著者
久永 真央 津田 孝雄 大桑 哲男 伊藤 宏
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.57-61, 2011 (Released:2012-02-13)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

労働環境や生活環境において,生体内に取り込まれた化学物質の皮膚からの放出に関する研究は少ない.そこで皮膚ガスを採取し,ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)で分析を行い,生体内への化学物質の取込みを推定することを目的として本研究を行った.皮膚ガスの採取は,労働環境や生活環境の異なる被験者10名(男性7名,女性3名)の左手から行った.被験者の皮膚ガス中に,ベンゼン,トルエン,キシレン,2-エチル-1-ヘキサノール,p-ジクロロベンゼンなどを確認した.有機化学実験をしている異なる2 つの研究室の被験者間に,2-エチル-1-ヘキサノールの濃度平均値の有意差を認めた.またトルエン濃度が,他の被験者に比べ有意(P<0.05)に高い被験者がいた.この被験者がガス関連事業所で働いていたことから,職場での暴露によると推測された.労働環境や生活環境の違いにより,皮膚ガスに含まれる化学物質には,人により差があることが示唆された.
著者
伊藤 宏司
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.320-325, 1993-04-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
30
被引用文献数
4 5
著者
伊藤 宏
出版者
プール学院大学
雑誌
プール学院大学研究紀要 (ISSN:13426028)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.63-76, 2004-12
被引用文献数
3

This thesis is a part of research to verify what kind of"media agenda"the Asahi Shimbun newspaper has shown concerning the development and use of nuclear energy in Japan. The target of the analysis was the editorial of the Asahi Shimbun from the days after the war until the end 1970. First, the agenda regarding the development and use of nuclear energy was classified into four categories, and then under each category, the change of value judgments of the Asahi was tracked and put in chronological order. As a result, it became clear that the media agenda of the Asahi had been based on the premise of promoting the use of nuclear energy up until the end of 1970. Especially during the period from the first days of nuclear power plants until the start of its commercial use, almost no critical agenda can be found in the Asahi. And until specific accidents and troubles occurred, the safety of nuclear power plants had been regarded as an"established"matter.
著者
伊藤 宏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.319-323, 1956-08-01

最近1.2ないし1.1という超大口径の写真レンズがわが国で生産されるようになった.これ等のレンズの展望,日本でこれ等のレンズが発達した理由,およびこれらレンズの性能に関し,最近の情報理論的の取扱いによる新しい見方を述べる.
著者
伊藤 宏之
出版者
大正大学
巻号頁・発行日
2022

2021年度
著者
柴田 克成 上田 雅英 伊藤 宏司
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.494-502, 2003-05-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
3 7

In this paper, a concept of individuality and sociality is introduced as a method to avoid conflicts of individual interests in multi-agent systems. It is considered that each agent has its individuality when the conflicts are resolved by making its own mapping from the sensory input to the action output. On the other hand, each agent has sociality when the conflicts are avoided by some common input-output mapping, which is commonly called rules. A conflict avoidance task in which passengers are getting on and off a train are taken as an example, and the emergence processes of both behavioral characters are explained. Furthermore, it is shown that the differentiation of the agent into one of them is adaptively realized by reinforcement learning based on local rewards according to the asymmetry of environment, number of agents, identification of the other agents, or physical ability of agents.
著者
久永 真央 津田 孝雄 大桑 哲男 伊藤 宏
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.57-61, 2012-01-05
被引用文献数
4

労働環境や生活環境において,生体内に取り込まれた化学物質の皮膚からの放出に関する研究は少ない.そこで皮膚ガスを採取し,ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)で分析を行い,生体内への化学物質の取込みを推定することを目的として本研究を行った.皮膚ガスの採取は,労働環境や生活環境の異なる被験者10名(男性7名,女性3名)の左手から行った.被験者の皮膚ガス中に,ベンゼン,トルエン,キシレン,2-エチル-1-ヘキサノール,<i>p</i>-ジクロロベンゼンなどを確認した.有機化学実験をしている異なる2 つの研究室の被験者間に,2-エチル-1-ヘキサノールの濃度平均値の有意差を認めた.またトルエン濃度が,他の被験者に比べ有意(<i>P</i><0.05)に高い被験者がいた.この被験者がガス関連事業所で働いていたことから,職場での暴露によると推測された.労働環境や生活環境の違いにより,皮膚ガスに含まれる化学物質には,人により差があることが示唆された.
著者
高崎 裕治 大中 忠勝 栃原 裕 永井 由美子 伊藤 宏充 吉竹 史郎
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-34, 2006-05
被引用文献数
4

浴槽死亡事故の地域差に影響する因子を検討するにあたり,本研究の目的は日本の各地域における入浴実態を比較してその差異を明かにすることである.質問紙による調査を全国11の地域(札幌,秋田,仙台,北千葉,南千葉,静岡,富山,大阪,広島,福岡,鹿児島)で実施した.各地域で約30戸の戸建て住宅を対象に,質問紙を夏と冬の2回配付した.建築後の経過年数,住宅の設備や温冷感,入浴行為等について質問を行った.その結果,以下のような入浴実態やその地域差が認められた.すなわち,保温性や断熱性という観点からは比較的新しい住宅や北日本の住宅が優れていること,予期に反して冬期に南日本の人たちの方が北日本の人たちよりも浴室を寒く感じていることなどである.また,入浴頻度,時間や最初に入力する人にも地域差が見られた.各地域の入浴実態と浴槽事故死亡率には関連がありそうであるが,さらに検討が必要である.
著者
伊藤 宏
出版者
プール学院大学
雑誌
プール学院大学研究紀要 (ISSN:13426028)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.101-116, 2009-12

