高等教育開発 (ISSN:24369918)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.46-54, 2022-03-31 (Released:2022-05-06)
参考文献数
7

本研究は、日本における大学教育センター等を評価するためのアセスメントツールを開発することを目的とし、望ましい基準とはいかなるものかを明らかにする。大学教育センター等は、主として大学教育の改善を担う組織であり、日本の約半数の大学が設置しているが、センターそのものの組織体制やサービスを評価するための基準は定かでない。そこで、本研究では3つの段階に分けて、基準の開発に取り組んだ。第1に、米国におけるCTLのアセスメントツールである「A CENTER FOR TEACHING AND LEARNING MATRIX」を日本語に直訳した。第2に、この「直訳版」について日本の大学教育センター等の関係者から意見を収集し、日本の文脈に合わせた表現に変更した「意訳版」を作成した。第3に、意訳版を用いて実際に自組織を評価していただき、評価基準について改善すべき点をヒアリングした。そして、その結果を踏まえた「日本版CTLアセスメントツール」(日本版CTLアセスメント基準および活用ガイドライン)を完成させるに至った。今後は、本評価基準をいかに活用しうるかについて明らかにしていきたい。
著者
杉森 公一
出版者
北陸大学
雑誌
北陸大学紀要 = Bulletin of Hokuriku University (ISSN:21863989)
巻号頁・発行日
no.52, pp.309-319, 2022-03-31

Faculty Learning Communities (FLCs), a type of professional learning community,are attracting attention as a method of promoting reflective educational practice. FLCsare often composed of faculty members who are interested in a particular topic, and inthe North America, methods such as small-group intensive training (institutes),retreats, and cohort formation (fellowship system) have been developed and are beingimplemented as a variety of FLCs. In Japan, Ikeda et al. (2016) have created acommunity of practice, but comparative research and conceptualization of FLCs infaculty development (FD) practice and research is limited in Japan. This paper reportson the design and framework of dialogue-based educational development through FLCformation involving faculty members across multiple disciplines.
著者
竹中 喜一 杉森 公一 西野 毅朗 吉田 博
出版者
日本高等教育開発協会
雑誌
高等教育開発 (ISSN:24369918)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.11-19, 2024-03-31 (Released:2024-03-31)
参考文献数
5

本研究は、日本の大学教育センター等の特徴と課題について「日本版CTLアセスメント基準」を用いて明らかにすることを目的とする。具体的には①センターの特徴や課題は何か、②特徴や課題の背景は何か、③本基準の意義と課題は何か、の3つの問いについて、同基準を分析枠組みに用い、大学教育センター等に所属する教職員を対象としたインタビュー調査を実施した結果をもとに追究した。その結果、日本の大学教育センター等には同基準のカテゴリーである「組織構造」「資源分配とインフラ」「プログラムとサービス」に沿った特徴や課題があり、同基準に4つの意義や2つの課題を有することが示唆された。
著者
杉森 公一
出版者
日本高等教育開発協会
雑誌
高等教育開発 (ISSN:24369918)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.21-24, 2023-03-31 (Released:2023-04-13)
参考文献数
12

本書は、米国における大学教育学習センター(Center for Teaching and Learning: CTL)に関するベストプラクティスをまとめ、センターの開設、活性化、維持と発展を目指す教育開発者に、実践的なガイダンスとリソースを提供するものである。日本においても、中央教育審議会「教学マネジメント指針」や「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」が促す「FD・SDの高度化」の要請の下にあって、教育開発者の知識・スキル・能力を高めることと、CTL開発のリーダーシップの役割を確立することは、同様に必要となっている。米国PODネットワークが実施してきた教育開発者を対象としたワークショップの実践の蓄積から抽出された知見も合わせて、評者は本協会の今後の活動への示唆を提案したい。
著者
杉森 公一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.328-331, 2016-07-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
5
被引用文献数
5

アクティブ・ラーニングが求められる背景から,大学教育におけるアクティブ・ラーニング型授業の定義と意義,反転授業を用いた実践例について報告する。また,アクティブ・ラーニングの深化と充実に向けて,大学教育再生加速プログラム(AP)による組織的な取組事例を紹介する。大学教師に求められる教育能力の開発と相互の学び,学習支援環境の設計と整備によって,高校・大学から社会への教育接続の実現が期待される。生涯学び続ける自律した学習主体=「アクティブラーナー」として社会へとつながるために,個の学びを始点に,他者との対話・協同を通じて深い学びを目指す,学習の共同体としての大学教育の構築がなされつつある。
著者
中田 育男 渡邊 坦 佐々 政孝 森 公一郎 阿部 正佳
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_2-1_18, 2008 (Released:2008-03-31)

