著者
西 慎一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.5, pp.1138-1144, 2014-05-10 (Released:2015-05-10)
参考文献数
10

腎前性急性腎障害(acute kidney injury:AKI),特に敗血症性AKIではエピネフリンとバゾプレッシンが腎機能保護に有用であることが指摘されている.心腎連関に伴うAKI,急性心不全に伴うAKIでは,トルバブタン,hANPが腎機能保護に有効であることが報告されている.しかし,そのエビデンスは少なく,現在トルバブタンでは大規模介入試験が進行中である.造影剤誘発性AKIも含む腎性AKIにおいては,残念ながらAKI発症後の治療薬として有効なものはない.AKIの治療薬として,抗酸化薬などを中心に新たな治療薬の可能性が研究されつつある.
著者
古西 満 善本 英一郎 三笠 桂一 成田 亘啓
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.2234-2239, 1998-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
7

敗血症の臨床像は患者の基礎疾患で異なり,ショックや播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した症例は予後が不良で,敗血症治療時には合併症治療も行なう必要がある.敗血症性ショックの病態は末梢血管拡張と血管透過性亢進とによる循環障害で,治療の基本は体液補正である.敗血症によるDICは線溶抑制型で,より臓器障害を起こし易いので積極的な治療が求められる.したがって感染症治療時は原因治療とともに全身管理が重要な課題となる.

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.News6-News6, 2014-06-10 (Released:2015-06-10)

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.News6-News6, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.News3-News3, 2014-03-10 (Released:2015-03-10)

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1, pp.News1-News1, 2014-01-10 (Released:2015-01-10)
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.News11-News11, 2013-11-10 (Released:2014-11-10)

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.10, pp.News10-News10, 2013-10-10 (Released:2014-10-10)
著者
田子 久夫
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.1536-1540, 2005-08-10

痴呆には脳の病気以外にも数多くの問題が関与しており,生活機能障害をきたしている.当然行き届いた対策が求められるが,これを一カ所の施設でこなすのは困難である.そのため,諸機関の連携が課題となってきており,チームワークを有効に生かすことでむだな負担が軽減され費用の節約も期待される.連携の窓口ならびに中心には,患者の日常生活を把握しているかかりつけ医などの実地医家が位置することになる.これらの医師は連携を統括するためにも,痴呆に関する基本的な知識をあらかじめ身につけておく必要がある.
著者
吉井 昭夫 北村 磨知子 古明地 智 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1380-1387, 1981-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

多発性筋炎や皮膚筋炎(PM-DM)における問質性肺病変は,近年注目されてきたが,その病態はほとんど不明である.そこで本症の間質性肺病変の病態を臨床的ならびに免疫学的に解析した.なお,肺の間質性肺病変は厚生省肺線維症研究班・診断の手引きを用いて抽出した. 1)間質性肺病変は29例中15例(52%)にみられ, overlap群を除いた24例については11例(46%)に認められた. 2)間質性肺病変はその出現様式で2群に分けることが出来た,すなわち,肺病変が筋炎とほぼ同時期に発症したもの(5例),遅れて発症したもの(5例)および不明1例であつた.前者ではステロイド療法で肺病変が改善したものは, 4例中3例であつたのに対し,後者では改善例が1例もみられなかつた. 3)肺病変有り群は無し群に比べ, %VCおよびDLco値は低下していたが,肺病変無し群でも半数例以上は異常値を示した. 4)肺病変を有するPM-DMは,関節症状,心症状などの出現頻度が高く,多臓器障害性の性格がみられた.しかし,間質性肺病変と筋炎の程度との間には,相関は得られなかつた. 5)抗核抗体を家兎胸腺抽出物を抗原とし,二重拡散法で検索したところ, Tk抗体(Jo-1抗体)が肺病変群の36%に検出され,無し群では全くみられなかつた.したがつて,本症における間質性肺病変の発症に免疫学的機序の関与が推測された.
著者
松村 理司 金地 研二 小橋 良太郎 塚本 祐己 佐藤 泰吾
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.1593-1594, 2002-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

症例は20歳と21歳の男性.腹痛と貧血があり,当初消化器疾患が疑われた.しかし,職業歴と末梢血塗抹標本での好塩基性斑点から鉛中毒が疑われ,確定診断に至つた.

