著者
渡辺 賢悟 伊藤 和弥 近藤 邦雄 宮岡 伸一郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.58-65, 2010 (Released:2010-07-13)
参考文献数
18
被引用文献数
2

キャラクタデザインは,ゲームやアニメといったコンテンツ制作において重要な作業である.デザイン作業は複数人のアイデアを,コミュニケーションを介してまとめながら進められるが,絵が描けるデザイナと描けない者の間でアイデアの視覚化の能力に差があるため,アイデアを交換・共有するのが難しい現状がある.本研究では,絵が描けない者のアイデアの視覚化を支援するため,絵画手法の1つであるコラージュに着目する.複数の既存画像から一部分を切り出し,組み合わせるだけの作業で視覚化を行えるシステムを提案する.画像合成処理にPoisson Image Editingを用いることで,高品質なコラージュ結果を実現する.また,合成部品の切り取りを簡単にするため,部品領域の最適化処理を実装する.作成したシステムと,従来のソフトウェアを使用して視覚化した結果を比較し,システムの実用性を検証する.
著者
兼松 祥央 三上 浩司 近藤 邦雄 金子 満
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.66-72, 2010 (Released:2010-07-13)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

3DCG映像制作においてライティング(照明)は、作品の印象を決め、できを大きく左右する非常に重要な要素である。よってライティングは単純にライトを置くだけではなく、ディレクターの意図に基づいてしっかりと設計を行うことが重要である。そこで本研究では従来ディレクターの頭の中で感性的に行われていた照明設計を支援し、プレプロダクション段階において効率的にライティングシミュレーションを可能とするために、映像の演出を支援する「ライティングスクラップブック」とライティングを容易に行うための「ライトセット」を提案することを目的とする。これらを用いて映像制作の実証実験を行った結果、提案システムを用いることにより、作業時間が短縮でき、ライティングによる効率的な演出シミュレーションが可能になった。
著者
中釜 健太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.17, pp.180-183, 2018

本研究はアニメーション作品において回避を含むカットのプレビズ制作支援を目的とする. 戦闘シーンを多く含む既存のアニメーション作品から回避を含むカットに用いられるカメラの情報や回避するキャラクターの分析を行った.分析結果を用いて,簡易的に回避を含むカットのシミュレーションが可能となるシステムを制作 した.敵対者の攻撃手法と回避者の回避の手法を入力すると該当する典型的なシーンが読み込まれ,そのシーン調 整することで簡単かつ効率的にプレビズ制作が可能となる.
著者
山口 耀 茂木 龍太 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.16, pp.227-230, 2017

ロボットアニメを制作する3DCGアニメーターはどのような動きをすればロボットらしく動くのかを考え,アニメーションを制作する.そのため,アニメーターの経験,ノウハウ,技能に大きく依存すると共に時間 を要する作業である.ロボットにはロボットらしい魅力的な動きの特徴が存在していると仮定し,ロボットを魅力 的な動きに見える共通の特徴があると考えた.本研究では,ロボットとしての動きの特徴を調査及び分析を行うこ とにより,ロボットの動きを制作する参考資料となるスクラップブック,共通する動作を当てはめるシステムの 2 つを制作し,ロボットアニメ制作におけるモーション作業の支援を行った.
著者
三河 美幸 田邉 里奈 大谷 義智 近藤 邦雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.199, 2013 (Released:2013-06-20)

デジタルメディアを介したコミュニケーションの多くはテキストコミュニケーションである。対面コミュニケーションや電話と異なり、テキストコミュニケーションは非言語の情報を伝えるということが難しく、対面コミュニケーションや音声会話でのコミュニケーションに比べて、相手の感情が読み取りにくいといえる。非言語の情報が無く、線の幅などが統一され、素っ気ない印象を与えがちなデジタルフォントにおいて、手書き文字のように書いた時の感情が留められているような表現を、デジタル媒体でもうまく表現する事はできないだろうかと考えた。 本研究では光のゆらぎと色を用いて新たな文字の表現をすることを目的とする。文字に光の点滅を加えた文字で印象評価調査を行い、色の要素を加えて書き手の視点と読み手の視点の両方からの感情表現方法について調査を行う。光の点滅速度と感情との関係性を明らかにし、文字自身が感情情報を持つようなテキストの表現方法を提案する。
著者
照井 洋平 中村 陽介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 37.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.157-158, 2013-03-08 (Released:2017-09-21)
参考文献数
7

