著者
大橋 眞 光永 雅子 中恵 真理子 齊藤 隆仁
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
no.7, pp.72-77, 2010-03

大学における国際交流がさかんになってきたが、地域に学ぶことを目的とした大学問国際交流は、地域学の意義を考える上で大きな意味がある。 今回韓国南部の珍島で関催された第7回国際珍島学会に参加して、韓国の珍島で活躍する地域社会人との交流の中から、地域に学ぶことの意義についての考察を行った。学会は主として珍島の地域社会人と韓国と日本の大学生の体験型学習の場として設定されており、様々な文化的背景を持った学生がお互いを知ると同時に、共に珍島という地域社会から学ぶ場という位置付けになっている。昨年に引き続き今年度のテーマは「葬礼」で、世界各国の葬礼文化を知ると同時に、韓国、日本を中心として世界の7カ国の学生と研究者が議論しながら地域学の意義についてお互いに学び合った。
著者
池内 克馬 高木 雅之 西田 征治 齊藤 隆一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.809-816, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
23

われわれは地域在中のがん経験者を対象にした,ピアや作業療法士との対話,活動日記の振り返り,作業に焦点を当てた目標設定,目標の経過の共有という特徴を持った教室を考案した.本報告の目的は,この教室が生活の質に与えた影響を事例の経過から検討することだった.治療完了後もしくは治療中の女性3名に対して,教室を1週間に1回の頻度で6回開催した.結果,すべての参加者が少なくとも部分的に目標を達成し,かつ生活の質が向上した.この要因として,活動日記の記録の振り返りと目標設定により参加者の作業に対する認識が向上したこと,ピアと作業療法士双方が支持的に関わったことが考えられる.
著者
齊藤 隆太
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.420-424, 2018 (Released:2018-05-01)
参考文献数
17

薬剤誘発性肝障害は創薬における大きな課題の1つだが,ヒトでの肝障害リスク評価は十分と言えないのが現状である.薬剤誘発性肝障害予測ソフトウェアDILIsym®は様々な肝障害評価系のデータや臨床・非臨床PKデータからヒトでの肝障害リスクを評価することができるため,近年注目されている技術である.本稿ではDILIsym®について,コンセプトや開発の歴史,最近のトピック,具体的な解析事例について紹介する.
著者
松嵜 直幸 原澤 賢充 繁桝 博昭 森田 寿哉 伊藤 崇之 齊藤 隆弘 佐藤 隆夫 相澤 清晴 北崎 充晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.41-44, 2010-03-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
5

This paper investigated the effects of active/passive viewing on the visually induced motion sickness. Participants wearing a Head-Mount-Display (HMD) searched a target character in random dots and other characters projected on a screen using a video camera moved by them (active viewing). They could see a part of the screen and the movies displayed via the HMD were recorded. When they saw the recorded movie later (passive viewing) through the HMD, they felt motion sickness worth than before. This suggests that passive viewing induced severer motion sickness than active viewing.
著者
中路 恭平 藤本 淳也 間野 義之 本間 浩輔 齊藤 隆志
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会号
巻号頁・発行日
no.54, 2003-08-26

オリンピックや各種競技会において、プロスポーツ選手のオープン化が進んでいる。そしてがんばれニッポンキャンペーンの適用除外選手にみるように、競技選手自らもプロ宣言するようになった。今日では世界レベルを目指した競技スポーツがプロスポーツと大きく関連していることは否めない。また競技力向上ばかりでなく、プロスポーツはスポーツを広く振興するうえで重要な役割を担う。スター選手の活躍が人々に希望と感動を与え、子供には夢を与え、あこがれの選手の活躍が競技活動の動機付けとなっている。そして、その人気が入場料や放映権料収入などクラブや球団経営を支える大きな要素になっている。
著者
齊藤 隆夫 岩間 永子 谷田部 隆 合原 義人
出版者
茨城県畜産センター
巻号頁・発行日
no.43, pp.30-31, 2010 (Released:2012-12-06)

子牛の下痢と増体に関して有益とされる制限哺乳を行った。試験区は3ヶ月齢での離乳まで哺乳時間を朝夕15分ずつに制限した制限哺乳区,対照区は離乳まで母子が同居する自然哺乳区とし,水,乾草,人工乳は自由摂取とした。各区6頭での結果は制限哺乳区が自然哺乳区より下痢の発生が少なく,治癒も早い傾向であった。また体重の増加も有意差はないが制限哺乳区で大きい傾向であった。
著者
内藤 広志 齊藤 隆
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13(2008-CE-093), pp.33-40, 2008-02-16

