著者
野口 悟
出版者
高知大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

国公私立525大学を対象に外部資金獲得に対しての研究支援事務サポートの実態調査をアンケート形式で実施し、252大学から回答を得た(回収率48%)。本調査では、修士以上の学位を持つ職員の研究支援部門への配置状況、URA(ユニバーシティ・リサーチ星アドミニストレーター)の配置、事務部門の一元化、特徴的な取組事例等についても研究支援事務サポートの新たな展開に繋げることを目的として行うた。当初、私が最も期待していた修士以上の学位を有する職員の積極的な採用や異動を行って事務サポートを強化している大学は、ほとんどなく(私学1大学/252大学)、現状では通常の事務職員の人事異動の一環で異動が行われており、専門的なスキルや知識の継承に支障をきたしていた。この現状を打破する施策として、平成23年度以降URA職(教職中間職の専門職)が注目されており、URA職の設置状況についても調査した。URA類似職も含めた設置割合は12%(30大学/250大学)であったが、設置していない220大学に対してURA職の必要性について尋ねると約半数の98大学が必要と答えた。今後、我が国での研究支援の在り方がURAの活躍によって変化してくることが推察される。また、各大学の特徴的な取り組みとしては、「ブラッシュアップ制度」「インセンティブ制度」が最も多く、その他には「若手への研究費の配分」「独自の研究業績DB開発」、経費のかからない対策としては「職員による各研究室訪問による情報収集」や「ワンストップサービスの実現」といった取組があった。なお、この調査結果は報告書としてまとめており、希望があれば配布することとし、全国の大学における外部資金獲得サポート業務の新たな展開の一助になると考えている。(jm-snoguchi@kochi-u.ac.jpへ連絡していただければ配布します)(調査協力大学へは別途配布)
著者
野口 悟司 相木 一輝 藤井 雄介 藤原 道隆
雑誌
第96回日本医療機器学会大会
巻号頁・発行日
2021-12-10

2019年3月に名古屋大学附属病院が国立大学附属病院として初めてJCI(Joint Commission International)に認証された.医療機器はJCIでは「施設の管理と安全性」に分離され,主な項目は,医療機器は病院全体を通して購入から廃棄まで計画に沿って管理されているか,また,すべては台帳化され適宜・適正に更新されているか,その他,すべて機器を対象にした管理体制等を審査される.我々は当審査を受審するにあたり,数々の書類や設備を整え教育を受け準備をおこなった.しかし,本審査の目的は,評価されることにより,本来の「医療の質と患者安全の提供」を具現化することで,実際に患者にとって安全な医療機器を提供の是非を再認識するに至った.それらを実施するには臨床工学技士だけの業務範疇に止まらず,診療現場の医師や看護師,事務部門の理解と協力を無くしては対応できないと判断し,当院はそれらのことを総合的にマネジメントする医療機器総合管理部を創設した.人員構成は医療機器管理責任者(医師)を中心に専属臨床工学技士に加え,管理課職員とした.主な業務として,新規購入機器の選定と更新機器の購入計画の調整と実施,医療機器に関するインシデント報告と不具合報告の同時入力のシステムを作り,事例の対応.また,創設当初から院内の医療機器の実態把握を目的に,各部署の棚卸の実施を段階的におこない,現在,50部署の内42部署を実施した.棚卸をおこなったことで,部署の器材庫などに未使用の機器もあり,実施した部署の全体像が確認できた.また,台帳上の14,000台以上に及ぶ医療機器の点検について,コメディカルだけではなく医師や看護師の協力を得るため,当院独自の機器のリスク度や管理体制を考慮し点検クラス分類をおこない,それに準じた方法を検討して実施に向けている.今回,我々は医療機器総合管理部の創設の意義と,JCIの再審査に鑑み病院全体の医療機器を対象におこなった2年の活動の経過と課題を報告する.
著者
伏見 了 野口 悟司 船越 文男 高階 雅紀 中田 精三 田野 保雄
出版者
一般社団法人 日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.648-651, 2000-12-01 (Released:2022-02-17)
参考文献数
8
被引用文献数
10 6

