著者
片岡 孝介
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

先進国で高齢化が加速度的に進む中で加齢性記憶障害の発症機構の研究は重要性を増している。脳内で多く発現しているCB1受容体は、加齢性記憶障害に深く関与することが知られているが、その機構には不明な点が多い。助成対象者は、CB1受容体がミトコンドリアの品質を管理することで海馬神経細胞の機能を維持していると予想している。本研究では、CB1受容体によるミトコンドリア品質管理機構を解明することで、今後増加すると予想される加齢性記憶障害の機構解明や予防戦略の確立につなげることを目的としている。
著者
片岡 孝義 小松 良行
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.288-289, 1982-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
11
著者
柏木 千恵子 片岡 孝史 新谷 修平 藤田 直也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ba0291, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 急性期脳卒中患者において,発症直後より転帰を予測することは,今後の方針決定やリハビリテーションの計画,在院日数の短縮に有用である。National Institute of Health Stroke Scale(以下,NIHSS)は,脳卒中重症度評価スケールとして広く使用されているが,NIHSS scoreと転帰との関連を検討した研究はほとんどない。前回,我々は理学療法開始初期のNIHSSを用いて当院から回復期病院経由後の転帰を予測し,NIHSS score12点が転帰に妥当なカットオフ値と判断した。そこで今回,当院からの転帰に着目し,理学療法開始初期のNIHSSを用いて転帰に妥当なNIHSS scoreのカットオフ値を求め,予後予測の一助とすることを目的とする。【方法】 対象は2009年4月から2011年3月までに脳血管障害(くも膜下出血を除く)により当院に入院し,理学療法を実施した552例から後述する除外対象を除いた536例(男性326例,女性210例,平均年齢72.5±11.8歳)とした。対象者は,入院前の所在が自宅であること,初発の脳血管障害であること,理学療法開始初期にNIHSSの評価がなされていること,パーキンソン病などの神経変性疾患を有さないものとした。除外対象は病状が悪化したもの,カルテでの追跡調査が不可能なものとした。方法は,対象のうち当院から自宅退院した群と当院から自宅以外に転院もしくは退院(回復期病院,一般病院,施設)した群の2群に分類し,カルテより後方視的に調査した。調査項目は年齢,性別,在院日数,発症から理学療法開始までの日数,理学療法開始時のNIHSS scoreとした。2群間の統計処理は,NIHSS scoreのカットオフ値の算出にROC曲線を用いた。また,有意水準を5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 当院では,倫理的配慮として入院時に御本人,そのご家族に個人情報保護に関する説明をしており,個人が特定されないことを条件として院内外へ公表することに同意を得ている。【結果】 理学療法開始初期のNIHSS scoreを転帰によって2つに分ける場合,ROC曲線の曲線下面積は0.94となり高度の予測値を示した。また当院より転帰する場合の妥当なカットオフ値はNIHSS score 6点となり,感度は92%,特異度は80%であった。 【考察】 本研究結果より,脳卒中患者に対してNIHSSを用いた早期からの転帰の予測が可能であることが分かった。NIHSSはt-PAの適応基準でもあり,Dr.やNs.も周知している場合が多いため,今回のカットオフ値の算出は他職種間での転帰の予測に関する評価ツールとして使用されることが期待できる。前回の研究結果では,当院から回復期病院を経由した後の転帰(自宅と一般病院,施設)のカットオフ値をNIHSS score12点と判断した。各転帰の観点からこれらの結果を反映するとNIHSS scoreを後述する3群に分類することができる。1)NIHSS score 5点以下;当院から自宅へ退院2)NIHSS score 6~11点;当院から回復期病院を経由し,その後自宅退院3)NIHSS score 12点以上;当院から回復期病院を経由するが一般病院へ転院もしくは施設へ退院。上記分類は早期からの転帰の予測としてのツール以外に,当院の脳卒中患者の予測に関するアウトカムとしての指標を設定することができると考える。これらのカットオフ値を経時的にモニタリングしていくことが病院の質の向上につながり,他病院との比較が可能となる。本研究では転帰の予測の判断をNIHSSのみで行っており,NIHSS score 5点以下の逸脱例は40件であった。今後は,転帰の予測の精度をあげるためにもNIHSSに加えて逸脱例の転帰に関する因子の検討も行っていく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】 脳卒中急性期病院での早期からの転帰の予測は重要である。NIHSS scoreのカットオフ値の算出により転帰の予測の他に,当院におけるアウトカムの検討が可能となり,臨床指標としても捉えることができた。そのためNIHSSが早期からの転帰の予測の可能性を示した本研究は有意義であったと考える。
著者
國安 勝司 荒尾 賢 片岡 孝史 栗山 努 日傳 宗平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】日本に理学療法士が誕生し50年を迎え,理学療法士の社会的認知度も上がっていると思われる。しかし,その具体的な業務については隣接職種と混同されているのも事実である。岡山県理学療法士会(以降,本会)は県民への理学療法士(以降,PT)の啓発活動を社会局が中心となり企画しているが,効果的な方法の一つとしてマスメディアを活用した経験を報告する。【活動報告】協会が理学療法週間として啓発活動を開始した平成7年の理学療法週間モデル事業から本会は参加しており,さまざまなイベントや企画を行ってきた。PTを目指す学生に出張講義の企画や,公共施設で一般向けのPTの紹介イベントを開催した。しかし,出張講義依頼やイベントへの参加者は期待したほどにはならず,より効果的な方法を模索していた。そこに広告会社から地元紙(発行部数42万5800部,県内のシェア約60%)への記事広告掲載の提案がされた。予算的にも支出可能な範囲であり,平成16年以降,7月16日朝刊に「明日は理学療法の日」として見開き半ページのPT紹介記事と,協賛広告を掲載している。内容は会長の挨拶文,PTの業務説明,トピックス,本会主催イベント案内,養成校情報である。【考察】掲載後の反響は大きく,問い合わせも多い。今年度は介護予防についての内容を掲載したところ「PTは介護予防もされるのですね」などすぐに反応があった。様々なイベント・会議等でパンフレット配布や業務の説明をしてきたが,その効果を実感することは少なかった。その点,県内をほぼ網羅している地元紙を利用することは,費用対効果の面からも非常に効果的であると感じている。【結論】職能団体として多くの県民にアピールすることは重要であり,今後は地元紙に加え4大紙にも掲載ができるよう掲載方法を検討したい。さらに今年度は11月11日の介護の日に協賛し,地元放送局のラジオ番組への出演と20回のスポットCMを放送することを決定した。
著者
小西 文雄 古田 一裕 斉藤 幸夫 片岡 孝 柏木 宏 岡田 真樹 金澤 暁太郎 菅原 正 篠原 直宏
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.789-796, 1994 (Released:2011-06-08)
参考文献数
30
被引用文献数
1

