著者
西野 順二
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-33, no.18, pp.1-5, 2015-02-26

多人数不完全情報ゲームの人狼においてその自然な勝率を算出した.人狼は,代表的な会話にもとづくゲームである.このため,推論機能を持つ人工知能エージェントによる,会話と信頼創出のテストベッドとして研究されている.村人の人数に対して人狼側が有利であり,ゲームが拮抗する人数は全体の平方根に従うことが明らかになっている.本研究はこれに対し,人狼がより自然な戦略を取った場合に人狼側の有利さがさらに高いことを示した.勝率を算出し示すことで,人工エージェントの能力が有意に高いことを測る具体的な基準値を示した.
著者
梶原健吾 鳥海不二夫 大橋弘忠 大澤博隆 片上大輔 稲葉通将 篠田孝祐 西野順二
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.597-598, 2014-03-11

近年の人工知能の技術の発展により、チェスや将棋等の完全情報ゲームでは人工知能が人間のプロを相手に勝利するようになった。一方で、不完全情報ゲームについての研究は多くはない。そこでコミュニケーションゲーム“人狼”に着目し、人工知能が目指すべき新たな目標として設定する。本研究ではこのゲーム内で使用される主な言葉をプロトコル化し、各エージェントがそのプロトコルで会話をすることでゲームが進行される。過去の会話内容やプレイヤー数等を環境とし、発言内容や能力者の行動等の戦略をQ学習により学習させ、最適戦略を解析する。
著者
稲葉 通将 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐 西野 順二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

我々は,コミュニケーションゲーム「人狼ゲーム」を行う人狼ゲームエージェントの実現を目指している.人狼ゲームでは,プレイヤーは自分の真の意図を隠しつつ意見を述べる必要がある.本研究では,人間らしく振る舞う人狼ゲームエージェントの実現に有用な知識獲得を目指し,出された意見に対するプレイヤーの行動を同調・反駁という観点から分析を行う.
著者
西野 順二 西野 哲朗
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-6, 2011-09-08

展開型の多人数不完全情報ゲームであるカードゲーム大貧民を対象として,相手手札の推定とその利用について検討した.2010 年 UEC コンピュータ大貧民大会で優勝したクライアントプログラム snowl の相手手札推定パラメータを変更して実験し,特定のクライアントの手札残存挙動を推定できること,強さの向上に効果があることを示した.また,強いクライアントの挙動をもとに推定パラメータを獲得した snowl クライアントは,シンプルな比較基準用のルールベース型クライアントである base に特化して推定パラメータを獲得した vsbase より,良い成績をあげることを示した.これらの手札推定と着手決定との関係について,5 枚を 3 人に分配するモデルによって,手札推定が必ずしも必要でない,あるいは重要性のない状況があることを示した.以上から,実際に推定されている相手手札の正確さそのものではなく,モンテカルロ探索など最終的な着手決定過程も経たときの,シミュレーション確度をあげる効果が重要であることを示した.In this paper, we show a characteristics of a model for opponent hand estimation algorithms for the Daihinmin that is a multi player imperfect information extensible game. To show the capability of opponent hand estimation algorithm, we have had experiments with the snowl that is the 2010 champion on the UECda : Computer Daihinmin Programming competitions. The opponent hand estimation ability of snowl is better than the vsbase client that is made to beat a specific program the 'base' which employs a rule based thinking algorithm. The snowl has universal strength for other type of thinking program. We show these imcompatibility in a mini model of Daihinmin that has 5 cards and 3 players, since we discuss the situation that have less importance of opponent hand estimations than total reasoning process.
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.27, pp.17-23, 2002-03-15

本論文は複数の道具を投げるトスジャグリングの技の表記について整理し、とくに複数の技の接続方法について検討するこを目的とする。このため、複数の技の性格付けを行い、また技同士の接続可能性について分析するため、状態と相という概念を導入した。技を数列表記するサイトスワップ表記をもちいて、接続を可能とする余分な動作を必要とすることを示した。この接続のための動作の系列を生成がつねに可能であることを、技の差分表記を提案しこれを用いて生成アルゴリズムを構成することで明らかにした。This paper shows how to connect toss juggling tricks such as balls, clubs and etc. Juggling state and Phase of trick are introduced to characterize each tricks and to solve an issue of combination feasibility. By the siteswap notation, tricks are denoted with sequence of numbers. It needs Certain connector sequence to combine two different tricks classed different phases. To prove general connection possibility over all tricks, we show a procedure that make a connector sequence as a glue of two pahses.
著者
大渡 勝己 西野 順二
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2019-GI-41, no.24, pp.1-8, 2019-03-01

レーティングシステムはスポーツやゲームにおいてプレイヤの強さを推定し順位付けを行うことに役立っている.一般に広く用いられているイロレーティングはプレイヤの強さに全順序性を仮定しており,じゃんけんのように強さの関係が循環する場合を表現できない.近年,このような相性関係も含んだレーティングシステムの研究も行われており,本稿では相性を含んだレーティングモデルとして有用性が期待できるものを複数提案する.特に,三つ巴関係を直接表現するモデルを現実世界のデータに対して適用し,この提案モデルが現実のデータの推定精度を向上させうる可能性を示した.
著者
ムハマド ロムジ 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.291-292, 1997-03-12