1 0 0 0 OA 8.成人Still病

著者
山口 雅也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1577-1582, 1993-09-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
7
著者
長澤 浩平
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.2460-2466, 2010-10-10

成人発症Still病(adult onset Still's disease:AOSD)は,高熱,多関節痛,皮疹,高度の炎症反応,及び血清フェリチンの著増などを特徴とする全身の炎症性疾患で,病態形成にはIL-18を初めとする炎症性サイトカインが深く関わっている.治療はステロイドを中心とするが,重症例にはシクロスポリンやメトトレキサートなどの免疫抑制薬,さらには生物学的製剤の使用が必要となることがある.<br>

1 0 0 0 OA 1.成人Still病

著者
山口 雅也 大田 明英
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.1771-1774, 1991-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

成人Still病は,関節疾患としてよりも熱性疾患としてその存在が注目されている.今回はその診断および鑑別診断に重点をおいて解説した.分類基準は,大項目として, (1)発熱, (2)皮疹, (3)関節痛, (4)白血球増加,小項目として(5)咽頭痛, (6)肝機能異常, (7)RFとANA陰性, (8)肝脾腫またはリンパ節腫脹,の計8項よりなり,これらのうち5項目(大項目2以上を含む)以上を満たす症例を成人Stil1病と分類する.
著者
二木 功治 西尾 和三 會田 信治 岡林 賢 中野 泰 竜崎 崇和 大曽根 康夫 鹿住 祐子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3637-3639, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
5
被引用文献数
3 7

症例は64歳,女性.咳嗽を主訴に近医受診.胸部CT上,多発小結節影および気管支拡張像が認められ,当院紹介受診した.気管支洗浄液にて抗酸菌陽性となり16S rRNAおよびrpoB遺伝子の相同性からMycobacteruim shinjukuenseと同定された.本菌株はTranscription Reverse-transcription Concerted method(TRC法)で結核菌群偽陽性を示した.クラリスロマイシン,リファンピシン,エタンブトール3剤併用療法を開始し,画像所見および自覚症状の改善が得られた.
著者
中尾 喜久 佐藤 茂秋 内村 英正 三浦 恭定 藤岡 成徳 衣笠 恵士 今泉 真澄 武藤 徹一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.246-251, 1968-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

トロトラストによる遅発障害は,肝硬変•胆管癌など,肝を中心としたものがかなり報告されているが,血液疾患を来たした例は少ない.われわれはトロトラスト注入後22年目に発症したと思われる赤白血病の症例を経験したので報告する、症例は59才男で,昭和19年に左大腿動脈よりトロトラストによると思われる血管造影術を受け,昭和39年ころよりパーキンソン症候群が出現し, 41年当科を訪れて高度の貧血と後に末梢血中に幼若細胞を発見され,骨髄所見などから臨床的に赤白血病と診断され,同時に腹部X線像で異常陰影があり,ヒューマンカウソター,オートラジナグラフィーでトロトラスト沈着が確認された.剖検でも脾•リンパ節•骨髄•肝にトロトラスト沈着が発見され血液細胞の異型性,各臓器への細胞浸潤などから病理学的にも赤白血病と診断され,放射能を持つトロトラストと赤白血病発症との関係が問題となつた.
著者
千葉 哲矢 石塚 豪 尾形 剛 但木 壮一郎 藤田 央 山口 展寛 尾上 紀子 田中 光昭 篠崎 毅 菊池 喜博
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.3522-3524, 2012-12-10
被引用文献数
3

