著者
王 財源 池田 裕子 遠藤 宏 川本 正純 藤川 治 吉備 登 北村 智 森川 和宥 河内 明
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸短期大学年報 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-29, 1997-10-25

『山海経』東山経には"その下箴石多し",『説文解字』にも"〓石をもって病を刺す", 『帝王世紀』には"太昊九針を製し"などの記載文が認められる。中国医学の歴史はその時代の発展状況に応じて,鍼灸医学,漢方医学,気功学も多くの学説が唱えられた。注目すべきことは,何時の時代にしろ,学説,学派の出現が多いほど,学術論争が激しく,また中国医学の発展も加速されていた。今回は学派の地域別,手技別分類を行い,悠久な鍼灸医学発展の歴史を,古代中国文献を参考に明らかにするものである。尚,筆者らはチベット医学,モンゴル医学を調査するために,敦煌の莫高窟を始めとする内陸部にも現地調査を進めるが,これには限界があるため,本文では現在調査中のものを触れずに報告する。
著者
池田 裕子 岡本 真理子 山本 健 今村 武浩 山近 重生 斎藤 一郎 中川 洋一
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.10-17, 2014-04-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
26
被引用文献数
4

Purpose: The purpose of this study was to investigate sleep quality and its related factors in dry-mouth patients. Subjects and Methods: A cross-sectional study was conducted in 362 patients who visited the Dry Mouth Clinic at Tsurumi University Dental Hospital with the complaint of oral dryness. Sleep quality was assessed using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J), and factors associated with the PSQI-J global score were analyzed by multiple regression. The dependent variable was the PSQI-J global score, while age, gender, resting saliva flow rate (RSFR), stimulated saliva flow rate (SSFR), VAS score of nocturnal dry mouth sensation, the presence or absence of snoring, grinding, clenching, and mouth breathing, and anxiety and depression score in the Hospital Anxiety Depression Scale (HADS) were used as the independent variables. Results: The mean PSQI-J global score was 7.9±3.9, and 232/362 (64.1%) cases were considered to be poor sleepers who showed a score of less than 5.5. The multiple regression analysis showed that anxiety (standardizing coefficient 0.330) and depression score (0.151) in HADS, nocturnal dry-mouth sensation (0.165), and age (0.209) were significantly associated with the PSQI-J global score. Conclusion: Anxiety, depression, and sleep-related xerostomia were found to be factors closely associated with the risk of disturbance of good sleep quality.
著者
吉永 眞人 池田 裕子 樽井 里佳 松永 朋子 上村 雄一郎 横田 真弓
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.273-275, 2019-03-10 (Released:2019-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

【はじめに】100種類以上の酵素の構成要因として生体の様々な代謝系の調整に関与し、重要な微量元素の一つとされる亜鉛は、蛋白質合成・代謝などの生命維持に関係し、亜鉛の摂取については肉類・魚類・種実類からが主とされる。特に亜鉛欠乏症においては味覚障害・舌痛・貧血・食欲不振など様々な症状が表れ、近年注目される指標の一つとされるが、各医療機関において、あまり測定されていないのが現状である。今回、我々は当院健診受診者を対象に血中亜鉛濃度を測定し、世代別に有意な差が存在するか検討した。【対象者および対象期間】2017年7月から12月までの当院健診受診者を対象とした。【測定方法】採血は原則空腹時の早朝採血(午前8:30~9:30)。 血清亜鉛値の測定は、生化学自動分析器LABOSPECT008(株式会社日立ハイテクノロジーズ)およびアキュラスオートZn(株式会社シノテスト)を使用。各年代別の血清を用い比較した。【検討方法】 ①年代別および男女別で血清亜鉛値を比較 ②「亜鉛欠乏症の診療指針」に挙げられる血清ALP活性値・血清亜鉛値について比較 ③炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値との比較【結果および考察】各年代別に血清亜鉛値を比較した場合、20代男性が最も高く40代女性が最も低い結果であったが、年代別および男女別で明らかな有意差は認めなかった。 亜鉛欠乏が疑われる血清ALP活性値が 150U/L以下では血清亜鉛値基準値下限 80μg/dLを下回る割合が多く、活性値低下の一つの要因になっているのではないかと推測された。また、女性の20代から40代および60歳以上では約4割近くで、潜在性亜鉛欠乏が疑われた。 炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値は負の相関関係を認めた。 日本人の1日当たりの亜鉛摂取推奨量は、成人男性 10mg女性 8mgとされるが、その摂取量は男女ともに不足ぎみで、症状はなくとも日頃の食生活の偏りで亜鉛欠乏は潜在的に起こりうる。食生活を意識的に改善することが重要であり、それを知る上で血清亜鉛測定の有用性が示唆された。
著者
池田 裕子
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.058-070, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
36

