著者
西野 順二
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.27(2001-GI-007), pp.17-23, 2002-03-15

本論文は複数の道具を投げるトスジャグリングの技の表記について整理し、とくに複数の技の接続方法について検討するこを目的とする。このため、複数の技の性格付けを行い、また技同士の接続可能性について分析するため、状態と相という概念を導入した。技を数列表記するサイトスワップ表記をもちいて、接続を可能とする余分な動作を必要とすることを示した。この接続のための動作の系列を生成がつねに可能であることを、技の差分表記を提案しこれを用いて生成アルゴリズムを構成することで明らかにした。
著者
西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.141-143, 2017-08-15 (Released:2019-08-15)
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.59, 2008 (Released:2009-07-31)

本発表が与える問題提起と視点は、人間にも一定の負担を与え現状よりやや高 いが獲得可能なスキルを仮定・要求したうえで人工物を設計し、トータルシステムの目標を達成しようという、人に優しくない設計モデルである。このモデルにスキルトロニクスという名を与え、新規に製作したジャグリング用具を例にして議論を行う。
著者
丹羽 建一 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第52回, no.人工知能と認知科学, pp.151-152, 1996-03-06

媒質を伝播する信号は、途中の様々な要因のために元の信号と比較すると一般に大きく変化する。この変化の要因は様々であるが、一般には非線形な効果を含んでいると考えられる。例えば人の循環器を伝播する脈波について考えると、大動脈における波形は動脈を伝播するに伴って変形し、上腕動脈より末梢に近い橈骨動脈で観測されるような波形に変化する。この場合、人の血管系を伝達していく過程を非線形伝達関数による変形ととらえることができる。このような信号の変化について、伝達関数を推測し、元の信号を同定することは医学的にも重要なことである。このような信号変化の推定は、信号の伝達してきた系を一つのフィルタとみれば、未知のフィルタによって変形した信号を元の信号に戻すような逆フィルタを構成することに相当する。本研究の目的は、この変化した信号から元の信号を導く逆フィルタをニューラルネットワークの汎化学習能力によって獲得し、その結果からネットワークのもつ学習効果について考察する。本研究ではコンピュータシミュレーションによる予備的な実験について報告する。
著者
西野 順二 西野 哲朗
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.11-21, 2010-03-17

本論文では簡略化した評価値を導入することで,不決定性を持つため探索がしにくい多人数ゲームの終盤データベースを構築した.さらに,これを用いて多人数不完全情報ゲームの意思決定を行うプレイヤモデルへ適用し,コンピュータ大貧民大会サーバを用いた実験によりデータベースの有効性を示した.多人数ゲームには自己の判断によって利得を制御できず,第三者の合理的でない判断によって左右される不決定という状態を持つ.これに対して大貧民のサブセットである単貧民化を行って手の縮約を施し局面を限ったうえで,シングルトンにより単純化した評価を用いることで最終 10 枚の終盤データベースの構築を行い,3 人の場合で 38%,4 人で 25% の場合について必勝手を発見した.不完全情報の局面を必勝手に帰着することで着手決定を行うプレイヤモデルを構築し,対戦実験によりパフォーマンスの向上がみられ,有効なモデルであることを示した.
著者
甘利 裕太 西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.344-347, 2018 (Released:2019-01-09)

ミニ四駆AIとは、安価高有用システムの研究競技である。その目的は、AIによる制御によってミニ四駆を賢く走行させることである。ミニ四駆の制御において、ミニ四駆の位置や進行方向などの状態を正確に把握することは重要な要素の1つである。同様に、コース形状を把握することも重要である。このような環境地図の作成と自己位置推定を同時に行う手法としてSLAMがある。SLAMを導入するにあたって、複数の情報が同一地点に関する情報か正しく判断可能であることが重要である。よって、本研究は、DPマッチングを用いた同一地点の推定を目的とする。
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.18, pp.1-5, 2015-02-26
被引用文献数
2

多人数不完全情報ゲームの人狼においてその自然な勝率を算出した.人狼は,代表的な会話にもとづくゲームである.このため,推論機能を持つ人工知能エージェントによる,会話と信頼創出のテストベッドとして研究されている.村人の人数に対して人狼側が有利であり,ゲームが拮抗する人数は全体の平方根に従うことが明らかになっている.本研究はこれに対し,人狼がより自然な戦略を取った場合に人狼側の有利さがさらに高いことを示した.勝率を算出し示すことで,人工エージェントの能力が有意に高いことを測る具体的な基準値を示した.
著者
西野順二 西野哲朗
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-02-25

