著者
森本 康彦 稲垣 忠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.42030, (Released:2017-12-18)
参考文献数
38

2020年から順次実施される新学習指導要領では,小・中・高等学校を通して「主体的・対話的で深い学び」を実現することの意義や授業改善の重要性が強調され,それに合わせるように,高大接続改革の中で,多面的・総合的に評価,判定する大学入学者選抜への転換が図られようとしている.この継続的に行われる主体的・対話的で深い学びと,その先にある高大接続を成功に導くためには,児童生徒の学習や活動の過程において学習記録データ(eポートフォリオ)を密に収集し,それらデータを用いて分析,見える化する「ラーニング・アナリティクス」による支援が有効であると考えられる.そこで,本論文では,主体的・対話的で深い学びと,高大接続改革に注目し,初等中等教育におけるラーニング・アナリティクスの現状と課題について整理し,その展望について述べる.
著者
森本 康彦
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.245-263, 2008-09-30 (Released:2019-04-09)
参考文献数
102
被引用文献数
5
著者
森本 康彦
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.18-27, 2015-06-01 (Released:2015-12-01)
被引用文献数
1

高等教育機関を中心に,教育の質保証・質向上の実現のためにeポートフォリオが急速に導入され,初等中等教育においても,学びの過程で生成される児童生徒の学習記録をICT機器を用いて蓄積し,いわゆるeポートフォリオとして学習指導や学習評価に活かそうとする取り組みが始まっている。一方,学習行動ログやICTの操作ログなどの学習履歴データを分析・可視化するラーニングアナリティクスが注目を集めている。しかし,ラーニングアナリティクスにおいて,どんな意味のある有用なデータをeポートフォリオとして蓄積・分析し,学習者にどのように提示すべきかなどの教育的観点からの議論は十分にされていない。そこで,本論文では,eポートフォリオを活用した学習におけるラーニングアナリティクスについて明らかにする。さらに,教育ビッグデータのあり方について言及するとともに,教育ビッグデータに対応した新時代のeポートフォリオシステムのコンセプトである「eポートフォリオ2.0」について説明する。
著者
小川 美奈恵 森本 康彦 北澤 武 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.265-275, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究の目的は,ICT活用指導力の向上のための学習モデルを開発することである.教育の情報化の進展に伴い,求められているICT活用指導力の向上のために,多様なICT活用について気づきを与えられる「間違い探し」動画教材の作成と閲覧による学習モデルを開発し,その効果を明らかにするために,教員養成課程に在籍する学生と,教職大学院の現職教員に対して実践,評価を行った.評価の結果,「間違い探し」動画教材作成・閲覧前後でICT活用に関するマインドマップの有意な上昇,ICT活用指導力チェックリストの領域Bの全項目で得点の有意な上昇が認められた.また,自由記述から,教員養成課程の学生における「間違い探し」動画教材作成・閲覧だけでなく,現職教員においても「間違い探し」動画教材の閲覧を行うことで,客観的に指導について考察でき,ICT活用に関する知識を身につけさせることが可能であることが示唆された.
著者
森本 康彦 喜久川 功 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.227-236, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
15
被引用文献数
2

eポートフォリオを扱う既存システムは,eポートフォリオ間の関係の管理が困難なため,収集した学習成果物や学習記録と評価活動との対応が取りにくく,学習と評価が切り離されてしまう傾向がある.その結果,学習者は,自身の学習プロセスを把握しにくくなり,eポートフォリオの再利用の促進の妨げとなっている.本研究では,この問題点を解決するシステムの実現を目的とし,eポートフォリオを用いた学習と評価に必要なエビデンス群を有意味な単位で蓄積するための形式的な枠組みを有するeポートフォリオ蓄積文法と,開発した蓄積文法に基づくシステムを開発した.蓄積文法を導入することで,有意味なルールに則り,学習と評価を切り離さずに好ましい構造を保ちながら機械的にeポートフォリオを扱うことが可能なシステムの実現が期待できる.システム評価の結果から,本システムは,学習と評価の一体化を損なわずに,学習プロセス把握,eポートフォリオの再利用を支援し,学習者のリフレクションの誘発を促進することが示された.
著者
太目 弘樹 森本 康彦 丸山 浩平 北澤 武 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.193-196, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
7

本研究では,e ポートフォリオを活用した授業において,学習者の学習プロセスの振り返りを促進することを目的とする.具体的には,学習者が作成・収集したe ポートフォリオを活用して,自身の学習プロセスを通して何を学び,どのように変容したかをストーリー立ててまとめる「ストーリー・ポートフォリオ」を提案し,ストーリー・ポートフォリオ作成が学習プロセスの振り返りに与える影響を検証する.その結果,ストーリー・ポートフォリオの作成を付加した際には, 学習者の学びの気づきや状況を想起させ,何がどう変容し成長したかの振り返りを促進させる効果があることが示された.
著者
張 セイ 森本 康彦 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.177-180, 2012

近年,自己調整学習を支援するシステムが開発されているが,初歩の自己調整者に特化した支援が不十分なため,自己調整学習に不慣れな学習者には扱いにくいシステムとなっていた.そこで,本研究では,この問題点を解決するため,初歩の自己調整者の学習プロセスを通して自己調整学習を支援するシステムを開発した.本システムは,足場かけ/足場外しを半自動化することで自己調整者の上達を促すことを特徴とする.評価の結果,本システムは,自己調整学習を効果的に支援することが示され,問題点の解決の可能性が示された.
著者
児玉 啓浩 森本 康彦 中村 勝一 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.453, pp.151-156, 2011-02-25

