著者
金山 智子
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.83-113, 2004-03-31

本論文は公的扶助受給者の報道におけるメディアの役割を、メディアの儀礼的視点から考察したものである。本研究では、ニクソンからクリントン政権までの27年間にわたって米国の代表的な雑誌で報道された公的扶助関連記事について内容分析を行った。その結果、これらの報道は定期的な儀礼としての機能を帯びていることが認められ、米国に存在してきた「貧困は罪深い」という共通の信念を読者が確認する機会となっていたことが示唆された。このような信念は17世紀のイギリス社会で発生し、その伝統を引き継ぐ米国社会にも受け継がれてきたことは明らかであり、また公的扶助の受益者についての報道を読者が、習慣的かつ、儀礼的に消費する際に影響を与えていたと理解できる。公的扶助の受益者たちと社会への貢献者としての納税者という二つの異なる立場は、報道を通じて、両者間が調和されるよりは、むしろ納税者の公的扶助受給者に対する敵意を強調することになった。米国では植民地時代同様、近代においても貧困者に対する「辱め」や「卑しさ」の観念が、メディアを通じた儀礼によって継続的に示されてきたのである。
著者
灰井 康佑 牧野 仁 鹿野 恭平 互 梨奈 金山 智子 諸角 元二
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.21-26, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
12

2006年4月から2015年4月にかけて、多発性頸部椎間板ヘルニアを起こした体重10 kg以下の小型犬種19例に対し、連続した背側椎弓切除を行ったところ、術後に一過性の症状の悪化は認められたものの、全例にて歩行は改善し(平均8.5±4.72日)、合併症は認められなかった。2例のみ術後約3ヶ月経過したところで頸部痛を呈したが、保存療法にて改善した。以上のことから、小型犬種の頸部多発性椎間板ヘルニアに対する連続背側椎弓切除は有効な手術手技であると思われた。
著者
松浦 さと子 北郷 裕美 金山 智子 小川 明子 林 怡蓉 寺田 征也 志柿 浩一郎 川島 隆 松浦 哲郎 畑仲 哲雄 畑仲 哲雄 日比野 純一 橋爪 明日香 稲垣 暁
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

1992年に制度化されたコミュニティ放送局は、2016年代に入り300局を超えた。それらは、地域の地理的環境や文化的・社会的・政治的・経済的背景に適応すべく多様な運営スタイルで放送が担われている。しかし共通しているのは災害対応への期待が高いことである。特に2011年以後は「基幹放送」としてその責任が重くのしかかる。国際的なコミュニティラジオが「コミュニティの所有、運営、非営利非商業」と定義されていることに対し、日本のコミュニティ放送は、資源動員、法人形態、ジャーナリズムや番組審議会等、独自の成立条件を形成してきた。本研究では長期のフィールドワークと日本初の悉皆調査によってそれらを明らかにした。
著者
小玉 美意子 小田 原敏 アンジェロ イシ 吉田 文彦 音 好宏 鈴木 弘貴 金山 智子 中 正樹 日吉 昭彦 黄 允一 小林 直美 沈 成恩 章 蓉
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は、2008年8月に行われた北京オリンピック報道によって視聴者の対中国意識がどのように変化したか探ることを目的とし実施された。調査の結果、テレビニュース視聴者の中国(人)についての認識は、オリンピック前後で部分的に変化があったことが明らかとなった。中国(人)イメージが変化した人は直接的な経験(渡航経験や友人・知人)が無い、オリンピック前に中国に対しネガティブな印象を持っていた人がオリンピックを契機に良い印象を持ったようである。このような傾向を持つ人は若い世代が多く、今後テレビの報道内容によって、若者は中国(人)イメージが変化する余地が示唆された。中国(人)の印象が変化しにくい人は、メディア接触によって先有傾向の強化・補強が行われていることが推察された。取り上げられた出来事がインタビュー対象者自身の中国経験やイメージと結びつけられていたからである。テレビニュースは中国を発生地とする報道が全体の38.1%を占め、中国報道の議題設定や放送局別の傾向が明らかになった。視聴者はオリンピックの競技ニュースというよりは、オリンピック開催前、期間中の関連報道から中国(人)に関する情報を得ていたようである。またテレビをよく視聴した人は、新聞、インターネットなどに多く接した人よりも肯定的イメージへの変化がみられた。