大貧民プレイヤプログラムなど不完全情報ゲームでは他プレイヤの手の情報を推定することが重要と考えられるが,局面によっては推定の必用が無い場合もある.本稿では不完全情報ゲームの性質を計る指標として偶然手番感度を提案し,これを用いて多人数不完全情報ゲームの大貧民の特性を調べることを目的とする.偶然手番感度は,相手手札の可能性を決める偶然手番がある場面での着手の利得に与える影響度であり,情報集合に含まれる局面可能性による利得の振れ幅を数値化したものである.大貧民を縮小した単貧民について,2人から5人に2から5枚を配布し合計12枚の全ての配布パターンについてその完全探索結果から,相手手札の可能性に対して最適着手は変わらず,偶然手番感度が低いことを示した.53枚5人プレイヤにおいても,モンテカルロシミュレーションによる推定利得から偶然手番感度を求める実験によってやはり偶然手番感度が低いことを示した.
著者
西野 順二 西野 哲朗
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.31, pp.1-4, 2011-11-24

不完全情報多人数ゲームのうち大貧民を含むトリック型ゲームでは冒頭の偶然手番で選ばれたカードの分配状態が明らかでなく、ゲームの進展に応じて徐々に情報が明らかになる。このようなゲームを対象としてモンテカルロ木探索によって最良な決定をしようとするとき未知情報である相手情報すなわち状態の推定は重要と考えられる。しかし実験的には状態の推定を行わないときと比較して、その効果はあまり大きな寄与がみとめられなかった。本論文ではこの事実にもとづいて、不完全情報ゲームの状態推定が、多人数ゲームのモンテカルロ木探索において果たす効果について、状態の集合を最適な着手による同値類に分けることで、定性的な分析を行った。とりうる状態数が選択可能な合法手に対して非常に大きいため、複数の状態を仮定して探索するモンテカルロ木探索にたいして、状態の確定的な推定はあまり重要ではないことを示した。A trick based card game is an imperfect information game that has a chance move at the beginning of the game and then the whole situation is closed for each other players. This information is partially reveal as the game goes on. A situation estimation process is thought as a very important factor to make program playing the game using Monte Carlo tree search. In this paper grouping analysis on the situation set according to similarity of derived moves from the situation group, in order to discusses the effectiveness of the situation estimation process with UCT search. As a result, we show that the mass of situations causes ineffectiveness of the situation detection and its usage.
著者
西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.136, 2008 (Released:2008-12-06)

本発表は「このへんファジィ」による知的な情報表現とその利用について検討することが目的である。多次元のパラメータ空間上で展開される人間にまつわる様々な事象を、多次元のファジィ集合を用いて表現する。これをもとに推論、演算を行い表現力の検証を行った結果について示す。
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.33-39, 2007-03-05
被引用文献数
6

日本固有のカードゲーム大貧民の戦略について考察した。不完全情報多人数ゲームであり、必勝アルゴリズムの導出は難しい。自動プレイヤの終盤データベースの構築を目指し、10枚2人および10枚3人について、1枚プレイに限定して探索した。効率的な探索のため、大貧民の特性に基づいた手の同相性を定義して、パターン数の縮約を行った。パタンの縮約を行い、2人については5 741通り、3人については1 428 867通りに縮約した。探索の結果2人では3 518通り、3人では621 368通りの必勝パタンがあることが明らかになった。We introduce a reduction algorithm using hand structure under DAIHIMIN game rule. 10 cards with 2 players distribution and 10 cards with 3 players distribution are solved and shown. 2 players reduced pattern is 5,714 and 3 players reduced pattern is 1,428,867. As a searching result, the winning distributions are 5,741 patterns for 2 players and, 621,368 patterns for 3 players.
著者
馬 〓 飯田 一弘 謝 孟春 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.21-30, 2002-01-01

多数本のケーブルを最適に配線する最適配線経路選定問題に対する遺伝的アルゴリズム(GA)の構成法を提案する.配線経路に制約のない場合は, 個々のケーブルの最適経路を有限離散グラフにおけるダイクストラ法により得ればよい.しかし配線経路に容量の制約をもつ場合はダイクストラ法では最適化できない.提案するGAは, 2階層からなる染色体コーディングを採用した2階層GAである.各ケーブルの経路とケーブル経路の組合せとをそれぞれの階層とし, それぞれの階層における遺伝的操作によって全体として配線経路選定の最適化を図る.前者の階層における遺伝的操作として, ブロック交叉とブロック突然変異を導入した.また, 後者の階層で生成される制約条件を満たさない致死遺伝子を利用する手法も工夫した.コンピュータシミュレーションにより, これらの遺伝的操作をもつ2階層GAが, 経路探索問題に対して有効に働くことを確認した.