著者
鈴木 康夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.378-385, 2012 (Released:2012-03-05)
参考文献数
13

Granulocyte and Monocyte Adsorption(GMA)は,本邦で開発・臨床応用された薬剤投与によらず抗炎症効果を発揮し高い安全性を有するユニークな療法で,潰瘍性大腸炎(UC)同様クローン病(CD)においても寛解導入療法の1つとして実施可能となった.しかし,汎用されているUC症例に比べ,CD症例におけるGMAの意義や最適な適応症例と実施時期に関しての検討はいまだ十分とはいえず,今後解決すべき課題と考えられる.われわれの多施設共同研究による検討では,発症早期の比較的軽症例に対しGMAを実施することで寛解導入率の向上に寄与する可能性が推測された.また,CD治療の中心的薬剤である抗TNF-α抗体製剤にGMAを組み合わせる治療法の有用性に関しても今後検討すべき課題の1つと考えられた.
著者
鈴木 康夫 井城 祥光 上原 和浩 川口 英治 中嶋 信生 濱井 龍明 原田 博司 藤井 輝也 横井 時彦 横山 幸男 日高 良一 小田 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.109-116, 2005-07-21
参考文献数
9

フィールドでのソフトウェア交換が可能になる将来を想定して、ソフトウェア無線機の開発、証明、流通、インストール関するシミュレーションシステムを製作し、検証実験を行った。
著者
梅林 健太 Lehtomaki Janne J 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.133-138, 2011-10-19

プライマリユーザとセカンダリユーザ間のダイナミックス周波数共用におけるOR-ruleに基づく協調センシングのための効率的な情報収集法の検討を行う.OR-ruleに基づく協調センシングでは,FC (Fusion Center)は少なくとも1台の協調セカンダリーユーザが"1"と判断を下したかどうかを知れば良い.よって,情報収集のために直交チャネルを割り当てることは効率的とは言えない.本稿で提案する決定融合のアプローチでは,"1"と判断したセカンダリユーザは同一のタイムスロットで正弦波(continuous wave : CW)を送り,FCはそのクイムスロット内でCWを検出した場合に最終判断を"1"とする.この情報収集では,情報収集のチャネルのゲインが高いとしても,セカンダリユーザ間信号の打ち消し合いによる情報収集の通信品質が劣化するという問題がある.この問題に対して,本稿ではセカンダリユーザヘの送信電力割り当て法を提案する.これにより,打ち消し合いの影響を軽減することが可能となる.本提案方式は,非常にシンプルであるが効果的であり,ほぼエラーフリーの情報収集が高いチャネルゲインにおいて可能であることを示す.
著者
岩崎 久雄 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.21-28, 1995-04-20
被引用文献数
7

CPW給電矩形パッチからなる片面アンテナと矩形パッチを重ね合わせた両面アンテナの入力インピーダンスと指向性を、誘電体基板の幅をパラメータとして明らかにした。また、2素子アレーアンテナを設計・試作し、入力インピーダンスと指向性を測定し、アレーアンテナの特性を実験的に明らかにした。片面・両面パッチアンテナの人力インピーダンスは、基板幅Wを短くするほど入力インピーダンスの抵抗成分は低下した。また、VSWRが2以下となる帯域幅は片面・両面アンテナとも約1.7%で従来のパッチの帯域幅と同等であった。水平面内で無指向な指向性なる基板幅Wは0.2〜0.3λ程度で、双方向な指向性となる基板幅Wは0.8λ以上であることが分かった。アレーについても、同様な結果が得られた。
著者
鈴木 康夫
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は,組立・解体が容易なリサイクル・リユース橋梁の部材連結構造を具現化するために,これまでに研究代表者らが提案してきた高力ボルト引張接合と摩擦接合を併用した新しい主桁連結構造の高強度化およびその設計法の確立を目的としたものである.フランジ連結部の構造詳細の違いが継手強度および変形性状に与える影響を検討した結果,フランジ連結部の補剛リブを主桁フランジ平行に取り付けた構造よりも垂直に取り付けた構造の方が,最大強度および最大強度字の変形量が増大し,より延性的な破壊モードとなることなどを明らかにした.さらに,従来の強度算定法よりも精度の良い曲げ強度算定法を提案した.
著者
梅林 健太 藤井 威生 ザカン タン 小野 文枝 阪口 啓 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.246, pp.65-72, 2009-10-15
被引用文献数
1

