著者
永田 智 清水 俊明 大塚 宜一
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

肥満群の便では健常児と比較してビフィズス菌の有意な減少と便中酢酸濃度の明らかな低下が認められた。肥満群は、観察期間の前半6ヶ月を食事・運動療法のみ、後半6ヶ月は乳酸菌シロタ株含有飲料を飲用させたところ、飲用1ヶ月後に有意な体重減少が得られた。また、飲用3カ月後に中性脂肪値の有意な低下、1カ月後にHDLコレステロール値の上昇傾向、飲用3カ月後に便中ビフィズス菌の有意な増加と酢酸濃度の有意な上昇が認められた。以上より、シロタ株には肥満抑制効果があることが示唆され、その効果は、シロタ株が腸内のビフィズス菌の増殖を促進して、その代謝産物である酢酸などが脂質代謝に影響している可能性が考えられた。
著者
御子柴 道夫 長縄 光夫 松原 広志 白倉 克文 清水 昭雄 大矢 温 加藤 史朗 清水 俊行 下里 俊行 根村 亮 坂本 博
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

18世紀後半から19世紀前半までのロシア思想史を、従来の社会思想史、政治思想史に偏る研究視点から脱し、それらを踏まえたうえで、狭義の哲学思想、宗教思想、文学思想、芸術思想の多岐にわたる面で多面的に研究してきた。その結果、従来わが国ではもっぱら思想家としてしか扱われてこなかったレオンチェフの小説にスポット・ライトが当てられ、逆に小説家としてしか論じてこられなかったプラトーノブやチェーホラが思想面からアプローチされた。またロシア正教会内の一事件としてわが国ではほとんど手つかずだった賛名派の騒動が思想ないし哲学面から解釈された。さらに象徴派の画家やアヴァンギャルド画家が哲学あるいは社会思想史の視点からの考察の対象となった。と同時に、これらの作業の結果、ロシアでは文学、芸術、宗教儀礼、あるいは社会的事件さえもが思想と有機的に密接に結びついているのではないかとの以前からの感触が具体的に実証されることとなった。また、文化のあらゆる領域を思想の問題としてとらえた結果、当該時期のロシア思想史をほとんど遺漏なく網羅することが可能になった。この基本作業をふまえて、いくつかのテーマ--近代化の問題、ナショナリズムとグローバリズムないしユニヴァーサリズムの問題、認識論や存在論の問題などが浮上してきた。分担者、協力者各自の研究の中で当然それらのテーマは咀嚼され発展させられてきたが、今後はこれらのテーマを核に、この4年間で蓄積された膨大な素材を通史的に整理し止揚する作業を継続してゆき、書籍として刊行して世に問うことを目指す。
著者
小倉 振一郎 佐藤 衆介 田中 繁史 菅原 英俊 松本 伸 阿部 國博 清水 俊郎 小寺 文
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.153-159, 2008-07-15

近年、わが国の養蚕業の衰退にともない遊休桑園が急速に増加している。その対策の一つとして、肉用牛による桑園の放牧利用が注目されている。桑は草食家畜に対して高蛋白かつ高消化性であることに加え、生産力が高いことから、飼料資源としてきわめて有用である。また、牛放牧による遊休桑園利用は、省力的に荒廃地の植生管理ができるほか、未利用資源が家畜生産に貢献するというメリットがある。電気牧柵による小規模放牧方式の導入により、省力的にかつ低コストで桑園の畜産的利用が可能である。すでに福島県では、電気牧柵による黒毛和種の放牧とマクロシードペレットを組み合わせることにより遊休桑園を牧草地化できることを実証している。宮城県においては、気仙沼・本吉地域一帯が、かつて東北地方の中でも福島県阿武隈地域、宮城県丸森地域と並んで養蚕業が盛んな地域であったことが知られている。しかし近年、遊休桑園が急速に増加し、荒廃化が急速に進行しているため、その対策が喫緊の課題となっている。こうした背景から、地域環境の保全および農林業の活性化を図るため、2005年秋に同地域内の南三陸町の遊休桑園において、黒毛和種の放牧が開始された。桑園放牧の普及にあたっては、桑の生産性と化学成分、ならびに放牧牛の行動、健全性といった基礎的知見の集積が不可欠であるが、こうした知見はこれまでにほとんど得られていない。そこで、南三陸町の遊休桑園における桑葉の現存量および化学成分、ならびに放牧牛の行動と血液性状からみた健全性について実証試験を行ったので報告する。
著者
ポダルコ ピョートル エルマコワ リュドミラ 太田 丈太郎 サヴェリエフ イゴリ ミハイロワ ユリア 清水 俊行 中村 善和 安井 亮平 長縄 光男 清水 俊行 澤田 和彦 長縄 光夫 中村 喜和 中嶋 毅 安井 亮平
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成18年4月より22年3月までの4年間に例会を20回、研究会合宿を2回(神戸市立大学、東北大学)行い、この間、研究会のニューズレター『異郷』(年3回発行)をno.21-32計12号を刊行し、論文集『ロシアと日本』を2冊(vol.7,8,2008年3月、2010年3月)を刊行した。