著者
里内 美津子 若林 茂 大隈 一裕 藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-37, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
18 26 25

難消化性デキストリン (PF) の便通に及ぼす影響について検討する目的で, PF摂取後の糞便重量, 糞便水分量, 排便状態, 便性状, 胃腸症状等について調べた。1) PF10~60g摂取後の便性状は大半がバナナ状~半練状であり, 下痢発症のED50値は2.4g/kg体重と推定された。また, 臨床上問題となるような胃腸症状は認められなかった。2) PF35g/日, 5日の連続摂取で, 糞便重量, 排便回数の増加が認められたが, 糞便水分含有率は変化がみられなかった。3) PF5~10g/日, 5日の連続摂取で, 排便状態の改善が認められた。
著者
藤原 啓次 林 正樹 山中 昇
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.39-42, 2009 (Released:2010-06-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

掌蹠膿疱症 (Palmo-plantar pustulosis: PPP) は病巣疾患として, 耳鼻咽喉科医, 皮膚科医とも, その認識は非常に高い. 実際, 扁摘効果はアンケート法により80-90%と報告されていたが, 客観的な評価法であるPPPスコアを用いて評価してみると, 91%というさらに高い効果が得られることが判明した. 残念ながら, 術前の病巣診断法についてはエビデンスとなるものはないことから, PPPに対する扁桃摘出術 (扁摘) の適応は皮膚科医が確定診断している中等症以上のPPPであり, 扁桃誘発検査は参考項目とされている. しかし, 扁摘実施率についてみてみると, PPP症例は扁桃誘発検査の結果により, 扁摘実施が判断されていることから, この扁摘適応基準を皮膚科医にも広める必要があると考えた.
著者
藤原 啓次 酒井 章博 保富 宗城 山中 昇
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.599-604, 2004-07-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

We clinically studied the effectiveness of nasal nebulizer therapy with cefmenoxime hydrochloride (CMX) and nasal drops of povidone iodine for acute rhinosinusitis in children. We evaluated the results using the standard for new antibiotics of the Japanese Society of Chemotherapy. The subjects were 50 children with acute rhinosinusitis. By the standard for total evaluation, consisting of clinical and bacteriological study, the cure rate of the CMX nebulizer group was 68%, that of the group using nasal drops of povidone iodine was 23.1%, and that of the controls was 38.5%. The cure rate with nasal drops of povidone iodine was not higher than that with CMX nebulizer therapy. However, with the nasal drops of povidone iodine, in 2 of 3 cases, PISP (penicillin intermediately resistant S. pneumoniae) disappeared and in 2 of 2 cases, MRSA (methicillin-resistant S. aureus) disappeared. The nasal drops of povidone iodine were found to be effective for drug-resistant organisms such as PISP and MRSA.
著者
浅野 雅樹 西浦 洋一 中西 恒夫 藤原 啓一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2019-SE-202, no.3, pp.1-8, 2019-07-05

本稿は,アイシン精機株式会社における自動車ボディ系製品向けプロダクトラインを開発するためのドメインエンジニアリングプロセス改定の事例を示す.このプロセスでは,抽象化や関心事の分離に長けた限られた数の開発者がフィーチャ分析を実施し,仕様からアーキテクチャ設計を含む他の作業は製品に精通する一般の開発者が実施する.フィーチャ分析は,可変性との整合性を担保しつつ抽象化と関心事分離を実現し,以降の工程で作成する開発文書をその分離構造に従わせるために実施する.要求と仕様は,ユースケース,ユースケースシナリオ,階層化された表形式による仕様記述 (USDM) によって詳細化される.さらに,USDM における仕様記述は,ロバストネス図のコントロール間の結合度を表す設計構造マトリクス(DSM :Design Structure Matrix) を用いた,定量的かつ説明可能な手法によってシステム分割へと詳細化される.今回改善したドメインエンジニアリングプロセスにより,仕様やアーキテクチャ設計に係るソフトウェアレビューの問題指摘件数が削減され,アーキテクチャ設計の期間が短縮され,かつ変更しやすいアーキテクチャが維持できたことが確認できた.
著者
藤原 啓恭 小田 剛紀 牧野 孝洋 森口 悠 米延 策雄 海渡 貴司
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.39-48, 2017-01-25

背景:関節リウマチ(RA)患者の疾患活動性が後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)後の固定隣接椎間障害(ASD)発生率に影響を与えるかを検討した. 対象と方法:2椎間以下のPLIFを施行し,2年間の経過観察が可能であった90例(RA患者22例,非RA患者68例)を対象とし,臨床・画像成績を調査した.RA患者は画像上ASD発生の有無により副分類し,術前の患者背景を比較検討した. 結果:画像上ASD発生率はRA患者30%(12/40椎間),非RA患者9%(11/121椎間)と有意差を認めた(P<0.05).画像上ASD発生の有無でRA群の患者背景に有意差を認めなかった. まとめ:RA患者では疾患活動性制御に関わらずASDが高率に発生した.
著者
藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.361-368, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
3 10

馬鈴薯でんぷん由来の低粘性水溶性食物繊維である難消化性デキストリン (PF-L: 食物繊維含有率55%, PF-C: 同92%) の耐糖能改善効果をラット, 健常成人並びにインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者において評価した。1) Sprague-Dawley 系雄ラットのショ糖1.5g/kg体重経口投与後の血糖値上昇は, PF-L (340μl/kg体重) 並びにPF-C (0.15g/kg体重) 存在下では非存在下に比べ有意に低下した。2) 健常成人8例を対象とした経口糖負荷試験において, PF-L 40ml (食物繊維量16g) はトレーランG75負荷により血糖値上昇並びにインスリン分泌を有意に低下させた。3) 30kcal/kg体重の食事制限を3か月以上施行し, 状態の安定しているNIDDM患者5例を対象にPF-Cを3か月間投与 (30g/日) し, 試験食 (459kcal) 負荷試験により耐糖能の変化を観察した。その結果, 3か月目では5例中4例で開始前に比べ耐糖能の改善が認められた。残り1例についても2か月目までは改善がみられた。
著者
木村 貴昭 山中 昇 九鬼 清典 林 泰弘 斉藤 匡人 木下 和也 田村 真司 赤城 ゆかり 山本 良一 玉置 かおり 高野 郁晴 保富 宗城 戸川 彰久 山室 日出子 島田 純 藤原 啓次 寒川 高男 神人 崇
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.121-130, 1997-01-01
被引用文献数
2

A comparative study was performed for the purposes of studying the prophylactic effectiveness of an antecedent treatment for Japanese cedar pollinosis with DAREN<sup>®</sup> (emedastine difumarate), an anti-allergic drug. Thirty-five cases (A group) received the drug at 4mg/day at least 2-4 weeks before the day when the pollen began to scatter. Another thirty-nine patients received the treatment after the scattering (B group). A significant inter group difference was observed in the global improvement rate for pollinosis. These findings suggest that DAREN<sup>®</sup> produces a slow, long-acting effect such as the inhibition of the release of chemical mediators. Prophylactic medication seems to be suitable for the treatment of Japanese cedar pollinosis, because sufficient anti-allergic action is obtained a few weeks later. Side effects occurred in 6.9% of all of the cases, but the incidence was lower than with any other anti-allergic drug previously reported.<br>In summary, a prophylactic treatment with DAREN<sup>®</sup> is effective in treating Japanese cedar pollinosis.