本研究では、協力型マルチプレイアクションゲームにおける、ユーザー体験の共通性について明らかにする。遠隔環境でマルチプレイする場合と同一の実在空間でマルチプレイする場合のそれぞれのプレイ中の脳波を計測し、スペクトル分析を行った。分析の結果,マルチプレイしているプレイヤー間の脳波には共通性が確認できた。このことからマルチプレイをしているプレイヤー同士は同等のゲーム体験をしていることが確認できた。
著者
沼崎 優介 兼松 祥央 遠藤 雅伸 近藤 邦雄 三上 浩司
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.317-321, 2019-09-13

エンターテイメントコンテンツにおいて安全が確保されていることは重要である.VRコンテンツにおいてもVR酔い対策や体験者の安全な機器の範囲設置の確保がある.本研究では体性感覚刺激を視覚からの情報によって変化させられるという仮説を立てた.体験中に視覚提示する傾き量を実際の傾きよりも増減できる舟型システムを用いて実験を行った.結果として視覚から与える傾き量を増減させても違和感なく感じることが示唆された.これらの知見を活用することで,安全を担保しつつ実際よりも小さい傾きを与えても楽しめるエンターテイメントコンテンツの開発に寄与できると考えられる.
著者
宮﨑 稚菜 茂木 龍太 鶴田 直也 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.17, pp.233-236, 2018

キャラクターの中には,人間と動物の特徴を合わせた外見をした「動物的要素をもつキャラクター」 が存在する.このようなキャラクターのモデルとなる動物は非常に多種多様であるため,デザインが決定するまでにリテイクが多発し,作業効率の低下に繋がる可能性がある.本研究では動物的要素をもつキャラクターのデザイ ン原案の制作支援のためのシステムの開発を目的とした.既存のキャラクターに見られた特徴を調査・分析し,その結果を元に代表的なパーツの三次元モデルを作成する.それらパーツを仮想空間上で組み替えや変形,移動がで きるシステムを開発した.
著者
須田 智之 茂木 龍太 兼松 祥央 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.89-90, 2013
参考文献数
2

本研究では、キャラクターの中で特に重要とされる頭部に着目する。3Dキャラクターの頭部を変形させ、プロデューサーの意図したキャラクターの顔を効率的に作成し、任意の角度からも顔を見ることができるシステムを開発する。絵の描けないプロデューサーとデザイナーのコミュニケーションギャップを解消することを目的としている。
著者
依田 直也 兼松 祥央 茂木 龍太 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.111-114, 2015-03-07 (Released:2017-09-22)

ツンデレと呼ばれるキャラクターは、容姿だけではなく会話やしぐさ,ストーリーの展開といったさまざまな要素を介して表現される特徴をもつ。本研究はツンデレキャラクターのデザイン支援のためのディジタルスクラップブック構築を目的とする。このため既存のツンデレキャラクターを収集し、そのキャラクターの要素を分析した。そしてツンデレキャラクターが持つさまざまな要素をまとめたライブラリをもつ、ディジタルスクラップブックを開発した。
著者
ヘイムダール リセロッテ 兼松 祥央 鶴田 直也 茂木 龍太 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, 2019

ホラー作品において,恐怖の対象となるキャラクターなどをあえてはっきり映さない演出がおこなわれることがある.これは恐怖の対象がはっきりと見える場合と比べ,視聴者に対してより強い恐怖感を与えることができる.また,この「恐怖の対象を隠す演出」をおこなった場合でも,ストーリー上のある時点で恐怖の対象を登場させることで,視聴者の恐怖感をより高めることができる.その際に重要なのは,カメラワークをはじめとする登場のさせ方に関する演出や,登場させるタイミングである.そこで,本研究では視聴者が知覚する恐怖のレベルの影響を明らかにすることを目的とした.そのため,既存作品を用いてホラー作品における恐怖を演出するためのタイミングやカメラワークを分析した.
著者
近藤 邦雄 岡崎 真知子 土井 章男 松田 浩一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Supplement, pp.29-34, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
9

