著者
谷口 守 石田 東生 岡本 直久 堤 盛人 谷口 綾子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

現在、エクメーネは荒廃が続いており、その構造面からの修復を本気で考えねばならない段階にある。特に都市域のコンパクト化やスマートシティ化といった政策や、およびエコロジカル・フットプリントなど適切な評価指標の開発も必要である。本研究ではそれら諸課題に主に統計的な観点から対応するとともに、対応する都市計画制度や意識改革に至るまで、次の時代のための新たな解決策の提示を行った。
著者
谷口 綾子
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では,ベビーカー連れの外出の難易度認知について移動時満足度(STS)を用いて評価するとともに,ベビーカー連れのSTSに周囲の人々の対応がどの程度関係しているのかを探索的に検証し,欧州の先進国と我が国の比較を行った.その結果,我が国ではベビーカー連れの移動時に周囲からの支援を受けた経験が欧州各国よりも少ないこと,ベビーカー連れの移動の認知的幸福感は,一般にSTSが低いとされる通勤目的よりもさらに低いことが示された.また,ベビーカー連れでの移動時に周囲の人々から受けた支援の経験や,記述的規範の知覚が,ベビーカー連れのSTSに正の影響を与えていることが示された.
著者
谷口 綾子 浅見 知秀 藤井 聡 石田 東生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.441-448, 2009 (Released:2009-11-20)
参考文献数
10

効率的な都市構造「コンパクトシティ」を実現するためには,土地利用規制とともに,人々の居住地を公共交通機関の近くに誘導する施策が不可欠である.本研究ではこうした認識の下,平成20年4月に転居予定の筑波大学の学生を対象に,居住地選択のための探索行動を行うであろう平成19年11月から平成20年3月の期間に,一般的な住宅情報とともにバス停位置の情報を提供するというコミュニケーションを実施し,これによりバス停近くの居住地選択を促すことが可能か否かを実証的に検証した.その結果,バス停位置を強調した情報を提供した群は,バス停を強調しない情報を提供した群よりも,バス停近くのアパートを選択する傾向が2倍程度高いという結果が示された.
著者
藤井 聡 谷口 綾子 羽鳥 剛史
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,従前までに実施してきた社会実験的MMを継続的に実施するとともに,現地ヒアリング調査等を通じて,これらのMMの長期的効果を含む,様々な効果を測定した.そして,そこで得られた知見を踏まえて,今後,本格的な大規模MMを,我が国の実際の行政で行っていくことを目指して,これまでよりもより大規模(数千〜1万世帯程度)な世帯を対象とした社会実験的MMを実際に推進し,本格的なMMの実務的展開に向けての課題やMM施策の効果を検証した.その結果,MM施策実施後,渋滞緩和効果や態度変容効果が確認されたいくつかの事例において,その効果が継続的に持続していることが示され,MMの長期的効果が認められた.また,複数の手法を同時に用いた本格的MMを実施し,公共交通の利用者数増加や道路交通の変化などの効果を定量的に検証したところ,対象地域においてMM実施による集計的な効果が確認された.そして,複数種類のMM施策の効果を比較分析することによって,それぞれの施策の相対的な効果や特質を把握することができ,MMの実務的展開に資する知見を得ることが出来た.また,大規模MMの効果を検証するため,50万世帯に配布されている地域新聞を活用し,読者に「かしこいクルマの使い方」を呼びかけると共に,TFPへの参加を呼びかける大規模なMMを実施した.その結果,メディアを通じたコミュニケーションのみでも,読者の態度・行動変容を見込めることが示された.さらに,本取り組みの費用対効果について検討したところ,一定の費用対効果が見込めることが示された.
著者
谷口 綾子 高野 伸栄 原 文宏
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.814-820, 2003-11-01
被引用文献数
1

トラベル・フィードバック・プログラム(TFP)は, 自動車利用から公共交通機関への転換を目指して, 人々の行動に影響を与える心理要因に働きかけ, 自発的な行動の変化を目的とする交通需要マネジメントの一手法である.TFPは個人の交通行動の調査とその結果に基づく診断書を提示するなどのフィードバックを繰り返すコミュニケーション・プログラムで, 本稿ではその考え方と具体的な手順とともに, 2000年度札幌市における事例の紹介およびその実務における留意点を取りまとめる.
著者
谷口 綾子 下田 吉之 旭 貴弘 山口 幸男
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.73, no.632, pp.1217-1224, 2008-10-30
被引用文献数
3 2

We have developed a simulation model to estimate the residential energy end-use in Japan. In this model, residential energy consumption is simulated taking into account the variety of the residents, housing insulation, and climate condition. With the use of this model, we estimated the domestic residential energy consumption of Japan in 2025, considering replacement of housing stock. For this purpose, we have improved the "Stock model of housing insulation efficiency", that is able to estimate the distribution of building's insulation levels considering replacement of housing stock. By using the stock model, the effectiveness of measures related to housing insulation is also evaluated.