文献一覧: 牧野遼作 (著者)

3 0 0 0 OA フィールドにおける語り分析のための身体の空間陣形

著者: 牧野遼作古山宣洋坊農真弓
出版者: 日本認知科学会
雑誌: 認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日: vol.22, no.1, pp.53-68, 2015-03-01 (Released:2015-09-15)
参考文献数: 21
被引用文献数: 1

This study addresses how environments for specialists reciting a narrative are estab-lished when they (e.g., science communicators) need to give an explanation to non- specialists (e.g., visitors). To analyze the videotaped data, we employed the notion of spatial-orientation behavior (proposed by Adam Kendon). Spatial orientation com-prises two formation types: F-formation and H-formation. The F-formation is when the participants stand in an O-space, and everyone has an equal right to speak. The H-formation includes head position as a factor of the study; where, a single participant faces the rest of the participants that are typically lined-up in a row. The single par-ticipant has more rights to speak than the rest. This study focuses on the H-formation with the hypothesis that it is one way to signal readiness to start a narrative, i.e.,establishes the environment to recite a narrative. Two case studies are provided in this study. Case Study I gives an example of the H-formation, wherein the specialist exerts a privileged right to talk to the novices. Case Study II illustrates an example of the F-formation, with the specialist ending up with starting the narrative to the novices, which acts as an excuse, as the specialist does not have the privileged right to talk to the novices. For one thing, the reciting of the narrative in this example only started as a response to a question from one of the novices. Additionally, the narrative including with the contraction structures by gestures giving novice the chance to notice the answer for his/her question. The results demonstrate how the type of formation relates to the construction and presentation of the specialist’s narrative. The results of the two analyses demonstrate that the formation consisted of the two types, and that participants use H-formation as a resource for establishing the environment for reciting the narrative.

2020-11-05 20:41:12
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2 0 0 0 OA コロナ禍における子ども向け科学館の来館者対応

著者: 石川奈保子城綾実牧野遼作宗政由桐
出版者: 一般社団法人日本教育工学会
雑誌: 日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日: vol.2021, no.3, pp.64-71, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本研究では,コロナ禍における子ども向け科学館の来館者対応に関する半構造化インタビュー調査を実施した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)科学館本来・従来の展示物を触って楽しむ・学ぶという目的を大事にしながら,少しでも安心して体験できるよう幾重にも工夫を施していた.(2)リアルタイム・生配信・動画配信の3形態でのオンライン科学教育コンテンツによる「体験」の提供を試みており,これまで少なかった小学校高学年の利用者,遠隔地の利用者を獲得した.

2022-01-18 00:21:38
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2 0 0 0 じゃんけん行為における身体協調に掛け声が与える影響

著者: 児玉謙太郎牧野遼作清水大地
出版者: The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌: 電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日: vol.J102-A, no.2, pp.26-34, 2019-02-01

本研究では,じゃんけんというマルチモーダルなコミュニケーションにおいて,音声による聴覚情報が参与者間の身体の協調・同期に及ぼす影響を実験的に検討した.その際,力学系アプローチという視点からコミュニケーションを自己組織化現象と捉えた.そして,コミュニケーション過程を参与者間の知覚情報を介したリアルタイムな行為の調整過程とみなし,身体協調を非線形時系列解析により評価した.実験により「最初はグーじゃんけんぽん」という掛け声を発する通常条件と掛け声を発しない声なし条件を比較した結果,じゃんけんの最終段階での参与者2名の手の振り降ろしの時間差には,条件間で有意な差はみられなかった.一方,行為の開始から終了に至る過程の参与者の手の協調における安定性と予測可能性に有意な差がみられ,通常条件のほうが,参与者間の手の協調が安定し,予測可能性が高い動きをしていたことが明らかとなった.これらの結果から,ヒトは数秒という短い時間に行われるコミュニケーションであっても,1)聴覚情報が利用できない条件では参与者らはリアルタイムに視覚情報を利用し,結果的に同期を達成できるよう柔軟に振る舞うこと,ただし,2)その行為の調整過程での身体の協調には聴覚情報が影響すること,が示唆された.

2020-03-30 17:14:32
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https://search.ieice.org/bin/summary.php?id=j102-a_2_26&category=A&year=2019&lang=J&abst=

1 0 0 0 "コミュニケーション障碍"は相互行為の分析によって理解できるか?—非典型者をとらえる視点の整理

著者: 山本敦牧野遼作
出版者: 一般社団法人人工知能学会
雑誌: 人工知能学会研究会資料言語・音声理解と対話処理研究会 100回 (2024/02) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日: pp.90-94, 2024-02-20 (Released:2024-02-20)

「非典型的相互行為atypical interaction」とは、会話分析を主な分析手法としてコミュニケーション障害の相互行為的側面に着目した研究を行う比較的新しい学際的領域である。本発表では、非典型的相互行為者("障害を呈する"相互行為参与者)について従来の"能力が損なわれている不完全な典型者"という見方から、"限定された能力を駆使して相互行為状況に適応しようとする非典型者"、さらには"典型者とは異なる形の能力を持つ非典型者"という見方が提示されてきた流れを概観する。そのうえで、この流れを推し進め非典型者の"コミュニケーション能力の特有性"を分析していく際には、会話分析の手法には理論上の限界があるだけでなく、誤った知見を体系的に生み出してしまう危険がある可能性を指摘し、その問題の解決策についても論じたい。