直腸癌に対する術前放射線化学治療において, 温熱療法を加えることによる腫瘍壊死効果の増強について検討した.A群 (18例) では放射線温熱化学併用治療を, B群 (18例) では放射線化学治療を施行した.放射線照射は総量40.5Gy, Whole Pelvisの照射野で施行した.温熱療法は, 8MHzRadiofrequencyを用いて1回50分計5回施行した.また, 5-nuorouracil坐薬1日200mg計3,400mgを投与した.治療前後で施行した下部消化管注腸造影における腫瘍の縮小率の平均値は, A群では31.8%, B群では18.2%であり, A群において有意に縮小率が高かった.切除標本の病理組織学的所見における治療効果を, 胃癌取扱い規約の規準に従って評価した結果, A群ではB群と比較して有意により高度な腫瘍の変性や壊死が認められた.以上より, 温熱療法を併用することによって治療効果が増強されることが示され, 放射線温熱化学併用治療は直腸癌の術前治療法として有用であろうと考えられた.
著者
片岡 孝夫
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.87-100, 2009-03-12

サーチ論的な貨幣的交換のモデルを用いて貨幣供給量と定常均衡の関係,ならびに定常均衡の動学的分析を行う。 貨幣供給量が最適な定常均衡に対応する水準にあるとき,連続的な定常均衡が存在し,それらの中のどれが実現するかは初期条件に依存する。貨幣供給量が上の水準を上回るときには,比較的好ましい鞍点安定的定な常均衡が存在するが,その水準に僅かでも及ばない場合には,貨幣は機能不全を起こし,経済は常に自給自足経済と同程度の劣悪な状態に収束してしまう。このような状況下で,政府が増発した貨幣で実物財を購入するならば,その財が廃棄されたとしても,パレートの意味で改善がなされる場合があることが示される。
著者
片岡 孝夫
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

