著者
高橋 幸利 藤原 建樹 西村 成子 藤原 建樹 西村 成子 角替 央野 久保田 裕子 今井 克美 重松 秀夫 下村 次郎 池田 浩子 大谷 英之 山崎 悦子 大谷 早苗 高橋 宏佳 美根 潤 池上 真理子 向田 壮一 高山 留美子
出版者
独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

脳炎は感冒などの後に発病し後遺症を残す病気で、病態解明と治療法の開発が重要である。非ヘルペス性急性辺縁系脳炎では、グルタミン酸受容体(GluR)のひとつであるGluRε2分子の幅広い領域を抗原とする抗体が産生されていて、感染ウィルスに対する抗体がGluRε2に交差反応しているのではないことが分かった。ラスムッセン脳炎では抗GluRε2 抗体を含む髄液IgGがアポトーシスを誘導している可能性が示唆された。
著者
原 佑介 菅原 彩華 山田 クリス孝介 遠藤 慶子 芦谷 早苗 五十嵐 香織 曽我 朋義 神成 淳司 黒田 裕樹
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.499-513, 2020-12-15 (Released:2020-12-24)
参考文献数
29

ウンシュウミカンの成分分析では,高水溶性のイオン性低分子を網羅的に探索した研究はほとんど無い.本研究では,静岡県三ヶ日産ウンシュウミカンの ‘青島温州’ や ‘興津・宮川早生’ を対象に,高水溶性成分をキャピラリー電気泳動-質量分析法によるメタボローム解析を用いて調査し,品種,グレード,処理方法ごとの総測定データも蓄積させた.この分析では,対象とした151の成分のうち,早生ではメチオニン,グリシン,アスパラギン酸が,青島ではオルニチン,プトレシン,シネフリン,グルタミンが,青島の果汁ではピログルタミン酸,GABA(γ-アミノ酪酸),マロン酸が,有意に多く検出された.さらに,生果と加工品,および加工前後での比較結果を統合し,含有成分量の変化に寄与すると推測される要因も整理した.これらの解析は,三ヶ日産ウンシュウミカンに含まれる高水溶性成分の基礎データとして,今後,代謝や加工による成分変化のさらなる検証につながることが期待される.また,本研究において,クエン酸やGABAなどの機能性表示登録がすでにある成分に加えて,機能性が示唆される成分も検出された.農産物の新規機能性成分表示の検討等においてもメタボローム解析は有用であることを強く示していると言える.
著者
壁谷 早苗 小山 久一 堂地 修
出版者
北海道牛受精卵移植研究会
雑誌
北海道牛受精卵移植研究会会報
巻号頁・発行日
no.27, pp.5-10, 2008-08

本研究では、授精日卵胞長径と授精後7日目黄体長径と受胎の関係およびBCSの低下と乳量と受胎の関係を調べた。供試牛は排卵を確認したホルスタイン経産牛延べ88頭である。黄体および卵胞の最大長径(長径)は超音波画像診断装置を用いて測定した。ボディコンディションスコア(以下、BCS)は乾乳期から受胎日まで毎週1回実施した。乳量は、人工授精実施月の平均日乳量を計測した。授精日の卵胞長径は、受胎牛、不受胎牛ともに2.0±0.4cm、授精日の卵胞長径の違いが受胎に及ぼす影響はみられなかった。しかし、1.3cm以下と2.6cm以上の牛はいずれも不受胎であった。また、授精後7日目の黄体長径は、受胎牛で2.9±0.5cm、不受胎牛で2.8±0.6cmで、授精後7日目の黄体長径に及ぼす影響は認められなかった。しかし、1.9cm以下と4.Ocm以上の牛はいずれも不受胎であった。授精日のBCSは不受胎牛が受胎牛に比べ有意に低かった(p<0.05)。以上より、乾乳期から授精日までのBCS低下は受胎に影響することが認められた。また、授精日の卵胞長径および授精後7日目の黄体長径は、極端に小さいもしくは大きいものは、受胎に悪影響を与える可能性があると考えられ、さらに詳しく栄養と卵巣機能について検討する必要がある。
著者
高橋 宏佳 今井 克美 高山 留美子 美根 潤 大谷 早苗 池田 浩子 久保田 裕子 高橋 幸利 井上 有史 藤原 建樹
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.305-308, 2011-07-01

乳児期に発症した難治性のてんかんに対して緩和ケトン食が著効した1例を経験した. 生後8カ月からてんかん性スパズムが出現し, 一時ACTH療法にて発作は消失したが, 1歳1カ月時に部分発作で再発し, 2歳以後は部分発作とスパズムの複合発作となり, 種々の抗てんかん薬に抵抗性であった. 2歳6カ月時に絶食期間をおかず, カロリー制限・水分制限をせず, MCTオイルを使用した緩和ケトン食を開始し, 20日目に発作消失かつ脳波も著明改善した. 従来の古典的ケトン食を緩和した緩和ケトン食療法は副作用が少なく継続しやすいため, 難治性のてんかんにおいて試してみる価値のある治療法であり, わが国においても再評価されるべきである.
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 神宮 純江 南部 由美子 新谷 早苗
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.197-202, 1981
被引用文献数
2

福岡市博多保健所において昭和50年度から同54年度までの間に実施された3歳児歯科健診時の各種資料を基に, 同期間における3歳児健診受診状況ならびにう蝕罹患状況の推移, さらには, 保育環境および保健所の実施した母子保健活動とう蝕罹患状況との関連を検討した。健診受診率およびf歯率ほこの期間毎年有意に増加し, う蝕罹患者率および一人平均df歯数は有意に減少した。なお, う蝕罹患型別罹患者率については有意な増減は認められなかった。<BR>昭和54年度においては, 被健診児が第1子である方が第2子以下よりう蝕罹患者率が有意に低率であり, また, f歯串は保育園非就園児が就園児より, そして祖父母と同居している方が核家族より有意に高率であった。<BR>また, 同保健所管内で保健所が行なう母子保健活動の度合は異なった地区別のう蝕罹患状況の変化を昭和50年と54年について比較すると, う蝕罹患者率および一人平均df歯数はそれぞれ母子保健が推進された地区においてより高い改善傾向がみられた。