Detergents contained enzymes that claim stronger washing ability and less damages are used widely for washing out blood or minute tissues adhered to various operation apparatus. It is known that enzyme protein shows maximum activity at 40℃ and is more stable when stored at the lower temperature. However, detergents contained enzymes are stored at room temperature in the most of operation theaters, and furthermore they are transported from manufacturers to any of distribution route in nonrefrigerated condition. When we measured Protease activities at 4℃ and 40℃ during 161 days storage period, the activity at 4℃ was stable but at 40℃ decreased 38.0% in average. In comparison of Protease activities at 20℃ and 40℃, the latter showed twice higher activity. When we studied the correlation between temperatures and the washing ability of detergents contained enzymes using Adenosine triphosphate as the marker, the washing ability at 40℃ was stronger than that at 20℃.
著者
直原 一徳 野口 悟 (徳富 哲) 桂 ひとみ 藤堂 剛 石川 智子
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、光依存の磁気センサータンパク質として仮説が立てられている青色光受容体「クリプトクロム」を用いて、青色光照射に伴う磁気の発生について磁気特性測定装置(MPMS3)を用いて測定することを試みた。2018年度に入って、ゼブラフィッシュ由来のクリプトクロムの一種「Zf_Cry-DASH」のタンパク質溶液を用いて青色光照射を行い、光反応に伴って形成されるラジカル状態の磁化発生をMPMS3により検出する測定を遂行した。結果としては、現在のところまだ磁気特性を示すMPMS3シグナルの検出には至っておらず、さらなる測定条件の検討が必要であると考えている。
著者
和田 倫和 松浦 知史 野口 悟 猪俣 敦夫 藤川 和利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.444, pp.89-94, 2012-02-16

センサデバイスの普及に伴い,広域に存在するセンサデータを共有する分散システムが実現しつつある.センサデータのような定期的に更新されるコンテンツは,突発的な天候の変動(夕立,突風など)により,ユーザの関心が特定のコンテンツに向かうため特定ノードにクエリが集中する可能性が高い.また時間経過によるコンテンツ人気遷移により,複製を配置する事で負荷分散を試みても,複製を配置し終えたときには他コンテンツへクエリ集中が遷移してしまう恐れがある.そこで本研究では,地理情報に基づいた効率的な複製配置手法の提案を行い,エミュレーションによる評価実験を通して,コンテンツ人気遷移に追従する負荷分散が達成できることを示す.
著者
西山 昌秀 石田 武和 野口 悟 川又 修一 加藤 勝 町 敬人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は銅酸化物高温超伝導体においてスーパークリーンな系であるYBa_2Cu_4O_8(Y-1248)単結晶を用いて、超伝導における競合秩序や隠れた秩序変数の共存などの精密な物性を明らかにすることを大きな目標として行った。実験結果の解析、実験環境の構築を主として行い、単結晶Rb_2Cu_3SnF_<12>やCu_2OCl_2試料の測定を通して、小さな試料、小さな信号に対する信号雑音比の改善に成功した。試料回転機構の構築も行った。微少単結晶に対するNMR測定の環境は整えることができ、このスーパークリーンな系であるYBa_2Cu_4O_8(Y-1248)単結晶を用いたNMRに応用し、詳細な知見を得ることが可能となっている。
著者
花村 亮 伏見 了 中田 精三 野口 悟司 高階 雅紀 水谷 綾子 門田 守人 川本 武
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, 2003-04-01

〔目的〕すべての消毒薬には蛋白質変性作用があることから,血液などで汚染された器械は十分に洗浄された後に消毒薬による処理やオートクレーブなどによる滅菌を行うことが公的機関から勧告され,成書にも記載されている.しかし,現実には汚染器械をそのまま,または簡単な洗浄の後に消毒薬に浸漬している施設が非常に多い.そこで,血液および血液成分を塗布した汚染モデルを用いて一次消毒された汚染物がその後の洗浄においていかに障害となるかを明らかにしたので報告する.〔材料〕高,中,低レベル消毒薬として日常広く使用されている8種類を用い,浸漬洗浄用洗剤には1%の酵素洗剤とアルカリ性洗剤を使用した.汚染モデルにはTOSI^【○!R】(Pereg社)を使用して洗浄後の残存蛋白質をニンヒドリン反応で確認した.〔方法および成績〕1mlの血液と4mlの消毒薬を混合すると血液中蛋白質が寒天状または遠心分離によって沈殿物を形成するほどに変性した.消毒薬未処理のTOSI^【○!R】は20分間の酵素およびアルカリ洗剤による浸漬洗浄で付着蛋白質が分解されるのに対して,消毒薬処理(30分間の浸漬)によって変性した蛋白質はほとんど分解されずに残存した.消毒薬処理したTOSI^【○!R】をウォッシャーディスインフェクタで洗浄した結果,グルタールアルデヒドおよびフタラール処理で変性蛋白質は残存していた.また,超音波洗浄した結果グルタールアルデヒド,過酢酸,フタラール,塩化ベンザルコニウムで処理した場合に変性蛋白質が残存した.〔結論〕消毒薬の作用によって血液中蛋白質が変性し,しかもこの変性蛋白質は酵素およびアルカリ性洗剤の分解作用を受けないことから洗浄の大きな障害となる.したがって,一次消毒は禁止すべきと思われる.