本稿では,プライマリシステム(無線LANシステム)と周波数共用を行うセカンダリシステム(Cognitive MIMO Mesh Network:CMN)の評価用シミュレータの紹介を行う.筆者らは,周波数共用を行うセカンダリシステムとして高速高信頼な無線分散ネットワークとしてCMNの検討を行ってきた.CMNは時間,空間軸で既存の無線LANシステムと高効率な周波数共用を実現する.このとき,環境認識技術として協調センシング法,占有率推定法を用い,効率的な周波数共有のためにダイナミックMACプロトコルとダイナミックルーティング法をCMNは備えている.さらに,CMNは,双方向MIMOやネットワークコーディング技術をとりいれることで,より高い周波数利用効率を達成できる.本稿では,特に環境認識技術である協調センシング法,占有率推定法と,周波数共用技術であるダイナミックMACプロトコル,ダイナミックルーティング法の紹介を行う.さらに,それらを統合したCMNの紹介と,トータルパフォーマンスを評価するために評価用シミュレータを開発したのでそれを紹介する.
著者
鈴木 康夫 岡 徹也 根路銘 国昭
出版者
静岡県立大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、インフルエンザウイルスの受容体をイメ-ジした広域性インフルエンザワクチン開発の基礎の確立目的としている。本年度は本研究の最終年度であることを鑑み、当該研究をまとめ結論を引き出すことを考慮した。今年度は、昨年度に引き続以下の成果が得られた。(1)インフルエンザウイルスレセプタ-糖鎖を簡便かつ高感度で検索する新しい方法を開発した。(2)最も病原性が高く抗原変異による流行を続けているA型インフルエンザウイルスの全ての亜型(H1ーH13)のヘマグルチニン遺伝子の塩基配列、アミノ酸配列を決定することが出来た。また、同時に各ヘマグルチニン亜型が認識するレセプタ-糖鎖を明らかにした。これにより用いた全てのA型ウイルスヘマグルチニン亜型のレセプタ-シアロ糖鎖の認識は、ヘマグルチニンの変異とは関係なくNeuAcα2,3(6)Galβ1,4GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glcβ1ー(ガングリオシドシアリルパラグロボシドが持つ糖鎖)をレセプタ-として最も強く認識することを初めて明らかにした(Virology,in press)。(3)上記共通のレセプタ-糖鎖に対するモノクロ-ナル抗体(NS24)の作成に成功した。天然および化学合成ガングリオシド誘導体を用いて調べた結果、本抗体は上記の糖鎖のみと反応し、極めて特異性の高い抗体であった(J.Biochem.,109,354ー360,1991)。(4)NS24によりインフルエンザウイルスの赤血球膜レセプタ-への吸着は効果目に阻害されることが解った。この結果からNS24はA型ウイルス共通のレセプタ-シアロ糖鎖を認識する抗体であることが判明した。(4)さらにNS24に対する抗イデイオタイプ抗体を産生するハイブリド-マの作成を試み、いくつかの抗ウイルス活性を持つクロ-ンを得ることに成功した。この結果はNS24が広域インフルエンザワクチンとして応用可能であることを示すものであり、ウイルス受容体をイメ-ジした広域性ワクチンの開発が可能であることを実証できたと考えられる。
著者
鈴木 康夫 酒井 克彦 忠政 明彦 小林 直樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
生産加工・工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.59-60, 2001-11-20
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to investigate the potential application of the cutting in the nitrogen atmosphere. In order to clarify the effects of the nitrogen atmosphere, cutting tests were carried out on plain carbon steel S45C with carbide tool. Cutting tests were conducted in the sealed chamber of which the atmosphere was changeable. Nitrogen, argon, carbon dioxide gases and air were used as the atmosphere.
著者
鈴木 康夫
出版者
静岡県立大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は本年度で終了する。本研究の目的は、インフルエンザウイルスの宿主変異機構を明らかにし、その成果をもとに新規な抗インフルエンザ薬や次世代のワクチンをデザインする実験的基盤を確立する事である。この目的は下記のとおりおおむね達成された。本研究は、インフルエンザウイルスの進化、宿主変異機構の核心を突く研究に発展しつつあり、今後さらに本研究が継続できればと願っている。1)ヒトおよび動物から分離されたインフルエンザウイルスの受容体解析によりインフルエンザウイルス宿主が持つ受容体シアル酸の分子種に(Neu54Ac,Neu5Gc)および結合様式(Neu5Ac2-3Gal,Neu5Ac2-6Gal)に結合できるものが選択されその繰り返しにより宿主変異を遂げる可能性が明らかとなった。2)その証拠としてN-グリコリルノイラン酸(Neu5Gc)分子種を気道上皮細胞に持つ動物種(ウマ、ブタ)から分離されるウイルスはすべてNeu5Gc含有糖類を受容体とすること、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)を気道上皮に持つ動物(ヒト)から分離されたウイルスはNeu5Acと結合することが分かった。3)シアル酸結合様式が異なるMDCK細胞と発育鶏卵細胞でインフルエンザ患者(ヒト)から分離したウイルスを継代すると、前者においてはNeu5Ac2-6Galを認識するウイルスが分離されるが、発育鶏卵で継代するとNeu5Ac2-3Galに強く結合するウイルスが選択されやすいことが分かった。4)インフルエンザウイルスは宿主により受容体認識の性質は変異するが、これは末端シアル酸の分子種、およびシアル酸の結合様式のみであり、どのウイルスもシアル酸α2-3(6)Galβ1-3(4)GlcNAcβ1-構造を最も強く認識するが判明した。このことから、上記糖鎖がインフルエンザウイルスに共通した受容体構造であり、この類似体および抗イデヤオタイプ抗体はウイルスの変異を克服した広域性のある抗ウイルス薬として、また受容体抗体は広域性のある次世代インフルエンザワクチンとして有効であることが実験的に明らかとなった。
著者
鈴木 康夫
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