モーションキャプデータは、人の動きをそのまま測定するため、リアルな動作データが得られるが、冗長な情報を含んでいる場合が多く、動作の修正や変更には多くの手間と時間が掛かる。本研究では、測定した動きの特徴をそのまま生かし、冗長な情報を削減する手法を提案し、モーションキャプチャデータをユーザーにとって扱い易いものとすることを目的とする。そこで、モーションデータのxyz軸の角度データに対し制御点削減を行なう手法を提案する。この手法を用いて削減したモーションキャプチャデータの動作の比較や検討をしたした結果、提案手法を用いて削減されたモーションキャプチャデータは削減前と比較するとほぼ同等の動きをすることが確認された。また、特徴となる動きのみを抽出するため、動作強調法に対し有効であることが確認できた。この削減手法の特徴は以下の通りである。 (1) 測定した動きの特徴を生かした削減が可能である。 (2) 削減の割合をユーザがコントロールできる。 (3) データ量の削減が実現できるので大量の動きのデータベース構築に有効である。 (4) データ量を削減することによって、動きの修正が容易に行なうことができる。 (5) 削減したデータは動作強調法に対し有効である。提案手法により、元の動きの特徴を保持しながらデータ量は約50%に抑えることが可能となった。
著者
徐 弘毅 兼松 祥央 茂木 龍太 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
Japan Society for Graphic Science
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.11, 2019 (Released:2019-12-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

日本のロボットアニメは長い歴史を持ち,多くの傑作が制作されている.また,戦闘シーンはロボットアニメにとって重要なシーンの1つである.本研究では,ロボットアニメにおける戦闘シーン制作のための構図設計支援システムを提案する.そのため,既存のロボットアニメ10作品から,2531の戦闘シーンを抽出し,ロボットの行動,カメラの動き,ショットサイズなどを分類した.また,これらの分類を用いてカメラワークや構図に関するデータのライブラリを開発した.このライブラリを用いることで,ユーザーは戦闘シーンを制作する際に,演出意図に合わせたカメラワークを検索可能である.開発したライブラリを用いた実験の結果,このライブラリは特に映像経験のないユーザーにとって有用であることが分かった.このことから,ディレクターなど映像制作ツールの取り扱いを専門としないユーザーでも容易に戦闘シーンの構図設計が可能である.
著者
五十嵐 美紅 鶴田 直也 茂木 龍太 兼松 祥央 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.245-248, 2016

アニメーションには複数のキャラクターが存在し、集団を構成している。集団内では各キャラクターの配色に一貫性がある、あるいは、バランスよく異なっていることが望ましいが、手動で個々の配色設定を行うことは容易ではない。そこで本研究では集団キャラクターの配色について着目し、配色シミュレーションシステムの構築を行った。既存作品26作品に登場するキャラクターについて、1体あたり11色の主要な色を抽出し、集団単位でまとめた。ユーザはまず、シミュレーションを行いたい集団キャラクターの線画を読み込み、髪や顔、衣服などの範囲を指定する。次に人数や作品キーワードから集団を検索し、その集団に使用されている配色情報を一括で適用することができる。これにより、塗り直しの手間を軽減し、配色設定に要する時間を削減することを可能とした。
著者
斉藤 勇樹 中村 陽介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.167-168, 2013
参考文献数
5

本研究では、FPSにおけるプレイヤーのスキルを判断する新たな基準を提案する。上級者・初級者のプレイ動画を調査し、プレイスキルの差が検出できる要素を発見した。その要素で実際にプレイスキルの判別ができるか検証するため、制作したゲームに判別手法を組み込み、実験を行った。結果、提案した6種類の要素は一定の精度でプレイヤースキルの判定が可能であることがわかった。
著者
鈴木 英二 中挾 知延子 近藤 邦雄 佐藤 尚 島田 静雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.61-62, 1996-03-06
被引用文献数
2

