著者
藤巻 裕彦 鷹合 徹也 佐野 一仁
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.550-555, 1995-11-05 (Released:2009-06-12)
参考文献数
3
被引用文献数
2 3

Crimping mechanism between the stranded copper wires and brass terminals was investigated in terms of repulsion force acting on crimp terminations by way of the stranded wires. The repulsion force was estimated from the load-displacement curves recorded during the crimping process. We obtained the results as follows;(1) Repulsion forces, which were based on the elastic deformation of the strand composing wires, are observed between the stranded wires and crimp terminals.(2) The repulsion forces have a peak value at the compression ratio of 27% in the crimp terminations.(3) The suitable conditions of the contact resistance and the crimping strength are secured under the conditions of the peak value of the repulsion forces.
著者
藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥類標識協会
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.26-28, 2011 (Released:2012-11-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

This paper suggests new Japanese common names for two bird species. The current names reflect a misunderstanding of distribution and habitat. The current Japanese name for the Pale-legged warbler Phylloscopus tenellipes is uisuri-mushikui, which means the ‘Ussuli warbler’. Given that this species breeds over a much wider area than just the Ussuri River, the name should be changed to amuru-mushikui or ‘Amur warbler’. The current Japanese name for the Blyth's Reed Warbler Acrocephalus dumetorum is shiberia-yoshikiri or ‘Siberian reed warbler’. This species, however, is distributed widely across the Eurasian continent. This paper proposes that the Japanese name be changed to yabu-yoshikiri or ‘thicket reed warbler’ to reflect the original meaning of the formal species name.
著者
藤巻 裕蔵
出版者
森林野生動物研究会
雑誌
森林野生動物研究会誌 (ISSN:09168265)
巻号頁・発行日
no.20, pp.5-7, 1994-05

Damage by Brown Bear Ursus arctos to agriculture products in Rikubetsu-cho, eastern Hokkaido, was 69 times for 13 years from 1979 to 1991 based on agriculture damage records of Rikubetsu-cho. Agriculture products damaged were corns, sugar beets, nest boxes of honey bee and cattle. Of them corns and sugar beets were damaged frequently in September and October. Brown bears gave damages nearby the boundary between cultivated field and forest. Sizes of cultivated fields damaged ranged from 0.01 to 1.2 ha with averages of 0.09-0.32 ha for corns and 0.03-0.06 ha for sugar beets. In Rikubetsu-cho 13 bears were killed for 12 years from 1980 to 1992 (10 animals by sport hunting and 3 animals by control hunting).
著者
藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.281-284, 2000-03-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

北海道各地の森林5地域(苫小牧,富良野,旭川,新得,上士幌)で,7年聞または4~20年間隔でエゾライチョウの生息状況を調査した,生息数(調査路の長さに対する出現個体数で示す)は1960年代後半と1970年代前半から1990年代初めにかけて減少し,1990年代になっても減少傾向は続いているか,または低密度のままである.このほか,エゾライチョウの出現頻度は,苫小牧のウトナイ湖周辺のハンノキ林では1980年代から1990年代にかけ,江別の野幌森林公園では1970年代から1980年代にかけて減少した.北海道では1973年以来森林で大面積の皆伐•造林は行なわれておらず,エゾライチョウの生息に不適なカラマツ人工林の面積はほどんど変化していない.また北海道大学苫小牧演習林,新得山,野幌森林公園のような鳥獣保護区でも生息数または出現頻度が減少している.これらのことから,森林施業や狩猟が生息数減少の主要な原因とは考えられない.1960年代末から北海道におけるウシの飼育頭数が増加し,それに伴って農耕地で主に畜産廃棄物に依存して生活するキツネが1970年代前半から増加し,森林内でもキツネの生息数が多くなってきた.また,狩猟と有害鳥獣駆除によりシカの捕獲数は1980年代の10,000頭から1990年代後半の50,000頭に増加した.捕獲されたシカは,良質の肉や角のある頭部をとられたあと,捕獲場所に放置され,それが冬の間キツネの食物となり,キツネの増加に拍車をかけている.この時期はエゾライチョウが減少した時期と一致しており,キツネの増加がエゾライチョウ減少の主な原因となっている可能性が強い.
著者
新田 和弘 藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.49-55, 1985

(1)オオジシギの日周活動とその季節変化を1984年4月下旬から8月下旬にかけて北海道東部の十勝川下流沿いで調査した.<br>(2)主な行動はディスプレーで,この他にも杭上,樹上でないている行動などが観察された.<br>(3)4月下旬から6月下旬にかけて,活動個体数は日の出前後と日没後に多くなり,時期によっては日没前にも多くなって,3-4山型の日周活動がみられた.<br>(4)活動個体数は4月下旬から5月にかけて多くなり,その後6月下旬までに徐々に少なくなって,それ以降は急に減少した.<br>(5)オオジシギの生息数調査に適しているのは,5月の6-7時である.
著者
藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.15-23, 1986
被引用文献数
3

