著者
服部 良久 青谷 秀紀 朝治 啓三 小林 功 小山 啓子 櫻井 康人 渋谷 聡 図師 宣忠 高田 京比子 田中 俊之 轟木 広太郎 中村 敦子 中堀 博司 西岡 健司 根津 由喜夫 藤井 真生 皆川 卓 山田 雅彦 山辺 規子 渡邊 伸 高田 良太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

23人の研究分担者が国内外の研究協力者と共に、中・近世ヨーロッパのほぼ全域にわたり、帝国、王国、領邦、都市と都市国家、地方(農村)共同体、教会組織における、紛争と紛争解決を重要な局面とするコミュニケーションのプロセスを、そうした領域・組織・政治体の統合・秩序と不可分の、あるいは相互関係にある事象として比較しつつ明らかにした。ここで扱ったコミュニケーションとは、紛争当事者の和解交渉から、君主宮廷や都市空間における儀礼的、象徴的な行為による合意形成やアイデンティティ形成など、様々なメディアを用いたインタラクティヴな行為を包括している。
著者
櫻井 康人
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 = THE SHIRIN or the JOURNAL OF HISTORY (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.36-74, 2014-01-31

古来よりエルサレム巡礼がキリスト教徒にとって最も聖なる行為であったことは言うまでもないが、当然のことながらその旅を支える者たちがいた。一四世紀から一六世紀前半の「聖地巡礼の黄金期」においては、ヴェネツィアのガレー巡礼船のパトロン(船主) たちがその主役であり、彼らに着目することは聖地巡礼という「聖なる移動」をまた異なる角度から照射することができる、ということを意味する。しかし、膨大な聖地巡礼史の分野において、パトロンに着目した研究はこれまでにほとんどない。その中で、ヴェネツィア側の史料を網羅的に分析したM・ニューエットの成果は特筆すべきものがあるが、聖地巡礼記という史料群の分析が不十分であるという問題が残されたままである。 そこで本稿では、ニューエットが明らかにしてくれたヴェネツィアのガレー巡礼船システムに関する成果と、聖地巡礼記を網羅的に分析した結果との突き合わせ作業を時系列的に行うことで、ガレー巡礼船網度の変遷およびパトロンという巡礼者を運搬した者たちの全体像の把握により近づくことを目的とする。