著者
舘 和幸
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.9-16, 2021

<p>エア霧化塗装,回転霧化静電塗装について,被塗装面の近傍領域における塗料粒子の状態(径,比電荷,速度)と塗料粒子の飛行空間の状態(エア速度,電界強度など)を二次元でモデル化し,塗着効率が全塗料粒子の単なる軌道の問題としてシミュレーションで求められることを示した。さらに,その結果に基づき,実用面において塗着効率を向上させるためには,塗料の微粒化の最適化,比電荷や電界強度の増大,さらに必要に応じてパターンの狭小化が有効なことを説明した。また,塗着効率100%の塗装技術として期待されるインクジェット塗装は,生産性(時間当たりの塗装面積)が飛躍的に向上しない限り,自動車ボデーの塗装工程での採用は難しいことを示した。</p>

1 0 0 0 塗膜の割れ

著者
佐藤 弘三
出版者
色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.558-569, 1982
著者
松下 祥子 河井 妙保 橋本 麻希
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.7-11, 2011-01-20
参考文献数
25

現在の世界的な問題の一つとして,科学・技術による使用エネルギー量増加の問題が挙げられる。多くの諸国が先進国並みの技術を獲得し,場合によっては先進国を凌駕し,多くの利便性を得るとともに多くのエネルギーを消費している。本問題の解決策として注目を集めているのが自己集積・自己組織化プロセスである。本稿では,固体表面に形成される溶液の薄膜を利用して微粒子を自己集積的に二次元に配列させる手法の一つ,移流集積法について,温度・湿度ならびに物理的・化学的界面特性変化による配列の違いを紹介する。また,その配列体(二次元コロイド結晶,二次元微粒子アレイ,二次元自己集積体,粒子膜などと呼ばれている)と応用についても,ごく簡単に紹介する。
著者
澤田 彩音 佐野 百香 野々村 美宗
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.10, pp.309-314, 2020-10-20 (Released:2020-10-27)
参考文献数
12

筆はさまざまなメイクアッププロセスで使用される。しかし,メイクがなされる際の動きや力の入れ具合について定量的な解析はほとんどされておらず,メイクのしやすさや仕上がりの上手下手を支配する因子についてはほとんどわかっていない。われわれは,サンプル台に置かれたネイルチップに筆で線を描くプロセスを高速カメラで観察しながら,チップに加わる垂直力と摩擦力をセンシングするシステムを開発した。さらに,このシステムを用いて20名の被験者がチップ上に市販のネイルエナメルを用いて1本の線を描いたときの運動と仕上がりの関係を解析した。その結果,塗布開始直後に垂直力を徐々に強めながら,目的に合った線を引くための力の入れ具合や筆の角度の調整が行われると,幅が均一で真っ直ぐな線を引くことが可能になることが示唆された。本研究の成果は,メイクの仕上がりの支配因子を明らかにするうえで有用である。
著者
山碕 昌夫
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.124-130, 1979-03-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11
著者
渡部 修
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.350-354, 2004-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
9

従来, 経験的に評価されてきた漆の硬化反応と温度と湿度との関係を改めて科学的に評価した。その結果, 漆の硬化反応には酵素反応によるものと加熱によるものの二つの反応があることがわかった。二つの反応系を考慮することにより, 良くわからなかった硬化にともなう諸現象や塗膜性状の違いを理解できるようになった。
著者
坪田 実
出版者
色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.164-175, 1989
著者
酒井 俊郎 占部 峻輔 瀬尾 桂太
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.333-339, 2016-10-20 (Released:2017-01-20)
参考文献数
31
被引用文献数
3

分散媒となる炭化水素油(オクタン,ドデカン,ヘキサデカン)に植物油(大豆油)を混合すると,界面活性剤などの乳化剤を使用しなくても油中水滴型(W/O)エマルションが分散安定化できることを明らかとした。たとえば,オクタンを分散媒としたW/Oエマルションを乳化剤を使用せずに調製した場合(乳化剤フリーW/Oエマルション),調製直後は乳濁状態であるが2時間経過するとほぼ透明状態となる。つまり,乳化剤フリーW/Oエマルションは調製後2時間程度で油と水に分離する。一方で,オクタンに大豆油を重量分率で0.2混合すると,調製後12時間を経過しても乳化剤フリーW/Oエマルションは乳濁状態を維持していた。さらに,オクタン中の大豆油の含有率が増加すると,乳化剤フリーW/Oエマルション調製後12時間を経過しても乳濁状態はほとんど変化しないことが明らかとなった。また,高級脂肪酸(リノール酸,オレイン酸,ステアリン酸,パルミチン酸)をオクタンに混合しても,乳化剤フリーW/Oエマルションの分散安定性が向上することも明らかとなった。
著者
池谷 太一
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.378-386, 2010-09-20 (Released:2010-12-20)
参考文献数
17

