著者
見舘 好隆 永井 正洋 北澤 武 上野 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.189-196, 2008-10-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
22
被引用文献数
1

学生の「学習意欲」や「大学生活の満足度」は,どのような要因が押し上げているのか.想定される様々な要因を探るアンケートを公立S大学の学生に実施し,その結果から因子分析によって「学習意欲」「大学生活の満足度」に影響を与えていると想定される因子を抽出した.そして抽出された因子間の因果関係を共分散構造分析にて分析した結果,「教員とのコミュニケーション」は「学習意欲」を高め,さらに「大学生活の満足度」にも影響を与えていた.また,「友人とのコミュニケーション」は「大学生活の満足度」にあまり影響を与えておらず,「学習意欲」には関連がないことが示唆された.
著者
伏木田 稚子 永井 正洋
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44143, (Released:2021-06-22)
参考文献数
35

本研究では,生涯学習を支える情報リテラシーの育成に着目し,シニア世代が大学開放事業において幅広く継続的に学知を学ぶ上で,授業内容にどのような観点を取り入れるべきかを探索的に検討した.具体的には,コンピュータの利活用に関する実態を幅広く把握した上で,性別や年齢,最終学歴など,学習者の基本情報を考慮しながら,コンピュータの利用目的,活用経験,利用不安の関係を分析し,授業実践の要件を明らかにすることを目的とした.TMUプレミアム・カレッジの履修生53名を対象に質問紙調査を行った結果,1) コンピュータの未所有者や初心者への配慮,2) 基礎を押さえた段階的な授業構成と初歩からの支援,3) 授業での活用機会の充実と日常的な利用の促進によるコンピュータの利用不安の軽減が,シニア世代の情報リテラシー教育に重要な観点であることが示唆された.
著者
山下 英明 立石 慎治 大森 不二雄 永井 正洋 林 祐司 椿本 弥生 松河 秀哉 渡辺 雄貴 松田 岳士 高森 智嗣 柳浦 猛
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,高等教育機関の教学データを一元的に管理・分析し,教職員によって学生指導に活用されることを目的としたIRシステムを開発,評価した.具体的には,学生の留年可能性を早期に発見し,指導に役立てるための留年判定モデルを運用するシステムを開発した.留年判定モデルでは,ソフトマージン・サポートベクターマシンを採用し,機械学習ライブラリを用いてスタンドアロンのPC上に実装した.過去の学生データを用いて留年を判定し,予測精度の確認と教員による評価を受けた結果,留年予測の精度は93%であり,判定結果の理解度も高かった.一方で,表示されるデータの解釈やインタフェースについては課題が残された.
著者
永井 正洋 上野 淳 貴家 仁志 北澤 武 渡邉 雄貴 加藤 浩 福本 徹
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

児童の表現の論理性を向上させるために,デジタルペンとマインドマップを用いる中でエキスパート参加の協調学習を行わせ意見文を書かせる授業実践を行い,その総合的な有効性を研究の前半で示した.しかし,どの足場掛けがより有効であるのかは不明確であった.そこで,児童に意識調査を実施した後,授業についての因果モデルを構築し共分散構造分析にて検証した.その結果「授業での理解度と満足度」には,「マインドマップの好感度」や「エキスパート参加の協調学習での理解度と好感度」が影響を与えること,また,デジタルペンについては,授業の総括的評価には影響を与えず,通常の文具のように学習の文脈に馴染んでいることが示唆された.
著者
北澤 武 永井 正洋 加藤 浩 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.35-42, 2008
被引用文献数
1

本研究は,小学校理科教育を対象として運用しているeラーニングサイト「理科ネット」の電子掲示板「質問コーナー」に,用語間の関係の強さに着目した検索支援システム「PRIUM (Portfolio Retrieval for Investigating Useful Material)」を構築し,それを運用した効果について検証した.その結果,児童は電子掲示板に理科に関する質問を投稿する前に,自分が質問したい内容と同じ質問があるかどうか,PRIUMを使って調べるという情報探索行動を示すことが分かった.さらに,PRIUMを構築する前よりも,構築後の方が過去に投稿された質問と同じ質問をする割合が減少し,「質問コーナー」の利用頻度や質問の投稿数が増加するなどの効果があることが示唆された.
著者
山崎 本務 畠山 久 永井 正洋 室田 真男
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.735-736, 2018-03-13