This paper is the final chapter of the reports concerning the verification of the kind of "media agenda" shown by the Asahi Shimbun when reporting on development and use of nuclear energy in Japan. This research analyzes the period from 1995 to the present, and sums up the change in "media agenda" until now.As a result, it became clear that the Asahi, at the end of the 20th century, presented a completely opposite agenda for nuclear power plants and the nuclear fuel circle from the initial agenda. Japan's nuclear energy policy had already reached a point of no return when the Asahichanged the contents of the agenda: basically opposing the development and use of nuclear energy. Naturally, as for the Asahi's agenda for discussion presentation of the present, it cannot but be received the restriction of that accomplished fact.
著者
伊藤 宏之 河合 正弘
出版者
財務省財務総合政策研究所
雑誌
フィナンシャル・レビュー (ISSN:09125892)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.76-122, 2023 (Released:2023-08-24)
参考文献数
42

本論文は,為替レート制度と国際金融のトリレンマ制度に焦点を当てて,国際通貨体制の変遷を明らかにする。為替レート制度は,為替レート変動の程度や為替レート安定化のアンカー通貨が何かによって決まり,トリレンマ制度は為替レートの安定性,金融市場の開放度,金融政策の独立性の程度の組み合わせによって決まる。伝統的なFrankel-Wei(1996)やその修正版であるKawai-Pontines(2016)の推定式から,為替レートの安定性の指数(推定式の二乗平均平方根誤差(RMSE))を得ることができるだけでなく,各国にとっての為替レート安定化の対象であるアンカー通貨を特定することができる。金融市場の開放度は,各国の対外資産と対外負債の和の対GDP比,対貿易比によって示すことができる。金融政策の独立性は,各国の短期金利が海外金利と国内外の経済要因(国内のGDPギャップやインフレ率,海外の成長率や原油価格)のどちらにどの程度反応するかによって示すことができる。トリレンマのいずれの指数も0から1の間をとるものとして測定される。 100か国以上の諸国における為替レート制度の分析から,世界全体や各地域における主要通貨圏(米ドル圏,ユーロ圏,英ポンド圏,日本円圏,中国人民元圏)と自由な為替フロート制を採用する経済圏の規模およびその変遷を求めることができる。また,各国のトリレンマの組み合わせがどのように変化してきたかをトリレンマ三角形に図示することで,直観的な分析が可能になる。本論文から,いくつかの興味深い結果が得られる。 第1に,米ドル圏の世界経済シェアは依然として世界最大であるものの,ユーロ圏の出現と近年における人民元圏の急速な台頭により,低下する傾向にある。同時に,為替フロート制を採用する経済圏の世界シェアは拡大する傾向にある。第2に,一部の例外(ユーロ地域諸国など)を除き,先進国と新興・発展途上国の両者は,為替レートの柔軟性と金融市場の開放度を高める方向で,トリレンマ制度を選択してきた。今日,自由な為替フロート制,開放的な金融市場,独立した金融政策の維持という「コーナー制度」を採用する国は,先進国,新興・発展途上国の間で広がりを見せている。その一方,安定的な為替レート,閉鎖的な金融市場,独立した金融政策の維持という別の「コーナー制度」を採用する先進国は存在しない。また,安定的な為替レート,開放的な金融市場,独立した金融政策の放棄という3つ目の「コーナー制度」を採用する先進国はユーロ地域などに存在するが,それを採用する新興・発展途上国はごく少数に限られる。その一方,これら3つのコーナー制度以外の組み合わせ(「中間領域」を含む)を選択する国も多い。第3に,先進国と新興・発展途上国の両者に最良のマクロ経済パフォーマンスをもたらすトリレンマ制度は存在しない。
著者
伊藤 宏隆 都築 賢二 松尾 啓志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.169, 2008 (Released:2008-12-06)

著者らはコース管理システムMoodle上で動作する自然言語処理によるレポート類似判定システムを開発した。従来のレポート類似判定法として、TF・IDFを用いるベクトル解析がある。TFは単語の出現頻度、IDFは単語が出現する文書の分布に着目する。ベクトル解析による類似判定は実装上、問題がある。 著者らは新たにBloom Filterを用いた類似判定法を開発した。Bloom FilterはBurton h. Bloomが1970年に考案した確率的データ構造であり、任意のデータdが集合のメンバーXに含まれるかどうかの判定に用いられるアルゴリズムである。Bloom Filterを文書中のある単語が既出かどうかを調べるために用い、類似判定に利用する。 本論文では、従来のベクトル解析による類似判定法を説明する。従来手法の実装上の問題点を明らかにし、Bloom Filterによる類似判定法について詳述する。
著者
伊藤 宏文
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.320-326, 2022 (Released:2022-11-03)
参考文献数
24

慢性上咽頭炎の治療法の1つに上咽頭擦過療法(EAT)がある.本研究はEATが自律神経機能に及ぼす影響を解明することを目的として,慢性上咽頭炎症例27名の心電図記録について心拍変動解析を行った.EATを安静時,鼻腔内診察時,経鼻的擦過時,経口的擦過時の4つのイベントに分類した.4つのイベント毎にHR,CVRR,ccv HF,L/Hの4項目を測定して統計的検討を行なった.結果,経鼻的擦過時にはHRの減少とccv HFの増加を認めた.経口的擦過時にはHR,CVRRの増加を認めた.EATは心拍変動に影響を及ぼし,経鼻的擦過時には副交感神経を刺激し,経口的擦過時には交感神経と副交感神経の両方を刺激して咽頭反射を誘発していると考えられた.EATは興奮性と抑制性の相反性刺激により自律神経機能を賦活化すると考えられた.