木材は長年使われ続けてきた優れた材料の一つである。強度バランスが良い,人に優しい,再生産可能な資源等さまざまな見方ができる。ここでは天然材料であり個性に富んだ美しい木目を意匠素材として活かす塗装方法について述べる。木材組織の不均一性,変化が美しい杢になること,多孔質,含水率変化による木材の変形が平滑性に与える影響,限りある木材を化粧単板にして有効活用することなどに触れる。木目を活かした家具塗装例としてオイルフィニッシュ塗装,ウレタンクローズドポア塗装,ラッカーアンティーク塗装を簡単に説明する。その後,透明で木目がよく見える木地塗りポリエステル鏡面研磨仕上げについて自動車内装部品を例に工程順に述べる。基材構成,染料および顔料着色剤,不飽和ポリエステル樹脂塗料の特徴,ペーパー研磨,バフ研磨の摩擦熱の影響など図を交えて解説した。
著者
田中 巧
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.47-53, 2016-02-20 (Released:2016-05-20)
参考文献数
14

化粧料用の表面処理技術はここ約30年で飛躍的に発展してきた。耐水性・耐油性の向上による化粧崩れの防止,感触の改良,皮膚への付着性の向上,などを目的として行われてきた。本報では,とくに水にかかわる無機顔料粉体の表面処理の及ぼす特徴について述べる。とくに,水分散性の向上を図るカチオンポリマー,また,pH応答性能を有するアニオンポリマーでの表面処理顔料の特性について,結果を報告する。さらに,ポリアクリル酸エステル球状粒子の加水分解による表面改質で表面にカルボキシル基グループを導入することで,もともと疎水性であったポリアクリル酸エステル球状粒子を親水化するとともに,この粒子を水に分散させるとこの表面に未処理無機酸化物顔料粒子がきれいに付着して水に分散できることを見いだした。また,ジェミニ型化合物の表面処理では,界面活性剤なしで液状エマルジョン化できることも見いだしたので報告する。
著者
鈴木 洋
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.47-51, 2011-02-20 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11

インクなど(含色材流体)の塗布プロセスを考えるうえで,流体の流動特性について知ることは重要である。インクの多くは色素微粒子が溶媒(分散媒)に懸濁された状態(サスペンジョン)であり,一般に通常知られている水や空気のような単純な粘度特性を示さない。乾式である場合にも同様である。また媒体によっては粘弾性という特殊な性質を示す場合があり,この場合にはより複雑な流動特性が発現する。ここではこれら特殊な流体を取り扱うレオロジーに基づき,かかる複雑流体の基礎的な流動特性について解説する。
著者
酒井 健一 西山 広徳 小椋 孝介 黒木 悠平 遠藤 健司 土屋 好司 酒井 秀樹 阿部 正彦
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.317-320, 2012-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

モノメリック型(一鎖一親水基型)界面活性剤およびジェミニ型(二鎖二親水基型)界面活性剤の水中における分子集合体形成に及ぼす重合性基の影響を検討した。その結果,非重合性のモノメリック型(UTAB),重合性のモノメリック型(PC11)および非重合性のジェミニ型(11-6-11)の相状態は,低濃度側からミセル溶液(Wm)相-二相共存領域(II)-ヘキサゴナル液晶(H1)相-ラメラゲル(Lβ)相と変化した。一方,重合性のジェミニ型(PC11-6-11)の相状態は,H1相とLβ相との間にラメラ液晶(Lα)相が出現し,低濃度側からWm-II-H1-Lα-Lβ相となった。モノメリック型とジェミニ型界面活性剤のどちらの場合も,それらの疎水基末端に重合性基が存在することによりH1相の形成濃度が上昇した。また,ジェミニ型構造を有する界面活性剤は,モノメリック型の界面活性剤の場合よりもH1相を形成する濃度(物質量で規格化)が低くなった。
著者
植本 誠一郎
出版者
色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.401-407, 2002-08-20
参考文献数
16
被引用文献数
1
著者
森 寛爾
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.123-127, 2013-04-20 (Released:2013-07-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

水酸基含有アクリル樹脂とイソシアネート硬化剤の混合物をモデル塗料として,140℃での硬化にともなう粘弾性変化を振り子式粘弾性測定装置で,反応率の変化をIR分析でそれぞれ測定した。その結果,相対貯蔵弾性率はS字型の変化を示し,イソシアネートと水酸基の反応は,初期の下に凸である部分では網目構造の生成とともに鎖延長反応にも費やされ,これに続く上に凸である部分では架橋生成のみに費やされると考えられた。このうち上に凸である部分では相対貯蔵弾性率とイソシアネートの反応率とは直線関係であった。このことから,塗膜の貯蔵弾性率は架橋密度に比例することがわかった。これはまた,振り子式粘弾性測定装置によって硬化中の架橋密度変化を実時間で観測できることも意味する。また架橋密度の増加に寄与しない反応が樹脂分子量から計算される理論値よりはるかに多いことがわかった。
著者
在田 正義
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.396-402, 2000-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
15
著者
高橋 誠一
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.582-588, 1966-12-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
65