This paper analyzes agricultural education in Karafuto through an examination of the reorganization of the Karafuto Prefecture Colonial School established in 1934.This colonial school was the first prefectural school to offer vocational education. It was modeled on the private educational institution run by Yokoo Sosaburo, the first minister of Agriculture and Forestry in Karafuto. The purpose of this school was to provide an education to nurture middle-class farmers; hence it focused on the teaching of practical skills in agriculture in the subarctic zone as well as preparing students mentally for the region’s harsh labor conditions.In the first year, it fulfilled the minimum quota of students but in the following years it did not succeed in doing so. The two main reasons are: 1) the overemphasis on the teaching of practical skills, a fact that made it difficult to educate farmer leaders; and 2) Karafuto agriculture did not receive sufficient government subsidies to withstand the harsh labor conditions. IN an attempt to change this situation, Karafuto Prefecture promoted this school to an ‘official’ vocational school in 1939. With this reorganization, the school’s purpose shifted from its initial role of promoting social mobility through the teaching of practical agricultural skills to training middle-class farmers to be farmer leaders.The colonial school was established as an institution that, different from the modern schools that focused on the teaching of theoretical knowledge, prioritized the teaching of practical skills in agriculture; nevertheless it is possible to say that this type of ‘special’ vocational school was not perceived as providing a more attractive education than ‘official’ vocational schools.
著者
吉永 眞人 池田 裕子 樽井 里佳 松永 朋子 上村 雄一郎 横田 真弓
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.273-275, 2019
被引用文献数
1

<p>【はじめに】100種類以上の酵素の構成要因として生体の様々な代謝系の調整に関与し、重要な微量元素の一つとされる亜鉛は、蛋白質合成・代謝などの生命維持に関係し、亜鉛の摂取については肉類・魚類・種実類からが主とされる。特に亜鉛欠乏症においては味覚障害・舌痛・貧血・食欲不振など様々な症状が表れ、近年注目される指標の一つとされるが、各医療機関において、あまり測定されていないのが現状である。今回、我々は当院健診受診者を対象に血中亜鉛濃度を測定し、世代別に有意な差が存在するか検討した。</p><p>【対象者および対象期間】2017年7月から12月までの当院健診受診者を対象とした。</p><p>【測定方法】採血は原則空腹時の早朝採血(午前8:30~9:30)。</p><p> 血清亜鉛値の測定は、生化学自動分析器LABOSPECT008(株式会社日立ハイテクノロジーズ)およびアキュラスオートZn(株式会社シノテスト)を使用。各年代別の血清を用い比較した。</p><p>【検討方法】</p><p> ①年代別および男女別で血清亜鉛値を比較</p><p> ②「亜鉛欠乏症の診療指針」に挙げられる血清ALP活性値・血清亜鉛値について比較</p><p> ③炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値との比較</p><p>【結果および考察】各年代別に血清亜鉛値を比較した場合、20代男性が最も高く40代女性が最も低い結果であったが、年代別および男女別で明らかな有意差は認めなかった。</p><p> 亜鉛欠乏が疑われる血清ALP活性値が 150U/L以下では血清亜鉛値基準値下限 80μg/dLを下回る割合が多く、活性値低下の一つの要因になっているのではないかと推測された。</p><p>また、女性の20代から40代および60歳以上では約4割近くで、潜在性亜鉛欠乏が疑われた。</p><p> 炎症マーカー(CRP)と血清亜鉛値は負の相関関係を認めた。</p><p> 日本人の1日当たりの亜鉛摂取推奨量は、成人男性 10mg女性 8mgとされるが、その摂取量は男女ともに不足ぎみで、症状はなくとも日頃の食生活の偏りで亜鉛欠乏は潜在的に起こりうる。食生活を意識的に改善することが重要であり、それを知る上で血清亜鉛測定の有用性が示唆された。</p>
著者
原 暉之 井竿 富雄 池田 裕子 井澗 裕 ウルフ ディビッド 神長 英輔 越野 剛 塩出 浩之 竹野 学 田村 将人 三木 理史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

サハリン島近代史の全体像の叙述を最終目的とし、その第1段階として日露戦争前後の時期に焦点を当てた論文集『日露戦争とサハリン島』を刊行した。本書は、帝政期ロシア領時代のサハリン島史、日露戦争サハリン戦、国境変動後の住民生活を総合的に描いたはじめての業績である。また、国際シンポジウムをほぼ毎年開催することで、サハリン島史研究の国際的ネットワークを確立させ、日露間の相互歴史認識の進展にも大きく寄与した。さらに、サハリン島史研究のための資料基盤の共有をおこない、共同研究の基盤構築を進めた。