大学における研究活動では,発生する多様な情報を蓄積・活用することが重要である.しかし,研究初学者にとって,これらの蓄積された情報を効率的に活用することは容易ではない.そこで本研究では,ユーザの活動場面に適応的な情報抽出と視覚的提示手法を搭載した研究活動支援システムを開発する.これを達成するためにオペレータモデルを開発する.このオペレータは,活動場面と視覚提示制約によって,適応的な情報抽出と視覚的提示,促進メッセージ提示を行う.これにより,ユーザの活動場面に則した研究情報の抽出と,それらの効果的な活用を支援することが期待できる.本稿では,オペレータの定義と支援システムの開発について述べる.
著者
植野 真臣 森本 康彦 藤原 康宏 永森 正仁 橋本 貴充 安間 文彦 安藤 雅洋
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本eポートフォリオ・システムの特徴は、(1)個人のeポートフォリオを構造化し、ハイパーリンクでつなぐことにより、多様なパスで有用な他者情報の発見を支援する、(2)高度な検索機能により、キーワード検索、過去の優秀なレポートやテスト成績の良い学習者、相互評価の高い学習者などが容易に検索できる、(3)すべての階層で多様なアセスメント機能が用意されており、自己のリフレクションを誘発するだけでなく、優秀な他の学習者の発見に利用できる、などが挙げられる。実データより、本システムの有効性を示す。
著者
森本 康彦 植野 真臣 柴田 晋吾 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.581, pp.25-30, 2006-01-21
被引用文献数
1

現在e-Learningシステムの主流となっているWBTの学習コンテンツについて記述する標準規格としてSCORMがある. しかしSCORMは, 教師が通常の授業で行っているような, 学習者の状況に応じて学習者同士で議論させたり, 個別の質問に応じたりという, 本来授業に必須となる学習者のインタラクションによる学習状態遷移を記述することができない. そこで, 本論文では, e-Learning上で, 学習者のインタラクションを中心とした授業を実現させることを目的とし, 現在のSCORMに学習者のインタラクションによる学習状態遷移と各状態でのコントロールを記述する枠組みを追加した(SCORM-LST). さらに, SCORM-LSTに基づくLMSについて提案した. このLMSは, 学習者のインタラクションと教師のコントロールを容易に実現でき, クラスルーム的な授業の展開を可能にする. さらにLMSの標準化とそれを使った教育支援システムの発展が期待できる.
著者
高橋 正行 森本 康彦 植野 真臣 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.47, pp.19-24, 2005-05-07
被引用文献数
1

本研究では, e-Learningを用いて複数の学習者が一斉に同期的に授業を受けながらも個に応じることのできる授業を実現させることを目的とする.本研究が目指す授業の実現には, 授業中の学習者のさまざまな状態に応じて教師が適切な行動をとる必要がある.しかし学習者の行動と状況に対応した適切な教師の行動のバリエーションは多く存在しており, このことがe-Learningシステムの開発を困難にしている.そこで, 本論文では, 学習者の行動と状態を基にした学習状態遷移図と, それを形式的に記述する手法を提案する.本手法で記述した遷移図は, 学習者の行動, 状態, 教師(システム)の動作が明示的に記述できるため, e-Learningシステムの設計・開発の遂行を容易にすると考えられる.
著者
福田 剛志 森下真一 森本康彦 徳山 豪
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.72, pp.1-8, 1996-07-26

データベースからの決定木の構成において、数値属性の取り扱いは非常に難しいとされていた。実際、有名なエントロピーを用いた決定木構成法について、発案者のQuinlan自身、多くの数値属性があるデータに対しては効率を保証できないことを指摘している。この問題に対する解決法として、最適化問題として数理モデル化した二次元関連ルールを分岐法則に使う方法を提案し、効率的な決定本の構成法を、プロトタイプシステムをデータマイニングシステムSONAR(ystem for Optimized Numeric Association Rule)のサブシステムとして実現した。ここでは、数理的側面からの理論的裏付けと実験結果を報告する。We propose an extension of an entropy-based heuristic of Quinlan [Q93] for constructing a decision tree from a large database with many numeric attributes. Quinlan pointed out that his original method (as well as other existing methods) may be inefficient if any numeric attributes are strongly correlated. Our approach offers one solution to this problem. For each pair of numeric attributes with strong correlation, we compute a two-dimensional association rule with respect to these attributes and the objective attribute of the decision tree. In particular, we consider a family R of grid-regions in the plane associated with the pair of attributes For R ∈ R, the data can be split into two classes: data inside R and data outside R. We compute the region R_<opt> ∈ R that minimizes the entropy of the splitting, and add the splitting associated with R_<opt> (for each pair of strongly correlated attributes) to the set of candidate tests in Quinlan's entropy-based heuristic. We give efficient algorithms for cases in which R is (1) x-monotone connected regions, (2) based-monotone regions, (3) rectangles, and (4) rectilinear convex regions. The algorithm for the first case has been implemented as a subsystem of SONAR(System for Optimized Numeric Association Rules) developed by the authors. Tests show that our approach can create small-sized decision trees.