COINSコンパイラ・インフラストラクチャは,コンパイラの研究・開発・教育を容易にする目的で開発したものである.COINSは(1)高水準中間表現と低水準中間表現の2水準の中間表現をもつ,(2)記述言語はJavaで,すべて新規開発した,(3) SSA最適化など最適化の機能が充実している,(4)リターゲッタブルなコード生成系をもつ,(5)並列化の機能を持つ,といった特徴をもっている.開発作業は10箇所以上で分散して行い,3週間に1回程度の全体打ち合わせを持ち進めた.途中いくつかの失敗もあったが,ほぼ当初の目標を達成できた.入力言語はCとFORTRANとして,対象機種はSPARC, x86など,全部で8機種のコンパイラが出来ている.Cコンパイラの目的コードの性能は,GCCのそれに匹敵するものが得られている.COINSシステムはJavaで約26万行の大きさである.本論文では,このインフラストラクチャについて,技術面と開発作業の観点から述べる.
著者
森 公一 真下 武久 二瓶 晃 砥綿 正之 精山 明敏
出版者
同志社女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、脳波測定実験によってヒトの快・不快情動を検出する方法を探るとともに、この実験結果をふまえたメディアアート作品《rendezvous》を制作・発表した。作品は、二人の鑑賞者を対象に、色彩と音響の変化を与えるものである。鑑賞者の頭部に脳波測定装置を装着し、刻々と変化する脳波パターンを測定。それぞれの脳波パターンから情動の判定を行い、快情動が得られた場合、その時に提示している色や音を継続させる。一方、快情動が検出されない場合には、PCによって色と音のバリエーションをランダムに選択し、再び快情動が確認されるまで提示し続けるシステムを構築した。
著者
茂木 一司 福本 謹一 永守 基樹 森 公一 直江 俊雄 原田 泰
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

3年間の本研究の成果として、以下の3点に整理できる。(1)表現が重要性を増す情報ネットワーク時代のイメージや感性を大事にした新しい学びの創出を目的として企画された本研究は、学校教育における総合学習や美術館・博物館において活用できる学習環境のデザインを踏まえた「(アート)ワークショップ型の学び(学習方法)」の有効性を理論的・実践的に初めて実証し、具体的な装置・教材として発表、完成できた。(2)実践的研究では、3つのワークショップを実施、分析した。1)「あさひdeアート2003」(実践研究I)、「あさひdeアート2004」(同III)では、「コミュニケーションの可視化」「身体性や感覚の拡張と変換」などを目的にした世界的にも類例をみない重度障害児に対するメディアアート・ワークショップを実施し、メディアアートを活用したワークショップの構造を明らかにした。2)「あの時あの場所色図鑑@ちるみゅー」では、「色によるコミュニケーションの発生や協同学習」を検討した。その結果、ワークショップ型学習のデザイン(作り方)と問題点を明らかにした。(3)(2)に基づいて、メディア活用型ワークショップのデザインを理論的に検証した。特に、従来ワークショップ型学びが無視されてきたその評価に関し、ファシリテーターと参加者(子ども)の発話記録分析を実施し、相互の特性や成果について考察し、その結果、構成主義的教育論に立脚したワークショップ型学習の学習と評価の関係を明らかにし、体験型の教育方略が参加者の認知的社会的発達を促すことを究明した。以上、広義の造形(色や形の発生)をメディアとして捉えた表現型の学びは、従来の作品制作主体の美術教育を超えて、総合的な学習の基盤となることがわかった。同時に、そのようなイメージ・感性開発型の学びは情報メディア時代にふさわしいものであることを証明できた。
著者
杉森 公一 木村 剛 川辺 弘之 下村 有子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.555, pp.13-16, 2008-03-15

視野狭窄者は視野欠損部分の情報が得られないために,視野外から迫ってくる移動物体に対する危険や自ら危険物に向かっていくなどの危険に晒されている.危険接触事故を防ぐための支援システムの構築のために,視野狭窄者がどのように周囲の物体を探索するのかといった基本データの収集が求められる.本研究では,視野狭窄眼鏡を使用した擬似視野狭窄状態(視野角5度)の被験者に対し,視線追跡実験を行った.色・形状・大きさ・明るさを変化させた物体(図形)をスクリーンに投影し,発見までの時間を計測し,探索時間,視線軌跡と停留点軌跡から視野狭窄患者が物体を探索する際の特徴について分析する.