著者
坂本 満 秋山 茂 萩尾 剛 大城 桂作
出版者
Japan Foundry Engineering Society
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.227-233, 1997-03-25 (Released:2011-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
13

The oxide films formed on the molten Mg-Ca alloy were investigated by using an optical microscope, scanning electron microscope (SEM), X-ray diffraction and X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) in order to elucidate the effect of Ca addition on the suppression of ignition and burning of the molten metal. While the pure Mg almost always ignited and burnt before melting down, the Ca addition increased the ignition temperature by about 250K, at which a very thin and uniform oxide film was formed on the molten Mg-5mass%Ca alloy, X-ray diffraction and XPS revealed that the oxide film on the Mg-5mass%Ca alloy consisted of two layers ; most upper layer of CaO and mixed layer of MgO-CaO under the CaO layer. The former was very thin and its thickness was independent of the exposure time at 973K in air, but the latter gradually grew with the exposure time. It appeared that the CaO film first formed depressed the volatilization of Mg and the permeation of oxygen gas, which made the molten alloy incombustible and manipulatable in air.
著者
中島 英夫 山中 洋之 鮫島 隆 秋山 茂 鈴木 昭
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.27-31_1, 1989-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
15

生ハムの製造工程における微生物叢の変化を水分活性及び食塩濃度との関連で調査した. 製造工程が進むにつれて食塩濃度の上昇及び水分活性の低下が起こり, 原料肉の微生物叢は塩漬終了後, グラム陰性菌, Micrococcus, Streptcoccus 及び Lactobacillus など多様なものから Micrococcus からなる単純な微生物叢へと変化した. また, 一般生菌数は, 原料肉で104cells/gであったものがスモーク工程から乾燥工程へ進むに従って徐々に減少し, 乾燥終了後は 80cells/gまで低下し, 大腸菌群, 腸球菌も陰性となった. 生ハムの製造工程における微生物学的特性と水分活性の変化を表す CTEA system を提唱し, 製造中の品質管理及び最終製品の品質評価に利用し得ることの可能性を示した.
著者
天野 敦雄 秋山 茂久 森崎 市治郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

Porphyromonas gingivalis線毛遺伝子(fimA)は核酸配列の違いにより5つの型に分類される.Polymerase chian reaction(PCR)法を用いたプラーク細菌叢の分析により,歯周病患者から分離されるP. gingivalis株と,健康な歯周組織を有する被験者からのP. gingivalis株の線毛遺伝子(fimA)型の相違を検索した.30歳以上の健康な歯周組織を有する被験者380名と歯周病患者139名からプラークと唾液を採取し,P. gingivalisの検出とfimA型の決定を行った.87.1%の歯周病患者と,36.8%の健康被験者からP. gingivalisが検出され,そのP. gingivalisのfimA型は,健康被験者では80%近くは1型fimA株であり,逆に歯周病患者では2型と4型fimA株が優性であった.特に,2型fimA株は歯周病との相関が,オッズ比で44と計算され,これまで報告されている中で最も強い歯周病のリスクファクターであることが示された.また,2型fimA株の分布は歯周ポケット深さと強い相関性を示し,8mm以上の深いポケットから検出されるP. gingivalisは90%以上が2型株であった.歯周炎に高い感受性を示す遺伝的素因を有し,早期に重篤な歯周疾患が併発するダウン症候群成人患者と,プラークコントロールが著しく不良な精神発達遅滞成人においても同様の検討を加えたところ,歯周病の重篤度とP. gingivalisの2型がfimA保有株との強い関連性が認められ,どのような因子をもつ宿主においても2型fimA保有P. gingivalisの歯周炎への密接な関与が示された.上記5つの型の線毛に対応するリコンビナントタンパク(rFimA)を新たに作製し,ヒト細胞への付着・侵入能を比較した.上皮細胞へのrFimAの結合実験では,2型rFimAが他のrFimAと比較して3〜4倍量の付着を示し,さらに細胞内への侵入も群を抜いて顕著であった.一方,繊維芽細胞への結合では型別による有意な差は認められなかった.rFimAの細胞への付着・侵入は,抗線毛抗体,抗α5β1インテグリン抗体により顕著に阻害され,同インテグリン分子が線毛を介したP. gingivalisのヒト細胞への付着・侵入に関わっていることが示唆された.さらに,各線毛型の代表菌株を用いた付着実験を行った結果,2型線毛遺伝子を保有する株は,30%と高い上皮細胞への侵入率を示したが,3,4,5型線毛株の侵入率は2-5%であった.これらの結果から2型線毛遺伝子を保有するP. gingivalisは口腔内上皮細胞への高い付着・侵入能を有し,上皮によるinnnate immunityを踏破し歯周組織への定着を果たすと考えられ,同遺伝子型のP. gingivalisが歯周病の発症に強く関与していることが示唆された.
著者
村上 旬平 稲原 美苗 竹中 菜苗 青木 健太 新家 一輝 松川 綾子 有田 憲司 秋山 茂久
出版者
一般社団法人 日本障害者歯科学会
雑誌
日本障害者歯科学会雑誌 (ISSN:09131663)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.16-23, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
15