本研究では遺伝的アルゴリズムを多目的関数の最適化問題に対して適用した。今回、対象とする間題は多目的線形ナップザック及び多目的非線形ナップザック問題である。複合的な目的関数を持つ多目的最適化問題では、優劣がはっきりしなかったり、優劣関係に矛盾が起こったりして、優劣の順序付けが簡単ではなくなる。多目的最適化問題の本質は複数の目的関数間でのトレードオフのバランスをいかにとるかという問題である。そこで、われわれはファジイアウトランキング法と呼ばれるゆるい順序関係を導入し、大まかに比敷するやり方を用いた。この手法は遺伝的アルゴリズムによる探索の各段階で、個体評価における多目的性を直接取り扱うことが可能になると考えられる。
著者
西野 順二
出版者
社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.59-59, 2008

本発表が与える問題提起と視点は、人間にも一定の負担を与え現状よりやや高いが獲得可能なスキルを仮定・要求したうえで人工物を設計し、トータルシステムの目標を達成しようという、人に優しくない設計モデルである。このモデルにスキルトロニクスという名を与え、新規に製作したジャグリング用具を例にして議論を行う。
著者
森下 卓哉 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.98, pp.41-46, 2000-10-26
被引用文献数
1

本研究では、サッカーゲームにおける混合戦略表現モデルを提案する。サッカーゲームは時間連続性を持ち、11人対11人で対戦するマルチエージェントシステムである。このような性質を持つゲームにおける混合戦略を時間に基づいて定義し、コンピューターシミュレーションで実験を行なった。実験では、混合比率を変化させて試合を繰り返し行ない、それぞれの比率での評価を求めて混合比率と利得の分析を行い、混合戦略モデルの妥当性を検討した。In this report, we proposed expression model of mixed strategy for continuous time game and, we proposed a method to analyze aspects of continuous time games, such as Soccer game. We defined mixed strategy on the basis of time interval mixture on the game that had such a nature. The experimental matches was done on several mixture ratio, on the computer simulation. The results showed our method is feasible.
著者
西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.286, 2010 (Released:2010-11-05)

時間変化をともなう人間行動を多次元のパラメータ空間上の遷移経路としてみたとき、その特性をファジィ集合によって表現することを試みる。 多次元ファジィ集合は2次元以上の空間における任意形状のファジィ部分集合であり1次元のファジィ集合の直積に比べ高い柔軟性と表現精度をもつものである。多次元空間でのファジィ部分集合をこのへんファジィと呼ぶ。 いっけん複雑な行動をこのへんファジィをもちいることで精度良くモデル化する事を目的とし、行った実験結果とその効果について報告する。
著者
牧野 泰裕 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和 MAKINO Yasuhiro NISHINO Junji ODAKA Tomohiro OGURA Hisakazu
出版者
福井大学工学部
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.71-79, 1997-03

In this paper, we investigate of the repeated janken gameto estimate characteristic of game agents. In the repeated janken game, players repeat single"janken"reiteratively. The reppeated janken game has strategy. for examples, random strategy,fixed strategy, repeated strategy,history-based strategy that uses history of opponent hands. We analyze superiority of strategy by computer simulations. As a result, we show superiority of history-based strategy.
著者
西野 順二 戸田 英治 鹿田 和之進 本多 中二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.35, pp.1-6, 2003-03-24
被引用文献数
1

本研究は、RoboCupサッカーシミュレーションリーグに人間が参加し、その協調行動の様子について計測および分析を行った。視野の制約やノイズ、情報の欠損など限られた情報リソースをもとに、明示的に予定されていない他のプレイヤとの協調が見られるなど、人間ならではの行動が見られた。本論文では特にフォワードプレイヤ(FW)に焦点をあて、その行動の経時変化、他のプレイヤやオフサイドラインとの関係を各種の統計量にもとづいて分析した。相手チームの特性の迅速な把握と行動対応や、明示されない協調的行動の創発を確認した。This paper shows an analysis result of human soccer forward player's behavior in simulated soccer; RoboCup. We developed an interface system called OZRP/Palm-system that enabled human pilots to dive into simulated socder field. Human players could play very well in spite of several constraints such as limited information and noise. We showed quick opponent modeling abilities and a priori cooperation abilities by means of statistical indices.
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.SKL-01, pp.02, 2008-09-16 (Released:2021-08-31)

発表タイトルのスキルトロニクスは、道具を使用する人間にも一定の負担として獲得可能なスキルを仮定・要求したうえで人工物を設計し、トータルシステム目標のよりよい達成を目指す、人に優しくない設計モデルである。
著者
田川 聡洋 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
福井大学工学部研究報告
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.81-90, 1997-03

The purpose of this study is to represent player's behaviors knowledge for the horizontal bar gymnastic action in terms of fuzzy language. We has developed a kinetic simulator of a player at the horizon bar gymnastic action. This model is coming from many links and jooints. We realize player' s behavior on a computer simulation by fuzzy language based on the human knowledge instead of mathematical expressions. The model of this knowledge was realized by hierarchical structured fuzz control system. This time, we have acquired the control knowledge about giant swing and fling up.
著者
奥山 宇樹 川城 信彦 西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.41, 2011 (Released:2012-02-15)

ヒューマノイドロボットの1つの行動は、ある姿勢から姿勢への遷移の連続と捉えることができる。行動を作成するユーザーが姿勢を複数指定することで、姿勢間を補完して自動で1つの行動を生成するようなシステムOSCを構築した。ロボカップサッカーなど特定の目標に対してロボットの行動を生成することは重要な要素となる。本システムではロボットに持たせる姿勢知識を「直立」、「キック姿勢」といった人の持つ姿勢知識に従い、各関節各度をパラメータとした多次元空間上のファジィ部分集合として定義する。これらをシステムの入力とし、数式を用いない人の意識に近い直感的なロボットの行動制御を目的とする。