細胞傷害性T細胞(CTL)はパーフォリン依存性経路およびFasリガンド依存性経路によってウイルス感染細胞や腫瘍細胞を殺傷する。エポキシシクロヘキセノン誘導体ECHやRKTS-33は、カスパーゼ8の活性化を阻害し、Fas依存性のアポトーシスを特異的に阻害する。ECHやRKTS-33は、CTLによるFasリガンドの発現誘導に対する抑制作用が弱かったが、パーフォリンを発現していないCD4^+CTLやコンカナマイシンAで処理したCD8^+CTLによるFasリガンド依存性の細胞傷害経路を強く抑制した。しかしながら、ECHやRKTS-33はCD8^+CTLによるパーフォリン依存性の細胞傷害経路を抑制しなかった。これらの結果から、ECHやRKTS-33は、CTLの細胞傷害機構において、Fasリガンド依存性経路の特異的な阻害剤であることが明らかとなった。タンパク質合成阻害剤アセトキシシクロヘキシミド(E-73)は、IL-1による転写因子NF-κBの活性化を抑制せず、TNF-αによるNF-κBの活性化を選択的に抑制する。ヒト肺がん腫A549細胞をE-73で処理すると、TNFレセプター1のA549細胞における発現量が減少し、低分子量化したTNFレセプター1が培地中に増加することが観察された。メタロプロテアーゼ阻害剤GM6001やTACE(TNF-α converting enzyme)阻害剤TAPI-2で前処理すると、E-73によるTNFレセプター1の培地中への蓄積が抑制された。以上の結果から、E-73はTACEによるTNFレセプター1のシエディングを誘導することによって細胞表面のTNFレセプター1の発現量を減少させ、TNF-αに対するA549細胞の反応性を低下させることが明らかとなった。
著者
松尾 喜義 片岡 孝義
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.122-128, 1983-08-05
被引用文献数
3 1

The effect of variations in the light and temperature on the germination of Leptochloa chinensis Nees seeds stored under different conditions was investigated. 1. The dormancy of seeds stored under air-dried conditions was readily broken when seeds placed on a moist filter paper were subjected to a regime of 12 hours light at 40 ℃ and 30 ℃ and 12 hours dark at 40℃ and 15℃, respectively. 2. Light played a major role in the breaking of dormancy. The effect of light on seeds stored under air-dried conditions was more conspicuous 6〜12 hours after water absorption than at the onset. 3. The degree of breaking of dormancy varied with the conditions of storage, and it was higher in the following order, moist conditions at 5℃ < air-dried conditions at 5℃ < air-dried condidtions at room temperature < upland field conditions. However the breaking of dormancy under these conditions of storage did not result in seed germination when seeds were continuously exposed to darkness at 30℃.
著者
小浦 誠吾 小笠原 致道 上田 成次 高橋 康子 関 由美子 鴨居 道明 田中 十城 則武 晃二 片岡 孝義
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.96-101, 1994-08-05
被引用文献数
3

前報で水田用除草剤の処理方法としてACN発泡性大型錠剤(以下通称のACNジャンボ剤とする)の畦畔からの投げ込み方法を検討し、活性成分の水中拡散性が良く、その後の水中成分濃度の低下も早く、環境安全性にも優れていて実用性が高いことが明らかにされた。本報では、表層剥離と藻類に対するACNジャンボ剤の効果を検討し、実用性を考察した。1.50m^2規模の圃場試験によると、表層剥離に対しては、発生前〜発生盛期の処理において、速効的に高い防止効果が認められ、その後の発生も認められなかった。浮上程度60%の時期(発生率100%)の処理では、十分な効果はなく、薬量を増やす必要があると思われた。一方藻類に対しては、発生盛期の2時期の処理ともに処理1日後には効果が顕著に現れ、それ以降3週間以上にわたって抑制していた。2. 10a規模の水田試験でも、50m^2圃場での試験と同様に高い効果が認められた。3.2倍量試験でも、薬剤投入地点を含めて水稲に対する薬害は認められなかった。従って、表層剥離と藻類がすでに発生している水田でも、それらの発生盛期までの間に他のジャンボ剤との組み合わせ処理をすれば水中拡散性が妨げられることがなくなるため、そのジャンボ剤が十分にその効果を発揮することができるものと考えられた。