現在、アジア、中近東、ヨーロッパ、アフリカにまで拡大と世界12力国においてヒトへ伝播した高病原性トリインフルエンザウイルスのヒトへの伝播機構の解明を目的とし、2年間で下記の結果を得た。1)中国およびベトナムでヒトから分離された高病原性トリインフルエンザウイルスは、ヒトの上気道に主に存在するウイルス受容体(シアル酸2-6ガラクトースを含む糖鎖)にも結合できる変異を遂げていることを初めて明らかにした。また、ベトナムの分離株はヒトーヒト感染が可能である臨床的成績を得た。2)抗インフルエンザ薬(タミフル:インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ阻害薬)を予防的に服用した患者から分離されたウイルスにはタミフル抵抗性株が含まれることを見いだした。3)ヒトインフルエンザウイルスの機能的レセプターであるシアリル2-6ガラクトースを生成する酵素、ヒトシアル酸転移酵素(ST6Gal)の大量発現系の構築に成功し、これを高発現させた細胞にはヒトウイルスがより効率良く感染増殖することを見いだした。4)高病原性トリインフルエンザウイルスがヒト世界でパンデミックを起こすウイルスに変異するための分子変異シグナルを同定した。すなわち、様々な分離高病原性トリインフルエンザウイルス、その変異ウイルスを用いて、高病原性トリインフルエンザウイルスヘマグルチニン分子内のわずか1〜2ヶ所のアミノ酸置換がヒト気道上に存在するシアロ糖鎖受容体認識に関わることを発見し、そのアミノ酸(182,192,139番目など)を同定した。これらの成果により、パンデミック発生を事前に予知出来ることが初めて可能となった。5)ヒト気道上皮培養細胞にはヒト間で流行しているインフルエンザウイルス(IFV)のシアロ糖鎖受容体(sialy1α2-6Ga1-)の他に、高病原性鳥IFVの受容体(sialylα2-3Ga1-)も存在することを見いだした。6)高病原性トリインフルエンザウイルスのヒトへの伝播を可能とする変異を監視する新しい技術を開発した。本方法は、高価な機器を用いないので、東南アジア諸国でも、現在流行している高病原性トリインフルエンザウイルスのヒトへの伝播を可能とする変異を監視できるものであり、今後の有効利用が期待される。
著者
鈴木 康夫
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.香港(1999年)におけるウズラおよびニワトリからのインフルエンザウイルス分離株の一部は、ヘマグルチニン(HA)分子内アミノ酸226がトリ型からヒト型へ変異していることを見出した。この結果は、自然宿主カモのウイルスが家禽宿主に伝播し、流行している間に、宿主動物の受容体糖鎖による進化上の選択を受け、HA分子内のアミノ酸置換起こり、その置換がヒト型受容体認識特異性を持った場合、ブクを介さず直接ヒトへ伝播する可能性を見出した。2.発育鶏卵しょう尿膜中に、トリまたはヒトインフルエンザHAと特異的に結合するシアロ糖脂質を発見した。また、ヒト、トリ、ブタ、ウマウイルスのいずれにも強く結合できるシアロ糖脂質も見出した。後者は、ヒト、その他の動物インフルエンザウイルス共通の受容体であることが示された。その部分化学構造も明らかにした。3.ホンコン風邪(A/1968,H3N2)の原因ウイルスイラミニダーゼスパイク(NA)は、酸性pHに安定であり、トリウイルスNAの性質を持つことを発見した。また、1968年に発生したパンデミック株(H3N2)のN2は、1971年以降に出現した流行株H3N2のN2ではないことを見出した。4.インフルエンザウイルス感染を阻害する数種の新HA阻害剤を見出した(シアリルラクトサミン含有ポリグルタミン酸、HA3量体の受容体認識ポケットにはまる新規インフルエンザウイルス感染阻害物質、水棲バクテリアから見出した中性グリセロ糖脂質他)。また、グルコサミン6-硫酸および硫酸化スフィンゴ糖脂質(スルファチド)によるNAの阻害活性を見出した。
著者
藤原 宏志 藤田 佳久 梶田 真 戸島 信一 鈴木 康夫 城倉 恒雄 根岸 裕孝
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.244-249, 2003-06-30