プログラミング演習で学生のプログラムを採点する負荷を軽減するためにコンピュータ支援評価(Computer-Aided Assessment CAA)システムが利用されている.CAAシステムではソフトウェア工学で提案された様々な技法を用いて複数の観点からプログラムを評価し,その評価値の合計を課題の点数とする分析的な採点法をとっている.しかし,この方法では学生の誤りを発見し指導に役立てるのは困難である.本稿では,演習中の学生の進捗状況を把握するために開発したHerculesの機能とGUI,検査項目の記述法を述べる.Herculesは400人規模の演習で利用している.Herculesの機能について教員にアンケート調査をおこない演習の効果的な実施に有効であると評価を得た.
著者
島田 卓哉 齊藤 隆 大澤 朗 佐々木 英生
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.461, 2004 (Released:2004-07-30)

ミズナラなどの一部の堅果には,タンニンが乾重比にして10%近くの高濃度で含まれている.タンニンは,植物体に広く含まれる植食者に対する防御物質であり,消化管への損傷や消化阻害作用を引き起こすことが知られている.演者らは,ミズナラ堅果を供餌したアカネズミApodemus speciosusが,著しく体重を減らし,高い死亡率を示すことを既に報告している.その一方で,アカネズミは秋季には堅果を集中的に利用することが知られているため,野外ではタンニンを無害化する何らかのメカニズムを有しているものと予測される. コアラなどの一部の哺乳類の腸内には,加水分解型タンニンを特異的に分解するタンナーゼ産生細菌が存在し,タンニンを代謝する上で重要な働きを持つことが報告されている. そこで,演者らは,アカネズミ消化管内にタンナーゼ産生細菌が存在するかどうか,存在するとしたらどの程度の効果を持つのかを検討した. タンニン酸処理を施したブレインハートインフュージョン培地にアカネズミ糞便の懸濁液を塗布し,タンナーゼ産生細菌の分離を行った.その結果,2タイプのタンナーゼ産生細菌が検出され,一方は連鎖球菌の一種Streptococcus gallolyticus,他方は乳酸菌の一種Lactobacillus sp.と同定された.野外で捕獲されたアカネズミが両者を保有する割合は,それぞれ62.5%,100%であった.また,ミズナラ堅果を用いて堅果供餌実験を行い,アカネズミの体重変化,摂食量,消化率,及び糞便中のタンナーゼ産生細菌のコロニー数を計測した.その結果,体重変化,摂食量,消化率は,乳酸菌タイプのタンナーゼ産生細菌と正の相関を示し,この細菌がタンニンの代謝において重要な働きを有している可能性が示唆された. さらに,アカネズミのタンニン摂取量,食物の体内滞留時間,タンナーゼ産生細菌のタンナーゼ活性等の情報から,タンナーゼ産生細菌がタンニンの代謝にどの程度貢献しているのかを考察する.
著者
齊藤 隆志
出版者
日本体育・スポーツ経営学会
雑誌
体育・スポーツ経営学研究 (ISSN:02897032)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-16, 1999-12-15

I set the following purposes for this study, (a)research the factor structure of core benefit exploratory, (b)describe the product function on a game-by-game basic for the core benefit. The data of questionnaire from concerning the core benefit was collected 962. Factor analysis was conducted to the data, and six factors were extracted: (1)Competition result, (2)Game content, (3)Ceremony, (4)Learning, (5)Media, (6)Merrymaking. According to interpreting in the factors, the benefit which spectators enjoyed in the stadium is classified into two parts: Sports Level and Entertainment Level, in addition, the "Sports Level" was classified into two parts: Game Level and Sports Related Events Beside the game. And then I reasoned that Competition result factor, Game content factor, and Learning Factor were in the Game Level. Ceremony Factor was in the Sports Related Events Beside the game, and Media Factor and Merrymaking Factor were in the Entertainment Level. The NBA had high benefits which were Game contents, Ceremony, Merrymaking and Media. It was an excellent product with which spectators could enjoy its well-balaced entertainment and sport. All Star soccer game and Goodwill soccer games had high benefits which were Learning and Merrymaking. The Universiade was a good and well balanced benefit product. The V-league had high benefits which were Competition result and Ceremony. The J-league had high benefits which were Competition result, Media and Merrymaking. Vocational rugby game had a high benefit which was Media. International volleyball game and Japan basketball league were porducts without any feature.
著者
小松 隆 岩間 徹 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1912-1919, 1998-08-25
被引用文献数
14

古い映像フィルムの画質劣化の要因の一つであるブロッチの検出とその修復を行う方式を提案する.ブロッチにより損傷を受けた画像に対しても適用可能な動き解析法を提案する.更に, 動き解析の結果得られた動き量で動き補正画像を複数作成し, 着目画像とこれらの画像との最小差分からブロッチの検出と修復とを行う方式を提案する.人工的にブロッチを付加した画像を用いたシミュレーションにより, 提案する動き解析法がブロッチに対してロバストであることを示す.また, 提案する修復方式の性能評価実験の結果を示す.
著者
奥崎 穣 曽田 貞滋 齊藤 隆
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