障害者歯科医療現場にはさまざまな「生きづらさ」のある人が来院する.歯科治療や歯科保健を進めるうえで,障害当事者だけでなく親への支援が必要となる場合も多い.本研究では障害者歯科医療での親支援について,障害者歯科学,臨床哲学,臨床心理学および小児看護学による学際的検討を行った.大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部に受診する障害当事者および家族に心理的支援の必要性を問うアンケートを実施しそのニーズを探った.その後障害のある子どもをもつ親を対象とした心理カウンセリングを7名に実施し,哲学対話を18回開催した.心理カウンセリングでは親に来談意欲の高さと,自分自身を語りの中心におく人が多い特徴がみられた.哲学対話では親の日常生活の中での「生きづらさ」が明らかとなり,哲学対話の場で互いの知識や経験などの情報交換が行われた.それによって障害当事者とその親の日常生活での障害者歯科の位置付けが明らかとなり,障害者歯科での対応が,親には安心感として伝わっているということが描き出された.本研究を通じ障害者歯科医療現場での親支援ニーズが存在し,親に「物語る」「語り合う」場所を提供することが,当事者の生活に寄り添えるケアを考え,多職種の支援をつなげ,新しい支援ネットワークの構築に寄与するとともに,当事者からのフィードバックが障害者歯科医療の質的向上に寄与する可能性が示された.
著者
谷川 好男 金光 滋 塚田 春雄 秋山 茂樹 木内 功
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

この研究課題では,ゼータ関数の対称性,すなわち関数等式をモデュラー関係式を通して一般的に捉えることにより,従来の数多くの研究を高い見地から見直し,更なる一般化を試みることが目的としていた.この研究において,モデュラー関係式を,メイヤーのG-関数やフォックスのH-関数を積分核とすることにより,最も一般的な形で定式化することができたことは大きな成果である.これにより従来の多くの研究の意味がより明確に理解できるようになった.たとえばダヴェンポート-セガルに始まる数論的フーリエ級数の公式を,モデュラー関係式の観点から一般化し,多くの新しい例を与えることができた.またフルウィッツゼータ関数に対しても関数等式の新証明を与えることができたし,エスピノザ-モル,ミコラシュに触発され,関数等式をフーリエ級数展開とみなすことで,数論的に興味深い多くの積分公式を得た.これらの成果は現在,本にまとめるべく執筆中である.多重ゼータ関数も当研究の大きな研究対象であった.特にオイラー・ザギヤー型の2重ゼータ関数の,いわゆる「臨界領域」における虚軸方向の大きさの評価において,クラッツェルの2重指数和の理論を駆使することにより,非自明な結果を得,従来知られていた結果を大きく改良することができた.これは今後数論的関数の和の研究などにおいて多くの応用をもつと期待される.また3重ゼータ関数に対しても同様の研究を進め論文としてまとめた.上記以外のゼータ関数として,多変数の多項式ゼータ関数を扱った.ある種のクラスの多項式について,対応するゼータ関数の解析接続可能な判定条件を与えるとともに,自然境界を持つような例を構成した.