本研究の目的は、漢字1字単位の電子化漢字シソーラスを構築し、それを日本語文章の語句解析へ利用することである。従来の日本語電子化シソーラスは、名詞を中心に単語別に分類したものが多い。人間の大人の平均的な語彙数は約4万語であり、大量の新語が毎年生ずることを合わせて考えてみると、そのシソーラスのサイズは莫大なものとなる。そこで、我々は日本語の単語を構成する文字、特に漢字に注目した。漢字は表意文字であり、1字のみで最小の単語の役目を持っている。通常、文章で使われる漢字の総数はJIS第1水準で約3000字であり、これは英米語の基本単語数とほぼ一致する。同時に漢字は、日本語文章において仮名と組み合わせることによって、名詞・用言などの自立語を構成できる柔軟性がある。さらに、漢字には訓読みが与えられており、和語として日本語の語彙を広範に表現できる。その漢字の造語能力の高さが、大量の新語が生ずる原因ともなっているが、新しい漢字の発生とその利用の固定は滅多に起きず、安定した語の集合を保っている。この理由は、漢字の使い方に名詞・動詞・形容詞・副詞など、品詞別の用途に規則があるからである。漢字の有するこれらの特長を利用できれば、日本語文章の解析に役立つと我々は考えた。また、外国人への日本語教育、とりわけ漢字を教育する時の利用も考慮している。漢字1文字に複数の読み方が与えられており、それが外国人が漢字を学習するに当たって困難さを増している。読み方が解らないために、辞書を引くこともままならないという事態が発生する。そのため、漢字仮名混じり文から読みだけでも解れば、有用なものとなると我々は考えた。以下、第2章で今回構築した漢字シソーラスの概要を示し、第3章でそれを日本語文章の語句解析へ利用したものの一例を述べる。最後にまとめを第4章として示す。
著者
香山 侑子 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.253-256, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツ作品においてキャラクターは重要な要素である。しかし、キャラクターの要素の一つである服装のジャンルである「ゴシック&ロリータ(以下ゴスロリ)」は現実と架空において、デザインのルールが異なるという問題がある。そこで本研究では既存のゴスロリキャラクター103体を調査することでゴスロリ要素の分析を行い、その結果7種類のデザインタイプに分類することができた。調査分析結果から得られた要素によってゴスロリキャラクターを検索できるスクラップブックを開発し、ゴスロリキャラクターを制作するための発想支援の有用性を評価した。
著者
香山 侑子 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.253-256, 2016

アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツ作品においてキャラクターは重要な要素である。しかし、キャラクターの要素の一つである服装のジャンルである「ゴシック&ロリータ(以下ゴスロリ)」は現実と架空において、デザインのルールが異なるという問題がある。そこで本研究では既存のゴスロリキャラクター103体を調査することでゴスロリ要素の分析を行い、その結果7種類のデザインタイプに分類することができた。調査分析結果から得られた要素によってゴスロリキャラクターを検索できるスクラップブックを開発し、ゴスロリキャラクターを制作するための発想支援の有用性を評価した。
著者
鈴木 和明 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.35-42, 2005
被引用文献数
1

ドット絵は低解像度ディスプレイでは効果的な表現手法であるが,手作業によって作成するために制作時間がかかる.この制作時間短縮の要望と計算機の高性能化によりポリゴンが使われることが多くなった.しかしポリゴンによる表現よりドット絵が有効な場合も多い.制作に手間がかからなければ,ひとつの表現手法として利用範囲も拡大すると考えられる.本研究の目的は,実写画像をもとにドット絵の輪郭線を描画する手法,特に,ドット絵サイズに縮小した輪郭線の描画手法を提案することである.まず,ドット絵の特徴を明らかにするために描画手順を,および実際に描かれたドット絵の輪郭線の接続方向を調査した.輪郭線は幅1pxの直線や曲線で描かれることが多いことが明らかになった.既存の輪郭線描画手法では幅1pxの輪郭線が描画できない.また輪郭線を既存手法で縮小した場合,輪郭線と背景の2色だった画像がグレイスケール画像に不鮮明化したり,2色を保存しても輪郭線の情報が失われたりした.この課題を解決するために実写画像から抽出した輪郭線画像の縮小手法を提案する.この結果,ドット絵に求められる2値化輪郭線画像を描画できた.
著者
西口 椋 菅野 太介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.287-290, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

近年は映像コンテンツの市場が拡大し、誰でも容易に映像コンテンツの制作と公開を行うことができる。そのなかでシナリオ制作の需要と機会は増しているといえ、シナリオ制作の段階のひとつである台詞執筆の需要と機会も増加しているといえる。だが、既存の台詞執筆補助手法は感覚と経験による技術しか提案されてない。そこで本研究では台詞がもつ傾向やその基本的な構造を明らかにしてデータとして台詞執筆者に提示する補助手法を提案した。その結果実験では必ず台詞の候補を増やせるという結果が出たため、本研究は台詞執筆の際の感覚と経験に頼る現状を変えることに寄与できたものと考える。