著者
植田 弘師 塚原 完 金子 周司 崔 翼龍 酒井 佑宜 藤田 和歌子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では慢性疼痛における「痛みメモリー」のフィードフォワード機構がCentralized Pain(可塑的上位脳性疼痛)を形成するという新しい概念を提唱し、その検証研究を行うことが目的である。しかも最も重要な視点は、研究代表者が2004年に発見したリゾホスファチジン酸(LPA)とその受容体シグナルが全てに共通しているという事実にある。本研究ではこの目的を遂行するために、より多くの異なる種類の慢性疼痛動物モデルを開発・利用することから始めている。2017年度では独創的慢性疼痛病態としてEmpathy誘発型の線維筋痛症モデルと安定した脳卒中後性慢性疼痛モデルの作成に成功し、前者は論文報告とし、後者は投稿中である。LPAシグナルがこうした多くの慢性疼痛モデルの形成に関与する事は遺伝子改変マウスを用いて明らかにできているが、これに加えていったん形成した慢性疼痛に対して受容体拮抗薬などが「痛みメモリー」を消去できることも見出し、慢性疼痛の維持期にも鍵としての役割を有することが解明された。こうした「痛みメモリー」は脳のみならず末梢免疫系ともリンクしていることが次第に明らかとなりつつある。脳における責任領域と各種脳組織や末梢組織における責任細胞や責任分子の同定にはRNA解析を基礎とした遺伝子解析から上流と下流シグナルを同定する研究準備を行っている。特に脳における責任領域の同定のために、Imaging-MS解析とPET解析、光遺伝学を用いた分子レベルでの機能検証研究を実施している。
著者
酒井 佑輔 堤 之恭 楠橋 直 薗田 哲平 堀江 憲路 松岡 篤
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.125, no.3, pp.255-260, 2019-03-15 (Released:2019-06-07)
参考文献数
28
被引用文献数
7

The Tetori Group in the Shiramine area (Ishikawa Prefecture, central Japan) is subdivided into the Gomijima, Kuwajima, Akaiwa, and Kitadani formations (from bottom to top). A variety of animal and plant fossils have been reported from the Kuwajima, Akaiwa, and Kitadani formations, but the depositional ages are still poorly constrained. We obtained the first reliable zircon U-Pb age from the Akaiwa Formation of the Tetori Group in the Shiramine area using laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry. The dated sample was taken from the lower part of the Akaiwa Formation along the Osugidani River (Shiramine area), and its U-Pb age is 121.2±1.1 Ma (95% confidence interval).
著者
酒井 佑 松下 陽介 松田 崇弘 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.204, pp.37-40, 2003-07-11

本研究では,無線リンク上の誤り制御としてARQを用いた無線TCPの伝送特性に注目している.ARQは無線端末が固定の基地局と接続する静的な環境においてはTCPの性能改善に対して有効であることが知られている.しかしハンドオーバが発生する動的な環境では,基地局においてARQの再送処理によりリンクレイヤバッファに蓄積されたフレームはハンドオーバ時に廃棄されるため,必ずしも有効であるとは限らない.本研究では計算機シミュレーションにより,ARQのパラメータである最大再送回数に依存して,TCPの伝送特性はハンドオーバにより著しく劣化することを示した.本研究の結果は,移動通信では静的見地からだけでなく動的見地からもARQの設計を行う必要があることを示している.
著者
酒井 佑 雨宮 怜
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.104-121, 2023-09-30 (Released:2023-11-11)
参考文献数
94

Athletes who train and compete despite health problems are frequently found in competitive sports. In recent years, this phenomenon has been associated with presenteeism that has been studied mainly in occupational health. The research subject is a laborer. Recently, Meyer and Thiel (2018, pp.51-52) applied the concept of presenteeism to athletes as “sickness presenteeism,” which is defined as in the sports context “as training or competing despite having a health problem.” Sickness presenteeism possibly leads to mental illness, burnout, and exacerbation of illnesses and injuries of athletes. Although there are many studies on presenteeism in occupational health, very little exist in sports science. Therefore, this study reviews the literature to investigate presenteeism and its research potential with athletes by examining eight published studies; five by Mayer and his research group. This review focuses on the model of presenteeism created by Mayer and introduces the measurement methods, factors, and influences of presenteeism. The influences of presenteeism can be both negative and positive; therefore, athletes are conflicted about competing while having health problems. Finally, we described the possibilities and prospects for presenteeism research with athletes in Japan.
著者
寺村 浩徳 松田 俊郎 酒井 佑樹 中野 克哉
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1317-1322, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

横浜市内の多数の路線バス運行データを用いて、高出力モーターシステムの性能評価や電費シミュレーションなど、安価なEVバスの性能設計を実現し、さらに2020年度にはEVの性能を確認するための実証実験を完了し、良好な結果が得られた。
著者
酒井 佑士 外山 康平 戸田 偉 川谷内 哲二
出版者
金沢大学附属高等学校
雑誌
高校教育研究 (ISSN:02875233)
巻号頁・発行日
no.72, pp.7-18, 2021-03

数学科多くの学校でそうであったように,本校にとっても,2020年度はこれまでとは異なる方法での学校教育が求められた年であった。コロナ禍による2ヶ月の休校,2週間の分散登校を経て,3学年揃って通常登校が始まったのは6月15日であった。この間,学びを止めないように取り組んできた独自HPや金沢大学LMS(Learning Management System)を用いた授業動画やプリント教材の提供,Web上での確認テスト,ビジネスチャットslackでの質問対応について記したい。再度の感染拡大や自宅待機への備えとしたい。