著者
青木 泰 西岡 政子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.29, 2014 (Released:2014-12-16)

微小粒子状物質(PM2.5)は、中国の大気汚染をきっかけに世に大きく知られることになった。PM2.5は、きわめて小さく吸い込むと肺の奥まで入りやすく、肺がんやぜん息を引き起こすリスクがある。アメリカのEnvironmental Protection Agency(EPA,米環境保護庁)でも、5年に1回環境基準の見直しを行い、昨年3月、年平均15μg/m3から12μg/m3に強化した。日本でも環境省は、注意を要する暫定的な指針値を、「1日平均で1立方メートルあたり70μg」、環境基準値の2倍とした。環境基準や指針値を設け、大気中へのPM2.5の排出を抑えるためには、排出源への対策対処が不可欠である。排出源の一つである都市ごみ焼却炉への対策は、集塵装置(バグフィルター)を備えれば99・9%捕獲できるという発表(1)などもあり、知見に寄れば、具体的な対策は取られてこなかった。しかし都市ごみ焼却炉を有する市町村の清掃工場の周辺では、児童・生徒のぜん息が多発している箇所があり、都市ごみ焼却炉によるぜん息への影響を考えたい。
著者
保阪 由美子 木村 琢磨 鈴木 亮 鄭 東孝 荘司 路 青木 泰子
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.592-596, 2010-09-20 (Released:2017-08-18)
参考文献数
15

A 64-year-old man with prostate cancer and bone metastasis admitted for nausea, left abdominal pain showed no abnormal, and fever, abdominal ultrasound or chest X-ray findings. Despite antibiotics, left abdominal pain persisted for several days. Abdominal computed tomography (CT), showed splenic infarction. Transesophageal echocardiography suggested infectious endocarditis (IE) as a possible infarction cause, and roth spots were found on the retina. Gemella morbillorum was detected from blood culture. IE commonly causes Fever of Unknown Origin found by infarction. G. morbillorum, an anaerobic grampositive, viridans group streptococci, is indigenous to the oropharynx, upper respiratory, urogenital, and gastrointestinal tracts, and is thought to have weak toxity and pathogenicity in the body.
著者
海宝 雄人 齊藤 正昭 角田 慎輔 青木 泰斗 青柳 智義 池田 憲政 三浦 文彦 松原 久裕
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1853-1857, 2012-06-20
参考文献数
10

【背景・目的】内視鏡による胃液pH検査は酸関連疾患の研究にしばしば用いられる.ぶどうジュースにはpHにより色調が変化する色素が含まれており,これを利用した内視鏡による胃液pHの評価を試みた.<BR>【方法】咽頭麻酔時にぶどうジュースを投与し前処置をおこなった.その後内視鏡検査時にモニターでの胃液の色調評価,胃液の採取およびpH測定を行った.<BR>【結果】胃液の色調は赤色,黒青色,透明~白色,黄色の4つに分類した.黄色と透明~白色以外のすべての色間でpH値は有意差を示した.赤色および透明~白色では酸性であり,黒青色は弱酸性から中性であった.<BR>【結論】胃液pH測定は胃酸関連疾患の病態生理を知るうえで有意義である.本法により容易かつ安全に多くの症例で大まかな胃液pHの評価が可能である.
著者
鍋谷 圭宏 青木 泰斗 谷澤 豊 落合 武徳
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.1725-1732, 2006-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15
被引用文献数
2

胃切除術後の経口摂取熱量を増やす目的で,主・副食をともに半量にした「ハーフ食」を自由摂食とし,栄養調整食インパクト™を間食とした新しい栄養管理法を47例の開腹胃切除術周術期に行った(H群).その有用性を,従来の全量粥食で摂取量を規定して管理した23症例(C群)と比較して評価した. H群では,退院直前の経口摂取熱量(1171±147kcal/日)がC群(896±163kcal/日)に比べて有意に増加し,ハーフ食からの摂取熱量に個人差が少ない傾向を認めた.しかし, H群でも熱量充足率には個人差が大きく,胃全摘術後症例では幽門側胃切除術後症例に比べて経口摂取熱量が有意に少なかった.われわれの新しい栄養管理法は,胃切除術クリニカルパスへの導入に適した統一化された方法として期待されるが,経口摂取アウトカム・目標熱量の設定や経口摂取状況の評価は術式や個人差を考慮して個別化すべきであると思われる.
著者
持田 灯 富永 禎秀 佐藤 洋 吉野 博 高橋 正男 青木 泰伸 清水 敬二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、産業廃棄物(酸性白土から石鹸等の化学製品を製造する過程で生成される土塊(粒径5〜30mm)。無害)を散布することにより、地表面の粗度長を大きくして地表面付近の風速を減じ、飛砂発生を制御するという新しいタイプの飛砂防止対策の実用化を図った。(1)沿岸部の飛砂の実態調査・沿岸部の砂地における飛砂の現状を、風速・風向・飛砂量等の長期測定等により調べた。(2)飛砂に関する風洞実験・風洞内に砂を敷き詰め、風速を段階的に増加させることにより、限界風速・限界摩擦速度等に関するデータを採取した。・次に、風洞床面上に砂を敷き詰め、産業廃棄物の土塊を散布し、その飛砂防止効果を確認した。(3)CFDによる飛砂メカニズムの解明・CFDにより、上部風速と地表面の粗度及び砂面限界摩擦速度等の関係、周辺の地形や建物の影響等について系統的に検討した。(4)飛砂防止工法の最適化・上記(2)、(3)の結果をもとに、本飛砂防止工法で散布する土塊の粒径、散布密度、散布位置の最適化を行った。(5)現場測定による本工法の有効性の検証・実際の砂地造成地に、産業廃棄物である土塊を散布し、風速・飛砂量の測定結果により、本工法の飛砂防止効果を確認。また砂地緑化の効果を確認するために、砂地や砂浜に種子を植え、生育状況を観察した。(7)効率的な施工方法の検討・今回の飛砂防止方法では、土塊をいかに均一に安価に散布するかも重要な問題となる。ここでは建設工事用のクローラダンプを応用した施工方法を開発し、試験施工によりその有効性を確認した。