オオルリオサムシとアイヌキンオサムシは北海道内で体色とその多型頻度を変化させながら系統分岐を繰り返してきたことが分子系統解析から明らかとなった.体色進化の地理的パターンは2種間で異なっていたが,2種の体色は北海道北部でよく似た赤い色であることが分光計測によって確かめられた.またDNAバーコーディングの結果,オサムシの捕食寄生者3種が確認され,北海道北部にはそのうちの1種,ヤドリバエ科Zaira cinereaのみが生息していた.2種のオサムシの赤い体色はこの寄生バエに対して隠蔽色として機能しているかもしれない.今後はZ. cinereaの成虫を捕獲して,オサムシの体色への選好性を調査していく.
著者
小松 隆 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp._19-8-1_-_19-8-2_, 2004

The Foveon color image sensor has three photo-sensing layers. The spectral sensitivities of the three layers are extremely different from those of the RGB primary color filters. The color signals acquired by the Foveon sensor should be transformed to RGB color signals. For that purpose, we propose a new color transformation method. First, our method recovers the multi-spectral reflectance of each imaged color from its acquired color signals by solving the ill-posed problem with the regularization technique, and then transforms the multi-spectral reflectance to RGB color signals. We evaluate the performance of our method by computer simulations.
著者
齊藤 隆信
出版者
佛教大学
雑誌
仏教学部論集 (ISSN:2185419X)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.1-19, 2015-03-01

念戒一致ということばがあるが、そもそも念仏行と戒行は一致しない。厭穢欣浄の念仏は現世否定(いかに浄土に生まれるか)の行法、仏教道徳の戒は現世肯定(いかに娑婆で生きてゆくか)の行法である。もし両者が一致すると言うのであれば、伝宗と伝戒(または結縁五重と結縁授戒)を分けて相伝する必要はなくなる。それにも関わらず今なお念戒一致が説かれている背景には、宗戒両脈を関連づけようとする発想がある。これは伝法然作『浄土布薩式』に拠りつつ、近世に席巻した布薩伝法が契機となっていることは明らかである。本稿は、念戒一致の根拠となった近世の布薩伝法における布薩戒(念仏戒)についての報告である。結論を先取りすれば、布薩戒(念仏戒)とは近世における布薩伝法の口伝の実体であり、念戒一致とは近代以後の名称である。つまり、布薩伝法が廃絶された大正以後も、口伝だけはしぶとく残存し、その名を布薩戒から念戒一致に改めて、まことしやかに伝えられてきているのである。
著者
金澤 裕太 野地 なつ美 齊藤 隆夫 吉田 茂男 浅見 忠男
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会 研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.90, 2004-10-13 (Released:2018-02-15)

Pyrroloquinoline quinone(PQQ; 1) was discovered as a novel co-factor in various bacterial alcohol dehydrogenases in 1979. In 2003, it was reported that PQQ is nutritionally important as a vitamin in mammals. Various analytical methods have been reported for the quantification of free PQQ, but their reports have not established a detailed procedure for the assay of PQQ in crude biological samples. In this study, we have synthesized ^<13>C-labeled PQQ to use this chemical as an internal standard. We synthesized the labeled PQQ from 5-amino-2-methoxyformanilide(2) by applying Corey's method in a key step.
著者
齊藤 隆志
出版者
東日本国際大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的はスポーツイベント経営を成功させるマーケティング要因を明らかにすることである。平成12年度では、いくつかの要因なかでもプロダクト要因が重要であり、そのプロダクトの質の向上を戦略的に目指していくプロデュースが最も重要な戦略であることが理論的に導かれた。スポーツプロデュース論において、人々のスポーツとの関わりは、本人が主体的に価値創造していく人間的成長の過程と考えられ、その手法は地域内で自発的発信される情報をコントロールすることであることがわかった。13年度はプロデュース論をさらに深め、スポーツに対し受動的な関わりと捉えられがちな、みるスポーツにおいても人々が主体的な関わりを目指したプロデュース論を展開し実証することをねらった。加えて成功しているプロスポーツチームの経営が地域密着を目指していることに着目し、地域住民がみるスポーツとしてプロスポーツを観戦する場合を念頭に置いて考察した。結果、観戦者は、スポーツ観戦を通じて、JリーグやIOCといったスポーツ組織が考えるスポーツ価値とは別に、観戦によって独自の意味解釈をし、主体的に彼らなりに価値づけていることがわかった。しかもそれは、社会的に認められる善良な価値ばかりでなく、大衆的価値である場合が多い。それは日常生活とつながりのある自分なりの解釈を行うということであり、自分なりの価値を見いだすことで主体性の感覚や自尊心を確立していると理解できる。一方、マーケターが経営活動を正当化するために主張するマーケター側の価値(Jリーグ百年構想やオリンピック運動)と、観戦者が主体的に意味解釈する価値とのギャップ構造を説明し、政治的にどのように施策を考えればよいかを議論しなければならなくなった。この関わりを促すためのプロデュースとは、地域内の情報流通を促し、その情報の質を上げるためのサポートに主眼を置かれるべきだと結論づけられる。