68歳男性,糖尿病性ケトアシドーシスで入院,亜急性前壁中隔梗塞を合併していた.第116病日に左前下行枝の慢性完全閉塞病変に対しエベロリムス溶出性冠動脈ステントを留置したところ,術後13日目より発熱,咳などの症状が出現.胸部単純写真,CTでは間質性肺炎所見を呈した.種々の検査所見から心不全,感染症,悪性腫瘍などは否定的で薬剤性間質性肺炎と診断した.内服薬はすべて4カ月前に処方されたものを継続していたため,2週間前に新たに植え込んだエベロリムス溶出性ステントの可能性を最も疑った.ステロイドの治療により比較的速やかに改善した.<br>

1 0 0 0 OA 橋本脳症の1例

著者
太田 敬之 山岡 博之 古川 安志 下村 裕子 中野 好夫 若崎 久夫 古田 浩人 西 理宏 佐々木 秀行 南條 輝志男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.1375-1377, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
9

症例は68歳,女性.画像診断で異常を指摘できない意識障害を認めた.橋本病の存在から橋本脳症を疑い,血清抗N末端α-enolase抗体陽性であった.橋本脳症は抗甲状腺抗体に関連した自己免疫性の脳症と考えられており,多彩な神経症状を呈する.原因不明の脳症を診た場合は,本症を考慮することが重要である.比較的まれな疾患である橋本脳症の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
山田 研太郎 村尾 茂雄 吉田 秀雄 中島 敏夫 吉井 町子 木村 正治 吉岡 寛康
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.1007-1011, 1981
被引用文献数
3 10

非寄生虫性脾嚢腫は希な疾患であるが,今回我々は副脾から発生したepidermoid cystの1例を経験した.症例は51才,男性.下腹部痛のため来院し腹部単純撮影で左下腹部に環状の石灰化像を認めた.疼痛は速やかに軽快したが精査のため入院.下腹部に軽度の圧痛を認めるも腫瘤は触知せず.臨床一般検査ではγ-GTPの軽度上昇以外著変なし.経静脈性腎盂造影法(IVP)で腎孟腎杯の変形なし.上部消化管透視では腫瘤は胃体部の後方に位置した. CT-scan,超音波断層で膵尾部に嚢腫を認め,血管造影で伸展した大膵動脈分枝が見られた.膵嚢腫の診断で開腹.膵尾部から突出した直径約6cmの嚢腫を認め,膵尾部・脾臓とともに切除.内容は乳白色の液体で,寄生虫,毛髪,細菌を認めず.アミラーゼ・リパーゼは低値であつた.病理所見では嚢腫壁内に脾組織の薄い層が存在し内腔を重層扁平上皮様細胞がおおつており副脾のepidermoid cystと診断した.脾epidermoid cystの成因は明らかでないが,本例では重大な外傷の既往はなく迷入組織から発生したと考えられる.脾epidermoid cystは若年者に多く石灰化は希とされている.本例の石灰化は比較的高年令であることによるものであろう.副脾は10%以上の人に存在するが検索しえた範囲では嚢腫発生の記載はなく,本例が第1例と考える.
著者
加藤 俊一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1978-1982, 1997-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
7

臍帯血中には骨髄中の造血幹継胞に匹敵する造血幹細胞が多数含まれ,その増殖能力は骨髄造血幹細胞を凌ぐものであることが示されている.一方,臍帯血中のリンパ球は成人梢血リンパ球に較べ,非自己認識と異物処理能力が未熟であるため,造血幹細胞移植に際してはgraft-versus-host (GVH)反応が軽度となる特徴がある.このような臍帯血細胞の特徴に着目し,臍帯血幹細胞を用いた造血幹継胞移植が行われており,骨髄移植や末梢血幹細胞移植などと同等の成果がえられ始めている.同胞間臍帯血移植は200例程度,非面縁者間臍帯血移植は500例程度行われており, 1~2×107/kg.以上の有核細胞が移植されれば生着が可能であり, HLAが異なるドナーからでもGVH病の合併は軽度であることなどが報告されている.非血縁者間での臍帯血移植を実施するための臍帯血バンクが各国で設立されており,今後は骨髄バンクとならんで非血縁者間での造血幹細胞移植を推進するシステムとなることが期待されている.