(1)北海道大学苫小牧地方演習林(北海道苫小牧市)の落葉広葉樹林で1982&bull;1983両年に森林構造ど繁殖期の鳥類群集の関係を調べた.<br>(2)調査地では1982-83年の冬に一部の伐採が行われ,胸高直径5cm以上の樹木の密度,基底面積,うっ閉度は1,665/ha,27.65m<sup>2</sup>/ha,85%からそれぞれ1,060/ha,18.75m<sup>2</sup>/ha,64%に減少した.<br>(3)調査期間中に44種の鳥類が観察されたが,そのうち35種がなわばりを持ち,それ以外の種は一時的に飛来したものであった.<br>(4)つがい数の多い種はキビタキ,ヤブサメ,センダイムシクイ,ハシブトガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,ニュウナイスズメであった.<br>(5)1982年と1983年とを比較すると,ホオジロ,アオジ,シメのように開けた環境を好む種のつがい数が増加したが,他の種のつがい数はほとんど変化しなかった.また,平均多様度指数も1982年に4.27,1983年に4.44であった.<br>(6)北海道の落葉広葉樹林や針広混交林の鳥類群集との比較を行い,今回調査した鳥類群集の特徴を明らかにした.
著者
蔡 煕永 藤巻 裕蔵
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.17-22,50, 1996-04-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

エゾライチョウ Bonasa bonasia の齢査定法としては初列風切羽9番目の暗色縞の数,初列風切羽1番目の先端部のベージュ色の幅,下顎骨に見られる層構造の数による方法がある.しかし,前2方法で用いられる形質には地理変異があり,必ずしもよい齢査定の基準とはいえず,下顎骨を用いる方法は手数がかかる.エゾライチョウの頭頂の未含気化部は成鳥になっても消失することはなく,成長するとともに小さくなる,この部分の大きさが齢査定の基準として有効かどうかを,飼育で齢の明らかな37羽(1か月齢~5年齢)を用いて検討し,その結果を1991/92,1992/93の狩猟期に捕獲された49羽に適用してみた.計測部位は頭骨全長(TL),頭骨最大幅(GW),未含気化部の長さ(AL)と幅(AW)の4か所である.未含気化部の大きさの指標として,AL,AW,ALXAW,AL/TL,AW/GWの5つの値を用い,これらと実際の齢との関連を調べた.TLとGWの平均値は1か月齢のそれぞれ42.3±2.5(n=5,平均値±SD,以下同様),19.8±1.1mmから4-5か月齢の51.7±0.7(n=6),23.1±1.1mmに増加したが,その後は8-10か月齢で51.8±1.4と23.0±1.4mm(n=6),≧12か月齢で52.4±0.8と23.9±0.5mm(n=11)で,頭骨の大きさは4か月齢で成鳥の大きさに達した.ALの平均値は1か月齢で9.1±0.7mmで,その後徐々に減少し,≧24か月齢で5.9±1.7mmとなった.AL/TLの平均値も1か月齢の0.217±0.025から≧24か月齢の0.112±0.032%に変化し,ALと同じような減少のしかたを示した.ALXAWの平均値は1か月齢の71.5±7.4(n=5)から5か月齢の31.6±6.8(n=4)に減少したが,その後は≧24か月齢の17.0±7.6(n=5)に徐々に減少した.AWとAL/GWの平均値は1か月齢のそれぞれ7.8±0.3mm,0.395±0.031%から9~10か月齢の2.6±0.7mm,0.115±0.032に変化し,それ以後には大きな変化は見られなかった.エゾライチョウは6月に孵化するが,北海道におけるエゾライチョウの狩猟期は10月1日~1月31日なので,狩猟で捕獲される個体で,1年未満のものでは4~7か月齢,1年以上のものはすでに15か月齢以上である.そのため,上述の5つの指標でこれらの2つの齢群を区分できるかどうかを検討した.ただし,7か月齢の個体がいなかったので,若齢群を4~8か月齢とした.4~8か月齢と≧15か月齢との間で5つの指標を比較すると,AW,ALXAW,AW/GWの3指標の平均値には有意な差が認められた.しかし,AWとAL×AWは2つの齢群の間でそれぞれ一部重複するため,指標としては不適である.AW/GWの平均値は2つの齢群の間で有意な差が認められ,範囲も若齢群で0.158~0.306,成鳥群で0.063~0.145で重複しなかった.これらの結果から,4-8か月齢と≧15か月齢とを区分すのに適切な指標は,AW/GWで,区分する基準値は0.15%とできる.この方法を,狩猟で捕獲された49羽に適用したところ,33羽(67%)が1年未満,16羽(33%)が1年以上の個体であった.
著者
藤巻 裕蔵
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.74-86, 2002 (Released:2007-09-28)
参考文献数
47
被引用文献数
1 1