近年、ICTを用いた疑似体験型避難訓練システムが提案されている。先行研究では、タブレット端末に震災による被害状況を表示し避難訓練学習を行った。しかし、大規模地震発生時の複合的な被災状況を再現できないという問題点があった。そこで本研究では、大規模地震発生時に安全な避難行動を取るために周囲の状況を適切に判断することができる能力育成を目的とした。そのために、360°画像を用いて学習者の周囲に複合的な被災状況を擬似的に表示できるタブレット端末ベースのシステムを開発した。これにより、学習者は、自分の周りの複合的な状況を観察し、危険性を予測する訓練が可能となる。本システムを活用して高等学校における避難訓練を実践し、効果の分析と評価を行った。
著者
北澤 武 永井 正洋
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.122-125, 2010-08-21

本研究では,都内の小学校特別支援教室に通う児童6名を対象に,モバイル機器を活用した漢字学習支援の効果について追究した.本研究で用いたモバイル機器として,ニンテンドーDSi(以下,DS)を取り上げ,さらに,漢字学習支援ソフトとして,漢検DS3デラックス(ロケットカンパニー(株))を用いた.約5ヶ月間,授業中に10〜20分程度,定期的にDSを用いて漢字の読み,書き,画数,筆順などの学習活動を行った結果,すべての児童に漢字習得の効果が認められた.しかし,一部の児童は得点に執着するようになるなどの課題が認められた.
著者
宮入 裕夫 木嶋 芳雄 永井 正洋
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.303-308, 2007-04-01 (Released:2009-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

This paper examined adhesive properties of steel coating alkid-melamine film (silica content 30 wt%) that has the relations between surface treatments of steel coating and thickness of steel coats. Especially we experimentally studied the influenced factors of adhesive properties between steel surface treatments and strength of coating film by using the interfacial cutting system (Saicas method).
著者
松波 紀幸 永井 正洋 貴家 仁志
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.111-123, 2012

児童にデジタルペンとマインドマップを用いて協調学習を行わせ,他者の意見と自身の意見を比較検討させた後,意見文を書かせることを通して,表現の論理性を高める授業を展開した.また,協調学習の後に,遠隔地と結んだエキスパートを授業に参加させることで,さらに児童の表現の論理性が向上すると考えた.実践の結果,児童の意識調査(回答選択)からは,エキスパートが意見文の推敲に最も影響を及ぼしていることが分かるとともに,授業の事後意見文を分析した結果からも,その影響を認めることができた.また,事後意見文の質的分析からは,「具体性」,「妥当性」,「明確さ」に改善が見られ表現の論理性が向上しており,エキスパートによる学習支援の有効性が示唆された.この他,マインドマップを利用した学習支援については,意識調査(自由記述)や意見文,教員評価から児童が表現の論理性を高めており,有効であったことが認められた.
著者
見舘 好隆 永井 正洋 北澤 武 上野 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.189-196, 2008
被引用文献数
4

学生の「学習意欲」や「大学生活の満足度」は,どのような要因が押し上げているのか.想定される様々な要因を探るアンケートを公立S大学の学生に実施し,その結果から因子分析によって「学習意欲」「大学生活の満足度」に影響を与えていると想定される因子を抽出した.そして抽出された因子間の因果関係を共分散構造分析にて分析した結果,「教員とのコミュニケーション」は「学習意欲」を高め,さらに「大学生活の満足度」にも影響を与えていた.また,「友人とのコミュニケーション」は「大学生活の満足度」にあまり影響を与えておらず,「学習意欲」には関連がないことが示唆された.