著者
長野 隆男 矢野 裕子 西成 勝好
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.344-349, 2003-08-15
被引用文献数
3 2 1

市販の絹ごし豆腐について,圧縮試験による力学物性測定と共焦点顕微鏡によるミクロ構造の観察をおこない,以下の結果を得た.<br>1) 豆腐の圧縮試験から得られた応力-歪み曲線をBST式でよくあらわすことができ,破断応力,破断歪み,ヤング率,弾性パラメーターnの4つのパラメーター値を抽出することができた.<br>2) 共焦点顕微鏡を使用することで,豆腐を固定せずにタンパク質と油滴を特異的に観察できること,1mm程度の厚さのある試料を用いてもタンパク質のネットワーク構造と油滴の状態が画像として得られることが明らかとなった.<br>3) 共焦点顕微鏡による観察結果から,市販の絹ごし豆腐は2つのグループに分けられた.すなわち,タンパク質の凝集が詰まって密にみえる「密構造タイプ」と,凝集が疎で粗い構造を示す「疎構造タイプ」である.<br>4) 「密構造タイプ」と「疎構造タイプ」の違いは,破断歪みの平均値の結果によく表されており,前者は50%より高く後者は50%より小さい値を示した.<br>5) 豆腐の力学物性測定結果は,タンパク質のネットワーク構造とよく相関し,油滴の状態との相関は低いと考えられた.弾性率,破断応力への寄与は,主にタンパク質のネットワーク構造によるためであろう.
著者
長野 隆男 矢野 裕子 西成 勝好
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.344-349, 2003-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
3 2

市販の絹ごし豆腐について,圧縮試験による力学物性測定と共焦点顕微鏡によるミクロ構造の観察をおこない,以下の結果を得た.1) 豆腐の圧縮試験から得られた応力-歪み曲線をBST式でよくあらわすことができ,破断応力,破断歪み,ヤング率,弾性パラメーターnの4つのパラメーター値を抽出することができた.2) 共焦点顕微鏡を使用することで,豆腐を固定せずにタンパク質と油滴を特異的に観察できること,1mm程度の厚さのある試料を用いてもタンパク質のネットワーク構造と油滴の状態が画像として得られることが明らかとなった.3) 共焦点顕微鏡による観察結果から,市販の絹ごし豆腐は2つのグループに分けられた.すなわち,タンパク質の凝集が詰まって密にみえる「密構造タイプ」と,凝集が疎で粗い構造を示す「疎構造タイプ」である.4) 「密構造タイプ」と「疎構造タイプ」の違いは,破断歪みの平均値の結果によく表されており,前者は50%より高く後者は50%より小さい値を示した.5) 豆腐の力学物性測定結果は,タンパク質のネットワーク構造とよく相関し,油滴の状態との相関は低いと考えられた.弾性率,破断応力への寄与は,主にタンパク質のネットワーク構造によるためであろう.

2 0 0 0 OA 豆腐と塩類

著者
長野 隆男
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.205-209, 2007 (Released:2013-02-19)
参考文献数
7

Tofu is a popular and traditional Japanese food. It is formed by the formation of heat-induced gels of soybean proteins, leading to determine its texture. Salts are used as coagulants on an industrial scale for the preparation of tofu and strongly affect the gel formation of soybean proteins. This article focuses on effects of salts on physical properties and gel structures of tofu. We explain: 1) relationship between physical properties and gel structures of commercial tofu, 2) effect of different coagulants on physical properties and gel structures of tofu, 3) effect of sodium chloride on the gel formation of soybean protein isolate, 4) effect of sodium chloride on physical properties and gel structures of tofu.
著者
長野 隆男
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.8, 2006 (Released:2006-09-07)