The Hazel Grouse (Bonasa bonasia) is a small forest grouse occurring in temperate and boreal forests from Scandinavia to the Far East. The species is assumed to have reached Hokkaido, northern Japan, via Sakhalin Island, during the last ice age about 40, 000 years ago. The subspecies occurring in Hokkaido is now recognisably distinct as B. b. vicinitas. Pairs are formed from late March to early May. During this period males whistle actively. Six to ten eggs are laid in early or mid-May and hatch in early June after incubation of 23 to 25 days. Young attain adult size by late August and have adult plumage by mid-September. The main diet consists of the leaves and seeds of herbaceous plants and trees and arthropods during late spring and summer, the buds of broad-leaved trees and vine fruits during autumn and winter, and buds and catkins in early spring. The Hazel Grouse has two large caeca supporting effective digestion of the plant fibers comprising their main diet. Hazel Grouse prefer broad-leaved and mixed forests with relatively dense undergrowth, and they avoid larch plantations in Hokkaido. Recently, the Hazel Grouse population has decreased in Hokkaido, the main cause of which is considered to be predation by the red fox (Vulpes vulpes), which increased in numbers from the early 1970s until the 1990s. Brood sizes were smaller during low population periods than during normal population periods. In order to maintain, or increase, Hazel Grouse population levels, habitat management and predator control is considered necessary.
著者
藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.233-237, 2011 (Released:2011-10-26)
参考文献数
31
被引用文献数
2 3

The Lanceolated Grasshopper Warbler Locustella lanceolata was censused along one to three 2-km transects (a total of 989) situated in 876 quadrats (4.5×5 km), in Hokkaido from late April to late July, 1976-2010. Warblers were recorded mainly in grasslands along lower and middle reaches of rivers, and those surrounding shallow lakes in Iburi, Ishikari, Tokachi, Kushiro, Nemuro, Abashiri and Soya districts. They occurred in grasslands and agricultural lands, and did not occur in woodlands and residential areas. Occurrence rates (No. of transects of occurrence/No. of transects censused) were 24.0% for grasslands and 3.4% for agricultural lands, and changed significantly in grassland during the study period.
著者
藤巻 裕之
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.485-499, 2017-01

冷戦期、米国とソヴィエト連邦はそれぞれ地域機構を作ることで安全保障環境を構築した。両陣営は、第三次世界大戦を未然に防ぐために政治/安全保障面と経済面において両陣営内に地域主義の「網」を張り巡らせた。 本稿の問題意識は、冷戦期における米ソ両陣営の地域主義は何を目指したのか、にある。冷戦期にこれら両陣営の地域主義が直接的に対決する場面がなかったのは、政治/安全保障において、米ソの地域主義の目的のすれ違いがNATOとWTOに深刻な安全保障上の対立関係を作り出さなかったのではないだろうか。 本稿では、米ソの主導した地域主義に新たな視覚を提供するために、冷戦の起源を辿り、修正主義の立場から冷戦期の米ソ地域主義の目的の相違を比較検討する。そのために、第一章では冷戦の起源を伝統主義、修正主義、ポスト修正主義に整理する、第二章において安全保障面ではNATOとWTO、経済面においてはWTO/IMFとCOMECONなど米ソ地域主義の比較を試みる。第三章においては、米ソ地域主義がそれぞれ何を目指していたのかを明らかにしたい。
著者
藤巻裕蔵[著]
出版者
極東研究研究会
巻号頁・発行日
2012
著者
今野 怜 藤巻 裕蔵
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.125-133, 2001-10

1999年4〜7月に利尻山において各植生帯ごとの鳥類の種構成,各種の相対的多さや垂直分布について調査した.植生帯はエゾマッートドマツ帯,ダケカンバ帯,ハイマツ帯にわけられ,それぞれ46,21,16種の鳥類が記録された.これらのうち,主要種(相対優占度が2%以上の種)は,エゾマッートドマツ帯ではミソサザイ,コマドリ,ウグイス,エゾムシクイ,キクイタダキ,ハシブトガラ,ヒガラ,アオジ,クロジ,マヒワ,イスカ,ナキイスカ,ウソ,ダケカンバ帯ではカヤクグリ,コマドリ,ノゴマ,ルリビタキ,ウグイス,エゾセンニュウ,アオジ,クロジ,マヒワ,ギンザンマシコ,ウソ,ハイマツ帯ではアマツバメ,カヤクグリ,コマドリ,ノゴマ,ルリビタキ,ウグイス,アオジ,クロジ,ギンザンマシコ,ウソであった.垂直分布についてみると,北海道本島の山地と比べて全体に分布する標高が低くなっていた。