著者
田中 裕 杉原 麻理恵 津曲 俊太郎 高松 伸枝 栗原 和幸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1011-1015, 2017

<p>症例は12歳の女児.食物摂取後の運動負荷によるアナフィラキシー症状を繰り返したため, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIAn)を疑い原因食物の精査を行った.症状誘発時に摂取頻度の高かった卵・乳・大豆と, FDEIAnの原因食物として頻度の高い小麦について, それぞれの食物摂取後の運動負荷試験を施行したが全て陰性であった.詳細な問診から4回のエピソードで温州みかんを摂取していたことや, 同じ柑橘類であるオレンジ・グレープフルーツの特異的IgEが陽性であったこと, スキンプリックテスト(skin prick test, SPT)が陽性であったことから温州みかんを原因食物として疑い, アスピリンを併用した温州みかん摂取後の運動負荷試験を行ったところアナフィラキシー症状が誘発されたため, 温州みかんによるFDEIAnと診断した.多数の柑橘類でSPT陽性を示したため柑橘類の完全除去を指示したところ, それ以後アナフィラキシー症状は認めていない.FDEIAnの原因食物として柑橘類も認識しておく必要がある.</p>
著者
田中 裕 杉原 麻理恵 津曲 俊太郎 高松 伸枝 栗原 和幸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1011-1015, 2017 (Released:2017-09-14)
参考文献数
26

症例は12歳の女児.食物摂取後の運動負荷によるアナフィラキシー症状を繰り返したため, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIAn)を疑い原因食物の精査を行った.症状誘発時に摂取頻度の高かった卵・乳・大豆と, FDEIAnの原因食物として頻度の高い小麦について, それぞれの食物摂取後の運動負荷試験を施行したが全て陰性であった.詳細な問診から4回のエピソードで温州みかんを摂取していたことや, 同じ柑橘類であるオレンジ・グレープフルーツの特異的IgEが陽性であったこと, スキンプリックテスト(skin prick test, SPT)が陽性であったことから温州みかんを原因食物として疑い, アスピリンを併用した温州みかん摂取後の運動負荷試験を行ったところアナフィラキシー症状が誘発されたため, 温州みかんによるFDEIAnと診断した.多数の柑橘類でSPT陽性を示したため柑橘類の完全除去を指示したところ, それ以後アナフィラキシー症状は認めていない.FDEIAnの原因食物として柑橘類も認識しておく必要がある.
著者
西澤 千惠子 中村 佳織 高松 伸枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.144, 2010

【〈B〉目的〈B〉】だんご汁は大分県の郷土料理としてよく知られているが、レシピに関する約束事はない。そこで大分県におけるだんご汁の実態を明らかにするため、大学生とその保護者を対象にアンケート調査を行った。〈BR〉【〈B〉方法〈B〉】別府市にある4年制の大学生と保護者を対象に、平成21年12月にアンケート用紙を配布し、自己記入式で回答してもらった。平成22年1月に回収し、データを整理した。〈BR〉【〈B〉結果と考察〈B〉】回答者は大分県出身者のみを対象とした。地域別では大分市周辺に住んでいる人が50%となり、大分県の人口分布とほぼ一致した。回答者の性別は女性が89%で、保護者の年代は40代が50%を占めた。大学生と保護者の全員がだんご汁を知っていて、84%が最近食べていた。このうち内食は74%であった。だんごの形状はひも状が73%で最も多く、次いで団子状、手で握ったものの順で、だし汁は煮干し(いりこ)で35%、昆布で25%がとっていた。60%以上がにんじん、大根、里芋、ごぼう、ねぎ、しいたけ、白菜を使っていた。また味付けは合わせみそが65%であった。以上のことから大分県人が普段食べている「だんご汁」は煮干し出汁あるいは昆布だしに合わせみそで味を付け、大根、里芋、ごぼう、ねぎ、しいたけ、白菜と、ひも状のだんごが入っているものであった。なお大学生と保護者間には有意差はなかった。
著者
西野 佐弥香 高松 伸 古阪 秀三 平野 吉信
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.659, pp.149-157, 2011-01-30 (Released:2011-03-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1 4

Today in Japan, there happens emergence of various professions and diversification of delivery systems. However, some points of the current building system don't accommodate to such changes, so it could cause damage to buildings' quality. To this matter, this study treats cooperation between participants in a building project as one way of enhancing buildings' quality. In these days, designers and constructors had close communication and realized high quality buildings in many projects. So the purpose of this study is to show a decision making process of design contents in Kyoto Takaragaike Prince Hotel led by Togo Murano and to consider how designers and other participants, especially constructors cooperated in this project.
著者
西野 佐弥香 高松 伸 古阪 秀三 平野 吉信
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.654, pp.1979-1986, 2010-08-30 (Released:2010-10-08)
参考文献数
23
被引用文献数
2 4

Today, there are some problems in construction projects, for example, insufficient communication between designers and constructers, confusion about roles and responsibilities, and so on. On the other hand, in these days, designers and constructers had close communication and realized high quality buildings in many projects. This study aims to show a decision making process of design contents in such projects. As a typical one, this study deals with Tokyo Metropolitan Art museum designed by Mayekawa Associates, Architects & Engineers, based on interviews to parties and examinations of drawings and specifications and shop drawings.
著者
小野 倫太郎 本村 知華子 高松 伸枝 近藤 康人 赤峰 裕子 松崎 寛司 村上 洋子 網本 裕子 田場 直彦 本荘 哲 柴田 瑠美子 小田 嶋博
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.149-155, 2015 (Released:2015-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は10歳女児.柑橘類を摂取後の運動負荷でアナフィラキシーを起したエピソードを3回認めた.柑橘類による食物依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)を疑い,負荷試験を行った.オレンジ摂取と運動負荷の組み合わせは陰性であったが,アスピリン内服とオレンジ摂取の組み合わせで眼瞼腫脹,喘鳴を認め,オレンジによるFDEIAと診断した.フルーツアレルギーではOral allergy syndrome(OAS)の症例が多く,FDEIAは稀である.本症例ではイムノブロット法にて9kDa,39kDa,53kDaの抗原を認め,オレンジによるインヒビションにて39kDa,53kDaの抗原が特異抗原アレルゲンと考えた.本症例はスギ特異的IgE抗体強陽性であったが,スギ抗原とは共通抗原性は認めなかった.オレンジ抗原として知られるCit s群とは異なる39kDa,53kDa蛋白が原因となるFDEIAは報告がない.