- 著者
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永井 淳一
横澤 一彦
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 認知心理学研究 (ISSN:13487264)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.2, pp.181-192, 2006-03-31 (Released:2010-10-13)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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物体認知における色の役割を巡ってはこれまで議論が続けられてきた.Tanaka & Presnell (1999)は,物体と特定の色との結び付きの度合い—色識別性が重要な要因であると主張した.すなわち,色識別性が高い物体(例:バナナ)の認知においては色が大きな役割を持つのに対して,色識別性が低い物体(例:テーブル)の認知では色は役割を持たないという主張である.しかし,過去の研究結果からは,自然物(例:果物・動物)の認知においては人工物(例:道具・家具)の場合に比べて色の有益性が高いことも示唆されている.本研究では,色の影響と,色識別性,カテゴリーの関係について検討を行った.物体分別課題を用いた4つの実験の結果,物体のカテゴリーに関係なく,色識別性の高い物体の認知においては色が大きな役割を持つこと,しかし同時に,色識別性の効果は実験文脈に依存することが示唆された.