著者
河合 賢 岸川 直人 伊藤 敬 足立 史朗
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.31-34, 2003-01-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
10
被引用文献数
1

背景:glomus腫瘍は毛細血管の先端にある神経筋性装置に由来する良性腫瘍で, そのほとんどは四肢末端や爪床に発生する. 胃粘膜下腫瘍として発生し, 術中迅速細胞診にて推定し得たglomus腫瘍を経験したので報告する.症例:32歳, 女性. 高度貧血の原因精査の過程で, 出血を伴う胃粘膜下腫瘍が認められた. 術中の捺印細胞診では, 単一で異型度の低い腫瘍細胞が結合性の強い小集塊を形成しているのが認められた. クロマチンパターンが均上一で結合性の強い像からglomus腫瘍が疑われた. 組織診断において細胞像を反映する典型的なglomus腫瘍の像が確認され, 免疫組織染色の結果も併せて診断が確定した.結論:小型類円形の均一な腫瘍細胞からなる胃粘膜下腫瘍としてはcarcinoid腫瘍が鑑別にあげられるが, 腫瘍細胞の結合性の強さやクロマチンの性状から, その鑑別は比較的容易と考えられた.
著者
川原 昭文 東 亮太郎 池田 雄一郎 河合 賢 加藤 佳一 早川 幸夫 辻 清孝 米田 慎一 姫野 敦史 島川 一彦 高木 剛 三河 巧 青野 邦年
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.13-18, 2012-04-16
被引用文献数
1

TaOxを用いたReRAMの高速な書換え性能とクロスポイントメモリセルアレイ構成におけるスニーク電流を低減する書込みアーキテクチャにより、443MB/s(サイクル時間17.2ns、64bit並列)と、従来比約2倍の高速な書込みを実現する0.18μm 8Mbit多層クロスポイント型ReRAMマクロを開発した。
著者
北川 章 細江 智夫 河合 賢一 北川 弘之 河合 清
出版者
日本マイコトキシン学会
巻号頁・発行日
no.2, pp.65-69, 2019 (Released:2019-12-03)

Eupenicillium sheariiから分離された新規のマクロライド系抗生物質であるeusherilideの抗真菌性活性に関する分子機序を明らかにする目的で,新鮮な単離ラット肝ミトコンドリアを用いてミトコンドリアの呼吸機能について検討した。Eusherilideは,L-グルタミン酸系とコハク酸酸化系呼吸の両方を阻害した。この阻害は,ロテノンとアンチマイシンAの阻害部位の上に電子伝達シャントを生成するN,N,N',N'-テトラメチル-p-フェニレンジアミン(TMPD)およびシトクロムcオキシダーゼのための人工基質であるアスコルビン酸によって回復されなかった。シトクロムの酸化還元スペクトルにおいて,シトクロムa,b,cの全てがeushearilide存在下で還元型を保っていた。このことから,eushearilideが電子伝達系のシトクロムcオキシダーゼ(complex IV)を阻害することが示唆された。EusherilideはKCl等張溶液の中で懸濁されたミトコンドリアの膨化を誘導した。このミトコンドリア膨化の誘導は,内膜で透過性孔の生成を示すシクロスポリンAによって阻止された。これらの結果から,eushearilideがミトコンドリアの電子伝達系のcomplex IV部位(シトクロムcオキシダーゼ)の阻害により呼吸機能を減弱させ,ミトコンドリアを膨化させることが示唆された。
著者
駒井 信一郎 細江 智夫 野沢 幸平 オカダ カオル デ・カンポス・タカキ ガルバ・マリア 福島 和貴 宮治 誠 堀江 義一 河合 賢一
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-18, 2003-01-31
被引用文献数
3 18

新たに分離された糸状菌102菌株の培養エキスについて病原性糸状菌2種および病原性酵母2種を用いて抗真菌性を調べた結果,35菌株に抗真菌活性が認められた.今回は,APBAをはじめとする各種アスペルジルス症の原因菌であるアスペルジルス·フミガツスに対して特異的に抗菌活性を示したアスペルジルス·ベルシカラー·グループに属するIFM 51759株に着目し,その成分検索を行ったところ,3種のピラノン誘導体,アスペルリンとその立体異性体及びアセチルフォマラクトンとともに新規フラノン誘導体エピムサシンDを得たので,その構造を各種機器データの解析から推定した.今回得られた4化合物について抗アスペルジルス·フミガツス活性を検討したした結果,アスペルジルス·フミガツスに対してのみ抗菌活性を示したアスペルリンとアセチルフォマラクトンがその生産量と活性の強さからIFM51759株の活性本体と想定した.また,フラノン誘導体エピムサシンDはピラノン誘導体とは異なり,弱いながらアスペルジス·ニガーにも抗菌活性を示した.
著者
大内 憲明 粕谷 厚生 武田 元博 甘利 正和 河合 賢朗 櫻井 遊
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

抗癌剤の開発において癌の転移メカニズム並びにドラッグデリバリーシステムを理解することは非常に重要である。我々は非常に精度の高い分解能を持った生体内イメージングシステムを開発し、転移中のがん細胞における膜タンパクPAR1を追跡することに成功した。更に、薬剤の大きさと動態の関連の検討のため蛍光ナノ粒子を担癌マウスに注入し生体内イメージングを施行した。更に、抗がん剤内包高分子ミセルの構造的安定並びに抗腫瘍効果を評価する新たな方法を開発した。