著者
田村 恭久
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.307-314, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
7
被引用文献数
4 1

電子教科書の現状をいくつかの側面で紹介する。まず,各国の導入・検討状況や,各種標準化団体における電子教科書の機能検討状況を示す。また,電子教科書の導入の是非をめぐる議論が盛んであり,そのいくつかの論点を整理する。現在の電子教科書の機能では,従来の学習活動をすべてカバーすることは不可能であり,授業中の活動,教授方法,授業運営方法に依存することは明らかである。さらに,電子教科書のファイル形式の候補をいくつか紹介する。この中で,電子書籍の形式の1つであるEPUB3と,その拡張であるEDUPUBが現在もっとも有力な候補である。
著者
田村 恭久
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.791-798, 2015-02-01 (Released:2015-02-01)
参考文献数
5

電子教科書に関する規格策定の動きと,その中の1つであるEDUPUBの概要を紹介する。標準規格を策定することで,開発者側にも利用者側にもメリットが生まれ,新たな企業の参入を促すことができる。IEEE,CEN,IMSなどが電子教科書の規格策定に動いているが,IDPF,IMS GLC,W3Cが共同で開発を進めているEDUPUBは対象範囲が広く,かつ実装可能性を高めるために既存規格を極力利用している。また議論中のものも含めてオープンな仕様であり,採用するための参入障壁が低いため,今後有力なフォーラム標準となりうる。ただし,EDUPUBの規格策定は現在進行中であり,今後内容を修正あるいは拡大する可能性がある。
著者
塚田 晃三 藤田 道郎 山本 一郎 田村 恭一 宮前 二朗
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

がん罹患犬におけるDLA-88型別に提示されるがん関連抗原の一つSurvivinを標的としたがん特異的免疫療法(ペプチドワクチン)を実施することを目的に、これまでDLA-88型別に特異的に反応する抗原ペプチドの同定を行ってきた。本研究では、1)有効なワクチン用adjuvant成分を、がん拒絶に特化したスクリーニングで選別し、2)現行のDLA-88型タイピングに代わる簡便な適合型検査を確立させ、3)臨床研究の開始後、1-2年間の予後観察(CT/MRI検査)により、その効果を腫瘤の退縮期間、寛解率、及び生存期間で判定する。
著者
田村 恭久
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CLE-13, no.11, pp.1-6, 2014-05-09

今後普及が予想される電子教科書における Learning Analytics 向けデータ項目とその活用方法について議論する。タブレット PC 上で閲覧・操作する電子教科書では、従来の LMS 上での学習より多量・多種の学習者データが取得可能である。学習者が書き込んだノートやハイライト、辞書や参考書の参照、Web リソースの参照、クイズ回答や協調学習の発言書き込みに至る調査・思考のプロセス、また将来は学習者の生理データも取得できる可能性がある。これらのデータを教育ビッグデータとして扱うことで、現在の Learning Analytics がどのように変容するかを議論したい。
著者
田村 恭久
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.234-240, 2020-03-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1
著者
出雲 明彦 酒井 賢一郎 田村 恭久
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.763-768, 2017-12-31 (Released:2017-12-31)
参考文献数
10

アシクロビルは,帯状疱疹などのウイルス感染症の効果的な治療薬であるが,稀な副作用として脳症を併発する。症例は,86歳男性。腎機能異常の指摘はなかった。受診6日前,左顔面に帯状疱疹を認め,前医よりアシクロビル錠(400mg 8T4X)を処方された。受診3日前より食指不振となり,輸液投与するも改善せず,さらに意識レベル低下を認め当院を紹介された。意識レベルJCS:Ⅱ-20。採血検査で急性腎機能障害(BUN/Cre=77/7.93mg/dl)を認めた。アシクロビルによる脳症を考え,他の内服薬とともに中止し,輸液管理とした。第4病日にはJCS Ⅰ-3へ意識レベルは改善した。アシクロビルは透析を含む慢性腎不全の患者に投与することで脳症を生じることがある。腎排泄型であるため,ことに高齢者では,腎機能異常の指摘がなくても,脱水や他の腎排泄型薬剤との併用が急性腎不全を引き起こし,アシクロビル脳症を引き起こす可能性がある。
著者
池田 正澄 田村 恭光
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.10-21, 1980-01-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
78
被引用文献数
6 10

The synthetic utility of the Polonovski reaction has recently been widely explored. Besides classical use in dealkylation of tertiary amines and in the preparation of enamines, it can also be used in the syntheses of a Mannich reagent and many indole alkaloids. Success in the syntheses of vinblastine and related compounds is one of the most important developments. The present review summarizes the synthetic applications of this reaction.
著者
北 泰行 田村 修 田村 恭光
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1118-1133, 1986-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
201
被引用文献数
12 16

Silyl ketene acetals (SKA) have attracted much attention as useful synthetic reagents. This review deals with the recent studies (mainly after 1980) on the preparations and reactions utilizing SKA in the following items with 147 references; [1] Preparations; a) general preparation, b) selective synthesis of E- and Z- SKA. [2] Reactions; a) protonation, b) oxidation, c) electrophilic substitution, d) cycldaddition, e) sigmatropic reaction, f) others.
著者
田村 恭光 北 泰行
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.205-217, 1988-03-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
57
被引用文献数
11 13

Anthracycline antibiotics are important antitumor agents in clinical use and much attention has been paid to the synthesis of these antibiotics and related compounds. In this article, authors explain new and facile cycloadditions of homophthalic anhydrides and application of these reactions to highly regiospecific syntheses of naturally occurring anthracycline antibiotics and related anthracyclines. This review contains the following items with 57 references; [1] Cycloaddition of homophthalic anhydrides; a) thermal cycloaddition, b) strong base-induced cycloaddition. [2] Synthesis of anthracyclines; a) 4-demethoxydaunomycin and daunomycin, b) 11-deoxydaunomycin, c) adriamycin-type anthracycline, d) optically active anthracyclinone, e) amino sugars. [3] Synthesis of D-ring heteroaromatic analogues of anthracyclines.
著者
羽田 麻梨絵 田村 恭一 織間 博光 金園 晨一 小松 隆志 石村 剛志 折戸 謙介 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.147-152, 2018 (Released:2018-09-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ゾニサミドによる薬疹と診断した犬の2例を報告する。症例1は6歳齢,雌のマルチーズで紅皮症を,症例2は10歳齢,去勢雄のミニチュアピンシャーで多形紅斑-中毒性表皮壊死症を発症した。いずれの症例も症状,血液検査と病理所見からゾニサミドによる薬疹を疑い,その休薬により皮疹が消退した。リンパ球幼若化試験を実施したが2症例とも陰性であった。今後症例を集積しゾニサミドによる薬疹の発症頻度や病理発生の検討が必要と思われた。