著者
黒田 基樹
出版者
駿河台大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

実績概要今年度における史料蒐集については、白河市小峰城博物館、静岡市徳願寺、藤枝市郷土博物館、藤枝市円領寺、静岡県立中央図書館静岡県歴史文化情報センター、弘前市立図書館、日光市歴史民俗資料館、高岡市立博物館、糸魚川市歴史民俗資料館において調査・撮影し、関係史料を蒐集した。またさくら市ミュージアムで古河公方足利家関係展示の見学を行った。このうち白河市小峰城博物館においては「結城白河文書」の調査を行い、室町期・戦国期の関東に関する史料について熟覧のうえ撮影を行った。その他、静岡市安養寺、御前崎市中山家文書、彦根城博物館所蔵井伊家文書・木俣家文書・三浦家文書について、写真提供をうけた。これらの調査・蒐集により、重要文書の確認、実見を行うことができ、貴重な史料の蒐集と調査を行いえた。刊本史料集の検索については、前年度に引き続いてすすめた。刊本史料集から関係文書を検出し、入力作業をすすめている。研究会についてはコロナ禍のため開催することはできなかった。ただし研究成果の蓄積はすすめており、その成果については、今年度刊行を予定している『古河公方足利成氏・政氏とその時代』『北条氏康とその時代』を編集し、原稿を出版社に入稿済みである。またそこにおいて、足利成氏・政氏の発給文書の総編年化作業についてはほぼ完了するものとなっている。
著者
大磯 一 依田 高典 黒田 敏史
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.37-47, 2021 (Released:2022-01-28)
参考文献数
29

プライバシー保護とデジタルサービス利用を推進する政策の探求の観点から、マイナンバーカー ド、COCOA、LINE、スマートスピーカーの4 種類のサービスについて、約1400~2400 のオンラ イン調査回答を用いて、サービス採用行動とプライバシーリスク感覚(リスク感覚)について分 析した。 採用行動分析では、主観確率で計測したリスク感覚、利便性評価、主観利用率及び新デジタル 製品への積極性が採用確率との間で有意の関係であること、リスク感覚は最大で6~10%ポイン ト程度の採用確率の変動をもたらすことが分かった。 リスク感覚の分析では、リテラシーとリスク感覚緩和の間の関係を確認したほか、スマートス ピーカー以外の3 サービスについて、オンライン事業者への信頼、個人情報保護制度への信頼及 び漏えい等ニュースが多いという感覚がリスク感覚の緩和と関係することを発見した。スマート スピーカーについては、インターネット上のトラブル経験とリスク感覚緩和の関係性を示した。 トラブル等の「悪い」情報と制度の対応状況や再発防止策等の情報の提供により、信頼・リテ ラシーの向上とリスク感覚の緩和、採用行動促進が可能と考えられる。
著者
黒田 洪平 齊藤 兆古
出版者
法政大学情報メディア教育研究センター
雑誌
法政大学情報メディア教育研究センター研究報告 (ISSN:18807526)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.79-82, 2007-03-20

電気電子機器に使用される全ての導体における高周波動作は表皮効果を喚起させてしまう.特に現代の高速なコンピュータ内部の高周波駆動するバスは熱損を引き起こす大きな表皮効果が起きる。本論文では、我々は多様な断面形状持つ導体高周波な電流を流した時の表皮効果の可視化を試みる。表皮効果の可視化により,電流分布が均一になるような最適な断面形状を持つ導体の探求を試みる。つまり銅損の可能な限り最小にする導体断面形状の最適化ということを意味する。 表皮効果などの電流分布の可視化することはヘルムホルツ方程式を解くことを本質としている。我々は等価回路を用いることにより変微分方程式を減らす準解析的手法を採用する。等価回路に流れる枝電流を求めることによって電流分布の可視化を行う。
著者
黒田 重徳 小山 喜久二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.503, pp.197-205, 1994-11-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

ダム貯水池に浮遊する流木は発電等の取水支障や水の流れの妨げにもなるため, 日頃から流木を貯水池から引き揚げて処理・処分することはダム保守管理の重要な業務の一つである. しかし, この処理・処分にはたいへんな費用を伴うため苦慮しているダムは数多い. そこで, 本文では, これらの流木を再資源化して有効利用する方法の一つとして, 流木の特性に着目した木炭化による再資源化利用を提案する.
著者
黒田 兼一
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第89集 日本的経営の現在─日本的経営の何を残し,何を変えるか─ (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.47-56, 2019 (Released:2019-09-26)

本論文は「日本的経営」の現在を人事労務管理の面から考察する。人事労務管理を,労働者の動員システム,「合意」形成システム,労働者の支配システムとして,その現状を問う。敗戦直後からの混乱を経て,日本の人事労務管理は,日本の労働者の意識と感情を管理のなかに取り込んだ「ヒト基準」の「動員システム」であった。一般に「終身雇用と年功制」と理解されているが,各人の「能力」を「平等」に扱い,その能力を相互に発揮させる「競争民主主義的」な支配システムであった。ところがバブル崩壊以降から現在まで続く人事労務管理「改革」は,その「ヒト基準」の特徴を削ぎ落とすものである。「仕事基準」を基本とした「自己責任とフレキシブル化」の支配システムといえる。だが,それは安定的に機能していない。雇用形態にかかわらず「従業員として正当に公平に扱う」ことが極度に後退しているからである。森岡孝二が指摘した「雇用身分社会」の雇用と処遇をめぐる「動員システム」を「ヒト基準」からどのように立て直すか。これからの重要な課題である。