〔目的〕共焦点レーザー走査顕微鏡(以下,CLSM)には,厚みがある試料でもボケることなく観察できる特徴がある。そこで,CLSMを用いて,うどんの構造とデンプン粒の形状変化について観察をおこない,官能検査と力学物性測定結果との関係を検討した。〔方法〕小麦粉は,ホクシン,ASW,農林61号のもの3種類を使用して,うどん試料を作製した。官能検査は農林水産省食品総合研究所による小麦のめん適正評価法に基づいておこなった。力学物性測定は,5kgロードセルと測定ジグCooked Pasta Quality/Firmness Rig(A/LKB-F)を装着したTA-XT2iを用い,AACC Method 16-50に基づいておこなった。うどんとデンプン粒の観察はローダミンBで蛍光染色し,蛍光レーザー走査共焦点顕微鏡システム(デジタルエクリプスC1,ニコン)を使用して, 543nm(HeNeレーザー)励起で蛍光画像を取得した。〔結果〕CLSMを使用してうどん表面の観察をおこなったところ,うどん表面の網目構造が細かく万遍なく広がった構造をしているほど,官能検査で食感の評価が高くなること,力学物性測定で破断歪が高くなることが対応すると考えられた。次に,デンプン粒の加熱による変化をCLSMで観察したところ,デンプン粒の膨潤開始温度とデンプン粒の平均粒径変化の2つについて知見が得られた。さらに,デンプン粒の平均粒径が最大となるときの大きさを測定することで,デンプン粒が大きくなる程度を数値化できた。以上のことから,CLSMは,うどんの構造とデンプン粒の形状変化の観察に用いることでき,うどんの粘弾性特性の解明に有用な手法であると考えられた。
著者
長野 隆男
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.P_462-P_465, 2009 (Released:2010-02-02)
被引用文献数
1 1
著者
長野 隆
出版者
新潮社
雑誌
週刊新潮 (ISSN:04887484)
巻号頁・発行日
vol.39, no.41, 1994-10-27
著者
長野 隆治 小熊 信
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.14, no.148, pp.397-401, 1957-08-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
14
被引用文献数
1

毛細管粘度計における運動エネルギー補正項 (粘度計係数) の信頼できる値を求めることは、従来用いられている計算法では困難であった。筆者は水を用いて測定温度を多数変え (5~80℃間, 5℃ごとに) 流下時間を実測した結果, この係数をほぼ正確に求めえたのみならず, 係数および粘度計定数も流下時間とともに変化することが一応明らかになり, この結果正確な測定には上記のごとく測定点を多数とって係数を求める必要があると考えられる。
著者
長野隆編
出版者
有精堂出版
巻号頁・発行日
1992
著者
長野 隆男
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.219, 2005 (Released:2005-12-08)

目的)豆腐の製造において,異なる種類の凝固剤が使用される。本研究では,豆腐の凝固機構が異なる,塩化マグネシュウム(MgCl2)とグルコノデルタラクトン(GDL)を凝固剤に用いて豆腐を作製し,力学物性,保水性,ゲル構造について調べた。方法)一晩浸漬した大豆に蒸留水を加えて(豆に対して5倍量)ミキサーにかけ,生呉を絞り生豆乳を得た。生豆乳を,96℃,5分間加熱してすぐに室温まで冷却し,豆乳を得た。得られた豆乳に蒸留水を加えて,様々な濃度の豆乳を調製した。濃度を調製した豆乳に0.3%の凝固剤を加え,GDLを添加した豆乳は85℃,MgCl2を添加した豆乳は70℃で,それぞれ30分間加熱をおこない豆腐試料を得た。力学物性は破壊試験,保水性は遠心法,豆腐のゲル構造は共焦点レーザー走査顕微鏡による観察をおこなった。結果)豆乳固形分が,MgCl2塩添加豆腐では3.7%,GDL添加豆腐では10%以上の濃度で豆腐を形成するようになり,GDL添加豆腐の方が低い豆乳濃度で作製できた。MgCl2とGDL塩添加豆腐の両方とも,豆乳固形分の増加に伴い,力学物性値(破断応力,破断歪,ヤング率)と保水性は高くなり,タンパク質のネットワーク構造は密な構造となった。豆乳濃度が同一の条件でMgCl2とGDL添加豆腐を比べると,GDL添加豆腐の方が,力学物性値,保水性は高い結果となり,タンパク質の凝集物は小さくより均一なゲル構造であった。ゲル構造は,豆乳の濃度を低下させて豆腐を作製すると,より明らかになった。現在,豆腐の力学物性とゲル構造の関係を,詳しく解析しているところである。
著者
三村 真弓 吉富 巧修 北野 幸子 水崎 誠 藤原 志帆 伊藤 真 小長野 隆太
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、主として、幼稚園児・小学校児童・中学校生徒の音楽的リテラシーの実態調査、現在及び過去に行われた音楽的能力育成を目指した音楽教育指導法の分析と音楽的能力調査方法の分析を行った。その結果、音楽的リテラシーの発達の諸相、音楽的リテラシー育成のための必要条件等が明らかとなった。それらをもとに、音楽的リテラシーの育成を目指した小中連携の音楽科カリキュラムの試案作成を行った。
著者
長野 隆
出版者
東奥日報社
雑誌
東奥日報
巻号頁・発行日
pp.6-6, 1999-12-11

東奥日報1999年12月11日(土)夕刊6面掲載記事中の写真は未許諾のため,削除