2002年の地域大会として10月5日〜7日にかけて上記シンポジウムを開催した.10月5日の午後に宮崎市シーガイアワールドコンベンションセンターにて講演とパネルディスカッションを開催し,6〜7日に現地視察を宮崎県南郷村・諸塚村・椎葉村・五ヶ瀬町・熊本県蘇陽町等にて実施した.はじめに,藤原宏志氏(宮崎大学長)による特別講演「焼畑文化とむらづくり」,続いて藤田佳久氏(愛知大学)による基調講演「山村政策の展開と山村の再生を巡って」が行われた.これを踏まえて4名のパネル報告と藤田氏も加わった5名による討論を行った.座長は岡橋秀典氏(広島大学),宮町良広氏(大分大学)が務めた.討論の後,矢田俊文会長による全体総括が行われた.なお,現地視察の参加者は24名,パネルディスカッションヘの参加者は70名であった.
著者
関根 秀一 前田 忠彦 岩崎 久雄 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26

携帯無線機に用いるアンテナの一つとして、バラン付きスリーブアンテナが提案されている。このアンテナは、他のアンテナに比べ設置された置体上に高周波電流をあまり流さないといった長所を有している反面、パランの取り付けが容易ではなく、しかも強い強度を持たせることが必要になるという実装上の欠点も併せ持っている。そこで本論では、上記のパランのかわりに、筐体の表面にチョーク回路を構成する方法を提案し、その有効性を実験によって検討したので報告する。